MOEラブ (しょにーふらほーさんのレビュー) | 評価: 6.5 |
▼ タイトル | MOEラブ |
▼ ブランド | 戯画 |
▼ ジャンル | 恋愛アドベンチャー |
▼ 対応OS | Win98/2000/Me/XP |
▼ メディア | CD-ROM |
▼ 定価 | 税込\9,240(税抜\8,800) |
▼ 発売日 | 2004/02/27 |
【 CG観賞モード 】 | あり |
【 シーン観賞モード 】 | あり |
【 BGM観賞モード 】 | あり |
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(音声リピートあり) |
【 選択肢リターン機能 】 | なし |
【 オートモード 】 | あり |
【 ヒント機能 】 | なし |
【 セーブ数 】 | 20個 |
【 エンディング数 】 | 8個(7人のヒロイン1人につき1個、中断1個) |
<あ・ら・す・じ>
学園に転校してきた主人公・浅木修一は、入居予定だったアパートが事前に送っておいた荷物もろとも火事で全焼したことを知らされて途方に暮れていた。
そんなとき再会した義妹・瑞菜の紹介で、彼は『萌黄寮』に管理人手伝いとして住むことになる。
元別荘だというその豪華な温泉付の建物は、実は、『女子寮』だった。
反対住人に追い出されそうになりつつも、なんとか説得に成功し、修一には管理人手伝いに適しているか試すための一ヶ月間が猶予として与えられる。
ボケボケ娘の繭梨、跳ねっ返り娘のミン、無表情無感動少女の一姫、無口で内気な先生の美樹菜、寮のオーナー兼メイドの瑞菜。そして、近所に住む卜部姉妹。
学園で、寮で…五人の寮生+二人のご近所さん達と共に暮らす日々は忙しくも楽しく、ハプニングてんこ盛りだった!
<キャラクター紹介>
萌黄 瑞菜 (もえぎ みずな)
修一の義理の妹にして、萌黄寮のオーナー兼寮生兼食事係。
寮に居るときは可愛いメイド服を着用して、かいがいしく働く。
素直で礼儀正しい性格だが、少々ヤキモチ焼きなのが玉にキズかも。
線が細く非力で少し頼りなさそうに見えるけど、意外にしっかり者でもある。
義理の兄である修一に対しては兄妹以上の感情を抱いている。
柚原 繭梨 (ゆずはら まゆり)
ぽややんとした雰囲気のポケポケ少女。
見ている方まで脱力してしまいそうなホンワカお気楽な性格で、まるで他人を疑うということを知らない。
人懐こい性格で、出会った翌日には修一のことを『しゅーちゃん』と呼ぶようになる。
何もないところで普通に転ぶほどの超不器用で、普段の言動もちょっとポンコツ気味。
新井 ミン (あらい みん)
背が低く、幼げな外見をした少女。
行動と考えも子供っぽく、口より先に手が出る攻撃的な性格をしている。
修一が寮に住むことを認めていないため、よく意見が衝突してしまう。
コッソリと嫌がらせを仕掛けて来たりするが、持ち前のうかつさから自爆してしまうことも。
小桜 一姫 (こざくら いちき)
人形のように無表情な少女。背が低く、小学校低学年くらいに見える。
常に無口・無表情で、他人を拒絶する雰囲気を発しているが、寮生にはそれなりに心を許しているらしい。
一人でいることが多いが、ペットのウサギ(金虎(かねとら))とは仲がいい。
古河 美樹奈 (こがわ みきな)
修一のクラス担任をしている国語教師。
童顔で、修一達と同世代くらいに見えるが、スタイルは良い。
普段から物静かで、いつもボンヤリと空を眺めたりしている。
ボケているのか冷静なのかは判らないが、何か事件が起きてもほとんど動揺することがない。
卜部静香 (うらべしずか)
学園の保健の先生で、寮の近所に住む卜部姉妹・姉。
回りくどいことが嫌いな直截的な性格で、歯に絹を着せぬ物言いをする。
恋色沙汰が三度のメシより大好きなお色気お姉さんで、よく修一を誘惑するが、どこまで本気なのかは判らない。
趣味は酒とタバコで、保健室でこっそり吸っていることも。
卜部輝夜 (うらべかぐや)
性格が正反対な卜部姉妹・妹。
真面目かつ几帳面で世話焼き、おしとやかで品行方正、と姉と似たところがまるでない。
気の強いところだけが姉妹共通である。学園の優等生で、生徒会役員も務めている。
しかし、勝気そうな見た目とは裏腹に、少々男性恐怖症の気があるらしい。
このホームページは戯画より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権は戯画に帰属します。
<購入動機>
まず発売日当日購入の「まほこい」が、プレイ中にかなり不本意な出来であることが分かってきました。
その為新作の感想を調べていた矢先に、当作品のサンプルCGの中に、私にとってとても大きな思い入れがあるシチュエーションを見つけました。
そこで当作品のH自体の薄さをある程度分かったうえで「まほこい」のプレイを一時中断、週明けに急遽購入を決めました。
また私が美少女ゲームで最も好きな声優の「西田こむぎ」さんがいたことも購入の後押しとなりました。
当ブランドについては、去年の半ばから話題性の高さにより個々の作品に関心を持ちはじめた所で、ヒロインの人数が多いのと陵辱系は外して、機会があれば1度は買おうかと思っていました。
当作品は7人とのことで多くも少なくもない人数だと、プレイ前には感じました。
しかし…。
<システム追記>
画面サイズは640×480です。
ハードディスクのみ(ロムなし)プレイは、ロムを入れた状態で1度スタートメニューから起動チェックを済ませば、PCがそれを覚えている限りでは可能です(電源オフは問題なし)。
ゲームディスクはCDロム1枚です。表示によるとコピープロテクトがあるらしいです。
スキップスピードはやや速めで、オートモードのスピード調節もできるなど、システム面のストレスはそれほど多くはありませんでした。
しかしまだ工夫は必要です。
感じた点を述べると、まずオートモードでのプレイの場合、メニューを出すと必ず再設定が必要(何かやるとほぼ止まる)なのが困ります。
ボイスのオンオフが全員一括なのも、繰り返し時にスキップを使いがちになる理由かもしれません。
メッセージウィンドウ消去がメッセージ停止中でもキーボードを使っても、1ボタンではできないらしいです。
取扱説明書を見ても載っていません。
また右クリックでメニューを呼び出さないとできないことがほとんどです。
出た直後の音声のリピートやバックログはメニューを開けなくてもできますが、文章は画面全体には出ずひとつずつ戻ります。
ロード・セーブに確認機能がなく、プレイの日付時刻のみしか表示できないので、一応セーブの内容は控えておいた方が良いようです。
これは使いにくいです。
番号もついていないので誤って消す可能性があります。
<音楽・音声>
主題歌については曲のみの評価は本意でないので、OPムービーとの釣り合いを述べると、良くできていると思います。
少なくともムービーはかなりやる気を見せたと感じました。
過去の作品の主題歌は聴いていませんが、インパクトはあると思います。
BGMはまずヒロイン毎の専用曲があります。
それぞれのヒロインにぴったり合っているかは微妙な感じでしたが、概ね性格に合わせた選曲だったと思います。
他の曲は雰囲気を盛り上げるものもあり、似た曲を聴いた覚えのあるようなものもありました。
ヒロインと屋根に登っている時の曲は良かったです。
音声については仮にこれまでに聴いたことがあっても、印象に残っていない声が多かったです。
うまいと感じたのは「静香」の声で、いつもハイテンションで他のヒロインに突っ込む辺りの演技が良かったと思いました。
彼女のみピー消しがあったはずです。
今回印象に残った声は「瑞菜」ので、綺麗に聴こえるようで少し低めのやや子供っぽさが残る感じがなんとも言えず、また別のヒロインで聴きたくなりました。
西田こむぎさんが演じている「美樹奈」先生は設定上控えめなキャラだったので、普段の会話では悶々でしたが、Hシーンの高い喘ぎ声では個人的には無条件で満足できました。
<感想>
◇ゲーム性は単純だが奇をてらわず却って好感
一本道の共通ルートにおける選択肢で個々のヒロインの好感度を上げ(狙わない場合は上げない)、全ての選択肢を選び終わるとフラグ判定により、誰かの攻略条件を満たせばヒロインの個別ルートに入ります。
しかし後半に選択肢があるサブ扱いのヒロイン程判定が緩く、優先度が高めと感じられ、前半に選択肢が固まっている瑞菜や繭梨は判定が厳しいのが特徴です。
中断エンドを避け安く一見合理的に見えますが、瑞菜や繭梨は先頭近くまで戻って検証作業をやる必要があるので、スキップが割と速いとはいえ、選択肢の順番を逆に並べてもらった方が良かったです。
変なパラメータを使うなどがなく、奇をてらっていないのがむしろ良かったです。
下手に難易度を上げると、成果のなさに泣きたくなる場合もありますから。
◇サイズより胸を際立たせる立ち絵が微妙
各ヒロインには公式の3サイズがありますが、立ち絵ではサイズから思い描くよりも妙に胸が際立っているのが印象的です。
確かにバストのサイズは絶対値だけでなくトップバストとアンダーバストの差が重要なのですが、公式データはそれでも小さいのではと感じました。
何か意図があるのでしょうか?
立ち絵では胸ばかりが気になりましたが、その他では一部顔の角度が正面からずれた場合、それ以上に顔が細くなりすぎる印象を受けました。
特に「繭梨」がそうでやつれたように見えます。
更に向いている角度によって首の位置が体の中心より後ろにずれていて、肩をいからせているように見える場合があります。
もう少し猫背ぎみの方が良かったです。
首も長めで、立ち絵の方が一枚絵より長時間見るので印象に残りました。
◇女子寮ならではの演出は露骨とはいえ概ね及第点
男性ならばぜひ管理人になってみたい学園の女子寮に、元義理の妹が寮長の職権で暫定1ヶ月の主人公の入寮を認めるという「美味しい」展開が主人公に待っています。
主人公にとっては鼻血の出るような状況ですが、実は主人公が出すのは同じ血でも「ボコボコ」によるものです。
ミンが主な攻撃担当で、「血の海」の絵を1枚でも描いて欲しかったです。
安全面で、はなはだ問題があり管理責任を問われそうな寮の屋根がなぜか重要なスポットです。
寮のメンバーの全員が1人ずつ登っている所に主人公は出くわします。
寮は別荘の改造による建物なので露天風呂があり、主人公があえて狙わなくても混浴シーンが満載です。
最初はいきなり縛りつけられますが^^;
その後は主人公が故意でないことや悪事を企てていないことがヒロインにも分かり、割と許してもらえます。
…うらやましい世界であり、どこかで見た世界観でも有ります。
下着のヒロインとの主人公には不本意な接触も多く、時々訪れる静香の煽りも加わりプレイヤーには少なくとも1回目ならば楽しい日々が続きます。
◇シナリオの分岐やヒロイン毎の配分は問題山積
このゲームの大きな特徴は、プレイヤー選択に関係なく共通ルートが最後の選択肢まで続き、その後個別シナリオに分かれる点です。
選択肢を変えても数行で元に戻ります。
寮のメンバー5人の個性がぶつかり合う中で、主人公には場合によっては鬱陶しいこともあるヒロイン毎のイベントが起きたりと、飽きさせない作りを目指しているのは分かりますが、2度同じイベントを見るかどうかは微妙です。
私はすぐ既読スキップとなりました。
共通部分の中で各ヒロインの魅力や個性を示し、個別シナリオの導入部を描いている場合もありますが、個別シナリオと比べて長すぎます。
特に繭梨については共通部分でばらしすぎているので、個別シナリオに入る前に残りの展開が分かってしまいます。
更に問題なのは、当ブランドの過去の作品の購入者には知られているらしいですが、十分な容量もないのに全て(当作品では7人)にエンディングが必要だとの杓子定規な考え方により、ろくなシナリオもなく無理矢理Hシーンとエンディングを入れているヒロインがいることです。
せっかく「おまけ」のHシーンを作っている訳ですから、むしろ一部のヒロインにはそちらで頑張ってもらう方が、潔くて無理がないと思いました。
シナリオを見ると「一姫」あたりは微妙なのですが、一応きちんとできているのは以下の3人と結論づけ、そのシナリオについてコメントを述べます。
◇「瑞菜」シナリオ
髪の毛は「みさきさん?」服装は「菜々子さん?」でも胸は普通です。
彼女の場合、主人公との再会などの序盤を除けば寮長かつ世話役であるとの立場から、シナリオは個別ルートに入ってからとなります。
私は彼女を魅力的だと思いませんでした。というのは彼女は要求水準が高いのです。
しかもそれは彼女が恵まれていないからではなく、恵まれているからこその貪欲さなのです。
瑞菜が学園の生徒を元別荘だった寮に受け入れたのも、彼女が世話好きとの理由もありますが、彼女にとっては全く見返りを求めない奉仕では決してありません。
彼女のシナリオは幼少時主人公と別れた後の話と、彼女の現在の問題が中心となりますが、その問題は主人公の手に負えるものではありません。
主人公は完全においてきぼりを食らい、彼女の決断を見守るだけです。
その決断とは主人公が正式にいられることになった萌黄寮を結果的に出ることです。
彼女が主人公とずっと一緒にいたいと語ったことは、元義理の兄妹から恋人に関係が進むとはいえ「真っ赤なうそ」となる訳です。
以上の理由から少なくとも私は、彼女のシナリオとそれによって描かれた彼女を魅力的だと思わなかったのです。
声が気に入っただけに残念でした。
「お兄ちゃん」と呼ぶだけではそろそろアドバンテージにはならないと私は思っています。
◇「繭梨」シナリオ
「のほほん」「ぽよよん」「ポケポケ(主人公の弁)」などの語句で大体説明できるキャラです。
シナリオは前述の通り共通部分でほとんど中身が分かってしまいます。
明らかにばらし過ぎているのですが、逆に個別部分で主人公との親密さが増してゆく過程にプレイヤーの注目が向かうことになり、却って良かったかもしれません。的外れなおせっかいも傍から見るなら面白いです。
屋根から落ちるのは故意ではとさえ思えます。
初Hの少し前の屋根を使ったお約束の展開(まず落ちそうになるのは主人公)も彼女なら許してやってもと思ってしまいます。
主人公を思いやる行動や甲斐甲斐しさは、おおげさとはいえよく表現できています。
「ナース」の服装はほんの一瞬ですので、もう少し使い道があったと思います。
最後に泣く場面も主人公との絆を強めたという意味で、また展開がバレバレだったこともあり、不快にはなりませんでした。
割と言いくるめられ安く、つい従ってしまうところが、個人的には側に置いておきたいという思いを駆り立てる存在でした。
「おまけ」のHでは主人公の言いなりになりすぎなので、彼女の個性を殺しているように思えます。
彼女がHな事に次々と好奇心を抱くように、主人公にうまく導いて欲しかったです。
それにしても海での扱われ方はHシーンを除いて最悪です。
◇「ミン」シナリオ
主人公の天敵で、暴力担当です。
主人公が何かをやらかしたと見ると、怪しい武器でいきなり攻撃を仕掛けます。
立ち絵でそれを取り出す絵がないのが残念です。
前髪の一部が長く、髪の毛が目にかぶる時の絵が個人的に馴染めません。
寮のメンバーの中で最も主人公を認めるのが遅く、追い出す為の謀略を仕掛けるくらいです。
他のメンバーが主人公を認めてゆくうちにやや立場が苦しくなり、結局主人公との関わりから彼女自身も、主人公が正式に寮の管理人になるのを認める気持ちになります。
「誤解が解ける」というパターンです。
個別シナリオに入ると、管理人の仕事をやれと言いつつ近づいて来るところはなかなかです。
瑞菜のボランティアサークル(顧問は静香先生)で演劇を幼稚園で催すことになり、手伝いが必要とのことで主役に選ばれます。
主人公や寮のメンバーの協力もあり演劇も無事成功、その間にお互いがすれ違いを起こしつつ近づき、概ねすんなりと進みます。
ひねりはないのですが暗くなることもなく、ミンの心情の変化が割と分かったので少なくとも悪いシナリオだとは思いませんでした。
◇Hシーンの作り方は始めから見直すべき
当作品のHシーンは「数だけ」という感想が適切だと思います。
最も問題なのは、せっかく書いた1枚のHCGを十分に使い切る工夫がはなはだしく欠けていることです。
具体的に述べます。
まずその絵を出す前後に行為に至るいきさつやお互いの気持ちが盛り上がるに至った状況を述べていないことが多いです。
この導入部分でまずプレイヤーを引き寄せることが必要です。
「おまけ」だからいきなり始めていいということではありません。
次に1枚のCGに割り当てる文章の量が圧倒的に足りません。
次のCGをすぐに出せば間がもつ訳ではなく、その絵の状況やそこでのヒロインとのやりとりを文章できちんと描いてから次に進んで欲しいです。
文章の内容も単調な喘ぎ声が中心で、状況描写の少なさが目立ちます。
プレイヤーを引きつけるに足るヒロインの言葉もあまりありません。
また差分を出さないより出す方が分かりやすいなら、きちんと出すべきです。
表情の変化にも気を使って欲しいです。
終了後の余韻も駄目です。
服を来た立ち絵に戻してでも、お互いがどういう気持ちになったかをきちんと示すべきです。
ベースのCGが仮に1枚でもそれなりのシーンは作れるはずですので、「純愛」なら「どうせ薄い」という価値判断が全体に及ばないよう、努力を願いたいところです。
またHシーンもヒロインの個性を出す場面です。
ヒロインのH行為への態度や性癖、進行や回数を重ねることによる変化、主人公との力関係、台詞や声の出し方の違いについてヒロイン毎にアウトラインを定め、それをシーンに反映させる努力もより一層必要です。
ヒロインの数が多い程重要なことです。
良かったのは「中出し」にヒロインがけちをつけることが、ほとんどなかった点です(差分カットは悲しい)。
これだけ短い文章でこの点だけ語られても困りますが。
<10点満点での総合評価>
5.5点なのですが、そのうち西田こむぎさんが声優で出ていた分0.5点加点。
私 がとても思い入れがあったシチュエーションの分0.5点加点。
合計6.5点とします。
<お気に入りのキャラ>
私にとってはやはり繭梨でしょう。
あの独特の雰囲気は彼女の全てではないものの、やはり捨てがたいです。
実際に側にいたら「接近・回避葛藤」で大変でしょうが^^;
<最後に一言>
個人的には夏の設定だったのが良かったのですが、露天風呂へのこだわりをより感じます。
いわばこれは「露天風呂ゲー」です。
あと、瑞菜さん、あなたが寮のメンバーを海に連れて行ったのは、ひとつ間違えば「業務上過失致死傷」の管理者責任を問われ兼ねない行為ではないですか?
少なくともあの時繭梨に何かあれば損害賠償請求はあり得ます。
まぁ…、それよりミンの暴力の方が問題ですが…。
揉みくちゃ 〜獣が潜むラッシュアワー〜 (ひびきさんのレビュー) | 評価: 6 |
▼ タイトル | 揉みくちゃ 〜獣が潜むラッシュアワー〜 |
▼ ブランド | ZERO |
▼ ジャンル | ノベル+アクション |
▼ 対応OS | Win98/2000/Me/XP |
▼ メディア | CD-ROM |
▼ 定価 | 税込\9,240(税抜\8,800) |
▼ 発売日 | 2003/09/26 |
▼ 購入 | 揉みくちゃ / オリジナル特典 Getchu.com |
【 CG観賞モード 】 | あり |
【 シーン観賞モード 】 | あり |
【 BGM観賞モード 】 | あり |
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり、未読メッセージはCtrlでスキップ可能) |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(音声再生あり) |
【 選択肢リターン機能 】 | あり |
【 オートモード 】 | あり |
【 ヒント機能 】 | なし |
【 セーブ数 】 | 29個 |
【 エンディング数 】 | 7個 |
<ストーリー>
主人公、反ノ内 拓也(そりのうち たくや/名前変更可能)は、地方の建築会社に勤める平凡なサラリーマン。
毎日、イヤミな上司に小言を言われ、悶々とする日々を送っていた。
そんな梅雨のある日、10日間の東京出張を命じられる。
面倒くさいと思いつつも、背くわけにもいかず、一路東京へ。
そこで彼を待っていたのは、初めて見る満員電車だったのだ。
主人公は出来心から、女性のヒップにふれてしまう。
一瞬、嫌がられるかと不安がよぎったが、その女性は怯えてきっており、ただ震えるばかり。
その臆病なさまによって、彼の内に秘めていた雄の性癖は解放されていくのだった。
こうして痴漢行為に味をしめてしまった主人公。
ソフトタッチがやがてヒワイな動きになり、スカートを、パンティをはぎとるようになって…。
果たして、彼は無事に10日間の出張を終えることができるのか?
待っているのは、冷たいコンクリートの奈落の底か?
はたまた地上の楽園か!?
<キャラクター紹介>
須賀 瞳 (すが ひとみ)
元気で明るいクラスの人気者。
性には興味津々だが、男性には内気。
通学途中いつも携帯電話をいじっており、ソフトタッチにも気づかない。
男性経験なし。
夏樹 ヒカル (なつき ひかる)
瞳の親友。
さばさばしていて親しみやすい。
ふるまいは乱暴だが、情に深く涙もろい面も。
普段はトレーニングのため自転車通学だが、雨の日だけ電車を利用する。
実は性的に好奇心はあるが、経験はない。
春山 菊乃 (はるやま きくの)
欲求不満な有閑マダム。
日本髪で和服が似合う熟女。
書道教室に通うため、毎夕同じ時刻の電車に乗る。
痴女行為をしているという噂が…。
※ 熟女といっても、外見は、シワ一つ無い美人です。
笛吹 祥子 (うすい しょうこ)
清楚で内気なOL。
真面目で気弱、声が小さく、人と目を合わせられない。
いつも同じ時刻発の電車で通勤している。
男性経験皆無。
気弱な性格のために、いたずらされ放題…。
※ メガネッ娘。
南 千佳 (みなみ ちか)
おっとりした年下の上司。天然ボケで、性知識に疎い。
主人公の行為を知り、捨て身でやめさせようとする。
※ 性知識に疎い、なんて生易しいほどではなく、皆無であると言って良いでしょう。
このキャラ、酒乱なんですが、「天然ボケで酒乱」というキャラ設定は18禁ゲームの王道でしょうか?
ここあ
主人公が泊まるホテルのメイド。
食事・洗濯・掃除など、身の回りの世話をしてくれる。
このホテルの制服ではないメイド服を着ている。
えっちなサービス付き^^;
このホームページはZEROより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はZEROに帰属します。
<ゲームの概要>
ストーリーにある通り、通勤電車内で痴漢を楽しめるゲームです。
他の痴漢ゲームとは違い、「お触りシステム」だとか「作戦を練る」という過程は一切ありません。
選択肢を選んで読み進めていけば痴漢シーンを見ることができる、という普通のADVです。
<購入理由>
絵買いです。
パッケージのCG自体に引かれましたが、それ以上に、輪姦や乱交を彷彿させる絵柄だったからです。
輪姦や乱交があるゲームをしてみたい、と思っていたので早速購入しました。
<システム補足>
上記参照^^;
各鑑賞モード、オートモード、バックログなどの基本的な物は全て揃っております。
気になる点を強いてあげれば、「未読スキップがctrlキーでしかできない」、くらいでしょうか?
メッセージスキップは、かなり速いのでサクサク進みます。
また、特記事項として「オートモードのスピードを細かく設定できる」というシステムが挙げられます。
これはとても重宝します。
従来のオートモードは、自分好みのスピードが選べず、文章を読み終わっても次のページに進んでくれない…という不満がありました。
が!このゲームのオートモードは一味違います。
なんと、1文字分の待機時間とその他の待ち時間を指定することができます。
要するに、自分の読むスピードに合ったオートモードの早さを0.01秒単位で細かく指定することができるのです。
…余談ですが、これを応用すれば、オートモードの待ち時間を「0秒」にすることも可能です。
するとどうなるか?
音声がないテキストはctrlを押しているときと同じ速さで進行します。
しかし、音声が入っているテキストだけは、音声が非オートモード時と同じスピードになるわけです。
要するに、「音声入りテキスト以外は全てスキップ」と同じことになります。
…場合によっては重宝するかもしれません^^;
システムだけならほぼ満点です。
インストール形態は、細かく選ぶことができます。
CG、音声、アニメーションから、必要だと思ったモノを選んでインストールします。
フルインストールすると約370MBの容量が必要です。
一度フルインストールしたら、次からはCDを挿入しなくてもOKです。
<音楽・音声>
女性ヒロインは、フルボイス。
主人公の名前が変更可能なので、主人公の名前を呼ぶときは空白になります。
声優さんの演技が、もうちょっと上手だったら良かったのに…と思いますが、まぁ、それほど気にはなりません。
チュパ音は少なく、本番中の摩擦音というか水音もありません。
また、発射時も無音状態です。
気になる隠語の消し方ですが、テキストでは「オマン○」などと表示され、ピー音で消されます。
基本形ですね。
BGMですが、スタート画面や痴漢シーンでは、場を盛り上げる音楽として、不協和音をフンダンに使った音楽が使われます。
結構大胆な試みで、こういう音楽は、単体で聴くとちょっと引きますが、ドキドキ感を誘発させるような場面で使われると効果的と思われます。
現在のTVドラマモノでも結構使われている手法ですね。
<原画・CGなど>
原画を手がけた人は非公開。
思いっきりアニメ画ですが、あっさりしていて、可愛らしいCGです。
CGの塗りに関しては、淡い色を使った塗りが多いです。
アニメーションもありますが、動きが粗いです。
まぁ、その分、アニメーション場面でもほとんど重くならないという利点はありますが…。
アニメ部分に期待しないで下さい^^;
また、立ち絵時にキャラの目がマバタキしたり、キャラが喋る時には口が動いたりします。
これはちょっと良かったかも^^;
<エッチシーン>
後述しますが、CG枚数が少ない、ということが最大の欠点です。
また、乱交や輪姦場面も少ないというのも頂けないです。
まぁ、それはそれとして、痴女キャラである菊乃は大活躍!
このキャラには期待が持てます^^;
ヒロインによっては、セーラー服、着物などの半脱ぎエッチなども楽しめます。
バイブやナイフ、といった道具を使ったプレイもあります。
一応アニメーションがありますが…やはり期待しないで下さい…。
<感想>
6月の梅雨…、ムシムシしていて、通勤で使う電車内の不快指数は高くなるいっぽう。
そして、主人公の出勤する時間の天気はなぜか「曇り」か「雨」。
ふむふむ…、その不快指数の高さが、冷静な判断を狂わせて人を痴漢という行為に走らせてしまうわけですね…。
と少し納得して…出来るか!?
ま〜しかしですね、このなぜか「雨」と「曇り」しかない天気、という設定が物語の大きな伏線となっているとは…。
いやぁ、びっくり!見直しましたよ、ZEROさん。
やれば出来るじゃーないですか!(ずっとやってくれれば嬉しいのですけど…)
しかし、このゲーム、不満な点と満足な点とのギャップが、かなり激しいです。
個別に書いていきましょう。
▲不満点
@ CGが少ない
A アニメーションが酷い
B 鬼畜エンドがほとんど無い
C 同時に2人以上のヒロインとのエッチシーンがひとつも無い
この4つがこのゲームの主な欠点です。
まず、VG枚数が少ない。
これは18禁ゲームにとっては、かなりの致命的な欠点です。
例えば、「主人公はヒロインにウインナ−を咥えさせた。その際、唾を自分でつけたり舌を使って舐めるように指導した」というテキストがあります。
(ちなみに、ウインナ−とは比喩ではなくて、本物のウインナ−です)
が、その場面でヒロインは立ち絵のまま…。
普通、ヒロインがウインナ−を咥えてるCGになるでしょう?
また、別のヒロインが電車内という公衆の目の前で、自分の股を大胆に開いて晒し、複数の男にクンニをされたり触られたりするシーンもありますが、これまたヒロインは立ち絵のまま…。
本来なら別個にCGが用意されて欲しい場面で、立ち絵のままテキストが進む、という場面が結構ありました。
まぁ、各キャラとも、エッチ時はアニメーションしたり、複数のCGが用意されていたりしまが、そうは言ってもねー…。
また、痴漢シーンでお尻を触るCGなどは、複数ヒロインで同じCGが使い回しがされています。
みんな同じお尻…。女子校生もOLも人妻もみんな同じお尻…。
………。
………………呆れ果ててコメントしようがありません。
売りであるアニメーションも酷いです。
コマ数が少なく、カクカクしていて思いっきり不自然。
アニメーション要らないから、その分個別のCGを増やして欲しかったです。
そしてB。
今までさんざん痴漢を働いてきたくせに、何故エンディングではヒロインと結ばれますか?
いや、18禁ゲームにリアルさを求めるのは確かに無粋です。
しかし毎日痴漢をされ、公衆の目の前でパイズリさせられ、処女をも奪われ、挙句の果ては10人くらいで輪姦されたのに、主人公の出張期間が終わった時に、自分から家族も故郷も捨てて主人公に着いて行く、というのはどうなんでしょう?
魂まで奴隷化して、「あなたの肉棒が忘れられないの…」という展開ならまだ判りますよ。
「…痴漢をされていたのですが、徐々にアナタを好きになっていってしまいました。気が付いたらアナタに夢中で…」
ふ・ざ・け・る・な!
やっぱり痴漢モノなら、「…その後もヒロインは主人公達男共の慰みモノとして通勤電車に毎日乗っている…」、というエンディングがあってもおかしくないはずです。
と、いうか、ひとつぐらいそういうエンディングが欲しかったです。
(そこを期待していたのに…)
Cの同時に2人以上のヒロインとのエッチシーンがひとつも無い、というのも痛いです。
瞳とヒカルの同時エッチ、というのを期待していたのですが、期待だけで終わりました…(涙
さて、貶してばかりでは可哀想なので良い点を…。
@ 立ち絵の表情が素晴らしい
A 物語がサクサク進む
B 痴漢時、ちゃんと嫌がってくれるキャラも存在する
C 実は良いシナリオもある
が利点ですかね。
@の立ち絵に関しては、マバタキを基本とした目の動き。
特に菊乃の表情は絶品です。
ちょっと色っぽく、拗ねたようでもあり、そして誘っているようでもある表情と、瞳が潤むアニメーション。
「痴女」というキャラクターを見事に演出しています。
他ヒロインでも、不安を感じている時には涙目が揺れ動きますが、この小さな演出はとても良い感じですd(^-゚*)
Aですが、物語や痴漢シーンなど、本当にサクサク進みます。
選択肢を選択するだけで痴漢シーンやエッチシーンを拝見することができるのは、抜きゲーとしては合格です。
なんだかんだと欠点を言いつつも、結局自力でコンプリートしてしまいました^^;
Bですが、痴漢シーンでも、焦ってタッチしてしまうと、手を叩かれたりして、適度な緊張感をも生み出してくれます。
また、弱気なヒロインは、声を出すこともできず、鞄を盾にして精一杯の抵抗をしています。
このような仕草にはそそられてしまいますな〜^^;
そしてC、何と痴漢ゲームにも関わらず、萌えッ子とのお涙頂戴純愛シナリオというのもこのゲームには存在します。
…まいった…そうきたか…。
これには完全に意表を着かれました。
しかも、このシナリオでヒロインが主人公に告白するシーンなどはかなり萌えました(*σ▽σ)
健気ですよ、この子(゚ー゚)(。_。)(゚-゚)(。_。)ウンウン
ZEROさん、参りました…。今回は脱帽です。
ひとつ言うなら、純愛モノのシナリオにしては短いシナリオだった、ということでしょうか。
<10点満点での総合評価>
6点
やはりエロのためのエロゲーなら、「CGが少ない、複数ヒロインとのエッチシーンが無い」、というのは痛いです。
それだけだったら4点なのですが、1つの純愛シナリオが良かったので、6点と大幅に点数を上げてしまいました^^;
…逆を言うと、かなり気に入ったシナリオが存在するにも関わらず、6点という低い点数なんですけど…。
<おすすめキャラ>
エッチシーンのみを見れば、春山菊乃。
痴女というキャラクターを見事に表現しています。
ちょっとアブノーマルなのが珠に傷ですけど^^;
最後に一言:「CGの少なさ、シナリオの良さ、この2つのアンビバレンスが評価を悩ませるゲームです。」