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  Angelus-背徳の序曲-     (偃月さんのレビュー)     評価: 5 
▼ タイトル Angelus-背徳の序曲-
▼ ブランド ぷちDEVIL
▼ ジャンル サスペンス調教SLG
▼ 対応OS Win95/98/2000/Me
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2001/10/12
▼ 必須CPU / 推奨 Pentium166 MHz / Pentium200 MHz
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 32 MB / 64 MB
▼ DirectX DirectX7.0以上



Soft Information - ソフト情報 -

OP曲
:
予感
     
ED曲
:
(エンディング毎に異なります)
     
総プレイ時間
:
8.0時間
  
CG観賞 :
  
シーン観賞 :
  
音楽鑑賞 :
 
原画
:
安藤 智也 [ Site ]
 
:
AGT
     
シナリオ
:
けっと・しー
 
:
PD脚本研究室
 
:
エロガッパ
     
音楽
:
堀口貴史




Outline - あらすじ -

突然の恋人の死に対して疑問を持った主人公。
破れていた手記を受け取り、その死に対してさらに疑問を深く持つ。

恋人から送られてきた手記には、ある館の事が書かれていた。
恋人の死の真相を追究するため、館を目指す彼だったが、途中で力つきて意識を失ってしまう。

目が覚めた時、彼はある館の中にいた。
その館こそが、手記の中に書かれた館だった。

何時の間にか無くなっている手記、怪しい館内の雰囲気。
主人公は、恋人の死の秘密を探るために、暫くの間、この館に逗留する事を決める。



Scenario - シナリオ -

結婚の約束までしていた女性の自殺の真相を求め、魔女の館と呼ばれる館を目指す主人公。
その館の中で、毎夜襲ってくる「魔女の呪い」と呼ばれる欲望に駆られながらも、彼女の死の本当の理由を探るという話。

ストーリー導入部分から、あっという間に坦々と物語が進み、いきなり調教イベントに。
序盤からの強引過ぎる展開に、少し物語りに馴染みにくい所があったりします。

館を捜すために、必死な姿をしていた主人公。
しかし、館内での日常シーンになると、序盤での緊迫感が一気に喪失してしまいます。

序盤の適当な作りの展開から考えても、ご都合主義的に主人公の性格も変えてしまったのかな?
館内の雰囲気に馴染んでしまって、普通に生活しているような雰囲気へ。

適当な部分は他のキャラ達についても同様なことが言えて、描写の薄さが目立った所があります。
それと同時に、キャラが曖昧な感じにだったり、存在感の大きさはあまり感じなかったり。

物語全体のボリュームはあまり大きくありません。
サスペンス物として出すには、テキストの量から考えても不十分な感じがしました。

このソフトで一番致命的だったと思う点は、物語に論理的な矛盾が多いところです。
例えばイベント内で「ロケット」について深く会話したのに、その後の日常場面で「そのロケットは何?」といった感じ。

シナリオ全体に起伏がない事はしょうがないとしても、論理的な矛盾点の多さは少し目に余ります。
明らかに展開に即した物語構成が用意されていない証拠ですので、そこは悪い所。

結局の所、物語で面白い場面は特に無しですね。
緊迫感も何もなかったですし、サスペンスだったのかなぁ・・・?と思ってしまったり。

プレイ後の余韻も「疲労感」で塗りつぶされた感じがします。
読み物としての面白みは全くないと思います。

一応各ヒロインごとのシナリオ一つ一つは完全に独立していて、Trueで謎を明かす形になっています。
しかし、それも後の祭りといった感じで、既に物語を楽しめるだけの余裕は残されていませんでした。

H、調教シーンのテキストについてですが、調教以外のHシーンでのテキストは文章量が少なめ。
表現はそれ程濃い物ではなく、キャラの台詞、説明と、バランス的には半々ぐらいです。

CGの枚数は一つのイベントにつき1枚〜2枚程度。
回数は各キャラ8回程度と、一応の数は揃っています。

普通のHイベントでのテキストにはあまり不満は無かったのですが、酷かったのが調教シーンの方。
調教進行度の度合いによって少しずつ台詞も変わるのですが、大半が一緒だと言っても過言ではありません。

攻略の都合上、目標とするエンド毎に、ずっと同じ選択肢を選ぶことになると思います。
例えば愛撫なら愛撫を連続して選ぶのですが、何度も同じ文章が続きます。

そんな訳で、調教場面での疲労感や作業感がかなり凄い事に。
自分はファーストプレイの途中までも楽しむ事が出来ませんでした。

さらに追い討ちをかけるように、調教場面では一枚絵が全く出てきません。
画面中央に表示されるキャラが、調教の度合いによってポーズを変えたりするだけになっています。

調教の中身についてですが、8+1種類と一通りの責めは揃っています。
あまり趣向が偏った感じの物もなく、ソフトな調教物だと思ってください。

調教イベントの数についてですが、ワンプレイで多くて25回程度で、少なくても15回以上。
調教の結果が個別のエンディングに直結しますので、調教を避けられないのが辛い所です。

エンディング数は4×3+1個。
途中までの同時攻略は不可能なので、必然的に13回の最初からのプレイが必須となります。

中身の方ですが、サスペンス物としても、読み物としてもお粗末な物に。
13回プレイした後の脱力感は避けられませんでした。

全体的には、サスペンス物の割にシナリオのインパクトが希薄な点が気になります。
そのストーリー性の無さの上に、何よりも辛いのが調教。

調教にウエイトをおかれる方には絶対にお薦めできないソフトです。
Hシーンの方にもあまり期待をされない方が良い作品だと言えますね。

シナリオ重視の方にはもちろんお薦めは出来ません。




Sound - 音楽・効果音・音声 -

BGMはPCMで、曲数は15曲とまずまずな数。
それとは別にイメージソングが入っていますが、これはCD-DAで再生されます。

● PickUp
[ 予感 ]

それ程インパクトが強い曲が揃っている訳ではないので、強いて挙げるなら [ 予感 ] というOP曲。
[ despair of . . . ] というイメージソングもあるんですが、特にこれといった感想はありません。

全体的には明るい曲、暗い曲とカバーされています。
ただ、あまり印象に残るような曲があったかというと、それは全くありませんでした。

効果音については特に触れません。

音声は女性キャラのみフルボイス。
台詞の数も多いですし、演技の方は全キャラ共になかなか良かったと思います。

● CV
桜 里瀬 - [ 都 ほのか ]
桜 真帆 - [ 都 ほのか ]
緒方 蘭 - [ 神無月 ほのか ]
悠木 鈴 - [ 芹園 みや ]
鏡 摂那 - [ 北都 みなみ ]



Character - キャラクター -

原画は安藤智也さん。

● 桜 里瀬 - [ さくら りせ ]
館で働くメイドの一人。
優しい態度を見せるときもあれば、主人公を冷たくあしらう事も。
主人公が館に来たときから、彼の目的に対して何かと思わせ振りな発言をしてくる。
やがて、彼女の口から衝撃の事実が告げられる事に。

● 緒方 蘭 - [ おがた らん ]
館で働くメイドの一人。
普段は優しく、オープンな感じで接してくれるが、怒ると暴力を振る事がある。
主人公とは、お互いにからかいあいながらも、なかなか上手く付き合っていた。
信頼関係を築きつつある二人だったが、ある事から疑念を抱くことに。

● 悠木 鈴 - [ ゆうき すず ]
館で働くメイドの一人。
誰に対しても無邪気に接してくる、幼さが残る女の子。
何故この館に居るのか、それが不思議に思えてしまう程に天真爛漫な彼女。
しかし、彼女の明るさは自分自身の悲しみを塗りつぶすための物だった。

メインのキャラはこの3人。
キャラの性格や特徴からすると、印象に残るほど強い個性を発揮したキャラはいませんでした。

一番のお気に入りは [ 緒方 蘭 ] です。



Graphics - グラフィック -

若干大きめで目パチ付きの立ち絵は、ジャギーの処理もされているので線は綺麗です。
種類はあまり多くありませんが、塗りの方も結構綺麗な感じなので、不満点はありませんでした。

イベントCGの枚数は69枚と、調教物でHCGが多くなるから、CGの枚数も多いのかなと思えば、そうでもなかったです。
HCGとイベントCGの比率で見てみると、半々ぐらいの割合です。

イベントCGの塗りの方は、全体的にとても綺麗な感じ。
ただ、キャラのバランスが気になったり、塗りのムラがあったりする点が何度かありました。

背景は精細さにも欠けますし、存在感が非常に希薄な感じがします。
お世辞でも綺麗、上手いとはいい難い物がありますね。

それと、調教場面での全身像が表示されるキャラCGですが、キャラのバランスが良くなかった気がします。

全体的にはなかなか印象は良かったのですが、所々気になる点も残りました。
キャラの方は全般的に不満は少ないのですが、背景の大雑把さが気になります。




System - システム -

全体的な動作は軽く、特に動作に問題があるようには感じませんでした。
これといって不安に感じる点もなければ、強制終了する事など、異常をきたす事もありませんでした。

ゲーム形式は選択式型ADVと調教SLG。
館内を移動しながら、女の子と会話をして選択肢を選び、夜には調教をするといった感じです。

難易度はそれ程高めではありませんが、手間がかかる点が頭の痛いところ。
CG、シーン回収にも少し面倒が付きまといます。

セーブ可能数は10ヶ所。
分岐点はあまり多くありませんが、こつを掴むまでは心細い数です。

移動パートでしかセーブが出来ないというのは残念な所。

スキップは強制スキップのみ。
スキップ自体は速めですが、画面エフェクトを切らないとあまり速く感じないという欠点があります。

画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードに対応。
音楽関係の機能は、全体音量、BGM、効果音、音声の音量調整が可能。

メッセージ関係の機能はアンチエイリアス機能、表示速度の切り替えが可能。
画像表示関係の機能は画面エフェクトの調整が可能。

その他の機能は、キャラクターアニメーションの切り替えが可能。
おまけ機能は、CG回想、音楽回想、シーン回想がついています。

全体的には、機能に不自由する事がなかったので、セーブ関係以外の不満はありませんでした。
また、安定性も高めなのでこれについても文句はありません。

ただし、キーボードを使用しての操作範囲が限られている所は残念。



Total - 総評 -

原画家さんが好きなので買ったソフト。
つまり絵買いなので中身は殆ど気にしていませんでした。

それにしても、調教が面倒臭すぎます。
全部のエンディングを見るのにどれだけ面倒だったか・・・

調教場面での台詞にも不満ばかりが残ります。
同じ台詞ばっかりいわれても、こっちは全く面白くも何ともないです。

本当に何度も何度も同じ台詞ばかり。
台詞の使いまわしが激しすぎます。

それと、CGの枚数が少ないのも残念。
調教物なのでもっとイベントCGの枚数が多いんだろうなって思ってたら、30枚程度。

三人で割ってしまうと、一人あたり10枚。
いくらなんでも、これは少なすぎる気がしますが。

かなり面倒な調教をした後に見れるCGの枚数が10枚程度っていうのが、非常に辛いです。

それと、シナリオの軽さが更に追い討ちをかけるようにゲームを面白くなくしていました。
とにかくストーリーが滅茶苦茶・・・・・・

苦笑いしてしまうくらいに論理的な矛盾点が多くて・・・・・・

中身は殆ど気にしていなかったんですが、あまりの酷さに唖然。
とりあえず、絵買いはいけないなぁと改めて痛感。





    0    20     40     60     80    100  
Scenario
:
■■■■■■
30
Sound
:
■■■■■■■■■■
50
Character
:
■■■■■■■
35
Grapchics
:
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60
System
:
■■■■■■■■■■■■
60
H
:
■■■■■■■■■■■■■■
70
Main3
:
■■■■■■■■
40
Total
:
■■■■■■■■■■
50