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  加奈〜いもうと〜   (HELL DIVERさん&偃月さんのレビュー)        評価:6〜10 
▼ タイトル 加奈〜いもうと〜
▼ ブランド D.O
▼ ジャンル ノベルアドベンチャー
▼ 対応OS Win95/98/
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 1999/06/25
▼ 音源 PCM、CD-DA
▼ ボイス あり



HELL DIVERさんのレビュー
Scenario - シナリオ -

 自分には“加奈”という名前の、2つ年の離れた妹がいる。
 加奈は病弱で、小さな頃から入院と退院を繰り返す毎日を送っていた。
 両親はそういった妹にかかりっきりになることが多く、幼かった自分にとって加奈は「自分から両親を奪う、憎むべき存在」でしかなかった。
 しかしある日のこと、家族で出かけたハイキングの最中に起こった事件がきっかけで、加奈に対する感情は変化した。
 「絶対に守ってあげなくちゃいけない、兄である自分が・・・」以来、あなたは幼い頃に誓った心のままに、妹である加奈を守り、そして彼女の幸せを祈っている。
  かつてあれほど加奈を大事にしていた両親が「過保護すぎる」と心配するほどに、大事に、大切に加奈を見守り続けている。

 そして加奈は、自分をずっと守ってきた兄の背中を見つめ続けてきた・・・。

 痛いほど感じてください・・誰かを大切に思うやさしさを・・・・。



Character - キャラクター -

藤堂 道隆
 本編の主人公。 対外的には平凡な学生で、友人付き合いも人並み。
 家庭では妹想いの兄で、幼い頃に妹の加奈が「壊れ物のように脆い」ことを肌で感じ、以降、彼女を過保護なまでに大切に守り続けている。

藤堂 加奈
 本編のヒロインで、隆道の妹。 病弱のため、入院と退院を繰り返す生活を送っている。
 いつも守ってくれる兄を頼りにし、また、慕っている。
 病院生活が長く、友達もいないためか人付き合いは苦手で、一緒の時は兄の背中につい隠れがち。

鹿島 夕美
 隆道のかつてのクラスメイト。
 かつて隆道は彼女に恋心を抱いていたが、小学校の時の事件をきっかけに、その感情は一変。
 以来、彼女を憎むようにしている。

近藤 美樹
 加奈の入院先の病院に勤める看護婦さんで、加奈の面倒をよく見ている。
 新米だった頃からベテランになる現在までずっと加奈の面倒を見てきたため、加奈を自分の妹のように可愛がっている(隆道はさしずめ弟)。



System - システム -

【 CG観賞モード 】         あり
【 エンディング観賞モード 】    あり
【 シーン観賞モード 】        なし
【 BGM観賞モード 】       あり
【 メッセージスキップ 】      あり
【 メッセー履歴機能 】       あり

『加奈』アップデートファイルがあります。

 上記参照・・・
 CG観賞モード BGM観賞モード エンディング観賞モード メッセージスキップ 有り
 読み返し機能もあるけど、Hシーン観賞モードはなし。
 セーブ数は30箇所・・・セーブ&ロードは随時OK!

 システムはビュジュアルノベル・・・「痕」形式やね^^;



Sound - 音楽・効果音・音声 -

<音声>
 無しで結構、この作品に声はいりません。
 これで十分です。

<音楽>
 音楽はCD−DA。 OPとEDはボーカル付き。
 しかも挿入歌まで^^;
 優しい感じに仕上がった曲が作品にとてもマッチしています。



Impressions - 感想 -

 生と死を正面から見つめた話題作。

 痛い!!ヽ(;´Д`)ノ

 涙腺のゆるいアナタ、ハンカチを片手にプレイして下さい。
 ぜ〜ったい泣けます、なぜならこの作品のシナリオが秀逸だからです。
 身内かそれに近い方が、このような状態に陥った経験がないと書けないと思うような細かい葛藤まで表現されているせいです。
 恥ずかしながら、私は想出し泣き出してしまいました。
 現在、廉価版が出ているので未プレイの方で『泣きゲー』ファンの方はプレイする価値があると思いますよ(因みにHは少なめです)。 
      
 10点満点で考えると、シナリオだけなら10点
 エロゲーとしては@¥*なので、6点ですな。


 おすすめキャラ:神咲那藤堂加奈でしょ、やっぱ。
 氷室さんから一言:「X箱に『加奈』で参入すると言う噂は本当なのでしょうか?。」







偃月さんのレビュー
Soft Information - ソフト情報 -

OP曲
:
白い季節
     
ED曲
:
あなたへ
     
CG回想
:
  
シーン回想 : ×
  
音楽回想 :
 
原画
:
米倉 けんご
     
シナリオ
:
山田 一
     
音楽
:
へちま
 
:
高橋 秀紀




Outline - あらすじ -

病弱な妹の加奈。
そんな彼女は、いつも両親に特別に扱われていた。

両親に特別に扱われ、あまり喋らない妹、主人公はそんな妹が嫌いだった。

両親と妹、そして主人公の4人は、ある日ハイキングをしていた。
そんな時、妹の加奈がいなくなってしまう。

両親も彼女を探しに行ってしまい、一人ぼっちになってしまう主人公。
妹の事は大嫌いだったが、彼は彼女を探しに動き出す。

歩き続けるうちに、川の近くで彼女を発見した主人公。
初めて兄らしい態度の行動を見せたその時から、二人だけの儚い時間が動き出した・・・

やがて、彼女の寂しさを知った主人公は、彼女の事を守って行く事を固く決意する。



Scenario - シナリオ -

病弱な妹と、彼女を守りつづけるお兄さんの話。
ジャンルは「泣きゲー」。

まず、ストーリーの最初から最後まで、飽きさせない展開だったのは好印象。
妹の幼少期から始まり、中等期、高等期と3つの時間に分けられて進められていきます。

一人の病弱な女の子の人生と、彼女につきっきりだった兄の幼い頃からの成長の姿を描いていく。
二人の時間の始まりから、終わりまで、その全てを表現しきったという感じでしょうか。

時代を三つに分けてあり、長い間物語を見つめているような感じがして、作品の雰囲気には入り込みやすいと思います。

そして、何よりも命の大切さ、儚さ、重さ、そして禁忌の恋。
こういうテーマに沿って、上手く物語が展開されていたと思います。

基本的にシナリオ全体のルートは二つに分かれています。
ある人と出会う事によって精神的な成長を達成するか・・・否か・・・

特にそれぞれのキャラクター達が見せる、心の葛藤の様子、それと台詞一言々々の重さ。
それも上手く表現されていましたし、何よりもこのシナリオの上手いと思った部分です。

主だったキャラクターは多くはありませんが、登場するキャラ全てが、物語にしっかりとした位置で関係していて存在感を感じました。
中でも、主要な二人の女性の存在感、魅せる行動には圧巻。

でも、主人公の行動を良く考えてみると、弱い女の子を守りたいって言う、いかにも男性的な物の考え方かも知れません。

エンディングは全部で6つ。

個々のエンディングの長さも結構長いので、一つ一つのエンディングを楽しめると思います。
結末に近付くにつれての雰囲気の盛り上がり方は上手いです。

エンディングを予想する事自体は、それほど難しくは無いのですが、そこまでの展開、それと、キャラに言葉が心にしみますね・・・
ですから、プレイする前はそう思っていた自分も、結局は楽しむ事が出来ました。

Hシーンについてですが、思ったよりは薄くは無かったです。
回数も2、3回ありましたし・・・二人だけですけど。

基本的には純愛物のHシーン。
別にマニアっぽい部分はありませんでしたね。

いかにも物語の演出として必要とされるHシーンだと言えると思います。
逆にHシーンが無かったり極端に薄かったりすると、雰囲気が壊れる気がします。

濃い薄いなどは関係なく考えても妥協できました。
でもまぁHシーンが濃い事に越した事はないんですけど・・・

全体的に最初から最後まで読める作品でした。
良く纏まっているように感じましたし、一般的には受け入れられるのでは無いでしょうか。

余りにも狙いすぎた感じがしないでもないですが、そこに納得できた上で物語の雰囲気に浸れるならば、恐らく大丈夫。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

音源はCD-DA。

曲数は全部で16曲。
ストーリーの長さと、展開を考えると少ない気がします。

曲調は明るい曲、シリアスな曲はカバーされています。

● PickUp
白い季節
Believe - つぶらな瞳 -
あなたへ
She was Weeping sadly
全体的にレベルは高め。
とにかく、切ない感じが伝わってくる曲が多いです。

ボーカル曲が3曲入っていますが、3曲とも歌唱力はいまいち。
曲調は雰囲気に合っていて良いと思うんですが。

効果音については特になし。

音声は入っていません。



Character - キャラクター -

原画は米倉けんごさん。

▼ 攻略可能キャラクター
● 藤堂 加奈
主人公の妹。
昔から人見知りの激しい性格で、いつも兄と一緒に過ごして来た。
昔から腎臓が悪く、幼少の頃から病院の入退院を繰り返している。
いつも一緒だった二人、しかし彼女の体調の変化と同じく、彼女の気持ちも・・・

● 鹿野 夕美
主人公とは小学校のときに知り合い、高校も同じ所に通っていた女の子。
妹の加奈とは対称的な性格をしている女の子で、非常に明るい。
小学校の時のある事件が切欠で、それ以来、主人公が一方的に嫌ったまま、時間が流れていた。
そして・・・高校生活最後の日・・・彼女のある告白を受ける・・・

エンディングのあるキャラは二人しかいませんが、両方ともかなり魅力的なキャラクター。
二人しかいないものの、その存在感は非常に大きい物がありました。



Graphics - グラフィック -

立ち絵の枚数は10数枚。
時代が3つに分かれているので、枚数は多めです。

塗りの上手さは並程度。
全体的な印象は良いものの、ジャギーが気になりますね。

イベントCGの枚数は82枚。
シナリオの長さ、量を考えると丁度良い位の数だと思います。

塗りについては印象は良いですね。
結構綺麗だと思います。

ただ、イベントCGと時代毎の立ち絵とのギャップがある部分が多いと感じました。

背景に関してですが、アニメっぽい背景ですね。
はっきりとした感じではなく、精細さはいまいち。

グラフィック関係に関しては、これといって凄みは感じませんでした。
標準的なレベルより多少上回るくらいでしょう。



System - システム -

ゲームシステムに致命的なバグはなし。
ただ、シナリオの後半になるとセーブが重くなる症状があります。

これは修正ファイルで解決されていますので、使用してからのプレイをお薦めします。
全体的な動作は比較的軽い感じ。

ゲームの形式は選択肢型のNOVEL。

選択肢の数は40ヶ所ぐらい。
難易度はそれ程高くはないです。

CGの回収も簡単です。

セーブ可能数は約30ヶ所。
難易度的に考えると特に問題は無いと思います。

スキップは既読スキップが可能。
スキップの速度は比較的早い方です。

画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードの両方に対応。
音楽関係の機能は、BGM、効果音の音量調整が可能。

メッセージ関係の機能はフォント変更、表示速度の変更、メッセージ履歴表示が可能。
画像表示関係の機能はエフェクトの調整、画面保存が可能。

おまけ機能は、CG回想、音楽回想、エンディング鑑賞、プロフィール紹介がついています。

全体的には、非常に機能が充実していて、特に文句はありません。
また、安定性も高めなので、これについても文句はありません。

修正ファイルを使用する事で、キーボードでの操作も可能になります。



Total - 総評 -

いやぁ・・・いい雰囲気のソフトでした。
まさに泣きゲーって感じでしたしね。

泣きを狙われているのを知りつつも、泣きを食らってしまったって所でしょうか。

でも、思いっきり涙するって程ではありませんでした。
思わずグッときてしまう事は度々。

やっぱり、音楽がいまいちだった気がしますね。
個人的に好きになれなかったのがボーカル曲なんですよ。

どうしても歌唱力とかが気になってしまって・・・

頭の中では認めようと思っても認められないんです。
やっぱり、歌とかっていうのは駄目だと思ったらとことん駄目、そう思います。

お世辞を使って誉めるのは簡単ですけど、やっぱり自分としてもそういうのは気分良くないですしね。
やっぱり、世間的に評価の高いものでも、自分が良くないと思ったら、それで通させてもらいます。

音楽に爆弾を仕込んであればね・・・凄い事になってそうですけど・・・

あぁ・・・でも結構切ないお話ですね。
病弱な人間を使っているのがなんとも現実味ですし・・・

それにしても・・・良く考えたら加奈って結構怖いかも。
主人公に関係する女性はとことん排除したそうなタイプに見えますし・・・

やっぱり自分とお兄ちゃんとの世界がお望みなんでしょうね。

とりあえず「泣きゲー」の世界では、かなり上位に位置する作品でしょう。




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Scenario
:
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Sound
:
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65
Character
:
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80
Grapchics
:
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65
System
:
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60
H
:
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40
Main3
:
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75
Total
:
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65