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  戒流の渦  ドクター迦楼羅さん&偃月さんのレビュー)         評価:4.5〜7 
▼ タイトル 戒流の渦
▼ ブランド ラジエル
▼ 対応OS Win98/Me/2000
▼ メディア CD-ROM6倍速以上
▼ 定価 \7,800
▼ 発売日 2001/08/10
▼ 必須CPU / 推奨 PentiumII 233 MHz
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 64 MB / 128 MB
▼ 解像度 / 色数 640*480・High Color
▼ 音源 PCM
▼ DirectX DirectX8.0以降



ドクター迦楼羅さんのレビュー
Scenario - シナリオ -

 人間とは別のユニコニアンと呼ばれる種族の青年がいた。
 青年は、ある事件をきっかけに幼馴染のフローラを喪い、そしてそのきっかけとなった人間を逆上して殺してしまう…。
 人殺しの罪、喪ったフローラへの想い、人間とは異なる種族である自分への人々の偏見に苦悩しながら青年は精一杯生きようとする。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

・音楽
 基本的に落ち着いた雰囲気の曲が印象的です。
 一番インパクトがあったのは、オープニングに流れる歌でしょうか。
 …いや、これを歌と言っていいのかどうかわかりませんが(^^;
 てゆーか、どこの国の言葉?(^^;
 # まあ、雰囲気は出ています。

・音声
 イメージはばっちり。 特に神父さんはイケてます(笑)
 最初、サヤの声はちょっと低すぎるんでないかい?
 と思っていたのですが、プレイをしてみて納得です。
 きゃぴきゃぴした声だと引きます(笑)
 演技的にも問題なし。 キレた演技もステキです(笑)



System - システム -

【 CG観賞モード 】    あり
【 シーン観賞モード 】   あり
【 BGM観賞モード 】   あり
【 メッセージスキップ 】  あり
【 メッセージ履歴機能 】 あり
【 セーブ 】        20箇所+クイックセーブ3箇所

 アップデートファイルがあります。 
 不具合のある人はきちんとアップデートしときましょう^^;

 オーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

 メッセージスキップは未読メッセージは飛ばせませんが、たまに飛びます(笑)
 ちなみに、既読メッセージ自動スキップはなくて、Ctrlキーを押すことによってスキップ動作になります。
 あと、メッセージ履歴表示機能はあるのですが、ちょっと使い勝手が悪いかな。
 マニュアルを見ないと、気付かない人もいるかも(笑)

 描画はWindow・フルスクリーン両対応。
 ただし、モードの切り替えはゲーム中には出来ず、起動時にどちらにするかを決定します。ちょっと不便ですね。

 動作の方は比較的軽快ですが、描画エフェクトをOFFに出来ないので、表示が若干遅く感じます。
 ゲーム中ではそれほど気にならないのですが、起動時とCGモードでかなり重く感じます。



Impressions - 感想 -

 話は、基本的に主人公が重い設定を背負っているので、そーんなに明るく楽しい感じではないのですが、でも前半部分は結構ほのぼのした感じで進んでいきます。
 主人公は基本的に真面目で暗いヤツなので(笑)、あんまりお茶らけた雰囲気にはなりませんけどね。
 ただ、リタが出てくるといきなりのーてんきな雰囲気になります(笑)
 # お笑い担当(笑)

 そして後半、各ヒロインの個別シナリオに入ってからは、一転重い展開に突入します。
 このメリハリはなかなかいいですね。
 物語にぐっと引き込んでくれる感じです。

 どのシナリオも綺麗にまとまっていて、設定なども上手く利用してあって、かなり楽しめました。
 特にクレアシナリオは、全然展開が読めなくて、「このあとどうなるんだろう」とドキドキしながら話を進めてました。

 そしてラストは…かなり衝撃的な終わり方でした…。
 話としてはかなり綺麗にまとまっていて、一応ハッピーエンドなのかも知れませんけど、私には辛かったです…。

 難点を挙げるとすれば、まず第一に難易度。
 キー選択肢を1つ間違えただけでエンディングにたどり着けなくなるうえ、どれがキー選択肢かが非常に分かりづらくなっています。
 バッドエンドになっても、どこが悪かったのかなかなか見当が付きません。
 選択肢の数はそれほど多くないので、何度かプレイしていればコツは分かってきますが、もう少し難易度は低めにして、話に集中させて欲しかったかな、と思います。
 # 2度ほど、教会に残らず旅に出てしまいました(^^;

 あとはやっぱりボリューム不足ですかねぇ。
 シナリオ1つ1つは確かにメリハリがあって充分楽しめるのですが、ワンプレイ2時間弱のシナリオが3本+? というのは、やっぱりちょっとだけ物足りなさを感じます。
 特に、一番思ったのは、「え? リタシナリオってないの?」ってこと(^^;
 これだけいい味だしてるキャラのシナリオがないというのは勿体ないですね。

 そして、細かいところで若干誤植があったりもしますが、まあさほど気になることもありません。
 生まれたての赤ん坊に髪の毛がふさふさ生えているのも気にしません(笑)

 まあ、それほど目立った欠点らしい欠点も見つからない、綺麗にまとまったゲームだと思います。
 新ブランドのデビュー作ということを考えると、充分すぎるほどの出来でしょう。
 若干のボリューム不足に関しても、値段が通常より若干低めに設定されていることを考えれば、目を瞑れる程度だと思います。
 次回作が非常に期待できます(^^)



Total - 総評 -

 あまりクセのない作品なので、幅広い人にお奨め出来るかと思います。
 ただ、基本的にちょっと重い話ですので、シリアスな展開が苦手な人には向かないかも知れません。
 どのエンディングも、明確なハッピーエンドではなくちょっと哀しい終わり方という感じですし。


 おすすめキャラ:クレア
 最後に一言:「サヤ、あの後どうなったんだ(T_T)」






偃月さんのレビュー
Soft Information - ソフト情報 -

OP曲
:
罪の流砂
     
ED曲
:
運命の素描
 
CG回想 :
  
シーン回想 :
 
音楽回想 :
 
原画
:
     
シナリオ
:
亜神風拾
 
:
つくよん
     
音楽
:
荒川 憲一



Outline - あらすじ -

ユニコニアンと呼ばれる種族の青年。
人間達は、彼らユニコニアンの力を狙って狩りを始めた。

やがて、主人公と幼馴染のフローラもその災禍に巻き込まれる。
人間との争いの中、主人公は誤って幼馴染のフローラを殺めてしまう。

そして、その切欠となった人間を殺してしまった。
彼は逃げつづけた・・・・・・意識が無くなるまで・・・・・・

やがて目を覚ましたとき、彼は小さな村の教会で看病されていた・・・

人間を殺してしまったこと、そして幼馴染を失ってしまった事。
その二つの罪に、彼は悩み苦しむ事になる。

果たして、彼の罪の癒されるときは訪れるのだろうか・・・



Scenario - シナリオ -

人間に襲撃され、戦う内に誤って幼馴染の女の子を殺してしまった事に深い罪悪感を感じている主人公(非人間)の物語。

全体的にプレイした後に感じた事は、いまいち盛り上がりに欠けるストーリーだったなという感じ。
ワンプレイにかかる時間もそれ程長くは無いですし、あまりのめり込む事が出来ませんでした。

全体的な世界観が感じられない点も上げられます。
描写されているのは、殆ど一つの教会内の事だけですので、社会情勢など、そういった事は伝わってきませんでした。

ワンプレイにかかる時間は約1.0時間。
全体的なテキストのボリュームにも不満あり。

一通りのストーリーのうち、約3分の1が共通パートになっているので、
残りの3分の2ではテキストの深みを感じるためには不十分ではなかったかと思います。

ストーリーのテンポはなかなか良いと感じたので、読み進んでいく上での苦痛などは特に感じません。
ただ、やはり何かこれといって印象に残るようなものを感じる事はないので、多少は疲れるかも。

罪の意識に苛まれている主人公ですが、実際はそれ程罪の意識を感じているのだろうか?
そう、思わせてくれるような事も多いですし、いまいちそれは伝わって来なかったというのが本音です。

キャラクターによっては、殆どその部分を感じない部分も多くありました。
それと、キャラクター達に強い個性を感じない点、それも否めないと思います。

個人的に良かったなと思う部分は「人間と非人間との関係改善を目指す」という展開にもっていかなかった事。
どうしてもこういう展開に持って行こうとすると説教じみたり、話がクサイ感じがするので苦手。

それと、展開についてもう一つ良かったと思う点。
それは「奇跡」を展開に盛り込まなかった所。

「非人間+超越的な能力」と来れば・・・奇跡は可能かな?
そう考えてしまいますが、あえて非人間であるにも関わらず、非人間の限界の部分を見せた所にも好感を持ちました。

Hシーンについては、各キャラ2回、ないし3回。
シーンの描写はそれ程濃くもなく、淡くもなく、標準の純愛物よりは少し濃いぐらい。

基本的にはノーマルなHシーンですが、
一箇所、凌辱している場面も出たりします。

エンディング数は全部で4つ。
バッドエンドを含めるともっと増えます。

基本的にはあまり素直に納得できないエンディングが多いです。
一見ハッピーなエンディングに見えても、必ずバッドな要素をもっている、そういう印象のエンディングです。

結局の所、あまり印象には残らない作品になってしまっているなと思います。
ストーリーの練り込み具合もあまり感じませんし、もう一捻り欲しかったですね。

登場する主要キャラが少ないというのもあるので、もうちょっと個々のエンディング数を増やすとか、
テキスト量を増やすとか、そういった点が工夫されていればもっと良くなった作品ではないでしょうか。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

曲数は全部で22曲。
ストーリーの長さから考慮して、丁度良い位だと思います。

曲調は全体的に暗めの曲の方が強く印象に残っています。

● PickUp
罪の流砂

OP曲の「罪の流砂」しか印象に残っていません。
他のBGMは、これといって特徴的な感じはしませんでした。

ただ、「罪の流砂」についてですが、歌詞がまったく分かりません。
音質が悪いのか、自分の耳が悪いのかは知りませんが、取りあえず曲自体は良かったです。

基本的には要所要所で的確な感じの配曲だなという印象をもちました。
しかし、曲調に差がありすぎるかな?と思う所も少々。

効果音については特になし。

音声はフルボイス。
若干あまり上手いとは感じない声優さんもいましたが、基本的には及第点ではないかなと。



Character - キャラクター -

原画は春さん。

▼ 主要キャラクター
● クレア
傷を負った主人公を発見し、父親である神父に教会で看病をしてくれるよう頼んだ女の子。
彼女の容姿は、自らの手で殺めてしまったフローラに瓜二つ。
普段は明るい彼女だが、実は病弱で、度々体調を崩す事がある。
度々体調を崩す彼女だが・・・その病状には何か奇異な物があった・・・

● フローラ
主人公と同じユニコニアンの女の子。
人間から襲われ、混乱の最中で死んでしまう。
既に死んでしまっている彼女だが、未だに彼女の魂は報われないでいる。
一番好きなキャラクター。
登場回数は少ないですけど。

● サヤ
教会の孤児院に引き取られている女の子。
普通の人間とは違い、目に鋭いものを持っている。
他人に干渉される事はあまり望まない性格で、いつも一人で行動している。
ある夜の晩・・・主人公は彼女を森の中で見かける・・・しかし・・・その姿は・・・

グレイス
主人公が助けられた教会のシスター。
教会内での家事の一切を仕切っている女性。
神、そして神父に対して非常に忠実なシスターだが、その瞳には・・・

全体的にあまり特徴的な印象を受けるキャラクター達ではないと感じました。
テキストの量もあまり多くは無いので、特徴的な部分を伝えきれていないのではないかと。



Graphics - グラフィック -

立ち絵のポーズの数は数種類。
塗り方は普通くらい。

若干ぼやけた感じがする点がありました。

イベントCGの枚数は42枚。
CGの枚数はストーリーの長さを考えると、少ないと思います。

イベントCGの塗り方は、全体的に綺麗。

背景に関してですが、あまり上手いとは感じませんでした。
一昔前のアニメの背景っぽい塗りで、それ程高いクオリティーを持っているとは思えませんでした。

画面効果に関してですが、画面の切り替えが遅く感じます。
フェードアウトの効果が遅いと思いました。

全体的な塗りは並、もしくは若干それより劣るぐらい。
印象としては、DOSゲーっぽい感じがする事がしばしば。

それと、立ち絵とイベントCGでのキャラクターの原画に微妙な違いを感じました。
どちらかというと、立ち絵よりもイベントCGのキャラの方が良かったと思います。



System - システム -

基本的にゲームシステムに致命的なエラーは無いようです。
ただし、一部機種などでは、動かない等の不具合がある様子。

動作は全体的に安定しているような印象をもちました。

ゲームの形式は選択肢式のADV。

選択肢の数は約15箇所。

難易度は高くありません。
簡単な部類に入ると思います。

セーブ可能数は20ヶ所。
難易度から考えても、十分な数字ではないでしょうか。

セーブ画面で、データの削除や移動が出来るのは特徴的な点。
それと、ノーマルセーブの他に、クイックセーブが3つ付いています。

スキップ機能は既読スキップのみ。
読み跳ばす速度はかなり速めなので、非常に快適な印象。

画面モードはウィンドウモードとフルスクリーンモードに対応。

その他の機能はBGM、音声、SEの音量調節、画面キャプチャ機能、メッセージ速度の変更がついています。
音声に関しては、キャラクター毎に切り替える事が可能です。

おまけ機能はCG回想、シーン回想、音楽回想の3つ。

基本的に機能については特に問題はないと思います。
もう少し改善された方が良いと思うのは、ロードにかかる時間の短縮でしょうか。



Total - 総評 -

このソフトを振り返ってみても、これといって印象に残るようなものがなかったソフトでした。

ソフトの持つ各要素について見ても、それ程特徴的な部分はありませんでした。

恐らく、大半の方は物足りなさを感じる作品だと思います。

これ以上は書く事がありません。




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Scenario
:
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45
Sound
:
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45
Character
:
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35
Grapchics
:
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55
System
:
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50
H
:
■■■■■■■■
40
Main3
:
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40
Total
:
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45