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  カナリア     (偃月さんのレビュー)     評価: 6.5 
▼ タイトル カナリア 〜この想いを歌に乗せて〜
▼ ブランド FrontWing
▼ ジャンル AVG
▼ 対応OS Win95/Win98
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2000/08/04
▼ 必須CPU / 推奨 Pentium133 MHz / PentiumMMX166 MHz
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 16 MB / 64 MB
▼ 解像度 / 色数 640*480・ハイカラー以上
▼ 音源 CD-DA



Soft Information - ソフト情報 -

OP曲
:
カナリア
     
ED曲
:
(エンディング毎に異なる)
     
総プレイ時間
:
12.5時間
 
原画
:
片倉 真二 [ Site ]
     
シナリオ
:
桑島 由一
     
音楽
:
上松 範康
     
CG回想
:
     
シーン回想
:
×
     
音楽回想
:



Outline - あらすじ -

両親の仕事の都合で、四国の小さな街に引っ越してきた主人公。

知り合いの新城楽器で出会った少女二人に心惹かれながら、彼の高校生活が始まる。

ギターが好きな主人公は、学校にあった軽音楽部に所属することになった。

軽音楽部に所属した彼は、人並みの学園生活を送る。

しかし、親父の発言から、その生活は脆くも崩れ始める。

やがて・・・夏が始まろうとしていた・・・



Scenario - シナリオ -

四国の小さな街で繰り広げられる、バンドを愛する人達を中心とした、ほろ苦い純愛物語。

ストーリーの前半は、共通のパートが多いです。

ただ、非常に印象深いのはストーリーの明るさ。
他の作品と比べても、かなり高いセンスと面白さを感じます。

キャラクターの持つインパクトの強さには驚かされました。
従って、一度目のプレイの時点では非常に楽しむ事が出来る作品だと思います。

物語はバンドを中心として展開し、楽器・音楽が話の全体を握っていく感じ。

バンド、楽器、音楽を通して始まる恋。
こういう言葉がこの物語には似合っているのではないかと思います。

悲しみや苦しみが伴った初々しい恋の物語。
やがて、物語はシリアスな展開を迎えます。

シリアスな展開になるのは、物語の本当の最後の部分。
物語の途中途中には、特定のルートのイベントと共通のイベントが混ざり、物語に矛盾点が生じる場面も多い事があります。

恋愛に鈍感な主人公がみせる恋模様。
この作品では、そこがなかなか良かった所でもあります。

前半部分での非常に明るくインパクトの強いキャラクター。
それが一転してシリアスな場面で見せる姿。

この大きな差が、エンディングに近付くにつれての印象を強めてくれた気がします。
物語のインパクトが強くなるのもそのおかげだと思いました。

物語の佳境。

主人公の告白、女の子の告白。
物語が一番盛り上がるイベントでは、それぞれの台詞、心の描写が印象に強く残ります。

良くあるただの告白ではなく、とても表現の上手さを感じる台詞、そして物語の魅力に改めて気付かされます。
一言一言の心に染みる台詞。

エンディングは各キャラに1つずつ。
基本的にはHappyな感じで終わるのですが、少し悲しいエンディングも存在します。

キャラ毎のルートに入ってしまうと、エンディングの大方の予想がついてしまいます。
しかし、それを凌駕するだけの魅力ある展開には見物。

あまり現実離れしていないエンディングには、共感を覚える部分も多いのではないでしょうか。

よって、エンディングには満足しています。

Hシーンに関しては、純愛物のシナリオならではの薄さ。
これは期待している物ではないので納得。

テキストの表現もそれ程濃くはありません。
ただ、Hシーンになると自分でどこを責めるかを選択できる仕組みになっています。

全体的には満足できるシナリオ。

魅力的なキャラクターには文句無し。
かなりインパクトは強烈。

共通シナリオが多い点、ゲーム内で無駄な日数が多い点。
この二つの点が違っていたら、作品自体の評価ももっと上がっていたかもしれません。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

BGMはCD-DA。

曲数は32曲。
ストーリーの長さから考慮すると十分な数。

ゲーム自体の雰囲気にも現れているように、明るい曲が多いです。
他にはシリアスな曲がある程度。

ヴォーカル曲が7曲と多い事が特徴。

● PickUp
No.01 カナリア
No.07 ずっと近く
No.08 Rubber sole
No.09 Inside possion
No.19 Feel
No.27 シールド
No.28 ナニカ

曲数は32曲と多いですが、いまいち印象に残るような曲は多くありませんでした。
曲数が多い点は評価できる所。

全体的にギターの音が良く聞こえますね。
ポップロックのような曲調が多い感じ。

7曲もあるボーカル曲ですが、上手いと言える曲はあまりありませんでした。

強いて挙げるならば、No.01, No.27, No.28の3曲。
歌自体は上手いとは言えませんが、曲調と歌詞が良い所。

他のヴォーカル曲は全体的にあまり良くありませんでした。

声優さんの演技は上手いと感じました。
キャラ毎の特徴がよく現れているように感じましたし、声とイメージも合っていました。



Character - キャラクター -

原画は片倉 真二さん。

強烈なインパクトを与えてくれるキャラクター達。
今回の紹介は、ちょっと文章量が多め。
若干ネタバレに近い所あり。

● 佐伯 綾菜
主人公と同じ学校の軽音楽部所属のギター担当。
ちょっと惚けた感じの性格だが、勉強は凄く出来る。
そんな彼女の手の中には、いつも壊れかけの古ぼけたギターピックが一枚。
兄の死、衝撃の事実を知らされた主人公。
しかし、彼女の本当の苦しみ、そして悲しみにはさらに隠されていた物があった・・・

● 片桐 美香
主人公と同じ学校の軽音楽部所属のドラム担当。
自宅の家業はうどん屋をやっていて、彼女は家業の手伝いなどもしている。
悪戯っぽい性格をしていて、同軽音楽部の良太とはいつも絡み合っている。
優しく接してくれる主人公に、次第に心動かされていく彼女だが、その想いは別の所にも向けられているようだった。
そして、それは次第に彼女自身の中での葛藤となっていく。

● 八朔 絵里
主人公の妹。兄の事を心から信頼している。
舞台となる四国の町に引っ越してきて以来、彼女の行動に微妙な変化が生じるようになった。
兄に対して妙に挑発してきたり、兄の恋人のことを質問して来たり・・・
そんな彼女の行動に戸惑い、ついに彼は絵里の事を叱ってしまう。
絵里は兄の怒りに触れて家を飛び出し、雨の中をただ座り続け、風邪を引いてしまう。
そして、寝こんだ彼女の寝言から、彼女の行動の理由が明らかになるのだった・・・

● 茅ヶ崎 めぐみ
琴平商店街で弾語りをしている性格が馬鹿な女の子。 しかし、その正体はアイドルの卵。
グラビアの撮影から脱走してきた彼女は、東京へ帰るためのお金を溜めるために弾語りをしている。
ギター、そして音楽を通しての主人公との会話。
そこから生まれた想いは、彼女を街へと繋ぎ止める程に大きな物となっていった・・・
しかし、やがてその日々にも終わりが訪れようとしている・・・
一番お気に入りのキャラクター。

● 新城 千秋
主人公の従兄妹のお姉さんで、家は新城楽器という楽器店を営んでいる。
主人公や絵里に対しては非常に優しく、まさにお姉さんという存在。
久しぶりの再会、この街にいた時には気付かなかった想い。 主人公は彼女に恋をしている事に気付く。
意を決して告白する主人公だったが、彼女に断られてしまう。
断られた理由に納得出来ない彼は、軽音楽部の部長から彼女の過去について知らされる・・・

● 矢萩 せな
主人公の担任の先生の娘。 若干4歳にして、既に女を語る。
4歳にもかかわらず、その口ぶりはまさに女。
ただし、本来の4歳児が喜ぶような物には非常に弱い。
その手の物が目の前に来ると、その口ぶりも4歳児のものに変わる。
インパクトが強烈過ぎるキャラクター。

● 主人公
四国の街に引っ越してくるという設定。
趣味はギターで、勉強よりもギターが好きな奴。
恋愛事には鈍感で、ゲーム内でも少し歯がゆい場面を見せる。
性格的にはなかなかいい奴という印象を受けた。
全体的な印象はなかなかいい主人公の設定。



Graphics - グラフィック -

立ち絵のCGは数種類。
全体的な塗りはアニメ塗り。

綺麗と手放しでは喜ぶことは出来ませんが、特に不満はありませんでした。

イベントCGの枚数は約80枚弱ぐらい。
ストーリーの長さから考えると丁度良いぐらいだと思います。

こちらの塗りに関しても同様で、アニメ塗り。

ただ、1つ気になる点は、立ち絵とイベントCGでのキャラクターの差。
立ち絵の雰囲気は好きなのですが、イベントCGになるとバランスが崩れる感じがします。

同キャラとは思えないようなイベントCGもありました。

背景に関しては、若干精細さに欠けているように感じます。
それでも特に不満は無し。

やはり立ち絵とイベントCGでの差がある所が気になります。
ただ、全体的には満足しました。



System - システム -

全体的な不具合は特に無し。
動作も比較的快適で、特に問題はないと思います。

ただ、修正ファイルが出されているので、ダウンロードする事をお薦めします。

ゲームはADVパートと移動パートに分かれています。

ADVパートでは特に問題はありません。
選択肢の難易度も特に難しくありません。

ただ、所どころに時間制限のある選択肢が混ざってきます。

セーブ可能数は10ヶ所。
難易度・ゲームの長さを考えると少なめだと感じます。

スキップは強制スキップのみ。
読み飛ばし速度は遅めで、スキップしながら読めない事もありませんが・・・。

他の機能は、フルスクリーン切り替え、音量切り替え、文章履歴のみ。

機能的にはかなり少なめですが、一応必要な機能は揃っているので、特に問題は感じませんでした。

おまけ機能はCGモードと音楽モードのみ。



Total - 総評 -

うーん、あらすじが手抜きなのが顕著に出てますね^_^;
ちょっと忘れてしまいました・・・

※ネタバレが含まれる事があるので注意してください。

全体的に振りかえってみると、とても良かったと言える作品です。

面白い。
とにかく文書が面白かったです。

まず第1に、キャラクターが強い事。
本当に、どのキャラクターをとってもインパクトがありますね。

そんな中でも一番のお気に入りが「茅ヶ崎 めぐみ」
やっぱり彼女の台詞が良かったです。

物語の佳境、浜辺での台詞の一言一言がとても良かったです。

それと、恐ろしくインパクトの強い4歳児。
あれは・・・・・・凄い。

綾菜、あのエンディングはちょっと悲しかったかな・・・
その後、数年後にはどうなったのでしょうね・・・気になります。

うーん・・・どのキャラクターをとっても魅力的過ぎ・・・

話を元に戻して第2に音楽。

ヴォーカル曲が7曲というのは多いですね。
でも、どの曲もそれ程凄くは無いという点が驚き。

もうちょっと、どうにかならなかったのかな・・・
曲自体の雰囲気は好きなんですよね・・・

「カナリア 」とか「シールド」「ナニカ」なんて所の曲調、メロディーは好きなんです。
でもね、やっぱりボーカルというのは重要ですね。

勿体無い。
それが率直な感想。

でも買って満足でしたね。
あまりH重視じゃなくて、良い雰囲気のソフトをお探しの方にはもってこいかもしれません。

個人的には、カナリアの魅力に取りつかれ気味でした。




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Scenario
:
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70
Sound
:
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70
Character
:
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80
Grapchics
:
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60
System
:
■■■■■■■■■■■■
60
H
:
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35
Main3
:
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75
Total
:
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65