〜カドワカシ〜    (くるとたんくさんのレビュー)  評価: 7.5 
▼ タイトル 拐〜カドワカシ〜
▼ ブランド ZyX
▼ ジャンル 本格調教シミュレーションゲーム
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2003/12/26
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  50個
【 エンディング数 】  11個


<ストーリー紹介>
 とある女子学園の美術講師をしている主人公。
 ある日主人公は、いじめを受けていた学生、朋子を助ける。
 しかし、その朋子にサディスティックな気持ちを抱いた事を見透かされ、ついには乱暴に肉体関係をもってしまう。
 その関係を通じて、サディストとして目覚めてゆく主人公に、朋子は何も知らない純真な少女を思うように調教してみたくはないかと持ちかける。

 朋子が何かを隠している事には気付きつつ、朋子の計画に乗る主人公。
 自分は人を服従させ支配できるような人間に成り得るのか?

 単純な肉欲からではなく、その答えを見いだすために調教を行う。
 果たして主人公は、ヒロイン達を服従させ、支配する事ができるのか?
 それとも、朋子の操り人形として終わるのか?


<キャラクター紹介>
矢澤 瑞恵(やざわ みずえ)
 明朗で屈託がなく、裏表のない素直な性格。
 他者に対して気遣いをするタイプで、それに対して尽力を惜しまないので、頼られる事が多い。
 その為か、よく場の中心となるのだが、それを鼻にかけて取り巻きを作ったりするような事は無い。

白石 文香(しらいし ふみか)
 ある資産家の一人娘で、親の束縛から逃れようと、全寮制の女子学園に入学。
 かなりの独善家で、協調性は低く我を通すタイプ。
 自分にも他者に対しても理想が高く、それを当てはめる事が正しい事と思い込んでいる。
 瑞恵とは仲の良い友達。実は瑞恵に対して友情以上のものを感じている。

蔵島 朋子(くらしま ともこ)
 感情を表に出さないタイプで、自分の考えを人には話したがらない。
 目立つ事の無いように、自己の能力をひた隠しにし、計算づくで平凡な成績に収まっている。
 実際には頭の回転も速く、観察眼に優れ人を見ぬく目も確かで、行動力にも優れているのだが、周囲には無気力を装う。
 執念深く、敵に回した人間にはとことん冷酷になれる。

主人公(名前はプレイヤーが決定)
 ごく平凡な人間。コネがあって全寮制の一流女子学園で美術の講師をしている。
 サディストという隠れた性癖があるが、普段はそれが表に出ないように押さえ込んでいる。
 それを朋子に見抜かれ、計画の協力者に選ばれる。


このホームページはZyXより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はZyXに帰属します。



<音楽・音声>
 音楽は10曲と少な目ですが、調教ゲームなのでこれぐらいでも充分かと思います。
 (調教ゲームで音楽を期待する人なんて、そんなに居ないでしょうし…^^;)
 あと、さすがに暗い曲ばかり(明るいテンポのは不要)ですが、ちょうど良い感じです。
 上手く雰囲気を盛り上げていると思います。

 音声は、ほぼイメージ通りで、みなさん上手ではないかと。
 これと言って不満は感じませんでした。


<CG他>
 人気看板原画家、武藤慶次氏の作品。
 えっちぃくて個人的には好きな原画家さんです。
 質・量ともに申し分ないと思います(差分含めて100枚程)。
 アニメについても激しい動きこそしませんが、CGからアニメへと違和感なく入っていけます。
 そのせいか、CGのみに比べるとやはりあった方が雰囲気は盛り上がります。
 まぁ、繰り返しアニメなんで過度な期待は禁物ですが、スムーズに動いています。


<感想>
 調教ゲームって面白いですなぁ^^;(これで通算2作目)
 元々、サディスティックな願望を抑え込んでいた主人公が朋子と関係を持ったことで一気に暴れ回るのかと思ったていたら、誘拐計画立案から事後処理まで朋子が中心になって動くので、ちょっと意外でした。
 ちょっとリアルというか主人公より朋子が凄いというか^^;

 肝心の調教コマンドですが、7分野20項目と豊富にあります。
 また、ある程度パラメーターを上げていかないと選択しても抵抗されて出来なかったりします。
 最初のうちは抵抗しますが、回を重ねるごとに抵抗しなくなりますので、そういった経過をきちんとしてくれているのは、調教しているという気分と達成感がありますから有難いです。

 最初、やりたいコマンドをパラメーター不足で抵抗されると”無理やりやっちまえ!”とか思いますが…出来ません。
 偏った調教をしようとするとクリア出来ません(例えばア○ル調教だけで、最後まで処女でもっていく等)。
 きちんとバランス良く調教しなさい、という事なのでしょう。
 調教方法に妙な拘りのある人には難しいですかもしれません。

 調教過程でどれを重視したかによって、快楽・恥辱・被虐の3つに方向性が決まっていきます。
 EDとセリフの変化にこれが影響するのですが、おかげで難易度がけっこう高めではないかと思います。
 たまに自分の意図したのと違う属性になったりしたり、ED条件を満たしていても3人×3(快楽・恥辱・被虐)+ハーレム+BADの1つしか見れないので、リプレイが必要になってきます。
 残りの奴隷化に成功したキャラにも一切触れないので気になります。
 抵抗していたキャラが徐々に従順になっていく様は非常によいのですが、やはり何回もやっていくと完全なパラメーター調整作業になりますので、いっそのこと調教シーンのカット機能とか付いているとスムーズに進められたのではと思います。
 イージーモードの搭載などシステム系に不満が無いだけに残念です。

 個人的にこのゲームでは、主人公が相手を最後まで調教相手(奴隷)としか見てないという点は非常に好感が持てます(中途半端な愛情など不要!)。
 勿体無いと思ったのは、同時に調教しているのだからもっと“3Pで調教”“先に奴隷化した方を使って調教”等のイベントが無いのが惜しいところです。

 かゆいところにあと一歩届かないという点はありますが、大きな減点材料ではありません。
 やり込むのには難しいですけれど、やり始めると結構引き込まれるあたりは良いゲームだと思います。


<10点満点での総合評価>
 7.5点
 エンディングや繰り返しアニメーションにやや不満ありますので、この点数で…。


お気に入りのキャラ:白石文香…生意気な女ほど調教に成功すると可愛いモノです♪
最後に一言:「どうせならコスプレ調教も欲しかった!」










  華夏楼(かげろう)    (とっぷがんさんのレビュー)  評価: 5.5 
▼ タイトル 華夏楼(かげろう)
▼ ブランド Rateblack
▼ ジャンル 洋館凌辱AVG
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2003/10/10
▼ 購入   華夏楼(かげろう) / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(ホイールマウス対応)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  あり
【 セーブ数 】  60個+クイック10個+オートセーブ
【 エンディング数 】  10個


<あらすじ>
 大正12年。
 関東大震災―――
 怒り狂う炎蛇のごとき火災が鎮火され、残されたのは黒く濁った空と、燃え尽きた家々だった。
 主人公は地震で両親を亡くし、手元に残ったのは親が残した多額の借金。
 人の心荒む東京で、幼なじみの経営する店を手伝うことによりなんとか生計を立てる日々。
 幼なじみの名は「武田神楽」といった。
 莫大な借金、返済する目処など何もないはずの主人公だった。
 しかし、どこからか差出人不明の援助金が一ヶ月おきに送られてくるのである。
 最初はいぶかしがっていても、負債に追われる日々の主人公に選択の余地はなかった。
 かくして一年間、謎の援助金は届けられ続けたのであった。
 そしてそんなある日、ついにその手紙は届いた。
 宛名は『九条貿易会社 代表取締役九条静華』と記載されていた。
 全く知らない宛名。
 だが―――ついに不明の援助金者の名前が知らされたのだ。
 手紙には、『某県 某市 の山奥にある洋館《 華夏楼 》に来るように』と書かれていた。
 主人公は援助の理由を知るために、また、これ以上の援助を止めて貰うために、洋館へ赴くことを決意する。
 幼なじみの「神楽」は何かを感じたのか、そこへ行く事に反対する。
 だが、主人公は彼女を優しくなだめ、単身洋館へと向かうのだった。
 そこで待っていたのは、一代で巨万の富を築いた「九条聖一」の遺産。
 そして、それを巡る熾烈で醜悪な争いだった。


<キャラクター>
稲村 祐次
 本作の主人公。
 震災で両親を亡くし、幼なじみの神楽と一緒に店を開く。
 親の残した莫大な借金を少しずつ返済しながら生活をしていた。
 また、宛名不明の援助金を受けていた。
 一年後、その宛名不明の援助者から手紙が届き、洋館"華夏楼"に来て欲しいと言われる。

武田 神楽 CV:夏野 向日葵
 主人公の幼なじみ。
 震災の折に主人公が両親を亡くし、開いているミルクホールを一緒に動かすことになった。
 お互い昔から知っている仲だけに、いきなり恋人同士とはいかず、友達以上恋人未満の間を波間の板のように揺れている。
 今回送られてきた手紙を怪しみ、主人公が"華夏楼"に行くのを止めようとした。
 しかし、主人公は自分を置いて屋敷へと向かってしまった。
 それから数日が経ち、帰ってこない主人公を心配して、神楽は華夏楼に乗り込むことを決意する。

九条 椿 CV:西田 こむぎ
 "華夏楼"の主であった九条聖一の養女。
 生粋のお嬢様で、大人しく、控えめな大和撫子。
 しかし芯は硬く、しっかりした女性。
 父親代わりの九条聖一とは血は繋がっておらず、彼が何の目的で彼女を引き取ったのかは謎。
 最初、勝手に部屋に入ってきた主人公に敵意を向けていたものの、心を開いた後は甲斐甲斐しく尽くしてくれるようになる。

九条 レナ CV:春瀬 みき
 "華夏楼"の主であった九条聖一の養女。
 過去のある事件が元で九条家の人間や日本人を憎むようになった。
 九条貿易会社のことを知っている為、『華夏楼』以外の人間には強い警戒心を抱く。
 主人公が最初に来訪した際、レナの消化しきれない復讐心は主人公に向けられ、ハッキリとした拒絶を見せた。
 しかし、仲良くなっていくうちに彼女の本当の横顔が見えるようになっていく。

九条 静華 CV:歌織
 今は亡き九条家の当主、「九条聖一」の婦人。
 妖艶な雰囲気を持ち、歩くだけで色気を漂わせている。
 現在は夫の「九条聖一」を亡くし、九条家をひとりで支える当主となっている。
 主人公に謎の援助金を渡し続けていた、今回の狂気の舞台の演出家でもある。
 邪魔な義理の娘を主人公に犯させ、精神を壊し、相続権を剥奪しようとしている。
 しかし、本当の狙いはもっと別の所にあるらしい。

月島 霞 CV:成瀬 未亜
 『華夏楼』唯一の侍女。
 元は孤児だったが、聖一に引き取られた。
 生前の聖一から性的虐待を受けていた節があり、若干男性を怖がっている傾向がある。

九条 聖一
 資産家の生まれで、その頭脳は鬼才。兄弟はすべて女性だった。
 一代で莫大な富を築き上げ、一族の名を伸し上げた人物。
 人身売買に手を染め、その稼ぎで会社を設立。日本軍と密接な関係を築く。
 国内の売買のみならず、欧米にまでその欲望を拡大させている。
 部下は多いが、結局は自分の欲望を遂行させる為の駒でしかない。
 女性はすべて自分の玩具としか見ておらず、底無しの欲はあらぬ方向にまで及んでいた。
 それが、7年前の彼自身『最後の賭け』へと繋がっている。


このホームページはRateblackより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はRateblackに帰属します。



<購入動機>
 時代背景やキャラ設定に惹かれて購入。
 エロも期待しておりましたが…。


<ゲーム概要>
 ゲームスタイルは会話選択式のADVゲーム。
 ゲーム期間は12月25日より不定期。
 主人公が7年前以前の記憶を無くしていて、繰返しプレイするうちに少しずつ記憶を取り戻し、前回にはなかった分岐が増えてシナリオが進行していくというスタイルを取っています。

 シナリオの進行は、
 第一部「神楽」「椿」「レナ」の各陵辱・純愛ルート
  ↓
 第二部「霞」「静華」の各ルート
  ↓
 第三部「混迷」「最終」「裏」の各ルート
 この通り進めないとシナリオが進行しません。

 難易度は本来あまり高くありませんが、ある理由により致命的な難易度に化けます。
 (詳細はシステム補足に記載)


<システム補足>
 CDは1枚。
 ゲームで使用するHDは約460MB、フルサイズのインストールのみです。

 箱を空けたら何やら注意事項を書いた紙が入っています。
 −夏華楼インストール方法について−
 −最初のインストール時には、ランチャー内の「アンインストール」と表示されているボタンを押して下さい。
   インストール作業が開始されます−
 不審に思いながらも取り敢えずCDを入れてみる…。
 …あの〜、アンストのボタン無いんですけど…(^_^;)
 結局、普通にインストのボタンで終了しました。
 …【ウーム、一体何だったんだろう……ギャグ?(笑)】

 尚、ゲームの起動時にCDは必要ありません。
 システムは取り敢えず必要最低限のものは揃っています。
 ただ、セーブ・ロードなどのよく使う機能でも、いちいちメニューを開かなければならないのは、少し煩わしいですが…。
 あと、コンフィグで色々設定できます。
 ・主人公名前変更可
 ・文章フォント変更可
 ・キャラ別音声設定可

 システム面における最大の煩わしさは、フラグの継承です。
 一度クリアした後、単純に「最初から」を選択して続きを始めると、クリアしたキャラのフラグがすべてパーになります。
 フラグを継承するためには、常に「続きから」を選択し、EDを迎えた後は「ルート選択」で物語の途中から進めなければならないという、非常に分かりずらい仕掛けです。
 ここまでならまだ我慢できましたが、実はここに最大の罠が潜んでいます。
 シナリオの進行に規制があるのは先に述べましたが、第一部から第二部に進むための条件、つまり「神楽」「椿」「レナ」の各純愛ルートのEDを見なければならないという条件のうち、「レナ」においてはバグが存在します。
 それは「一度でも「レナ」の陵辱EDを見たら純愛EDを見てもフラグが立たない」というものです。
 つまりは、第二部に永遠に進行できません。
 陵辱EDの後に教えてくれるヒントを頼りに何回もチャレンジしましたが、クリア出来ない理由が結局これだと、激しくヤル気が削がれます(/o\)
 結局はまた最初から、純愛EDのみを全キャラプレイする羽目になりました。
 多分、この作品をここで放置している方は結構いるのではないでしょうか。
 …【フレ○リカ:それではこの真の罠(バグ)に気づかせないために爆弾(インスト注意書き)を?すばらしい智謀ですわ】
 …【ヤ○提督:ははっ、智謀だなんて…悪知恵(手を抜いただけ)だよ、これは】
 …【by銀○伝(イゼ○ローン要塞を放棄するシーンの会話)が思わず頭に浮かんだぞ…(^_^;)】
 とにもかくにも、この一件でシステムは地雷である事が確定しました。

 修正パッチは今のところありません。
 …って、何でないんだ?(怒)


<音楽>
 音楽は『ソネコウタロウ』さん。
 light系の作品ではお馴染みの方ですね。
 音楽鑑賞モードは12曲。
 …【相変わらず少なめだな…(-_-;)】
 ボーカル曲はありません。
 特に凄いという曲がない反面、特に悪いという曲もありません。
 …【毎回同じような事を書いてるな…(-_-;)】
 ゲーム起動時の「一瞬の永遠」という曲は結構良い感じですけど…。
 今回はいつもより音質が良い気がします。


<音声>
 個人的にはかなり好みの声優陣です。
 特に「夏野向日葵」さん「西田こむぎ」さんが良かったですねぇ。
 …【やっぱり「西田こむぎ」さんは「ちみっこ」が良く似合う(^^)】
 他の方も演技は安定していて、聴いていて特に違和感は感じませんでした。
 ただ、この作品はフルボイス仕様ではなく、通常会話は音声がありません。
 …【制作費足りなかったのだろうか…(-_-;)】
 えちぃシーンと重要イベントシーンは概ね音声が入っているのですが、通常会話との境目、音声なし⇔音声ありの切替は、当然リズムが悪く感じられます。


<原画・CG>
 原画は『春』さん。
 どこかで見たことある画と思ってたら、「ラジエル」というメーカーの「戒流の渦」という作品で原画を担当されていた方ですね。
 …【「ラジエル」から「light」に移られたんですねぇ…(しみじみ)】
 「ラジエル」は結構期待していたメーカーでしたが…これでもう復活の目はなくなりましたか…(残念)
 『春』さんの画は、目線の優しい感じとか全体の雰囲気とか、結構好みです。

 CGは、キャラのデッサンはほぼ統一されていて特に違和感は感じません。
 塗りはあまりハデな色が使われておらず、淡い印象を受けます。
 線の処理は特に荒いという印象は受けません。
 全体的に無難な感じですね。

 「CG鑑賞モードは」、神楽:47(24)、椿:41(19)、レナ:50(22)、静華:16(8)、霞:15(9)、合計:169(82)です。
 ※括弧内は、表情パターン別を1つとしてカウントした枚数。
 この内、えちぃCGは約8割に当たる135(61)です。

 「シーン鑑賞モード」は、神楽:52、椿:38、レナ:50、静華:9、霞:10、合計:159です。


<演出・効果>
 「light」はユーザーが自由にSSを作れるためのツール「Malie」を搭載している作品が多いです。
 そのツールでは、ユーザーがコーディングしやすいように、演出技法も単純なパターンの指定に留められている事が多いようです。
 逆に言えば、「Malie」の存在が作品の演出技法を制限しているとも言えます。
 本作は「Malie」を搭載していませんが、たぶんシステムのエンジンが同系のものを使用していると推測され、演出面が淡白です。
 「Malie」のしがらみから離れられる本作のような作品でこそ、演出面の冒険というのを見てみたかったですねぇ(^_^;)


<設定・シナリオ>
 シナリオは『橋野 次郎』さん。
 この作品の主人公の性格は、流されやすく、その場その場の感情で行動するため、プレイするルートによってキャラへの感情が180度変わります。
 また、同じヒロインのルートでも、陵辱と純愛ではやはり感情が180度変わります。
 …【これは当然と言えば当然ですな…(-_-;)】
 テキストが良く言えば淡白、悪く言えば描写に乏しいことも拍車をかけて、主人公を筆頭に各キャラの性格が非常に掴みづらく感情移入しにくいです。
 物語の核である「遺産」の正体についても最後まで内容が伏せられるために、どうしても言動・行動に不自然さが目立つキャラもいて、どうもシナリオとキャラの設定がちゃんと練られていない印象を受けます。

 それと、色々詰め込み過ぎの感も受けました。
 個別ルートでの陵辱・純愛、全員ルートでの陵辱・純愛、一見サービス精神旺盛ですが、もともと陵辱と純愛は背反度が高いので、両立させるにはかなりの説得力がシナリオに必要になります。
 まして個別・全員双方でも納得させるのは並大抵では…。
 もう少し的を絞って、狭く深い物語を目指した方が良かったのではないかと考えます。
 …【ブランド的には陵辱系に徹するべきでは…?(-_-;)】

 OHPでは、設定やシナリオについては結構期待させるような情報が載っているのですが、いざ蓋を開けてみると、折角用意した材料(設定)の一部しか使われず、色々な味付け(陵辱・純愛)をした結果、味の薄いあまり特徴の無い料理(作品)が出来上がってしまったという感じですねぇ(^_^;)
 最後の最後に使おうと用意していた隠し味(遺産)もそれほど効果がなく、と言うか使う前に料理の味が確定してしまって手遅れという印象です。

 個人的には、「遺産」は第一部において正体を明かし、主人公の性格付けを確定してから、第二部以降に個別の陵辱・純愛シナリオをもってきた方がキャラ の性格も固定し、シナリオの展開も無理がなかったのではないかと考えます。
更には、『九条貿易会社』の設定をもっと積極的に関与させれば、物語に幅が出たのではないでしょうか…。


<えちぃシーン>
 メイン3人個別ルートのえちぃシーンは、同系ブランドの「ドキドキしすたぁパラダイス」のそれと似ています。
 …【メーカー内のパクリ?(-_-;)】
 初期の調教メニューが、「愛撫」「自慰」「交尾」の3つ。
 以降、パラメータの増え具合で、「おしゃぶり」「尻叩き」「肛門弄り」「肛門陵辱」「鞭打ち」とメニューが増えていきます。
 …【一応、表現にも時代考証あるのね…(^_^;)】
 1つのメニューにつき、最大3段階のレベルがアップされます。
 そして1つの段階につき、概ね2つのパターンがあります。
 ざっと、8メニュー×3段階×2パターン×3人という組合せのえちぃシーンが用意されています。
 実際は、キャラによっては発生しないメニューや、1パターンしかない段階もあるので、若干少なくなりますが…。
 それにしても数だけはすごいです。

 内容もこれに見合えば言う事ないのですが、でも残念ながら「手抜き」が目立ちます。
 …【どうしてもCD1枚に収めたかったのだろうか…(-_-;)】
 1つ目は、段階・パターンが変わってもCGが同じであること。
 シーン鑑賞モードの数に比してCG鑑賞モードの数が極端に少ないのはこのためです。
 2つ目は、パターンが変わっても音声が同じであること。
 では、パターンが変わると何が変化するかと言うと、主人公の台詞や状況の描写が微妙に変わります。
 とは言え、音声が同じなので殆ど変化のつけようもありません。
 テキストを追っていくだけではどこが違うのか容易に発見できないくらいの僅かな変化です。
 いやぁ、えちぃシーンの水増しなんて、涙なくして見れません…(/o\)
 量だけで質の伴わないえちぃシーンなんて、感慨もなくただ作業をこなしている感じで空しいだけですねぇ。
 …【制作費足りなかったんだろうな…(-_-;)】

 サブ2人のえちぃシーンは、調教シーンがないので量は極端に少なくなります。
 ですが質は伴っているので、まだこちらの方がまともに見えます。
 全員ルートのえちぃシーンも、やはり量は少ないですが内容はまずまずだと思います。


<総評>
 全体的にアラが多い、取り合えず作るだけ作ってみましたー、という作品に感じられます。
 最初はヤル気に満ちていたのが、段々と情熱が薄れていって、淡々とした仕上げになったと言うか…。
 「Rateblack」の作品は結構プレイしていますが、未だ方向性が固まっていない印象を受けます。
 色々試行錯誤を繰り返しているのかもしれませんが、そろそろ腰を据えて代表作を生み出さないとちょっとヤバイ時期に差し掛かっているかもしれません。
 個人的には、短期間にポンポンと中途半端な作品を出されるよりは、たとえ新作の本数が減っても内容が充実した作品を作ってくれたほうが嬉しいですけど。
 内容が良ければ出荷本数も増え、作品数が減っても十分カバー出来ると思いますが…。
 このままだとジリ貧になっていく気がしますねぇ(^_^;)
 次回作あたりが試金石でしょうか。


<お気に入りのキャラ>
キャラ名 神楽 椿 レナ 静華
シナリオ
性格
音声
CUP
えっちぃ
合計 38 34 37 35 34
 と言う事で、『神楽』です。


<10点満点での総合評価>
シナリオ ゴチャつき過ぎ
原画 結構好き
CG 淡白な感じ
キャラ ルートによりバラバラ
音声 安定感あり
音楽 いつも通り^^;
システム バグは白ける
演出 冒険しない
エロ 量と質のアンマッチ
ボリューム 総プレイ時間18時間
合計 58
 と、言う事で『5.5点』とします。


最後に一言:「おーい、そろそろ本腰入れてくれー(^_^;)」