| A | KA | SA | TA | NA | HA | MA | YA | RA | WA |


  僕と、僕らの夏     (偃月さんのレビュー)     評価: 6.5 
▼ タイトル 僕と、僕らの夏
▼ ブランド light
▼ 対応OS Win95/98/2000/Me
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2002/02/01
▼ 必須CPU / 推奨 PentiumII266 MHz
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 64 MB
▼ 音源 CD-DA
▼ 原画
▼ ボイス フルボイス



Soft Information - ソフト情報 -

OP曲
:
僕と、僕らの夏
     
ED曲
:
僕と、僕らの夏(Short)
     
総プレイ時間
:
9.0時間
 
原画
:
     
シナリオ
:
早狩武志 [ Site ]
     
音楽
:
樋口秀樹 [ Site ]
     
CG回想
:
     
シーン回想
:
     
音楽回想
:



Outline - あらすじ -

ダム建設が進み、水の中に沈む事を余儀なくされようとしている、ある村。
その村が沈むまでに残された僅かな時間の、最後の夏。

幼い時の日々、かつて住んでいた村に忘れてきた記憶、思い出、そして宝物。
それらが失われようとしている現実の中で、果たして彼らは何を見つける事が出来るのだろうか。



Scenario - シナリオ -

ダムに沈むのを目前に控えた村でのちょっぴり切ないストーリー。
幼少の頃に埋めた宝物を、果たして主人公は探す事が出来るのでしょうか。

ストーリーの雰囲気は田舎が舞台の純愛物といった感じ。
ダムに沈む過疎の村という事なので、大体の舞台設定の雰囲気を感じ取る事は出来るような気がします。

物語は典型的な純愛物でありますが、心理描写の良さ、キャラ視点の変化がある為、
最後まで飽きずに楽しむ事が出来ました。

ただ、「ギャグ」とか笑いの点に関して期待してしまうと裏切られるので注意が必要ですね。
敢えてそういった物は狙っていないようなので、そこは期待しないようにした方が良いでしょう。

キャラクターに関しては、全体的には至って「自然」であり、リアリティを感じます。
故意に作られたキャラクター性ではなくて、結構、実際の人間に近いような。

個人的にはキャラに対して現実の人間性を感じる所があったので、とても落ち着いて読める物語でした。
あまりにも人為的且つ奇怪なギャグを放つようなキャラは不自然すぎますし。

幼い頃には誰しもが持っていた、純朴な心、純粋な想い。
成長と共に失われていくそういった物がテーマに含まれているようです。

残念な点ですが、エンディング後のエピローグ的な物がありません。
本編終了、その後のエピソードがないと言うのは惜しまれます。

基本的には個々のキャラルートに入っても、他のキャラがしっかりと絡んでくる所には好印象。
設定上、全体的な流れが似通ってしまうのはしょうがないですが、それを感じさせないでくれます。

伏線がしっかりとしている所は良い点として挙げておきたいと思います。
ちなみに一番小さな女の子は攻略できませんのであしからず。

Hイベントについては、各キャラ毎に2回ないし3回で8個。
また、テキストの方については描写はそれ程ではない物の、テキストの量は比較的多めになっています。

Hの内容については、基本的には普通の純愛物程度だと考えてもらっていいと思います。
殆どがノーマルな内容になっていますが、一部レズシーンが含まれています。

HイベントでのCGの枚数は1枚〜3枚程度と区々。
CGの描写は殆ど濃くありませんし、精液描写等も殆ど無いに等しいです。

一応、作品の雰囲気もプラトニックな感じの作品なので・・・
Hイベントへの物語上での流れ、導入も自然な感じですし、所謂、必要性を感じるタイプのHイベントですね。

全体的にはなかなか満足できるストーリーでした。
視点が変わる事の面白さや、心理描写も良く伝わってきて楽しめる作品ではないかと。

ノスタルジックな感じの作品が好きな方、純愛系好きな方にはお薦め出来るかも知れません。
陵辱や鬼畜系好きな方にはちょっと無理ですね。

「お涙頂戴」な物語ではありませんが「本当の恋を見つける」というロマンチックな物語です。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

BGMはCD-DAで27曲と、曲数は比較的多めの数が用意されています。
ただ、全体の曲数が多い分、個々の楽曲の長さが短くなっているような傾向が見受けられます。

● PickUp
[ 僕と、僕らの夏(Brigde) ]
[ 慕情 ]
[ 真打登場 ]
[ 雫 ]
[ ほどけぬ糸 ]

落ち着いた雰囲気の曲が多めで、特徴的な楽器の音を使っている(ように聞こえる)からか、インパクトは多少あります。
また、全体的なレベルの高さはなかなか感じさせられるものの、個々の楽曲の短さが気になります。

主題歌についてですが、個人的に歌い手がイマイチ。
主題歌のボーカル無しヴァージョンの楽曲の方が聞き易いです。

効果音についてですが、「夏」という舞台設定の割には、「夏」を象徴する音が無い所が残念です。
視覚的(CG)には夏の情景を感じさせてくれる所がありましたが、その分、勿体無かった所でしょうか。

効果音の数は多かったんですが、優れた効果音での演出を考えると今一歩。

音声については、登場キャラ全てがフルボイス。
男性陣、女性陣、共になかなか巧いです。

● CV
市村貴理 - [ 秋本良子 ]
倉林有夏 - [ 草柳順子 ]
小川冬子 - [ 歌織 ]
和多田恵 - [ 綾瀬まゆ ]
旅館のおばさん - [ 長崎みなみ ]

音楽関係全体の感想としては、全体的な楽曲のレベルはなかなかの高さを誇っていますが、
個々の楽曲の短さで損をしているように感じたり、不満を持ってしまう所があります。

また、テキストの方では、作品の舞台設定に対する、なかなか良質なイメージを持つ事が出来たものの、
肝心の季節を象徴とした効果音が少なかった所が残念でならない点です。



Character - キャラクター -

原画家さんは笛さん。

● 市村貴理 [ イチムラ キリ ]
主人公の幼馴染でもあり、初恋の相手で、押しが強い所があるが、実際には少し引っ込み思案な女の子。
ファーストキスの相手でもあり、初恋の相手でもある主人公の事を想い続けている。
久々に再会した初恋の相手。
別れの時が刻一刻と迫る中、彼女の隠してきた想いは彼に通じるのだろうか。

● 倉林有夏 [ クラバヤシ アリカ ]
小柄な女の子で、主人公や貴理達の後輩にあたる女の子。
活発な女の子ではないが、過去に自分が苛められている所を助けてくれた貴理に対して想いを抱いている。
やたらと貴理に対して付きまとっている女の子。
果たして、彼女が貴理に対して向けている想い、それは「恋」なのだろうか・・・

● 小川冬子 [ オガワ トウコ ]
主人公達の先輩で、年長者としてとても頼りになる女性。
昔はガキ大将と呼ばれる程活発な女の子だったが、今では落ち着いていて大人の女性としての雰囲気を漂わせている。
特に誰に誘われた訳でもなく、夏の短い期間だけ、かつての故郷に戻ってくる。
主人公達の恋の相談にのったりと、とても頼り甲斐のある女性だが、彼女の隠し抱いている冷たい心は一体・・・

女性キャラクターはあまり多くありません。
その分、男性キャラを含めて、全体的にはインパクトを感じさせてくれるキャラが揃っています。

お気に入りのキャラは「小川冬子」
彼女がいなければ、この物語の評価は半減していたと思います。



Graphics - グラフィック -

立ち絵については線の処理もしっかりと施されているので綺麗です。
塗りについても全体的に丁寧さを感じますし、淡い感じの塗りが非常に綺麗。

イベントCGの枚数は54枚。
全体的なHCGの割合は4割強程度となっています。

イベントCGの塗りも非常に丁寧ですし、淡い感じの塗りが気持ちを和ませてくれます。
立ち絵と同様にとても満足の出来る彩色の出来なので、塗りに関しては特に不満点はありませんでした。

ただ、イベントCGになると体のバランスが崩れている所が若干見受けられます。

背景原画に関しては、なかなかの精細さを感じさせる絵が多めです。
精細さや彩色については特に不満はありませんが、遠近感が多少おかしい所がありました。

全体的にはとても綺麗な感じで満足の出来る仕上がり具合になっています。
バランスや遠近感等を挙げましたが、他にはこれといって強く不満に感じる所はありません。



System - システム -

全体的な動作速度は普通で、特に動作に問題があるようには感じませんでした。
特に異常が発生する事もなければ、強制終了になる事等もありませんでした。

若干気になるのが、名前変更が有効にならなかった点。
ほんの些細な事ですが、一応挙げておきます。

ゲーム形式は選択式型のADV。
選択肢の数は30ヶ所程度と、数自体は普通。

特に難易度に関しては難しいとは感じませんでしたが、CG回収が難しいかもしれません。

セーブ可能数は10ヶ所。
ストーリーはそれ程長くも無く、ワンプレイ2時間程度と並みの長さでしたが、10個という数には不満有り。

スキップは強制スキップのみで、スキップ速度はそれ程速くはありません。
画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードに対応。

音楽関係の機能は、BGM、効果音、音声の調整、切換え可能。
また、音声についてはキャラ毎に切換えが可能です。

メッセージ関係の機能は、表示速度の10段階切換え、文章履歴表示があります。
画像表示関係の機能はウィンドウの透過度の調整が可能。

おまけ機能は、CG回想、音楽回想、シーン回想の3つ。

全体的には不満が色々と残るシステムですね。
セーブの数が少ない、選択肢の所でセーブが出来ない、スキップが遅い。

これらの部分が改善されれば、使いやすいシステムにはなるのでしょうけど。
それでも、致命的なバグが無かったという事だけ良かったです。



Total - 総評 -

購入動機は「ノスタルジックな作品が好き」という簡単な理由から。
それ程期待はしていませんでしたが、なかなか満足できる作品でした。

シナリオも切なくなってしまう部分があったり、キャラの視点が変わる面白さ。
まぁ色々と楽しめる部分はありました。

設定は「良くあるパターン」のような感じはしますが、そこは気にしないと言う事で。
萌え要素もなかなかある(Hシーンに関して)ストーリーでした。

ストーリはなかなか良かったですし、音楽についてもなかなか良かったです。
ただ、残念なのが効果音。

やっぱり「蝉」とか「川のせせらぎ」とか、お決まりの効果音があっただけでも違ってきたと思います。
ただ、これは個人的に固定観念的な「ノスタルジック」と言う物を求めてるだけに過ぎないかも知れませんけど。

他の部分については総じてレベルは高め。
まぁシステムに関しては「使い難い」というのが印象として残りました。

セーブデータの足りない事足りない事、これには苦労させられました。
それと選択肢の場面でセーブが出来ない事も。

とりあえず、ヒットする人にはヒットする作品かも知れません。
個人的には好きな作品です。

エロを強く求める方にはお薦めできませんね。
ダムに沈むのを目前に控えた村でのちょっぴり切ない一夏のお話です。

んー、あらすじが微妙。




    0    20     40     60     80    100  
Scenario
:
■■■■■■■■■■■■■■■
75
Sound
:
■■■■■■■■■■■■■■
70
Character
:
■■■■■■■■■■■■■■
70
Grapchics
:
■■■■■■■■■■■■■■■
75
System
:
■■■■■■■■■■■■
60
H
:
■■■■■■■■
45
Main3
:
■■■■■■■■■■■■■■
70
Total
:
■■■■■■■■■■■■
65