フーリガン (偃月さんのレビュー) | 評価: 6.5 |
▼ タイトル | フーリガン |
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▼ ブランド | FrontWing |
▼ ジャンル | 恋愛アドベンチャー+カードバトル |
▼ 対応OS | Win98/2000/Me |
▼ 定価 | \8,800 |
▼ 発売日 | 2001/11/22 |
▼ ボイス | 女性のみフルボイス |
Soft Information - ソフト情報 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Outline - あらすじ - |
日々の生活を普通に過ごしていた、ごく普通の男子学生である主人公。 そんな彼の身に、突如宇宙から襲ってきた謎のエネルギー。 そのエネルギーを受けた彼は、3つの体に分裂してしまう。 分裂した彼の前に現れたのは、一人の「正義のヒーロー」と二人の「巫女さん」、そして3人の「宇宙人」の女の子だった。 彼女達は、主人公に与えられた謎のエネルギーを巡って、戦いを始めてしまう。 突如人生の方向が変化してしまった主人公・・・・・・果たして彼の運命はどうなるのだろうか・・・ |
Scenario - シナリオ - |
ある日突然、宇宙から降ってきた謎のエネルギーと衝突し、個体が3つに分裂してしまった主人公。 主人公の得た宇宙からのエネルギーを目当てに集まってきた女の子達との恋愛や、分裂した自分との戦いの話。 ストーリー全体を6話に区切り、アニメのように「第○話」という風に分けています。 ストーリーは大まかに分けて3つの構成になっていて、それぞれ女の子達のグループによって分かれています。 具体的には、地球防衛隊シナリオ、巫女さんシナリオ、宇宙人グループシナリオといった感じです。 コメディ的な部分が売りなだけあって、前半のテキストはコミカルな感じでテンポ良く進んでいきます。 序盤からいきなりシナリオが分岐するという事もあってか、シナリオ全体での共通部分は少なくなっているように見えます。 ただ、伏線の方はしっかりとしているのかというと、やっぱり先程分けた通り、大まかには3つしか存在しません。 結局の所は、グループ毎に殆ど共通シナリオが存在するという事になります。 でも・・・メーカーには3つのテーマがあるって書いてあるからしょうがないのかも知れませんが。 また、全体を通して眺めてみても、ストーリー展開が似通っているという部分も挙げられます。 どのルートのシナリオについても、共通的なイベントが必ずキーとなって展開していくという事に関しては共通。 それと、3つのルート毎の扱いの差があるように感じるという事にも触れておきたいと思います。 エンディング直前での演出面もそうですし、Hイベントの演出にも差がでるのはどうかと思いますが・・・ ストーリーの「笑い」の部分ですが、笑いの壺というのは個人個人にそれぞれあるもので、声を出しては笑えませんでした。 コミカルなノリに共感できる部分はありますが、少し顔の筋肉が綻ぶ程度で、いまいちといった感じでしょうか。 エンディングについては、少しあっさりと小さく纏まり過ぎていて寂しさを感じました。 せめて、スタッフロールの後にでも、各キャラ毎にエピローグ的な物が欲しかったですね。 キャラクターについては、とても個性的な部分もあり、馴染みやすい部分がありました。 あまり展開に意外性のないストーリーでも、キャラクター性に引っ張ってもらった所は確かにあるような気がします。 Hイベントについては、各キャラにつき二回か三回。 ただし、本番まで至るのは一度しかなく、あとは本番の直前までで終わってしまう、おまけイベント程度。 Hの内容については、基本的には普通の純愛物程度だと考えてもらっていいと思います。 テキストの表現を見てもそれ程濃くは無いですし、他とは違う点といったらCGの枚数が多い場合に10枚弱と多めな所でしょうか。 それと、一部キャラに関してはアニメーションがあります。 アニメーションといっても、何枚かのCGを繰り返し連続表示しているだけで、少し違和感がありました。 全体的なシナリオの良かった所は、コミカルな流れで運びつつも、シリアスな流れには違和感無く乗せられている所。 悪かった所は、キャラ毎の演出に格差がある事、伏線が微妙に立っていない点、そして展開の意外性があまり無い所ですね。 それ程過度な期待をしなければ、普通に楽しめる作品だとは思います。 ただ、これを他の人に薦めるかと聞かれると、個人的にはちょっと薦められません。 他にも色々と気になる部分があったりするので、それは総評でまとめて書きます。 |
Sound - 音楽・効果音・音声 - |
BGMはCD-DAで34曲とかなり多め。 流石、音楽に力を入れているだけの事はあります。 ● PickUp [ ポワゾン ] [ 黄昏色の心 ] [ 沈む藍 ] [ ジェノサイド ] [ 空へ ] [ フーリガン ] 物語の流れ同様に、コミカルな曲調とシリアスな曲調が大半を占めています。 個々の楽曲のレベルは高めですが、個々が非常に短く、中途半端な感じがします。 音色がなかなか綺麗ですし、アップテンポでノリの良い曲も揃っていますね。 やっぱり、一番印象に残った楽曲は [ フーリガン ] 串田アキラ氏の歌声がパワフルです。 効果音の種類は非常に多めです。 こういう点からも、この作品から拘りみたいな物を感じます。 音声は女性キャラクターのみフルボイス。 なかなか演技も上手なので、とても満足できます。 |
Character - キャラクター - |
原画は八宝備仁さん。 ● 東郷 ひろみ [ トウゴウ ヒロミ ] 主人公と同じクラスの女の子で、ごく普通の感じだが、少しドジな所がある。 普段は普通の学生だが、実は「勇者革命トライガーン」という正義のヒーローの顔を持つ。 正義のヒーローとは言ったものの、平穏な日常においては、只の便利屋さんのような感じ。 ただ、そんなに頑張っている彼女だが、とても貧しい生活を送っている所は不憫な所・・・ ● 天羽 悠加 [ アモウ ユカ ] 天羽神社に住む姉妹の妹の方で、勝気な感じの女の子。 神社の家系の女の子なので、巫女装束で妖怪ハンターとして日夜戦っている。 ある日突然一緒に住む事になった主人公。 彼が加わった事で、彼女の勝気な心はどのように変化していくのだろうか。 ● 天羽 悠紀 [ アモウ ユキ ] 天羽神社に住む姉妹の姉の方で、おっとりとしておしとやかな感じの女の子。 妹と同様に、巫女装束で妖怪ハンターとしての日々を送っている。 主人公が家に来るまでは殆ど男性に対しては意識してこなかった彼女。 やがて彼が来ることによって、二人の姉妹に微妙な変化が・・・・・・ ● ヴィクトリア・ネルソン 宇宙からやってきた3人組の一人。 傭兵という彼女の職業のせいか、あまり感情を表現する事が上手くない、クールな感じの女の子。 海外からの留学生という事で、主人子達が通う学園に転入する。 あまり表に感情が出せない彼女と、やがて徐々に距離が近づいていく二人だったのだが・・・ ● マルグレーテ・アルトゥーア 宇宙からやってきた3人組の一人。 小さな女の子に見えるが、実はアンドロイド。 海外からの留学生という事で、ヴィクトリアと共に学園に転入する。 誰に対しても優しい心を持っていて、人懐っこい性格。 ● オルガ・メンゲレ 宇宙からやってきた3人組の一人で、高飛車な天才科学者。 宇宙エネルギーを得た主人公を追って、地球に移動してくる。 町内の人間の記憶を書き換え、保険医として学園に勤務する事に。 自分が至高の天才科学者だと自負しているため、他人からの侮辱には抑えが効かなくなる。 個性的なキャラクターは、フーリガンの中でも売りの部分だと思います。 実際に、とても魅力的で、どのキャラも良く立っています。 一番好きなキャラクターは東郷ひろみ。 |
Graphics - グラフィック - |
立ち絵については大きさも丁度良いですし、線の処理もされているので綺麗です。 塗りについても全体的に丁寧さを感じますが、アニメ塗りなので評価が分かれる所。 イベントCGの枚数はCG回想に登録されるのが169枚で、さらにパターン違いなどが多く存在します。 全体的なHCGの割合は4割〜5割程度。 イベントCGの塗りもアニメ塗り。 ハッキリとした感じの塗りで丁寧さも感じますし個人的には好みですが、好き嫌いはそれぞれでしょう。 背景原画に関しては、なかなかの精細さを感じさせる部分もあれば、そうでも無い所もあって、まちまち。 色使いや塗り方のせいもあってか、やっぱりアニメっぽい感じがする背景でした。 他のソフトとは違う点は、ウィンドウ内をキャラクターの「コマCG」が動き回るという効果を使っている所。 表情が変わったり、攻撃のアクションを表現したりと、動的な感じの表現として使用されています。 ただ、これに関しては不満が残りまして、一つ一つのCGが寂しかったという事があります。 また、コマCGの動きに関しても、面白みに欠ける部分があった事を付け加えておきます。 全体的には綺麗な感じで質も高め。 ただ、コマCGの質等に関しては不満が残りました。 |
System - システム - |
全体的な動作は比較的重めで、音声関係の不具合が多発しているようですので、修正ファイルの使用をお薦めします。 自分の環境では、途中から音声が流れなくなるという不具合がありました。 ゲーム形式は選択式型のADVで、選択肢の数は約50ヶ所程度ですが、難易度的には特に問題はありません。 CG、シーンの回収ための行動もあまり必要ではなく、エンディングを全て集めるうちに大半を回収できるようです。 また、一部に「エアホッケー」と戦闘での「カードゲーム」もあります。 このミニゲームは両方とも少し安っぽい気がしますけど・・・・・・ セーブ可能数は10ヶ所。 難易度や分岐の数を考慮すると足りてる気がしますが、10ヶ所というのは少し少ない気がします。 スキップは強制スキップのみ。 スキップの速度もそれ程早くはなく、あまり快適とは言えません。 画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードに対応。 音楽関係の機能は、BGM、効果音、音声の音量調整、切換えが可能。 メッセージ関係の機能は、文字速度を3段階に変更可能で、オートプレイモードと文章履歴表示があります。 画像表示関係の機能はフェード速度のを3段階に切り替えが変更可能。 おまけ機能は、CG回想、音楽回想、シーン回想の3つ。 システム全体としては、セーブ数が少ない事と、音声関係での不具合が気になります。 最低限の機能は満たしてはいますが、動作面に関しては、いまいち信頼性に欠ける部分が残ります。 |
Total - 総評 - |
フーリガン。 結構色々と不満やら疑問が残った作品となりました。 というのも、あのアニメーションは一体何なのでしょうか。 何故一部にはアニメーションが用意されていて、他のキャラにはアニメーションが用意されていないのか、そこが疑問です。 Hイベントにアニメーションを入れるとか、コマCGを演出に使うとか、ミニゲームを入れるとか、非常に凝った感じのする作品。 しかし、何故最後まで徹底されていないのか、それが非常に残念な点として残りました。 何で一人だけ通常場面でアニメが使われてる場面があって、他には全く無いんだろうか。 これは仕様?それともスクリプトミス?と思わせてしまうシステム周りにも問題はありますが。 それはアニメーションについてだけ言えるのではなく、コマCGやミニゲームについても同様。 確かに、コマCGでの演出は効果的だと思いましたし、ミニゲームに関しても「ゲーム」としての楽しさを与えてくれました。 ただ、何が問題なのかと言うと、それはクオリティーの問題。 色々とゲームとしての楽しさを追求しているというメーカーの姿勢みたいなものは高く評価できます。 でも、最終的にはそれがどれだけ生かしきれているかという事ですよね? いや・・・実際のところ、カードゲームにしてもエアホッケーにしても、少し安っぽすぎる気がします。 ちょっと楽しめなかったなぁ・・・っていうのが率直な感想。 音楽の質も高いし、キャラクター性も高い。 後はシステム周りと、計画的な物だけが先行してしまって、クオリティーが低下している部分が良ければな・・・・・・ そう思わせてくれる、少し勿体無い部分の残る作品です。 |
0 20 40 60 80 100 | |||
Scenario |
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60
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Sound |
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Character |
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75
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Grapchics |
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75
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System |
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60
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H |
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45
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Main3 |
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70
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Total |
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65
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