そらをみあげて想うこと    (たろんなーどさんのレビュー)  評価: 6 
▼ タイトル そらをみあげて想うこと
▼ ブランド BLACK LIGHT
▼ ジャンル アーカイブノベル
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2004/02/27
▼ 購入   そらをみあげて想うこと / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  なし
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(バックログでの音声再生なし)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  20個
【 エンディング数 】  5個(BADEND除く)


<あ・ら・す・じ>
 キューブ。
 それは2015年、地球上に突然飛来した人工天体。
 それは人類の英知を結集した調査によっても何も判らず、ただ、衛星軌道上で地球を見下ろしているだけだった。
 キューブの飛来と時を同じくして、地上ではいわゆる「超能力」を持つ人々が出現してくるようになった。
 「能力」といわれたそれは、様々な種類があったが、キューブの出現と関係していると思われた。

 そしてそれから時はたち、キューブと「能力」が人々の「常識」に入り込みつつあった時代。
 主人公は南海の孤島に設置された「能力」を持つ人々が通う「学園」へと入学する。
 そしてそこで、十数年ぶりにであう幼馴染、由布木美鶴と再会するのだった。


<キャラクター紹介>
由布木 美鶴(ゆふぎ みつる)CV:北都 南
 学園に入って再会した主人公の幼馴染にして同級生。
 「能力」は他人の視点への割り込み(インタラプト)。
 まじめな性格で「能力」以外は勉学、運動ともに優秀だが、多少天然ボケな部分もある。

十条寺 沙奈(じゅうじょうじ さな)CV:木村あやか
 主人公のクラスメートでクラスのムードメーカー。
 「能力」は自分で破壊した物質の修理。
 能天気で外見どおりの子供っぽい部分も多いが、あまり深い関係の友人はいない様子。

牧野 はづき(まきの はづき)CV:三咲里奈
 主人公のクラスメートで、沙奈とは幼馴染に当たる。
 「能力」は当質量の物質同士を交換できること。
 生真面目で主人公や沙奈に厳しいが、それでも根は優しい。

榛名 陸(はるな りく)CV:須本彩奈
 主人公のひとつ先輩で「能力」的にもっとも優れたSクラスに所属する。
 「能力」は物体の運動エネルギーに干渉する事が出来るというもの。
 無口で無表情なため、何を考えているのかわかりにくい。

兵藤 さやか(ひょうどう さやか)CV:北条明日香
 耕平のクラスの担任を務める女性教師。
 優しい性格で親しみやすく、生徒からの人気も高い。

ニコライ・ミハイロフ・タチバナCV:どてら4号
 「能力」の演習のために派遣されている教師で寮監も務める。
 非常に厳しく、生徒たちには嫌われている。

猪熊 誠志郎(いのくま せいしろう)CV:一一
 主人公のクラスメートにして親友。
 「能力」は触ったものをぬいぐるみに変えられること。
 おとなしい性格だが、武道の達人で全国優勝の経験有り。

木ノ下 耕平(きのした こうへい)主人公・リネーム不可
 「学園」に所属する「能力」以外はごく平凡な学生。
 「能力」はパラレルワールドを作成してしまう「可能性拡大」。
 ただし、自分ではあまり制御できないので役には立ちにくい。


このホームページはBLACK LIGHTより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はBLACK LIGHTに帰属します。



<音声>
 主人公以外、主要キャラフルボイス。キャストは上記の通り。
 基本的にはキャラクターと合っていますし、演技力のほうも男性声優さん含めて問題ないかと思います。
 ただ、割合小声で喋っている所は小声で、大声のところは大声でって感じで音量調整が少し微妙でした。
 いや、まぁ、そのほうがリアルなのでしょうが、音楽がかぶさるので、どちらかに音量をあわせると少し聞きにくいと思います。


<音楽>
 全30曲、ボーカル曲はありません。
 取り立てて印象に残るほどの曲はありませんでしたが、違和感も無く、総じてごく普通にBGMしていました。
 全体的には今の流行ではないですが、一昔前のノベルゲームのBGMに近い感じで、そういう音楽が嫌いでなければ悪くないと思います。


<システム周り>(ver.1.00)
 ノベル形式とメッセージウィンドウを併用するAVG。
 とはいえ、それ以外はごくごくノーマルな選択肢型のAVGです。
 各場面ごとに場面タイトルが表示されるような、擬似的な章立てAVGという感じでもあります。
 主人公が「可能性拡大」という能力を持っているので、ほとんどの選択肢に「能力を使う」という選択肢があるのが、ちょっと面白い程度でしょうか。
 そういった「何がおきるか判らない」選択肢が有るせいで、難易度はまったくないということは無いですが、間違いの選択肢は即ゲームオーバー系が多いのでそれほど面倒では無いかと思います。
 ストーリー分岐の選択肢は基本的にヒロインの名前で出ますので…。

 ただ、このゲーム、トゥルーEDがあるのですが、トゥルーへの入り口が少し判りにくいです。
 いや、入れないというのではなく、あまりにも何気ない選択肢で、ついトゥルーEDルートに入ってしまうのです。
 実際、私の場合、3周目でトゥルールートに入ってしまい、そのルートで全てネタバレされてしまい、それ以降のヒロインの攻略が少し味気なくなりました。
 あと、ヒロインEDに行こうとして全ヒロイン共通のトゥルーEDに行ってしまうとか…。
 そこだけ少し難易度がありますが、まぁ、全体としては問題ない難易度だと思います。
 プレイ時間は1キャラ5〜6時間前後ですね。

 細かいシステム周りは上記参照。
 各キャラ1〜2回ほどのHシーンがある割りにシーン回想が無く、セーブ数が20しかないのは少なく感じます。
 いや、まぁ、Hシーンの実用性は無いからいいんですけど…。
 とはいえ、それ以外はあまり不満はありませんでした。

 その他、フルスクリーンでプレイ中、画面効果で「画面が揺れる」っていうのがあるのですが、その時に後ろのデスクトップが見えてしまうのはいかがなものかと…。
 また、画面効果や効果音がキャンセルされないため、少しスキップが遅い気もしましたがそこまで気になるほどでもなく、特に不満はありませんでした。

 このゲーム独特のものとしてSFおよび理系用語が頻出するため、TIPSシステムなる吹き出しによる用語解説がありますが、枠が小さくそれほど説明になっていないので必要性は微妙な気がしました。
 ついでに、用語説明内にカート・ヴォガネットやラリイ・ニーヴンなんて名前を出されてもSFマニアにしか判らないのではないかと…。
 そしてSFマニアにはあまり用語解説が必要なかったり…。
 まぁ、単なる用語解説ではなく、これをツッコミに使ったりしているのは多少面白かったですが^^;


<CG>
 キャラクターデザインは太田和範氏。
 デッサンの狂い等はありませんが、絵自体が書き込みが少なくシンプルな為、正直非常にチープに見えてしまいます。
 まぁ、好みもあるのでしょうが、個人的にはあんまり…という感じでした。
 立ち絵もアクションがオーバーなのは良いですが、少しコミカルな方向に走りすぎていて、後半のシリアスな展開には合っていないような気がします。
 なんというか…、絵から緊張感が感じられなく、シリアスな銃撃戦がコミカルに見えてしまうのはいかがなものかと。

 塗りもいまひとつ、というか今ふたつといった感じです。
 特に立ち絵で顕著ですが、べたっとした塗りで非常に平面的に見えてしまいます。
 また、キャラクターの輪郭もかなりはっきりとしすぎており、なんだか背景から浮いて見えていて、とても不自然な感じがします。

 背景のほうも、もともとの出来自体は標準くらいですが、塗りがやはり平面的で、舞台の書き割り的に見えてしまうのは残念なところ・です。
 SFもので機械類がたくさん出てきますが、その書き込みも甘いです。

 総じて、絵に関しては正直かなりレベルが低いのではないかと…。


<Hシーン>
 まぁ、いつもどおりの一言で。
 「Hシーンには期待しないでください」、と^^;

 声優さんは人気・実力を兼ね備えた方ですし、かなり頑張っておられるのですが…、いかんせん尺がかなり短い&あの絵では実用性はかなり低いです。
 回数自体は各キャラ1.2回で、シチュエーションもアナルや羞恥っぽいのがあったりと悪くないんですけどね…。
 いやはや…残念です。


<感想>
 う〜ん、正直このゲームにはあまり期待していなかったのですが、いい意味で期待を裏切られました。
 SFっぽい雰囲気は感じていましたが、主人公の能力、「可能性拡大」にしても、言い換えればご都合主義を許容することになりかねず、使いどころが難しいと思っていたのですが、なかなかうまく使いこなしていたと思います。

 きちんと量子力学に基づくパラレルワールドSFという括りで話を作っており、好感を覚えました。
 いや、突っ込みどころが無いわけではないですし、ご都合主義的な展開も無いわけではないのですが、それが余り目立たない程度で、しかもきちんと設定には則っているので、気にはならなかったという感じです。

 シナリオ自体は、キューブという異物によって超能力を持つことになった学生たちの学園生活を通じていく中で、謎のキューブの存在意義を始めとする世界自体が徐々に明らかになっていく…という、言ってしまえばこの手の話でよくあると言えるものです。
 とはいえ、このゲームの場合、各ヒロインシナリオに、そして全編に渡って少しづ伏線が張ってあるため、各キャラシナリオで出てきた謎や違和感がトゥルーEDできちんとひとつになっているため、きちんとひとつの作品という感じでまとまっているので、その辺は好感触です。
 各キャラシナリオでの整合性が無いなぁって思っていたところが実は伏線だったりして意表を付かれました。
 しかし、このトゥルールートが曲者で、あまりにもルートに入りやすいため、クリア順的に最後に回らないことが多いかと思います。
 そうすると、シナリオ自体のオチが読めてしまい、それ以外のシナリオをプレイする意欲も意味も失われてしまいがちになってしまうのは残念なところ。
 こういうシナリオ構成でしたら、他のキャラ全員をクリアするまでトゥルールートに入れないくらいでもいいと思います。

 また、一応用語解説などはありますが、世界設定およびシナリオ自体がすでにSFという舞台に頼っているきらいがありますので、SFに詳しくない方にはシナリオ自体がかなり判り難くなってしまっているような気がします。
 そして逆に、物語のテーマ自体がSFかというと、そこまででもないので、ハードSF好みの方にもやや受け入れにくいかと…。
 そういう意味で、やや人は選びますが、その辺が気にならなければ、丁寧に構築されたパラレルSFモノとして楽しめるかと思います。

 それから日常描写もなかなか良かったです。
 基本的に主要キャラが入り乱れての、どたばたコメディという感じで、なかなか面白かったです。
 反面、共通ルートなどでほとんどの主要キャラが各場面で揃いますので、個別シナリオで険悪になっているはずの二人が普通に話していたり…という矛盾が出てきてしまっているのは残念なところです。
 それでも、主人公を中心とするグループの学生生活らしさは出ているのでコメディとしても悪くないかと思います。

 ただ、各キャラシナリオもどちらかと言えば“世界説明より”なので恋愛要素は少し薄いです。
 基本的な感情の流れは押さえているのですが、ゲーム期間が8ヶ月と長く、また日付が飛び飛びになってしまうので、いつの間にかくっ付いている様な少し唐突な感じを受けてしまいます。
 まぁ、ほとんどのシナリオでゲーム中盤くらいまでにカップルになっていて、そのあとは二人で困難を乗り越えて行くという感じのシナリオですので、そこまで気にはなりませんでしたが…。
 恋人同士になってからもベタベタという感じではなく、パートナーという感じで好感が持てました。

 そういう意味で、この手のライトなSFが嫌いでなければシナリオはなかなか悪くないと思います。
 テキストに関しても誤字誤変換はほとんど無かったですし、コメディ部分もパロディに逃げずうまく会話を組み立てていて、なかなか笑えるものでした。


<10点満点での総合評価>
 6点
 絵がよければ7点くらいつけたいところですが…残念。


お気に入りのキャラ:牧野 はづき
最後に一言:「どうでもいいですが、榛名陸の一人称って、「榛名」なんですよね。
        普通、自分のことは苗字では言わないと思います…。」









  はぁ・はぁ・テレパス    (zaku2さんのレビュー)  評価: 7 
▼ タイトル はぁ・はぁ・テレパス
▼ ブランド SAGA PLANETS
▼ ジャンル 超BINKAN・AVG
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM / DVD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2004/01/30
▼ 購入   はぁ・はぁ・テレパスCD / はぁ・はぁ・テレパスDVD
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり、Ctrlキー対応)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり、ホイール対応)
【 選択肢リターン機能 】  あり
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  50個
【 エンディング数 】  5個(美羽END2個+まなEND+莉子END+ハーレムEND)


<あ・ら・す・じ>
 暁光学園二年の主人公・柴崎翔太は、神社の石階段から落ちてきた転校生・藤本美羽と頭をぶつけたことをきっかけに、彼女のココロの声が聞こえるようになってしまった!
 ある日、主人公はそんな彼女から裏庭に来てほしいと呼び出される…。
 『私と付き合ってくれませんか?』
 突然の告白に耳を疑う主人公だったが、二人は恋人同士に。
 初めてできた彼女に喜ぶ主人公だったが、二つの大きな問題があった。
 一つは彼女のココロの声が聞こえてしまうこと。もう一つは…。
 『私、男の人にさわられると変になっちゃうの…』
 なんと彼女は異常に感じやすい体質だったのだ。
 ふれただけで感じてしまう。手をつなぐのも、キスをするのも大変。
 エッチすることなんて…。
 感じやすい彼女のココロの声を聞きつつ、手探りで色んなことをためしていく。
 歯止めが利かず、どんどんエスカレートしていって…。
『ダメ…、このままじゃエッチな女の子になっちゃう』


<キャラクター紹介>
藤本 美羽
 いつもにっこり笑いかけてくれる、心優しい女の子。
 すぐにアソコが濡れてしまう、超敏感体質に悩んでいる。
 転校初日、いきなり濡れたパンツを見られた主人公に一目ぼれして、付き合うことになる。

神原まな
 両親の離婚で、突然離ればなれになってしまった義妹。
 主人公のことを、お兄ちゃんと呼び慕っている。
 離婚後もなにかと理由をつけて、主人公に会うに来る。

新井莉子
 スイカップで、主人公にムギュムギュしてくれる。
 超常現象が大好きで、UFO研究部の顧問をしている。
 主人公を誘惑して、なんとか部員にしたいと考えている。


このホームページはSAGA PLANETSより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はSAGA PLANETSに帰属します。



<システム補足>
 上記参照。
 ビジュアルアーツ系列が採用する汎用型システム。
 安定感あり、お手軽操作、動作も軽量と三拍子そろったシステムです。
 セーブ・ロード時のメッセージ確認の有無の設定、フォント設定、キャラごとの音声有無と文字色の設定等とほんとに親切です。
 最近では音声再生時にBGMの音量をさげる機能と選択肢リターン機能がついたのが高ポイント!
 オートモードも細かく設定できます。あまり使わないけど…^^;
 そしてディスクレスの起動が可能なのは何より嬉しいところ。
 (プレイしたのはDVD版でしたが、おそらくCD版も可能だと思います)
 キーボードへの対応も無難でいい感じです。
 使いやすさはもちろんユーザーへの配慮という意味では、この系列は十分信用できます。
 こういうところは同じく汎用型システムを採用しているブロス系列には見習って欲しいですね。


<音楽・音声>
 BGMは13曲。
 改めて聞きたくなるほどではありませんが、なかなか良質な曲が揃っていると思います。
 全体的に綺麗でしっとりした曲が多いです。
 作品の雰囲気を考えると、もっとコミカルな曲メインの方が良かったと思いますがね^^;
 まぁ、どちらにしても抜きゲーにおいてBGMなんてものは音声の(以下略)

 ボーカル曲はOPに一つ。
 これについては…まあ特になしです。

 音声は女の子のみフルボイス。
 声優さんたちはビジュアルアーツ系ではお馴染みの方々。
 演技は文句なしで、十分満足できる出来です。

 ところで、今作は美羽がメインヒロインとなります。
 そのため彼女の扱いは別格。
 そうなると、その美羽嬢を演じる声優さんの力量如何が本作の鍵となるわけですが、そこには神・涼森ちさと嬢
 なんてったってこの人は、私が三番目に名前を覚えた声優さん。
 (一番目は北都南さん、二番目は木葉楓さん)
 そもそも私がエロゲを本格的に声優買いするきっかけになったのは「魔法のミルクティー」でこの人が演じるサラ嬢のチ〇ポケーキが(以下略)
 …ごっほん…私俺の個人的なことは置いといて、とにかくこの人は演技が上手い!
 キャラクターの感情表現が非常に絶妙で、その実力はまさに神の領域!
 この好演技のおかげで、中身の無いシナリオ(>_<)の中でも、美羽というキャラクターが非常に活き活きとしていて、魅力的な女の子に仕上がってます。
 ちさとさんをただのチュパ音だけの人だと思って侮ってた人は、これやって考えを改めてください。


<グラフィック>
 原画担当はちんじゃおろおすさん。
 ややロリ入ったアニメみたいな可愛らしい絵です。
 個人的には少し苦手。
 どうしても見分けが出来ないキャラの顔が苦手です。
 そこら辺は好みの問題ですので、百聞は一見にしかず…。

 塗りは、ツヤツヤした感じのものです。
 丁寧でなかなか良いのではないでしょうか。
 汁気などもちゃんとあるため、エロという意味でも良質だと思います。

 特徴として、立ち絵とは別に、メッセージウインドウ上に表情グラフィックが表示されます。
 立ち絵にポーズ変化などはほとんどありませんが、代わりにこの表情グラフィックがころころ変化するので、見てて楽しいです。

 一枚絵はほとんどエロ系です。
 詳しくはエロのとこで…。

 グラフィック部分の結論ですが、印象に残るような強烈なインパクトはないですが、質的には充分レベルは高いと言えるでしょう。
 特に表情ウインドウが豊富なところは好感が持てます。
 評価が分かれるのは、絵柄に対する個々の好みくらいしかないでしょう。


<シナリオ・内容>
 内容はオーソドックスな選択式ADV。
 二択三択を繰り返し、ルート分岐するタイプです。
 難易度もゲーム性も低め。
 一プレイ時間は私の場合は初回で5時間、二周目以降は2時間ほど。

 話は、主人公・翔太の通う学園に美羽という女の子が転入してきて、その後その美羽に告白され付き合いはじめるところから始まります。
 ゲームを始めてから美羽と恋人同士になるまでに要する時間は、現実の単位で約10分ほど。
 もう速攻ですね。恋人になるまでのこの短さはエロゲの中でも間違いなくトップクラスでしょう。
 え、なんで美羽ちゃんは翔太君のことを好きになったのかって?
 それは俺には永遠にわからないし、多分ライターさんすらわからない。
 ヤバイ…誰にもわからないなんてヤバ過ぎる…。

 そんなわけで美羽ちゃんと付き合うことになるのですが、煩悩で頭が一杯のドーテー高〇生に、一途に愛してくれて、何でも言うことをきいてくれる可愛い彼女が出来たわけですから、あとはもうやることは一つ
 毎日ひたすらSEXです。これに尽きます。シナリオなんてもう無いも同然です。
 ああーむしろアレですな…、出会って10分でいきなり告白されるようなゲームにシナリオ部分で何かを期待する方が間違いってもんです。

 一応、テレパス能力と敏感体質という変わった要素がありますが、そんなモンはあってもなくても一緒です。
 どっちもエロを盛り上げる為の布石です。

 あえてシナリオ部分に求めるものがあるとしたら、美羽ちゃんとのラブラブ生活に萌えろ、ってところでしょうか。
 とにかく二人は超ラブラブ。
 特に美羽ちゃんは翔太君好き好きオーラを常時全身から発しており、その上テレパス能力でわかる彼女の心の中も翔太君を想う気持ちで一杯です。
 そのイチャイチャっぷりは凄まじいものがあります。
 そんな二人のバカップル度はもはや文字では表現不可能。
 端的に言うなら「もう見てらんない」

 そんな頭が痛くなるような怪しいラブラブ状態ですが、美羽というキャラが非常に可愛らしい為、それほど抵抗を感じることなく入っていけると思います。
 ああーむしろアレですな…、美羽の中の人はちさとさんですから、ちさとさんの声で、
 「あなたのことが大好きなの。だからそばに居られるだけでわたしはとっても幸せ(はあと)」
 なんて言われちゃった日には…なんてゆうか…もうこのバカシナリオに突っ込むのも…どうでもよくなってきます。
 と、まぁ、私のバカな妄言は放っておいて、真面目な話、シナリオの中身は薄くてどうしようもないし、美羽というキャラクターも主人公ラブという一点を除けば個性と主体性が全くないので、キャラとしての魅力に欠ける部分もあります。
 しか〜〜っしっ、声優・涼森ちさとさんの演技が抜群に上手いので、それらのマイナスポイントを見事に帳消しにされています。
 俺の個人的な贔屓目を抜きにしても、ちさとさんのこのゲームにおける貢献は計り知れません。

 ちなみに美羽のほかに、義妹のまなとエロエロ電波保健医・莉子というキャラも居ますが、ただのオマケです。
 もう、彼女達のシナリオは物凄くテキトー。
 むしろ無かった方が良かったくらい。
 この二人には何も求めることは出来ませんのであしからず。


<エロ>
 エッチはもちろん美羽メイン。
 回数は合計24回。
 一応他の二人にもありますが、まなは5回で莉子は3回と、オマケ同然です。
 あと美羽・まな・莉子との4Pプレイが3回あります。
 それとオマケに友人の虎太郎のエッチを見学するシーンが4回あります。(1回だけ主人公も乱入)

 シチュエーションとしては、フェラや69、パイズリ、その他色んな体位で本番など、基本的なものは一通りあります。
 全体的にキス→愛撫→SEXというように、しっかり段階を踏まえた丁寧なエッチが主流です。
 その他では、スク水や裸エプロンなどのコスプレ、さらには放尿プレイやアナルSEXなどもあります。
 純愛和姦ゲーの割にはシチュエーションは幅広いです。

 テキスト描写は、純愛和姦ゲーを意識したせいか、ムードを盛り上げるようならラブラブな描写が特徴。
 フェラ→69→SEXといった感じでプレイが連続しているので、尺はけっこう長め。
 エッチは和姦オンリーで、シナリオ同様とにかくラブラブです。
 超ラブラブ…あまりにもラブラブ過ぎて頭が痛くるほどです。
 端的に言うなら「誰かこいつらを止めてくれ…」

 そんなラブラブ和姦を演出している最大の要素は、テキスト…それもヒロインの台詞です。
 とにかく、美羽の台詞が凄いです。
 具体例をあげると…
 「でも翔太君だけだよ。他の人なんて絶対イヤ……こんなことしてあげるの翔太君だけなんだから」
 「翔太君のことが大好きだから、翔太君の全部が欲しいの。体中でくっついていたいの」
 とまあそんな感じで、凄まじいまでのラブラブワールドを遠慮なく発してきます。
 一回のエッチで最低でも5回ぐらいは好きとか愛してるとか言ってきます。
 私が今までプレイしたエロゲの中でも、一、ニを争うほどのラブラブエッチ度でした。
 それだけでなく、ゲームが進んでくると美羽もエッチに慣れてきて、卑語を連発したりエロイ台詞を言うようになります。
 「翔太君…わたしのおマ〇コぬるぬるしてて、きっと気持ちいいよ…だからおち〇ちん入れて…いっぱいいっぱいかき回して〜〜♪」

 と、そんなラブラブでエロエロな言葉の数々を、全部ちさとさんの声で言ってくれるのです。
 もうヤバイですよ…脳みそが溶けます…いや本当に。
 私の息子が「助けてくれー!」と悲鳴をあげております。

 ちなみに私の一番のお気に入りの台詞は、主人公に「美羽はチ〇チンしゃぶるの上手だね」と言われたときの一言…
 「やーあ。そういうこと言っちゃダメ…『あなたの』チ〇チンをおしゃぶりすのが得意なの(はあと)」
 …もう何でもいいや…。

 声といえばチュパ音ですが、相変わらずの好演技です。
 某掲示板で、北都南嬢・木葉楓嬢・白井綾乃嬢等と並び、神認定を受けた涼森ちさと嬢が出陣されてる以上、ここはモーマンタイ。
 そのエロさは言わずもがなですな。
 脇を固める方々も出番は少ないが問題なし。
 さて「質」ではもう申し分ないということは判って頂けたと思いますが、問題は「量」。
 しかしここも心配無用、このメーカーはちゃんと心得ています。
 木葉楓嬢を使いながら、まともなフェラシーンを一つも用意しなかった「めぐり、〇とひピー」とか「ハ〇レムDAYピー」とは違って、ちゃんと空気を読んでいます。
 フェラ、69、パイズリフェラなどチュパ音が出るシチュエーションは満遍なく配置されているされております。
 特にキスシーンが多いです。
 服を脱がしながらのディープキス、愛撫しながらのディープキス、対面座位でつながったままでのディープキス…。
 そしてその度に美羽(By涼森ちさと)がチュパチュパジュパジュパ…。

   ∧_∧
  ( ;´∀`)
  人 Y /   ヤバイ、思い出したら勃ってきた…
 ( ヽ し
 (_)_)

 バカは放っておいて話を戻します。
 声に続いて、グラフィック。
 和姦ゲーらしく、全体的に密着感が高い絵が多めです。
 肉感があって中々エロい出来です。
 キスシーンの絵なんかは、思いっきり舌を絡め合わせてて良い感じです。
 特に局部描写は、モザイクが比較的薄いのと相まって、なかなかのエロさを発揮しております。
 絵柄さえ許容出来れば、なかなかのレベルではないでしょうか。
 ただ体勢・体格がアンバランスで物理的に有り得ないものがいくつかある、という難点はあります。

 塗りも上々。
 肌の質感、汁気など、エロい仕上がりになっております。
 可愛らしい絵柄に似合わず、総じてエロ度は高めです。
 問題はやはり量でしょうか。
 使いまわしが目立ちます
 絵の数自体は決して少なくないのですが、シーン数や一回のシーンで展開されるプレイが多いため、前戯のキスシーンなど共通したパートでは使いまわしが目立ちがちです。
 …ちょっと残念。
 あと差分も少ない気がしました。

 さてここで最大の不満点。
 それは主人公のテレパス能力について。
 これは読んで字のごとく「美羽の思ってることが心の声としてそのままわかる能力」なのですが…。
 これはっきりいって意味がないです。
 例えば『翔太君のおち〇ちん凄い気持ち良い!』という心の声があるとします。
 これは普通のメッセージウインド上に他の台詞と同じように表示され、またボイスも全く同じように再生されます。
 どうゆうことかというと、結局中身は台詞と大して変わらないということです。
 はっきり言って台詞と心の声の違いは「」が『』になってるだけです。
 しかもストーリーがある程度進むと、このテレパス能力が美羽にばれるのですが、そうなると美羽の方は、しゃべるのと同じ感覚で心の声を使って自分の意志を翔太に伝えるようになるのです。
 そうなってしまっては、もうこのテレパス能力の存在意義は皆無。

 …結局俺は何が言いたいのかというと、「心の声と同時に喘ぎ声やチュパ音をバックで流せ!」ってことです。
 例えば美羽にフェラしてもらってるとします。
 そうすると、ちさとさんによる脅威のチュパ音が私達に襲い掛かってるわけですが、途中『翔太君、気持ち良さそう。嬉しいな』という心の声が入ってきたりして、そこでせっかくのチュパ音が途切れるんですよ!
 ………意味わかんねえよ!
 だって実際の口と心の声は別物だろ?
 だったら現実の声と心の声が同時に流れるのは至極当然だろ!
 と、いうことで、俺の暴走はとりあえず置いとくとしても、マジでこのテレパス能力の存在は疑問でした。
 心の声は、普通の台詞とは別のウインドウ(例えば漫画みたいにふきだしにしたり)を設けて表示したり、心の声が流れるときはバックでチュパ音・喘ぎ声などの現実の声を同時に流すなどの、この能力の存在意義を確立するためのシステム面における工夫をして欲しかったです。
 それが出来ないなら最初から余計なもの導入しなくてけっこうです。
 ただでさえこのテレパス能力はシナリオでも放置されてるし…。

 ああー、そういえばテレパス能力の他にも美羽は極度の敏感体質っていう設定も…。
 ………あれそんな設定あったっけ?忘れてた、ってか気付かなかったよ…(つД`)

 結論ですが、絵はなかなかで、シチュエーションや数もそこそこ。
 だが、それ以上に本作のエロを支えているのは、やはり涼森ちさとさんなのです!
 まさに彼女は大車輪の活躍。本当に有難う!
 数あるエロゲの中でも最高クラスのラブラブ度ですので、そういうのが好きな人はお勧めです。
 そのラブラブ和姦も、ちさとさんあってのものですけど♪


<10点満点での総合評価>
 7点
 理屈抜きに、ヒロイン・美羽とのバカップル生活とラブラブセックスを楽しむためのゲーム。
 ただそれだけです。えぇ、それ以外に何かを求めてはいけません。
 ある意味、純愛エロゲのあるべき姿かもしれません。

 ただテレパス能力や敏感体質という独特な要素を用意しながら、それを利用したゲーム性やシナリオ展開、エッチシチュエーションが特にないのは勿体無いです。

 まぁ、はっきり言ってしまえば、良くも悪くも涼森ちさと嬢が全てのゲームと言えます。
 「俺はちさとさんの声だけでご飯三杯はいけるぜ!」と余裕で言える漢(オトコ)のみに、このゲームをプレイすることを許されます。
 ん、私?私は全然平気だす。
 むしろ、どんと来いですな^^;


お気に入りのキャラ:美羽…彼女を好きになれなかったらこのゲームは意味ないです。
最後に一言:「結婚式ENDもなかなか^^;」