3days〜満ちてゆく刻の彼方で〜    (たろんなーどさんのレビュー)   評価: 7 
▼ タイトル 3days〜満ちてゆく刻の彼方で〜
▼ ブランド Lass
▼ ジャンル 無限軌道オカルティックサスペンスアドベンチャー
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2004/06/25
▼ 購入   3day’s / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(バックログでの音声再生あり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  21個+クイックセーブ1個
【 エンディング数 】  6個(BADEND含む)


<あ・ら・す・じ>
 紅葉した木々と澄んだ空気に包まれはじめた綾篠(あやしの)市。
 市内の学園に通う「高梨 亮(たかなし りょう)」は、幼なじみである「藤見 たまき(ふじみ たまき)」と、代わり映えはしないが平穏で居心地のいい生活を送っていた。

 あからさまなほどに好意を寄せているたまきに対し、幼なじみ同士の気恥ずかしさ故か、態度を決めかねている亮。
 そんな『友だち以上、恋人未満』の2人の関係、そして平穏な街に変化をもたらす事件が起こってしまう。
 2人の通う綾篠学園で有名な美少女、「柊 美柚(ひいらぎ みゆ)」が遺体となって発見されたのだ。
 学園内はこの事件の噂で持ちきりになり、様々な憶測が飛び交う。
 その中には彼女の身体がバラバラに刻まれていたとか、猟奇殺人犯が夜な夜な綾篠をウロついているとかいう、半ば怪談じみた話もあった。

 上級生の美柚に密かな憧れを抱いていた亮も、強いショックを受け、また犯人に対して激しい怒りを覚える。
 たまきの心配をよそに、事件にのめり込んでいく亮。
 だが、学生という立場では力が及ばないところが多く、情報収集すらままならない有様だった。
 そんな不安と焦燥に駆られる2人に追い討ちをかけるかの如く、同級生の1人が飛び降り自殺をする。
 2人は、偶然にも「その瞬間」を目撃してしまうのだった。
 糸口すら掴めぬまま、狂気が蔓延する世界に投げ込まれた2人。
 そんな非日常の中で、亮はようやく、たまきの深い愛情に気付きはじめる。
 やがて2人は互いを求め、肉体的にも繋がることを望むが……
 愛し合う2人の前に現れる黒衣の男。
 鋭利な刃物で喉を一突きにされる亮。
 死の闇に沈んでいく亮の眼に最後に映ったものは、生きながらに解体されていくたまきの姿だった……
 激しい憎悪と絶望の中、途絶える意識。

 次に目覚めた亮の前に広がっていたのは、あの代わり映えのしない平穏な朝だった……
 「……夢を……見ていた……ような気がする……」
 「とても……とても嫌な夢を……」
 惨劇の記憶すら消えてしまった亮。
 何もかもが「殺害される3日前の朝」に戻ってしまっていた。
 繰り返される3日間。
 だが……亮は漠然とした不安と予感だけを頼りに、「あの3日間」とは違う一歩
 を踏み出しはじめる……


<キャラクター紹介>
藤見 たまき(ふじみ たまき) CV:一色 ヒカル
 主人公の幼馴染でクラスメート。主人公に対しては幼児語で接したりする。
 主人公にいつもべったりで、主人公の朝はモーニングコールの電話から始まる。
 ややドジで慌てもの、怖いものは大の苦手で、シュークリームが好物。

柊 美柚(ひいらぎ みふゆ) CV:楠 鈴音
 日本人離れした美貌を持つ主人公の先輩。
 あまり他人との係わり合いを持たず、奈々子以外に親しい友人はいない。
 深夜の公園で殺害され、死体で発見される。

吾妻 梨花(あすま りか) CV:青山 ゆかり
 片目に眼帯をした無口な少女。
 主人公とたまきは彼女が飛び降りるところを目撃してしまう。
 自傷癖があり、クラスでも浮いた存在だった。

広原 月子(ひろはら つきこ) CV:文月 かな
 100を超える文科系部活動・サークル活動を仕切るたまきの親友。
 あらゆる知識に詳しく、それを実行に移す無謀なまでの実行力も兼ね備える。
 話し始めると脱線を繰り返し、いつの間にかわけの分からない話になってしまう。

吾妻 瑠花(あづま るか) CV:金田 まひる
 吾妻梨花の妹で、公園や駅前で動物と遊んでいる少女。
 明るく子供っぽい性格で姉のところに遊びに来ている。

千神 奈々子(ちかみ ななこ) CV:常盤 もも
 美柚の親友で、主人公にとっては先輩に当たる。
 引っ込み思案な性格で、おとなしい。
 
高梨 成美(たかなし なるみ) CV:児玉 さとみ
 主人公の同居する従姉にあたり、親代わりの人物でもある。
 二人暮しの生活を支える敏腕雑誌編集者だが、実生活では非常にルーズ。

謎の露天商 CV:青葉 繁
 前作に登場した某キャラだと思われる。
 シモネタが得意。

富岡 健二(とみおか けんじ) CV:高橋 一休
 主人公の学園の教師。
 マッチョマンで体育教師で生活指導を担当。


このホームページはLassより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はLassに帰属します。



<音声>
 主人公以外脇役も含めてフルボイス。キャストは上記の通り。
 それ以外では内匠屋(男性・その他)、間宮 鈴(カモ・その他)、間寺司(ヴァルター・ディートリヒ)の各氏が出演されています。

 名無し脇役の声がかなり作ったような感じなのが少し気になりましたが、それ以外は良い感じでした。
 キャストにも有っていると思いますし、演技のほうも問題ないです。


<音楽>
 全25曲。うちボーカル曲は2曲。
 OP曲「Movin go on 〜そこから見える未来〜」、ED曲「愛の証」(2曲ともVo.川村ゆみ)はアップテンポとミドルテンポの違いはあるものの、ややロック色が強くボーカルより演奏が前に出てきているような印象を受けました。
 ただ、ボーカルも力強くきちんと主張していますので、演奏に負けず、レベルの高いボーカル曲になっていると思います。
 まぁ、私がED曲みたいなロック系バラード好きなのもあるかもしれませんがね^^;
 またボーカル曲の挿入場所と歌詞&曲の印象が非常にピタリとはまっており、曲自体の出来もそうですが、ゲームに見事にフィットしています。

 それ以外のBGMも曲としてのレベルは結構高いです。
 全体的に言えば、やや曲のバリエーションが広すぎてひとつの作品のBGMとしてはまとまりや落ち着きを感じない点もありましたが、場面には合っていましたし、きちんとBGMしていたと思います。
 ただ、一部の曲では曲の自己主張が強く、前に出すぎているように感じたのは残念なところでした。
 BGMとしてはもう少し抑えが利いていても良いかな、とも思います。


<システム周り>(ver.1.00)
 修正ファイルがあります。
 難易度調整、誤字脱字、演出修正がメインですが、あてないと相当難易度は高いですし、誤字脱字やCG指定のミスも多いので、あてておくことを強く推奨します。

 基本的には選択肢型のAVG。ただし、一部過去パートなどでノベル形式になります。
 このゲームの最大の特徴としては上のあらすじを見て分かるとおり、ループ形式を採用していることにあり、物語自体に設定されたループから抜け出さない限り、再び初日の朝から始まるようになっています。
 ですので、BADENDもふくめたED数が少ないように感じますが、それまでに20回近く死亡する(一般的ゲームではゲームオーバーになる)必要があります。
 まぁ、こういったループ形式のゲームでは良くあるカタチといえばそうですが、BADENDを繰り返しつつ、トゥルーエンドにたどり着くことを目的としています。
 逆にこの手のループモノではトゥルーエンドがひとつしかないことも多いですが、多少無理やりにでもきちんと各キャラエンドを作っているのは好感がもてますね。
 まぁ、エンディングのあるキャラは全員というわけでは無いですが、こういう展開なら作っても良かったと思います。

 細かいシステム周りは上記参照。
 また、それ以外にも、タイトルバーに総プレイ時間を表示することが出来たり、セーブの上書きの禁止設定やコメント設定など、かなり細かいところまで設定できます。
 操作性も初期のままだとやや使いにくいものの、ほとんどの機能を自由にファンクションキーに割り振れる為、キーボードを使用すればほぼ全ての機能をボタンひとつで操作可能で、非常にプレイアビリティは高いかと思います。

 特筆すべき機能は二つ。
 一つ目はブラインドリミッター機能。作品の性質上、グロい絵があるため、そのCGをおとなしめなモノに変える機能です。
 切り取られた内臓とか、血まみれの生首レベルのグロですので、その辺が苦手な方はどうぞ。
 私としてはそれ程でもないように感じましたが、苦手な方は苦手でしょうし…。
 ただ、ひとつだけ難点を挙げるならばCGに関してブラインドリミッターのON/OFFで別に登録されてしまうことです。
 つまり、フルコンプするためには結局両方プレイしなくてはいけないわけで、ONとOFFで全く同じシナリオを2周するのも面倒です。
 やはりここは、どちらか一方で見れば、反対側のも登録できるようにしておいて欲しかったです。

 もうひとつは「ボス来た」機能。
 まぁ、いわゆるプレイしているのを見つかりたくないときの退避機能。
 昔一部のエルフのゲームなんかが装備していました。
 「クイックセーブして終了」、「タスクトレイに格納」、「最小化してテキストファイルに偽装」の3種類から選べますが、後ろ2つは音楽・音声が消されないので「緊急退避」としてはあまり…というか全然意味ないです^^;
 ちょうどHシーンとかで、フルボイスでHボイスが流れていては、余計に怪しい気が…。
 ワンタッチでのプログラム切り替えや終了として普通に使用していましたので、そういう意味では便利でした^^;
 (特にレビュー書くときとかに^^;)

 システム上の難点としては、スキップ速度がやや遅めなことと、既読・未読管理が甘めなことです。
 ループモノという性格上、同じようなシーンがありますが、テキストが2,3個違うだけで1シーン丸々未読扱いにされてしまったりするのはちょっと…。
 ただ、それ以外は特に気にはなりませんでしたし、使いやすいシステムだったと思います。

 総プレイ時間は既読スキップを駆使して20時間程度。
 Ver.1.00では分岐とフラグがきびしめな為、選択肢ひとつ間違えても先に進めない感じで、かなり難易度は高いですが、修正ファイルをあてればちょっと難しいかな…くらいのレベルになるかと思います。
 まぁ、難しいとはいえ、1周あたりの選択肢数は多くないのでメモしながらプレイすればナントカなるレベルですけどね。


<CG>
 原画は萩原音泉氏、ramis氏。
 それ程癖もなく、一般的に受け入れやすい絵柄なのではないでしょうか。
 前作「青と蒼のしずく」と比較しても絵柄が安定しましたが、一部表情やイベント絵ではやはり多少絵柄が安定しておらず、ちょっと微妙な感じの絵もありました。
 あと、体つきのバランスが全体に細めで、その辺も少し違和感を感じる絵もありました。
 腕とか足が細すぎるのでは??って感じですね。
 全体的にその辺が気にならなければ悪くないのですが、問題は違和感を感じる絵が最後半、エンディング周辺の絵に多かったことです。
 せっかくクライマックスのシリアスなシーンなのにそっちに気がいってしまったりとか…。
 全体的には良い感じの絵の方がほとんどだったのですが、良い絵とイマイチな絵の差が激しいのです。
 ただ、前作から見れば枚数、絵柄とも格段のパワーアップですので、安定感が増してくれば、非常に良い感じになるのではないでしょうか。
 同じタッチの立ち絵なんかは安定していて良い感じだと思いますしね。

 塗りは丁寧ですね。
 公園のイベント絵の背景なんかも光の加減が綺麗ですし、はっきりとした塗りで、しかも全体として統一感と落ち着きがあり、いい感じです。

 背景も丁寧で書き込みが細かく、いい感じです。
 オカルト研究会や教室も一つ一つのアイテムが丁寧に書かれており、塗りも上で書いたようにシャープながら浮き上がることはないです。

 ただ、イベント絵の管理が甘いのか、テキストと絵があっていなかったり、直前まで裸だったはずの絵が次の瞬間には服を全部着てる絵に変わったり、そんな描写は一言も無いのにいつの間にかスカートが脱げてたり、と絵自体がテキストや設定と違っていることが多かったりした気がします。
 シーンによっては眼帯が左右逆についていたりしますし。
 修正ファイルできちんと直ったものもありましたが、絵自体のレベルが高くてもこれではどうにも評価しにくいです。

 しかし、絵自体の使いどころは上手いです。
 グロシーンやイベントも含めて、ココはイベント絵を入れるべき、というときにはきちんと入っていますし、いらないでテキストで処理したほうがグロさ、怖さが出るかな?ってところには無いという感じで、絵の設定は非常に良いです。
 それだけに…上で書いた欠点が非常に残念です。


<Hシーン>
 Hシーンのあるキャラは2〜6回ですが、本番はどれも2回くらいです。
 基本的には和姦Hですが、一部陵辱系のイベントがあるキャラもいます。

 Hシーンの内容自体も基本は和姦でおとなしめですが、比較的尺は長めで卑語なんかもあり、声優さんも頑張っておられます。
 エロ重視でないことを考えれば実用に耐えうる出来だとは思いますし、悪くないのではないでしょうか。
 特に、ひとキャラに関してはオマケ的な扱いでHシーンがありますが、これが主人公M系シチュで尺も長め、卑語連発というこの手のシーンが好きな人にはたまらない出来かと。
 まぁ、1シーンだけなのでこれを目当てに買うほどではないと思いますが^^;


<感想>
 前作で攻略不可だった人気キャラを今回も出して、なおかつまたも攻略できないって…。
 前作とは全く感じが違いますし、両方プレイしている方はそんなにいないのかもしれませんが、せめてHシーンのひとつでもつけておいて欲しかったと思う方も多いでしょう。

 ゲーム内容についてはあらすじではあまり書いていませんが、その基盤はオカルトです。
 いわゆる怪談とかではなく、錬金術とか魔術とか言う学問としてのオカルトです。
 ですので、エメラルド・タブレットですとか、ネクロノミコン、ホムンクルスなんていうその手の専門用語が結構出てきます。
 詳しく説明はされていませんが、上手くテキスト上で処理しているので、現実世界とは違う世界だということを、きちんとアイテムを使って表現しているのではないでしょうか。
 その設定が出てくるのは後半に集中するのですが、アイテムの使い方で上手く異世界としての雰囲気を出し、ループによってたどり着いた世界の感じが良く出ています。

 きちんと張られた伏線を後半に回収して、ちゃんと物語として完成させているのは評価に値すると思います。
 最初はループの原因も含めて謎だらけだったのが、きちんと説明されていく過程は爽快感があります。
 ただ、解明パートがかなり後半に集中している為、序盤〜中盤はややだらけ気味になってしまうのは残念でした。
 ただでさえループモノで繰り返しが多いのですから、もう少し伏線の回収を分散して配置してくれたなら、より緊張感とスリリングさを維持してプレイできたと思います。

 また、謎だけを与えられてループする期間が長すぎて、難易度ともあわせて少しキツイ感じがします。
 とはいえ、それはゲーム構成的な問題で、シナリオ内容自体は良い感じです。
 伏線を無駄に張ったり、張った伏線を張ったままにせず、ちゃんと回収してゲームのシナリオとしてまとめているのはループモノとしては難しいところですが、きちんとまとめています。
 その反面、内容の割には話にスケール感を感じないのと、EDがどのキャラでもほぼ一本なのは欠点ですが、ループモノで各キャラエンドが「ある」だけでも良いと思います。
 ループモノを綺麗にまとめてなおかつ各キャラエンドに持っていくのは以外に難しいですから。
 そのせいもあり、またほとんどの謎が解明される為、最終シナリオはやや駆け足気味ですが、ココをもう少し書き込んでくれれば文句のないシナリオでした(まぁ、今のままでもレベルは高いですが)。

 ただ、これはあくまでシナリオについてで、ゲームとしてみると幾つかの瑕疵も有ります。
 特にこういったループモノの特色としてメインヒロインのウェイトが多くなっていることは、少し気になりました。
 このゲームでは幼馴染キャラの「藤見たまき」ですが、基本的には主人公べったりで、そのため1周あたりの分量でもこのキャラが登場が一番多くなります。
 それを何周もするわけですから、比率的には加速度的にウェイトが重くなっていくわけで、ゲームをプレイする側としてはこのヒロインが気にいらないと厳しい感じに…。
 さらにこのキャラ、主人公にベタベタするタイプでドジ属性標準装備、しかも主人公に対しては「幼児語」だったりすることもあるクセのあるキャラなので、こういうキャラが好きでない人にはちょっと厳しい感じがします。
 まぁ、逆に主人公以外では一番殺されるキャラなんで気に入りすぎてもへこむと思いますが^^;

 テキスト面もやや誤字脱字が目立ちましたが、修正ファイル投入後はそれ程気になりませんでしたし(一部誤用とかは残っていますが)、前作ほど笑い重視ではないにしろ、相変らず会話のテンポは良い感じです。
 テキスト面も問題ないと思います。

 全体としてみると、地味ながら良く出来ている作品です。
 修正ファイルを入れないと評価しにくいところもありますが、修正ファイルできちんと欠点が修正されています。
 シナリオもひねりや広がりは無いものの、きちんとまとまり、演出も前作のデュアルウィンドウシステムやアニメーションする背景のような派手なものは無いですが、フラッシュバックのシーンの入れ方や何気なく線路沿いの道を歩いていると電車が通り過ぎる効果音を入れたりとツボを心得ています。
 今回の場合、前作のような派手な演出は装飾過剰になってしまう気もしますし、小粒ながら押すべきところを押し、引くべきところを引いた良作なのではないかと。
 ただ、それぞれに細かいながらも結構気になる点は多いので、その点が一度気になりだしたら最後まで引いてしまうかも…。
 その辺が気にならなくて、グロ系にある程度の耐性があればお勧めできると言えます。

 個人的には誤字・演出修正の修正ファイルと難易度調整の修正ファイルは別にして欲しかったです。
 ゲームとしての攻略性は修正ファイル当てる前のほうが楽しかったですので。
 かといって修正ファイルをあてないと特にCG周りの演出ミスはどうにも萎えますし…。
 それから、個人的にはもう少しグロくても良かったかも…なんて気もします。
 や、もちろん苦手な人から見れば充分グロいですが、好きな人から見たらちょっと甘めかな?という感じでしね^^;


<10点満点での総合評価>
 7点
 修正ファイル導入で7.5点、無いと6.5点くらいなので間を取って。


お気に入りのキャラ:千神 奈々子…ま、相変らず攻略不可なんですが…。
最後に一言:「個人的にデモムービー大好きです。
        曲にもあっていますし、フラッシュバックとかの入れ方も上手い気がしますね。」










   小雪の朱    (たろんなーどさんのレビュー)   評価: 6.5 
▼ タイトル 小雪の朱−コユキノアカ−
▼ ブランド DISCOVERY
▼ ジャンル 伝奇ミステリーAVG
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2004/06/04
▼ 購入 オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(バックログでの音声再生あり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個+オートセーブ10個
【 エンディング数 】  5個(BADEND除く)


<あ・ら・す・じ>
 大雪と嵐の為、休校となった学校。
 連絡の行き違いや成り行きで学校に閉じ込められることになってしまった学生6人と先生2人。
 学年も立場も違う彼らが学校ですることも無く、必然的に時間を余らされることとなってしまう。
 そこで、和泉絢が提案したのがこの学校の七不思議探索だった…。


<キャラクター紹介>
和泉 絢(いずみ あや)CV:和泉 あやか
 進也のクラスメートで比較的都会から雪舞うこの街の学校に進学してきた。
 マイペースで本人の意図しないトラブルを起こすことが多いトラブルメーカー。
 明るい性格で、進也とは口喧嘩友達のような関係となっている。

紗渉 梢(さわたり こずえ)CV:美咲 ゆうか
 大人びて物静かな印象を持つ、進也のひとつ上の先輩。
 基本的に感情を表に出さないものの、辛辣な口調のリアリストでもある。
 とはいえ、普段は穏やかで人当たりも良く、面倒見も付き合いも良い。

桜庭 かざり(さくらば かざり)CV:秋月 まい
 進也の親友、公生の妹で、進也とは幼馴染兼後輩でも有る。
 進也の事を「お兄ちゃん」と呼んで実の兄以上に慕っている。
 普段は引っ込み思案で優柔不断だが、進也の前では比較的明るく前向きでいる。

橘 日和(たちばな ひより)CV:一宮 桜
 この学校の新任教師で、進也にとっては疎遠になってしまっている元恋人。
 とはいえ、はっきりと別れたわけではなく、学生と教師という関係からいつの間にか疎遠になる。
 基本的に生真面目で融通の効かない性格。そのくせ優柔不断で会話の際には相手の顔色をうかがう。

上村 蕗乃(かみむら ふきの)CV:大花 どん
 休校の朝に昇降口で雪に埋もれて行き倒れていた後輩。
 そのときに助けてもらった進也を慕っているのか、良くつきまとう。
 行き倒れや、学校に閉じ込められたことすらも楽しんでいるという、前向きすぎる性格。
 何故か、OHPのキャスト紹介やEDロールでは望木蕗乃になってますけど…。

桜庭 公生(さくらば きみお)CV:鷹取 玲
 進也の物心付いたときからの悪友にして、この学校ではクラスメート。
 女性関係は手広いが、あまり深い関係にはならない。

八重樫 一織(やえがし いおり)CV:彩世 ゆう
 保健室に住んでいるとも噂される保健の先生。攻略不可。
 形式や常識にはとらわれないが、最低限の、そして本人にとってのルールを守ることは求める。
 愛想も無く毒舌家だが、裏表がない性格からか学生の人気も高い。

麻生 進也(あそう しんや)主人公・リネーム不可
 自称「特技も個性も泣く、面白みに欠ける人物」だふが、周囲の評価は異なる。
 面倒事が嫌いな性格では有るが、その面倒事に自分から首を突っ込むことが多い厄介な性格。


このホームページはDISCOVERYより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はDISCOVERYに帰属します。



<音声>
 主人公以外フルボイスで、キャストは上記の通り。
 脇役、名無しキャラにも声は有ります。
 正直に言えば彩世ゆうさん以外は知らない方でしたが、演技は標準的で、特に良いとか、特に悪いとかも無く、自然に聞けました。
 配役の方もそんなに気になることも無く、キャラに合っていたと思います。


<音楽>
 全14曲。うち、ボーカル曲は2曲。
 OP曲「Snow Mirage」・ED曲「Passenger」(Vo.SATOMI)は、両曲共に、曲としての出来は標準ながら、この物語の始まりと終わりにふさわしく、雰囲気に合っていて、良い感じでした。
 特にED曲は明るくてポップなロック調で、物語を締めつつ、その先にある希望が見える…という感じを出していて、好印象を持ちました。

 BGMも明るい曲は明るく、シリアスな曲はシリアスに、そして日常では雪の校舎という静けさを表していて見事なまでにBGMしていました。
 全体的に抑え目で、それでいてキッチリ場面の雰囲気を作り出す、そんなBGMの鑑ですね。
 実際、七不思議のシーンでの「Tight rope」や、エピローグ前の曲「描けない青空」なんかは強く印象に残りました。


<システム周り>(ver.1.00)
 ゲームシステムは、オーソドックスな選択肢分岐型AVG。
 ただし、回想シーンや心情などの部分では、一部ノベルゲームのスタイルもとられます。

 システム周りは上記を参照。
 ディスカバリー系のシステムは微妙に癖がありますが、設定は非常に細かく、使いこなせればかなり使いやすいかと思います。
 一例を挙げれば、オートセーブも選択肢ごと、場面ごと、その両方、無効と4通りに設定出来、使いやすさを考えたシステム作りとなっています。
 今回はウィンドウスクリーンに切り替えも出来ますし(代々のディスカバリーファンはご存知かと思いますが、これは人類にとって大きな一歩です!)、概ね良好かと。
 ただ、全体にシステム回りがやや重めな印象を受けました。
 しかし、これはフォントキャッシュやVRAMキャッシュの調整、さらにエミュレーション作動モードなども装備している結果で、快適性を考えた上であり、仕方ない&許容範囲かと。
 
 ゲーム内容は、ごく普通な選択肢による分岐によって攻略ヒロインが決定するという、オーソドックスなスタイル。
 難易度的にも、やや判りにくい選択肢はありますが、攻略・コンプにはまったく苦労しないレベルです。
 プレイ時間は音声を全て聞いて共通パートが5時間+個別パートが3時間くらいという感じです。
 …ちょっと共通パートが大目ですね。
 2周目以降はかなりプレイ時間を短縮出来ると思います。
 (良い方向に考えよう^^;)

 そうそう、ゲームクリア後に、声優さんからの一言メッセージが追加されます。
 昔は結構ありましたけど、最近はあまり見ないオマケコンテンツですね。
 嬉しいクリアボーナスです。


<CG>
 原画はサクライユウイチ氏。
 なんだか昔の絵柄に比べて、随分全体の印象が柔かい印象を受けました。
 ただし、相変らずこの方は、アングルや表情によってまったく顔の印象が変わってしまい、別人に見える…という程ではないにしろ、タッチが違って見え、違和感が残るのは残念なところです。
 また、顔や体の付き方のバランスが悪い絵も見受けられ、そういう意味での安定感も欠けています。
 個人的な印象としては、昔と絵柄から結構変わっているのですが、時々昔の絵柄が顔をのぞかせてしまう(特に目とか)、そんな印象を受けました。

 それから、コミカルなシーンでのデフォルメ絵は今ひとつです。
 と、いうか、単に「手を抜いた絵」にしか見えないので止めたほうが良いかと…。

 ただ、塗りと背景は非常に綺麗で丁寧です。
 幻想的な絵から、キッチリとした教室のディテールまで、きちんと書き分けられ、はっきりとした塗りで良い感じです。


<Hシーン>
 まぁ、いつもどおりに一言で。
 Hシーンには期待しないで下さいと^^;

 基本は各キャラ1回、2回あるキャラもいる…って言う程度です。
 微妙に無理やり的なものもあったりするキャラもいますが、基本は和姦オンリー
 シーンはそれなりに長いと思いますが、実用度的には微妙です。
 まぁ、最近の傾向からすれば、純愛ゲーとしても標準よりもちょっと下といったところです。

 ただ、声優さんは結構頑張っていると思いますし、何気にサクライユウイチ氏の汁描写は結構エロい…と個人的には思います。


<感想>
 相変らずシナリオライター古月拓海氏のテイスト全開ですね。
 個人的には凄く好きなのですが、相当クセのあるシナリオ/テキストです。
 この人の作品としては、「ぎゃくたま」のほうが入門篇としてはオススメです。

 とはいえ、基本的には閉鎖された雪の校舎でおきるフシギな出来事をベースにした恋愛話です。
 この部分はオーソドックスで、七不思議の内容や盛り上げ方、シナリオ展開なんかも「突然出てくるファンタジー設定が許容出来れば」、きちんとメリハリが有り良いシナリオとなっています。
 ただ、そのファンタジー設定についての説明はありますが、解明はされず、そこにあるというだけなので、ある意味で言えばご都合主義的に取れてしまうことも確かです。

 また、テーマの主題である人と人との関わり、出会いと別れ、そして恋愛関係が、このライターさんの場合、かなり独特です。
 (以下ネタバレ)
 なんというのか、登場キャラクターにとっての基本的な「愛」のスタンスは最終的には「自立した愛」に行き着きます。
 つまり、「一生懸命その人の事を想う、それだけで愛は完結する」というような感じで、お互いに依存していないというべきなのでしょうか。
 お互いにお互いのことを「全力で勝手に想い続ける」、そんな恋愛のカタチが基本形です。

 (ネタバレ終わり)
 そのせいもあり、一般的な恋愛描写や恋人的なラブラブ描写は、エンディングに至るまでほとんどないです。
 全キャラ、その本線は踏んでいますので、そういった描写を求める方には今ひとつオススメしにくいですね。

 とはいえこのゲームのスタンスは、その恋愛に至るまでの主人公とヒロインの関係の変容に重点があるので、それもありかと。
 お互いの心情の変化の中で、微妙に揺れながら変化していく関係性…というような、そんなお話ですので、そういうシナリオが好みならかなりオススメ出来ます。
 お互いの距離感や、その変化に伴う困惑などが丁寧に描写されており、綺麗にまとまって、明るい前向きな未来へ…と。
 シナリオが進むにつれて、それぞれのキャラクターの成長が行動や台詞から強く感じられ、恋愛の過程がきちんと描かれていると思います。

 そういったコトもあり、各キャラクターも様々な面を見せたり、性格が変化したようになってしまう部分もありますが、きちんと場面や文章で説明されているので、むしろ性格的特長を強調する萌えゲー的記号化よりも、キャラクターとして立っていると思います。
 とはいえ、それだけに描写不足でキャラクターの行動のベースが分かりにくい部分があるのは残念なところです。
 もしかしたら、私の読解力不足かもしれませんが、分かりにくい為にキャラクターの行動が唐突に見えてしまうのです。
 それも含めて、もう少し長く、丁寧にお話を構築して、それぞれのキャラの関係性をキッチリ描写してくれれば、今以上にいい感じになると思うのですが…。

 テキストも個人的には良い感じでした。
 「保険医」などの誤変換が割りと多いのはご愛嬌^^;
 それを除けば、描写は丁寧で正確、特に指示代名詞が頻出する場面でも、きちんとぶれなく使い分けられており、読みやすいテキストでした。
 多少常用外の漢字や一般的とは言いがたい難しめな言い回しもありますが、分からないというほどのモノではなく、一般的レベルの延長ですし、それ程問題は感じませんでした。
 会話もシリアスな場面では、お互いに相手の意図を読みながら此方の意図をこめて返すというようなやり取りで、きっちり組み立てられています。
 笑いのほうも落とし方が上手く、なかなか良い感じでしたし、テキスト面ではレベルが高いと思います。
 ただ、上で挙げた言い回しや、指示代名詞の多用などは、場面によってはテンポを削いでしまっているので、サクサク読みたいという方にはちょっと…と、いう感じでした。

 結論としては、やや唐突なファンタジー設定が許容出来、ラブラブ純愛ゲーには少し飽きたけれども、鬼畜やエロ重視に手を出すのはちょっと…っていう方にはオススメ出来るかと。
 ………結構狭いですね^^;
 シナリオ重視の方では、シナリオそのものよりも、キャラクターの関係性や心情の動きを重視…という方にオススメです。


<10点満点での総合評価>
 6.5点
 人を選ぶと思うので、文句無くお勧め…とはいきません。
 個人的には好きなのですが、特に絵は…レベルが今ひとつかもしれません。


お気に入りのキャラ:橘 日和
最後に一言:「古月氏の作品は主人公が良く、今回も前向きで行動派、好感度高いです。」