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  AIR   (ベネ!さん&偃月さんのレビュー)   評価:6〜6.5 
▼ タイトル AIR
▼ ブランド Key
▼ 対応OS Win95/98/2000
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2000/09/08

 

ベネ!さんのレビュー
Scenario - シナリオ -

 その町には夏が訪れていた。

 人形を操るひとりの青年。
 その周りには子供がふたりだけ。
 観客の興味を引くには、青年の芸は退屈すぎた。
 子供たちは興味を失い、その場を走り去った。

 青年は旅のひと。
 彼の道連れはふたつ。
 手を触れずとも歩き出す、古ぼけた人形。
 「力」を持つ者に課せられた、はるか遠い約束。

 そんな彼に、話しかけるひとりの少女。    
 人なつっこく、無邪気に笑う。
 
彼女との出会いをきっかけに、
 この土地での暮らしが始まる。

 夏の情景に包まれて、穏やかに流れる日々。
 陽射しの中で繰り返される、少女たちとの出会い。
 夏はどこまでも続いてゆく。
 青く広がる空の下で。

 彼女が待つ、その大気の下で。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

 音楽!
 これを欠いてはいけませんね(^^; 折戸さんのグループです。
 雫も痕もONEもKanonも音楽的に素晴らしいので、やってない人は、ぜひやってください。
 ゲームとしても、どれも8点以上の名作ですので。
 ……Hゲームとしては最低ですけど(T_T)

 音楽的には、最初、あまりいいとは感じませんでした。
 ゲーム前にデモCDで聞いた『羽根』はインパクトありましたけど。
 これは某MIDI系HPのピアノ・アレンジャーHYN氏のお言葉です。
 「オルゴール曲は反則です…」 まさに……(^^;
 羽根は、ゲーム中では殆ど流れないのですが…
 盛り上がった所で、急に来てびっくりしました。

 最終的に音楽的に…不満はありません。 さすが(^^;
 満足しました。 無論『羽根』だけじゃないですよ。

 音声は・・・ないです。



Character - キャラクター -

神尾 観鈴
 舞台となる田舎町の学校に通う女の子。
 母親の晴子と二人、一軒家で暮らしている。
 いつでも元気に笑っている子・・・そして強い子。

霧島 佳乃

 町に古くから開業している診療所の次女。
 医者である姉の聖と二人暮らしをしている。
 朗らかで純真な少女。 犬が大好き。

遠野 美凪
 神尾観鈴のクラスメイト。
 独特の感性の持ち主で、周りからは敬遠されている。
 彼女の素顔を知る者は少ない。
 学校では天文部に所属。



direction - 演出 -

 演出は良かった…。
 DREAMをクリアーすると…タイトルが夕暮れの海になる。
 最終話AIRに辿り着くと…それが更に夜の海に…。
 文字も違った言葉に塗り替えられる。
 いいですね。 こういうさりげない演出好きです。
 もう一つ…。 音楽鑑賞モードに青空という曲があります。
 ………どこにもありませんね(^^;
 完全クリアーしてください。 …現れます。
 完全クリアーしたときのラストシーンだけで流れる曲です。
 ゲーム上で、一回聞かなくては、現れないようになっています。
 実に粋ですね、こういうのは…。



System - システム -

ビジュアルアーツ系のシステム。

CG観賞モード Hシーン観賞モード BGM観賞モード エンディング確認 メッセージスキップ 有り 
セーブポイント多くし捨てもまわりは良いのではないでしょうか^^;



Impressions - 感想 -

 ふっ。 はっきり言わしていただきます。 私は萌えが嫌いです。
 いや、盛り上がりにけちをつける気はありません。
 個人個人が楽しめれば、それでいいと思っています。
 でも、このAIR騒ぎには正直、辟易していました。
 話題になるのは当然だろうし、前作の完成度の高さから、待ち望む人々がいるのは更に当然だと思います。
 しかし、どういうわけか…こういうゲームになると自分を見失う人が多い。
 飲み込まれてしまう人が多い。 …そう思えてしまう。
 それは、好きというのとは違う。

 私は恋愛ゲーが嫌いというわけではありません。 鬼畜ゲーの方がよくやりますがr(^^;)
 事実、KanonもONEもやりました。
 18禁ゲーとしてはどうかと思いますが、
 一つのビジュアル小説の作品としては素晴らしかったと思っています。
 Kanonは恐ろしいほど感情への訴え方がシンプルですけど…。

 だけども、こういうゲームに救いを求めているのような感じがすると、
 なんだかなぁ…という気にさせられます。
 ちなみに…この対象は男です。
 女性はいいと思うんですが…・。 女性は母性ですから(^^;
 てなわけで、このAIRという作品の評価をしたいと思います。


1.DREAM
 正直、最初はかなり辛かったです>美鈴編
 Kanonでも、中だるみしたのですが、AIRはさらに酷かった。
 一対一の会話の拷問。 そう言っていいと思います。
 更に、ずっと同じ会話のパターンは息が詰まります。
 私はKanonをやって次回作はこれは解消してほしかったと思ったのですが、…ひどくなっていました(TT)

 
美凪編や香乃編はサブキャラがいたので、そう息が詰まる事はなかったのですが、それでも、一日一日が……ありすぎる(^^;
 なくてもいいんじゃないかというほど、で、次の日…また次の日…これはすごくしんどいです。
 Kanonより酷いです。
 ONEはそんなことは感じませんでした。
 文章量が増える事=好感触というわけではないという事を知りました。
 増えた文章は……むしろ中だるみの原因でした。
 膨らむより間を伸ばしている…という感がありました。

2.SUMMER
 三人クリアーした後の第二話です。
 これは、中味そのものを言いたくない(^^;
 良かったです。 良かっただけに…最終話AIRが残念です。

3.AIR
 答えが何も導き出されない…。
 波に流されたような感じになります。
 ここが最終的に、不満が残った所です。
 第二話が気に入っていただけに…それの結論は出ません。
 せめて第二話のヒロイン視点がほしかった…だん!
 とりあえず、晴子大活躍です。 あとはそれだけ言っておきましょう(^^;

 三話やって…思ったことは…某・クリエイターの言葉を借りますが、
 神尾 美鈴を描きたかったんだなぁと言う事です。
 あ、誤解を受けるといけないのですが、他の2ヒロインもしっかり立ってます。
 そこに不満を感じる事はないでしょう。
 しかし、ゲーム全体の構成としては、明らかに神尾美鈴主体です。
 Kanonのように並列では決してありません。
 このストーリーの根幹は空にいるという翼を持った少女…。
 そして、神尾 美鈴の矛盾にあります。…一人でいる理由。


総評価   8点
音楽    9点
ストーリー 7点

が・・・美少女ゲームとしては5・6点・・・


おすすめキャラ:神尾 観鈴
ベネ!さんから一言:「18禁? これはビジュアル小説系パソゲーでしょ(^^;
          そういう方向でしか評価できません。」






偃月さんのレビュー
Soft Information - ソフト情報 -

OP曲
:
鳥の詩
     
ED曲
:
Farewell song
     
総プレイ時間
:
12.0時間
CG観賞 :
シーン観賞 : ×
音楽鑑賞 :
 
原画
:
樋上いたる [ Site ]
     
シナリオ
:
麻枝 准
 
:
イシカワタカシ
     
音楽
:
折戸 伸治
 
:
戸越まごめ



Outline - あらすじ -

夏が訪れたある村に、一人の少年がやってきた。

彼は手を使わないで自由に人形を動かす事が出来た。

その彼の前にやってくる一人の少女。

人懐っこく、屈託のない笑顔をする彼女との出会いを切欠に、この村で生活をする事になる。



Scenario - シナリオ -

奇術を使う主人公、そして一人の女の子との出会い。
ノスタルジックな感じのストーリーで、ジャンルは「泣きゲー」

ストーリー全体を眺めてみていえる事は、全体的に非常にテンポが悪いと思います。
とにかく、日常場面が長い所が面白くないところ。

特にギャグが面白い訳でもなく、やはり印象に残るのは萌えを狙ったキャラクター達。
どのキャラクターも、精神年齢がかなり低い所が好きになれない点。

どうしてこう・・・幼い感じのキャラクターばかりに焦点を当ててしまうのかが分かりません。
他にも、大人っぽい感じの良い味を出しているキャラクターも登場するのに・・・・・・

さらに言える事は、ゲームを完全にクリアするには、確実に同じ一人分のシナリオを二度見なければならない事。
中だるみする事は確実で、余りにも長すぎるシナリオはどうかと思います。

それと、全体で言える事がもう一つ。
それはシナリオのバランスが偏り過ぎている事。

ある特定のキャラクターに焦点が集まりすぎていて、
他の二人のキャラクター達の影が薄くなってしまっている所には不満あり。

エンディングについてですが、各キャラに1つ、ないし2つ。

全体的に見た場合のストーリーのバランスが非常に悪いせいか、
それぞれのエンディングについても思い入れは違うものが。

どう考えても、一番長いシナリオの方に感情が傾きがちな気がします。
全体的には予想可能な範囲のエンディングなので、展開の面白さに震えるという事は少ないかも知れません。

それでも、ストーリー後半での盛り上げ方は上手いと思いますし、思わず呑み込まれてしまうだけの雰囲気は出しています。
それと、プレイ後に考えてしまう所があるのは好印象をもちました。

Hシーンについてですが、薄すぎて何も言えません。
基本的にHシーンは極度な純愛系の淡白なもの。

必要性は全く感じませんし、とにかくHシーンを入れておけとでも言わんばかりの展開にはちょっと・・・
無理やり18禁にしているようにしか思えないないので、非常にプレイしている方としても苦笑いしてしまいます。

テキストの薄さは相当なものですし、CGの方も薄すぎます。
18禁ソフトでありながら、18禁ソフトである事を放棄しているような状態。

普通のゲームとしては、かなり優れたストーリーだとは思います。
ただし、エロゲ−としては全然駄目。

全体的には良く出来たシナリオだとは思います。
ノスタルジックな感じ、それと場面の盛り上げ方。

日常場面での相変わらずのテンポの悪さ、それとHシーンの極度な淡白さ。
この二つが良ければ良い作品ではないでしょうか。

エロゲ−に対して18禁性を求める方はやらない方が無難です。
ただ、妥協可能な方、泣きゲー好きな方にはプレイする事をお薦め。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

音源はCD-DA。

曲数は全部で25曲。
ストーリーの長さから考慮すると若干少なく感じます。

曲調は全体的にノスタルジックな感じが残ります。

● PickUp
伝承 - forklore -
夏影 - summer lights -
夜想 - nocturne -
神薙 - dissidents -
回想録 - reminscenes -
羽根 - plume -
鳥の詩
青空

全体的に非常にレベルの高い曲。
ノスタルジックな雰囲気、そして切ない感じがヒシヒシ。

「青空」ですが曲自体としてはそれ程好きではありませんし、良いとも思いません。
ただ、ストーリー展開上でのタイミングが良すぎる事と、場面の雰囲気に合い過ぎている事が影響かなと。

「夏影」の一曲だけでもかなりの満足でした。
「鳥の詩」ですが、何回か聞く分には良かったですが、何度も聞くと非常にダレる曲だと思います。

オルゴールの曲が入っているのは何とも言えないですね。
自分の音楽に対する感覚が低レベル且つ単純な証拠かも。

効果音については特になし。

音声は入っていません。



Character - キャラクター -

原画は樋上いたるさん。

● 神尾 観鈴
田舎の学校に通う女の子。
現在は母親との二人暮しをしている。
いつも元気なのが印象的。
メインヒロイン。

● 遠野 美凪
田舎の学校に通う女の子。
あまり感情を表に出さない。
何故か知らないが、お米券をくれる。
いつもは親友のみちると一緒にいる。

● 霧島 佳乃
田舎の学校に通う女の子。
街にある病院の次女。
いつも愛犬と一緒にいる。
右手に巻いているバンダナは・・・

全体的に印象的なキャラクターが多いですが、極端に扱いのバランスが悪いと感じました。



Graphics - グラフィック -

立ち絵の数は数種類。
塗りのレベルはかなり綺麗な感じがします。

イベントCGの枚数は130枚弱。
ストーリーの長さから考えると、ちょっと少ないような気がします。

イベントCGの塗りは至極綺麗。
全体的な色使いも良かったように感じます。

背景に関してですが、まさに美麗の一言に尽きます。
精細さも去る事ながら、綺麗な色使いが印象に残ります。

全体的な塗りは非常に上手く、何も言う事はありません。
ちなみに、あくまでもCGの塗りが上手いという事です。

それにしても蒼い空と蒼い海が良く似合う作品です。



System - システム -

ゲームシステムに特に不具合は無し。
ビジュアルアーツ系のシステム。

全体的な動作も比較的軽い感じ。

ゲームの形式は選択肢型のADV。
選択肢の数は多いですが、特に関係のない物が多いようです。

難易度は高くありません。
オンリープレイでこなして行けば特に問題はないかと思います。

CGの回収にも特に難しい所はないでしょう。

セーブ可能数は約30ヶ所。
難易度的に考えると特に問題は無いと思いますが、シナリオの長さから考えると少ないかも知れません。

スキップは未読スキップが可能。
スキップの速度は比較的早い方です。

画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードの両方に対応。
音楽関係の機能は、BGM、効果音の音量調整が可能。

メッセージ関係の機能はフォント変更、表示速度の変更が可能。
画像表示関係の機能はエフェクトの調整が可能。

その他の機能は、名前変更、日付表示の切り替え、ウィンドウ背景、ウィンドウ枠の変更が可能。

おまけ機能は、CG回想、音楽回想がついています。

全体的には、非常に機能が充実していて、全く文句はありません。
また、安定性も高めなので、これについても文句はありません。

ただし、キーボードを使用しての操作範囲が限られている所は残念。
非常にゲームシステムとしては優れていると思います。



Total - 総評 -

2000年夏の話題作。
前評判通り、全体的にかなり高いクオリティーをもつ作品だと思います。

やはり、一番目立ったのは音楽ではないでしょうか?
エロゲ関係の音楽としては、やっぱり高いレベルにある事は確かでしょう。

このソフトが良く感じたのは、やっぱり音楽の演出が合ったからこそ、そう思います。

それと、背景CGには驚きました。
いやぁ・・・これは凄いでしょう。

キャラ原画はあまり好きではありませんけど。
なんか・・・縦に引き伸ばしたようにしか見えない気もしないでもないですね・・・

それと・・・食いもんネタはどうにかならないんでしょうかね?
キャラの精神年齢が低いというのも何とも言えませんが・・・

まぁ・・・万人に受け入れられるソフトでは無いでしょう。
極端に評価の分かれるソフトではないでしょうかね?好きな人はとことん好き・・・嫌いな人はとことん嫌い・・・と。




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Scenario
:
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65
Sound
:
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85
Character
:
■■■■■■■■■■■■
65
Grapchics
:
■■■■■■■■■■■■■■■■
85
System
:
■■■■■■■■■■■■■■■
75
H
:
■■
10
Main3
:
■■■■■■■■■■■■■■
70
Total
:
■■■■■■■■■■■■
65