雨あがりの猫たちへ (D-Bloomさん&偃月さんのレビュー) | 評価: 3〜4.5 |
▼ タイトル | 雨あがりの猫たちへ |
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▼ ブランド | Hook |
▼ ジャンル | シネマティックADV |
▼ 対応OS | Win95/98 |
▼ メディア | CD-ROM |
▼ 定価 | \8,800 |
▼ 発売日 | 2001/06/15 |
▼ 必須CPU / 推奨 | - / MMXPentium200 MHz |
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 | 32 MB |
▼ 音源 | CD-DA |
▼ DirectX | DirectX7.0以上 |
D−Bloomさんのレビュー |
Scenario - シナリオ - |
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「少女園記念日」…主人公、智美椋と加宮忍の通う名城学園には、そんな名前の記念日が定められていた。 それは、かつて不遇な事故で命を落とした人たちを慰霊する日。 そして、その事実を忘れんとするための、戒めの日。 〜マニュアルより抜粋〜 6月6日(少女園記念日当日)、智美椋、加宮忍、栄根亜紀の三人は名城学園内の少女園記念日慰霊碑の前で突然三人とも気を失ってしまう。 目が覚めるとそこは10年前の学園。 少女園記念日が定められるきっかけとなった事故は1週間後。 果たして三人は事故を未然に防げるのか…。 どうすれば元の時間へ戻れるのか…。 |
Character - キャラクター - |
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智美椋(ともみ りょう) 主人公の一人。 名城学園の男子生徒。 見かけのわりには常識人。 加宮忍(かみや しのぶ) 主人公の一人。 名城学園の男子生徒。 椋の友人。 新聞部に所属。 頭脳派。 栄根亜紀(さかね あき) ヒロインの一人。 名城学園の女子生徒。 椋、忍とは幼馴染。 冷静沈着で無口。 大野ひとみ(おおの ひとみ) ヒロインの一人。 十年前の名城学園の女子生徒。 明るく活発な性格。 江藤星花(えとう せいか) ヒロインの一人。 十年前の名城学園の女子生徒。 天然ボケ。 幸澄恵(みゆき すみえ) ヒロインの一人。 十年前の名城学園の女子生徒。 おとなしい性格。 飛鳥川友梨(あすかがわ ゆり) 十年前の名城学園の女子生徒。 わがまま、高慢、嫉妬深い。 四方田奈津(よもだ なつ) 十年前の名城学園の女教師。 放任主義。 |
Graphics - グラフィック - |
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640×480(VGA)、HighColor(16bit)以上。 これといって特徴のない原画にセル画風の塗り。 古くさいとも言えますが、私はどちらかというと好みです。 開発者曰く24bitカラーで描いたあと16bitカラーに落としたため、 肌のグラデーションなどがよく見ると年輪状になってしまっています。 また、立ちキャラのジャギにアンチエイリアスがかかっていません。 CG観賞モードで見れるHCGは36枚。 Hではない一枚絵のイベントCGも約30枚ありますが、観賞することはできません。 画像データをBMPに変換するツールがにここ(著作権放棄)あります。 SWA-TYさん、ありがとうございました。 |
System - システム - |
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【 CG観賞モード 】 あり 【 シーン観賞モード 】 なし 【 BGM観賞モード 】 あり 【 メッセージスキップ 】 あり(既読のみ可) 【 メッセージ履歴機能 】 なし 【 メッセージ自動送り 】 なし 【 セーブ 】 10箇所 【 エンド数 】 2 アップデートファイルがあります。 きちんとアップデートしときましょう^^; ウィンドウモードはありません。 とりあえず最新の差分を当てたところ、私の環境ではフリーズ、もたつきなどはありませんでした。 ただし、スクリプトのミスによるシナリオの矛盾、誤字、脱字、文法の間違いは目立ちます。 オフィシャルHPのサポートBBSにはバグに関する苦情が大量に寄せられています^^; 外箱にはDirectX7.0専用と書いてありますが、マニュアルにはDirectX7.0以上と書いてあります。 DirectXは同梱されていません。(無い人は注意) 私もWin98SEとDirectX7.0aでは問題ありませんでしたが、WinMeとDirectX8.0aだとオープニングがきちんと表示されません。 |
Sound - 音楽・効果音・音声 - |
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音声はありません。 音楽はキャラクターやイベントの雰囲気にあった良い曲(CD-DA)です。 OPテーマとEDテーマはヴォーカル付きです。 これもなかなかGOODです。 ストーリーの関係上、四六時中ザーザーという雨の効果音が流れているのですが、 これがうっとうしいことこの上ありません。 音楽、効果音はオン・オフの切り替えはできるのですが、音量調整はできないのでWin側で調整するしかありません。 |
package - パッケージ - |
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初回版を購入したのですが、外箱の裏のバーコードの上に初回限定と書いてあるだけです。 初回版には4曲入りのマキシシングルCD(内容はOPテーマ、EDテーマの歌い手違いの物です。フルコーラスではありません。)が入っているのですが・・・ CDにどちらがゲームのCD-ROMでどちらが音楽CDか書いてないのでわかりません。 Hな線画の描いてあるほうがおまけのマキシシングルCDです。 また、ユーザー登録葉書は入っていません。 ネット環境をお持ちでない方はどうやって差分ファイルを手に入れたらいいのでしょう・・・ |
Impressions - 感想 - |
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シリアスな純愛感動系のADVです。 エロは薄いですヽ(;´Д`)ノ さて、本作最大の売り?であるMRS(Movable Rail Selection)ですが…。 簡単にいうと表主人公と裏主人公とのマルチサイトシステムです。 プレイヤーは始めに椋と忍のどちらをMaker(表主人公)にするか選択してゲームを開始します。 ただし、Maker椋で4人のヒロイン全て(あるいはさらに数回)を攻略してからでないと忍をMakerとして選択することはできません。 選択されなかった方はKeeper(裏主人公)となります。 まずMaker視点で物語開始の5月30日から少女園記念日前日の6月5日まで自由にプレイして4人のうち1人のヒロインといい仲になり、その後またKeeper視点で5月30日から6月5日までプレイしてこちらも他の誰かといい仲になった後、二人一緒に6月6日(少女園記念日当日)のエンディングを迎えます。 KeeperはMakerの創った物語をなぞる役目なので選択支は少なく、行動もMakerに対して矛盾が生じないよう制限されます。 つまるところ、Keeperは売れ残りを攻略するわけです^^; 涼と忍それぞれが同じ場面でどういう心情の変化を見せたかというところに興味があったのですが、二人が一緒に行動する時間はゲーム中で結構長いにも関わらず、そのシナリオのほとんどは使いまわしで、ただただ二度手間をさせられていると言うわざるをえません。 これはバグなのか仕様なのかわかりませんが、Maker忍でゲームを開始すると、6月5日終了後ただちにエンディングとなり、keeper椋でのプレイはありません。 また、MakerとKeeperの攻略したヒロインが特定の組み合わせだとエンディングで矛盾が生じたり、MakerとKeeper両方が同じヒロインを攻略できてしまいバグで先に進まなくなったりします。 MRSは発想自体は評価できますが、結果としては無謀な試みに終わったという感じです。 キャラクターはそれぞれ個性的でしっかり描写されています。 シナリオは設定自体は大きな可能性を秘めていると思いますが、煮詰め方が甘く盛り上げ方の工夫も足りないため大して泣けません。 せっかくMakerサイトでヒロインといい仲になり、HもしてこれからというときにKeeperサイトに切り替わるのですから・・・ MakerとKeeperが攻略するヒロインの組み合わせは多数あるのですが、エンディングは使いまわしで実質的には2種類(他に慰霊碑BADとメッセージBADもあり、またエンディング後に後日談のあるヒロインもいますが)しかありません。 私はまあまあ満足ですが、多くの方は満足できないと思います。 おすすめキャラ:「江藤星花」 最後に一言:「もっと完成度を高めてから発売してほしかったヽ(;´Д`)ノ」 |
偃月さんのレビュー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Soft Information - ソフト情報 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Outline - あらすじ - |
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学園に伝わるある記念日・・・ 「少女記念日」 について調べることになっていた智美椋、加宮忍、栄根亜希の三人。 彼らは、少女記念日について記されている記念碑の前に集合していた。 しかし、突然起こった異変。 彼らの意識は何かに奪われていた。 気が付いたとき、彼らが立っていた所は学園の中だった。 しかし、それは自分達の知っている学園ではなかった。 そう・・・過去の学園。 少女記念日の由来となった事件が起こった日の一週間前・・・。 全く見ず知らずのばかりのはずなのに、自分達は既にその学園の中に組み込まれていた。 何も疑わずに自分達と普通に接してくる生徒達。 そして・・・その学園には・・・悲しい何かが秘められていた・・・ |
Scenario - シナリオ - |
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記念日について調べるはずだったのに、何時の間にか過去に飛ばされてしまった主人公達。 事件の真相について知り始めるうち、次第に彼らの中の何かを動かしていた。 過去に飛ばされた主人公達、そして過去で知り合う女の子達。 まず始めに、非常に残念だった点があります。 それは、バグの多発によって、シナリオが不整合になってしまっている箇所が多い事です。 なかなか良質なシナリオだとは感じましたが、それでも話の展開がおかしくなっているので多少冷めた部分があります。 それと、次に気になったところがゲームシステムによるシナリオのマンネリ化。 このゲームのシステムでは、「主人公二人の立場を変える事によって数十通りの展開を見せるストーリー」という形式を取るシステム。 しかし、実際には数十通りとは程遠く、エンディングの内容が多少違ったりするだけ。 結局の所、エンディングを全て見ようものなら、何十回も最初からプレイしないといけない点は、かなりユーザーに苦痛を与えていると思います。 自分自身、エンディングを全て見ようという気は起きませんでした。 物語の展開の変化量が乏しいストーリーなので、エンディングを数種類見るうちに飽きてしまう物語。 ただし、この物語は悪い所ばかりではないと感じました。 個人的には、主人公の男二人の心理描写はある程度出来ていたと思います。 異質な時の流れの中、そして迫り来る「記念日」までの焦燥感。 そんな中で、未来から迷い込んだ者達が、出会ってから数日間しか経っていない友人達のために奮闘する。 そこら辺の雰囲気は好きでした。 但し、多少荒削りな感じがしたり、粗い感じのする文章でした。 また、先程数回プレイするうちに飽きが来るストーリーだと書きましたが、ワンプレイ目での感想はなかなか良し。 ただ、本当に何度もプレイしていくと飽きてきます。 数十通りの展開を売り物にしているのなら、もっとテキストのボリュームを増やしても良かったような気がします。 イベントの使いまわし、同じセリフの使い回しなど、受け入れにくい部分が多いですね。 エンディングについてですが、数は不明。 数自体はいくつあるのかは分かりません。 エンディングについては先程から書いていますように、内容が多少違ったりするだけですので、それ程面白みは・・・。 結構納得の行かない部分が多かったりもします。 Hシーンに関しては、各キャラ毎に約2回。 テキストは非常にあっさりとしています。 本当は凌辱シーンでもあるのかな?とか思っていましたが、そうでは無かったです。 Hシーンについては純愛系ならではの薄い描写。 全体的にはまだまだ良質なシナリオとは言えない物の、処女作という点を考慮して多少の妥協は出来るかと。 個人的には、次回作にも多少の期待は出来ると思います。 |
Sound - 音楽・効果音・音声 - |
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音源はCD-DA。 曲数は全部で22曲。 曲調は全体的にシリアスな感じの曲が若干多めな印象。 でも、一通りのカバーはされています。 ● PickUp 捨て猫 長い影 オレンジ 悲しい三人目の色違い 飛沫 移りゆく季節 なつあめ。 オープニングテーマの「なつあめ。」はなかなか印象は良かったものの、 エンディングテーマ曲はそれ程良いとは感じませんでした。 全体的にBGMの質は高めですね。 とくに不満はありませんでした。 効果音については特に無し。 音声は入っていません。 |
Character - キャラクター - |
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原画は武田弘光さん。 ● 大野ひとみ 椋のクラスメイトで、過去に迷い込んだ彼が最初に出会った女の子。 性格がいつも積極的な女の子で、明るく活発でバスケットボール部に所属している。 ある男子生徒に恋をしているが、告白できないでいる。 ● 江藤 星花 いつも何を考えているか、そこらへんは良く分からない、どことなくとぼけた感じの性格。 理数系の問題に関しては非常に強い。 ● 幸 澄恵 主人公達より一つ下の学年で新聞部部員。 いつもは、図書館で趣味の小説を書いている。 性格はあまり前向きな性格ではなく、何事にもあまり積極的な方ではない。 温厚な性格の彼女だが、あまり人付き合いは得意ではない。 ● 栄根 亜希 主人公達とは幼なじみで、一緒に過去に迷い込んでしまった女の子。 性格は落ち着いた感じだが、たまに辛口な時がある。 本当は素直な性格だが、それを表に出せずにいる。 |
Graphics - グラフィック - |
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立ち絵のポーズの数は数種類。 塗り自体はあまり綺麗ではないと感じました。 むしろ、塗りが上手くないと言うのではなく、二回圧縮をかけられているような感じがします。 全体的にぼやけた感じのする立ち絵になっていました。 イベントCGの枚数は不明。 全体的に大体どのくらいあるとも言いがたいです。 イベントCGの塗りの方は並程度。 背景に関してですが、背景に描かれている人物が非常に乱雑。 頭身も滅茶苦茶なら、描き方自体も滅茶苦茶になっています。 グラフィックに関しては、CGが全て16-bit / High Colorで統一されているようなので、全体的にムラがあるように感じます。 とても綺麗なグラフィックとは言えないでしょう。 |
System - システム - |
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システム全体に致命的なバグが多発。 とてもゲームとして成り立っているとは言えないと思います。 動作もそれ程軽くは無いですし、なによりも動作に不安を感じる部分が大きいです。 ただ、動作しないという点よりも致命的だと思われるのが、シナリオの矛盾が発生する点が多い事。 修正ファイルが出ていますので、必ず使用してからプレイした方が良いです。 修正ファイルを当てないと、途中で無限ループに突入したりと、かなり泣かされる事になるので注意。 そして、修正ファイルを当てる度に、一度セーブしたデータは使用不可になるという事も追記しておきます。 ゲームの形式は、二人いる主人公の、どちらを先にプレイするかによって、もう一人のストーリーの展開が変わるタイプのADV。 選択肢は30ぐらいあると思います。 難易度は高いのか低いのかは、いまいちはっきりしない所。 CGを回収するのにはかなり大変な部分があるかも知れません。 セーブ可能箇所は10ヶ所。 難易度を考えると、ちょっと少ないかな?と思える数です。 スキップは既読スキップのみ。 スキップの速度はあまり速くないですし、最後の方は殆ど同じシナリオの繰り返しなのでスキップを多用する事になると思います。 そう考えると、結構辛いものがありますね。 画面モードはフルスクリーンのみ。 ただし、16-bit / High Color。 その他の機能としては、メッセージ速度の切り替え(三段階)、エフェクト速度の切り替え(三段階)等。 おまけの機能は、CG回想と音楽回想の二つ。 なぜかは分かりませんが、CG回想にはHCGしか登録されません。 ですから、イベントCGを後で見る事は出来ませんので注意。 ゲームシステムとしてはかなり不安定。 修正ファイルを何度も出すなど、メーカーの対応から考えても多少の不安が残る。 ただし、最終的に出されている修正ファイルを使用する事で、大部分の問題は解決されている。 それにしても、CG回想にHCGだけしか登録されないのはどうかな・・・ |
Total - 総評 - |
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全体的な感想としては、作りこみが足りないといった感じですね。 このソフトの売りである「Movable Rali Selection」というゲームシステム。 一人目の主人公(Maker)が大体のストーリー展開を決定し、もう一人の主人公(Keeper)が残りを詰めていくと、 メーカーサイトに書いてありました。 まぁ・・・その通りな事は事実なんですよ。 ただし、ちょっと実験的過ぎたかな?という部分が多かったですね。 Makerでお目当ての女の子を選び、Keeperで残りの女の子の中から選ぶ。 なんか・・・あんまり印象としては良くないですね・・・ ちょっと無理があるかな・・・ それと、数十通りの展開を見せる事の出来るシステムとは書いてありますが・・・ これも・・・まぁ・・・その通り事実なんですよね、一応。 ただし、本当に途中のテキストが少し変わってるぐらいで、結局エンディングに変化はないんですよ。 それに、エンディングの種類自体が殆どなくて、エピローグとかもないのでちょっと面白くはないかな。 まぁ・・・発売前に期待した割には・・・ちょっと物足りなかったかもしれないです。 そう・・・そして最も怖かったのが初回特典の音楽CD。 Track01, Track02は、ゲーム中の曲と同じ方が歌っているのでなかなか良いとは思ったんですが・・・ Track03は・・・・・・。 自分の聴覚が正しければ・・・・・・・・・・・・コブシが効いてる気がします。 えーっと・・・歌が演歌っぽくなっているような・・・ つまり・・・ ボーカルが・・・・・・って事なんですよね・・・ これを聞いた時には・・・・・・ちょっと失笑してまいました。 作品のイメージを完膚なきまでに叩き潰してくれるこのボーカル曲は、初回版を買った方のみの特典です! ただ、エンディングテーマの方はちょっとはましかな・・・(汗) |
0 20 40 60 80 100 | |||
Scenario |
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Sound |
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Character |
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60
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Grapchics |
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35
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System |
:
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10
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H |
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Main3 |
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60
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Total |
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