V.G. NEO (とっぷがんさんのレビュー) | 評価: 9 |
▼ タイトル | V.G. NEO |
▼ ブランド | 戯画 |
▼ ジャンル | ファミレス格闘アドベンチャー |
▼ 対応OS | Win98/2000/Me/XP |
▼ メディア | CD-ROM |
▼ 定価 | \8,800 |
▼ 発売日 | 2003/12/19 |
▼ 購入 | V.G.NEO / オリジナル特典 Getchu.com |
【 CG観賞モード 】 | あり |
【 シーン観賞モード 】 | あり |
【 BGM観賞モード 】 | あり |
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(ホイールマウス対応) |
【 選択肢リターン機能 】 | なし |
【 オートモード 】 | あり |
【 ヒント機能 】 | なし |
【 セーブ数 】 | 100個 |
【 エンディング数 】 | 2個 |
<あらすじ>
V.G.
この世で一番熱く、一番美しく…そして最も淫らな闘い。
勝者は全てを得る。
そして敗者は全てを失う。
少女は、世界でたった二人きりの家族を護りたかった。
少女は、消えてしまった親友と、もう一度本気で戦いたかった。
少女は、誰よりも強い自分になるために、一生懸命頑張った。
少女は、恋に破れ、金だけを信じることにした。
少女は、あてもない旅の最後に、そこに辿り着いた。
少女は、全ての罪を購うために、全てを壊そうとした。
そして少女は、全てを手に入れるために、全てを壊そうとした。
賞金十億、伝説の一等地。
その、まばゆいばかりの光の中に、巧妙に隠された闇。
ルールのみを受け継ぎ、その精神を継がず、
長い歳月を経て、微妙にその姿を変え、蘇る。
V.G.
新たなるそれは…
このホームページは戯画より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権は戯画に帰属します。
<購入動機>
ファミレス+格闘という珍しい設定に興味をそそられて。
更には「ショコラ」のライター「丸戸史明」さんの最新作という事なので^^;
<ゲーム概要>
ゲームスタイルは、ノベル形式のADVゲーム。
構成は章立てとなっており、プロローグを経てオープニング、
その後「表ルート」第1話〜第9話でノーマルED、
更には「裏ルート」第1話〜第9話でトゥルーED、という流れです。
プレイ時間は、プロローグが30分、
「表ルート」第1話〜第9話が各2〜4時間、
「裏ルート」すべてで3時間というところでしょうか。
※CVすべて聴いた場合
一応会話選択肢も出てきますが、それ程重要ではありません。
難易度は低いです。
「表ルート」は殆ど攻略性がありません。
「裏ルート」では選択を誤るといつのまにか「表ルート」に入る事があるので、やや注意が必要です。
と言っても、すぐ矯正できますが^^;
この作品の最大の設定『Venus Games』は、所属するレストランの制服での出場が義務付けされており、
・KOによる勝ち
・相手の戦意喪失による勝ち
・他の選手に触れられることによる負け
という勝敗ルールで、時間無制限1本勝負、トーナメント方式です。
そして敗者は、観衆の面前で係員に陵辱されるという「ペナルティ」が課せられます。
<システム補足>
CD4枚組。
ゲームで使用するHDDは、インストールがフルの場合約2.5GB、コンパクトの場合約2GBです。
…【あまり「コンパクト」という気がしないんですけど…(^_^;)】
尚、ゲームの起動時はCD−ROMは必要となります。
設定メニューは一通り揃っており、特に足りないものは感じませんでした。
足りないどころか色々細かい設定が可能な、使い勝手が良いシステムになっています。
・文章フォント変更可
・BGM再生時の曲名表示可
・キャラ別ウインドウ色設定可
・音声再生時のBGM・SEの音量変更可
あと地味ですが、セーブデータに過去ログも記録されるのも親切ですね。
…【ウーム、本当に「戯画」のシステムなのだろうか…(^_^;)】
修正パッチがあります(12/27最終UP)が、特定の環境のみに発生する対処のようです。
私のPC環境では全く問題ありませんでした。
今まで「戯画」の作品はいくつかプレイしてきましたが、一番安定しているシステムです。
<音楽>
主題曲「We Survive」は、詞・歌:KOTOKOさん、曲:C,G mixさん、I've soundです。
「ショコラ」の主題歌「cream+mint」と同じラインナップですね。
今回は、躍動感に溢れたとてもノリの良い曲です。
特にボーカルと螺旋を描くようにバックで奏でられるシンセサイザー。
ボーカルがシンセの良さを引き出し、シンセがボーカルを更にヒートアップさせる、理想的な合奏です。
個人的には、2003年度I'veサウンドbest3に入ります。
音楽鑑賞モードは全部で23曲。(内、ボーカル曲は1曲)
ADVパートの音楽はクラシック系の静かな曲調、戦闘シーンの音楽はロック系の激しい曲調、分かり易くて良いです。
特に戦闘シーンでの曲は、序盤・中盤・終盤・決着と、それぞれシナリオの状況と的確にリンクして流れる曲が変わるため、途中からゲームを再開しても曲のイメージで物語の状況を把握しやすいです。
それと、場面の切替に伴って音量が上下されるのも良かったです。
特に試合中に流れているBGMが、場面が試合場からモニター室に切替わると音量が下がり、モニター室から試合場に場面が戻ると音量が元に戻るところなんかは、試合場とモニター室がリアルタイムで結ばれている、という表現としてうまいと思いました。
あと、何気に「ショコラ」のBGM「小鳥のダンス」が使われていたのには、思わずニヤリとさせられました(^^)
<音声>
女性陣は後述の「キャラ別感想」に掲載します。
男性陣も魅力的なキャスティングが多かったですが、特に滝川アナウンサー役の「秋田邦彦」さんと、北方淳役の「一条和矢」さんが良かったです。
エコーがかかった滝川アナの実況は、試合を非常に盛り上げてくれました。
…【闘魂ハチマキはセンスなかったが…(-_-;)】
朴訥とした北方淳のコーチ振りも良かったです。
…【岡、エ○スを狙え!の雰囲気ですな…(^_^;)】
こうした、男性陣、脇役陣の演技もこの作品を盛り上げてくれますね^^;
<原画・CG>
キャラデザインは『酒月ほまれ』さん。
原画は『みずのまこと』『高苗京鈴』さん。
キャラ自体は結構好みなのですが、立ち画とイベント画の原画の相違を感じるキャラが若干いました。
通常会話の立ち画からイベント画に切替わるとき、特にその違和感を感じました。
(特に「優」)
それと、同じキャラのイベント画が若干統一されていないと感じるキャラもいました。
(特に「桂」)
キャラごとのタッチが変わるのは我慢できますが、ひとりひとりのキャラのタッチは統一していただきたいところです。
CGは、塗りは若干荒い感じの画が何枚か感じられるものの、概ね綺麗だと思います。
影の表現も自然な感じで良いのではないでしょうか。
線の処理も特に問題は感じません。
速さを表すブレた表現も綺麗だと思います。
あと、CGギャラリーには登録されませんが、「船」に代表される色々な背景画のクオリティーがかなり高いです。
個人的には、戦闘シーンでのCGがもっと欲しかったですね。
「CG観賞モード」は、優:15(12)、沙奈理:10(10)、歩美:14(9)、真珠:13(9)、ダイアン:10(8)、桂:14(12)、アンナ:7(4)、ミスティー:11(7)、その他:7(5)、の合計:101(76)です。
※括弧内は、表情パターン別を1つとしてカウントした枚数。
ちなみに、空の枠が1つ残ってます。
たぶんトゥルーエンドのCGが入るのではないかと思いますが…。
「ムービー鑑賞モード」は、OP・予告編:10、えちぃ編:9、の合計:19です。
<演出・効果>
【オープニングムービー】
この作品のオープニングムービーは、よくある静止画をスライドさせるタイプではなく、完全なアニメーションでの作りとなっています。
登場するヒロイン達の必殺技がダイジェストで流れ、かなりの迫力があります。
そして、主題曲「We Survive」との完全なるリンク。
曲の小節の変わり目と映像の切替がほぼ一致しています。
その他にも、控室での「飛鳥優」の瞳の中に揺らめく闘志や、「玉真珠」の胸がプルルンと揺れたりするなど、細かいところの作りもしっかりしています。
個人的には、今まで見てきた色々な作品のオープニングムービーとしては最高クラスです。
いきつけのPCショップでこのデモを初めて見たとき、思わず引き込まれてその場で7回ほど見ていました(^^)
購入するしないは別にして、興味がある方はOHPでDLして見てみるのも良いかも。
【予告編】
その章が終了すると、次の章に入る前に予告編のムービーが流れます。
こちらは、よくある静止画をスライドさせるタイプです。
次の章で起きる事が一部ダイジェストで流れます。
これがまたうまく作られているんですよねぇ(^_^;)
「今日はこの章が終わったらやめよう」
と思ってても、次のを見てしまうとやめられなくなりました^^;
【試合実況】
昔テレビで見ていたプロレスのようなノリですね。
エコーぎんぎんの滝川アナの選手紹介に始まり、選手入場、割れんばかりの大歓声、そして一進一退の試合展開と、思わず昔の血が騒いでしまいます(^^)
そして勝者が決した後の、滝川アナの選手コール、流れる「女神降臨」のBGM、大歓声の効果音と、音声・音楽・SEがシナリオの魅力を十二分に引き出します。
あぁ、総合芸術だなぁ(^_^;)
<設定・シナリオ>
シナリオは『丸戸史明』さん。
この作品は、プロローグ〜第9話までの章立て構成になっています。
8人の選手によるトーナメント方式で試合が行われるので、第一回戦から決勝戦までの合計7戦の実況を中心に物語が進んでいきます。
その過程において、V.G.の復活した背景、選手達の役割、V.G.の真の目的などが、除々に明らかになっていきます。
試合の組合せはすべて固定されており、勝者・敗者もあらかじめ決まっています。
(個人的には、組合せが変更できたり、それによって勝者・敗者が変わったり、このあたりにゲーム性を介入させて欲しかったところですが…。)
ですので、シナリオ的には一本道、長編ノベル形式となっています。
でも長編形式になることにより、どのキャラも万編なく最後まで登場し続け、要所要所で見せ場を作って物語に厚みを増してくれたのは嬉しかったですね。
短編だと、基本的にはそのキャラのルートに入ると、そのキャラのみの閉じた世界のシナリオになってしまいますので、そういう意味では長編であることの特性を十分に生かしたシナリオだったと思います。
実際プレイしていて、暫く姿が見えなくなるキャラがいると、次はどういう展開になるのだろうか?とワクワクしながらクリックしてました。
この作品は『表ルート』と『裏ルート』の2種類があります。
『裏ルート』は『表ルート』のEDを見た後プレイ可能となります。
基本的には『表ルート』と同じ時系列で進み、『表ルート』の補完的なエピソードがところどころに入ります。
既読スキップをかなり使いますが、個人的にはこのスタイルの方がキャラとの関わりが分かり易くて良かったですね。
…【レビューも書きやすいし(^^)】
「ショコラ」のときも感じましたが、物語の設定やキャラの設定はマクロ的には決して目新しいものではありません。
今作も過去に別の作品で登場した色々なキーワードが出てきます。
ですが、このライターさんは「素材」の味をうまく引き出して「調理」する名人ですね。
珍しい「素材」を見つけることのみに腐心して「調理」を怠り、とても食べられない「料理」になる作品が多い中、ありふれた「素材」でもまだこういう「料理」が出来るんだよ、と教えてくれる貴重なライターさんです。
そのライターさんを以っても、今作は過去の『V.G.』との繋がりに腐心していた側面があったと思われます。
特に「ペナルティ」の存在はこのシリーズの一番の特徴であるとともに、一番やっかいな存在でもあったと思います。
しかし当初は強烈なインパクトを放っていたこの「ペナルティ」ですが、除々にその描写が脇に追いやられていく印象を受けました。
そしてこの「ペナルティ」の存在がなくても『V.G.』は成立つ、という証明を今回はして見せたのだと思います。
そういう意味では、「NEO」としての本当の意味でのスタートは、おそらく「ペナルティ」の存在がなくなるであろう、次回の続編からなのかもしれません。
<えちぃシーン>
このシリーズの最大の特徴は、この「えちぃシーン」です。
試合の敗者が観衆の面前で陵辱されるという、極めて異質な性格をもっています。
もともとヘタレな主人公などの存在がない世界で成り立ってきたシリーズなので、えちぃシーンも客観的にせざるを得ないのでしょう。
そして、どうせ客観にするなら思い切ってアニメにしてしまえとばかりに、えちぃシーンは全編エロアニメとなっております。
一回当たりのシーンは予想以上に長く、それなりのクオリティですが、どうもインパクトに欠けます…。
試みとしては理解できますが、専門のエロアニメビデオよりはやはり弱い感じです。
もっともこれは、プレイする側が単なる傍観者たらんとする事と、傍観者にならざるを得ない事の、意識の差から来るものかもしれませんが…。
一応、各キャラとも1回ないし2回のえちぃシーンがあります。
<キャラ別感想>
※「先入観がつくからイヤ」という方はスキップして下さい。
◆飛鳥 優◆
所属:M・Y・home
流派:総合格闘技
性格:おだやかで優しい。基本的に争いごとを好まないが、兄が絡むと冷静さを失う。
必殺技:かめはめ…ピー(by ドラゴンボ○ル)もとい、気孔弾連射タイプ。
本作のヒロイン。
兄である「雅貴」とレストラン「M・Y・home」を経営しています。
…【一流の食材を使ってコスト無視は豪気だが、経営が成立つのだろうか…(-_-;)】
お兄ちゃん大好きで、「雅貴」に興味を示すバイト志望のコを即決で面接落とすわ、「雅貴」が街で女の人と一緒だったと聞いては親友の「沙奈理」を投げ飛ばすわ、超ブラコンです。
…【「雅貴」も息が詰まるな…(同情)】
「優」は3年前まで天才格闘少女として、近所の道場に通っていました。
ある日、昔通っていた道場の跡地で、その道場を主宰していたと称する老人に会い、昔話を色々教えて貰います。
…【温厚な老人に見えるが、某国の首相に似た髪型…コイツは悪人だな、ウンウン】
そんな折、舞い込んできた『Venus Games』の招待状。
前後して、態度がおかしくなる「雅貴」。
「雅貴」の知り合いと称する謎の女性からの電話。
…【「この泥棒猫」の選択肢は笑った】
そして先の老人から、「雅貴」が今は亡き両親から膨大な借金を相続している事を聞き、苦悩する「優」。
自分にできる事は?
そんな「優」の頭をよぎったのは『Venus Games』の招待状。
優勝賞金10億。
……
……少女は、世界でたった二人きりの家族を護りたかった……
……
「優」シナリオは見所が沢山ですが、一番印象に残ったのは「沙奈理」との対戦前後の葛藤でした。
「雅貴」を助けたい…それには「沙奈理」を踏み台にしなければならない…。
踏み台にするという事は、親友を陵辱の魔手にかけるということ。
家族と親友の板挟みに苦悩する「優」の描写はとても印象的でした。
『……勝ちたくない…ボクは勝ちたくないよ!…だけど、負けられないんだ!!……』
この台詞にそれが凝縮されていますね。
私は過去の「V.G.」をプレイしてないのですが、この「ペナルティ」の存在は常にこういった葛藤を生み出してきたのでしょう。
そういう意味では、「優」VS「沙奈理」を第一試合に持ってきたのは、過去の「V.G.」の苛烈さをまず知ってほしい、という意図なのかも知れません。
CVは「三重野 亜未」さん。
お、「チロル」がこんなところに(^^)
やや掠れ気味の声が、ためらいや葛藤をうまく表現してますね。
キャラ的に可愛い声の声優さんかな、とプレイ前は思ってましたが、シナリオ的にはこういう波長の方が合っていますね。
◆三角 沙奈理◆
所属:香出屋
流派:旭神流空手
性格:竹を割ったような性格。負けず嫌い。
必殺技:さなりパンチ(…まんまやんけ…(-_-;))
旭神館空手道選手権全国大会。
ジュニアの部で前人未踏の三連覇を成し遂げた「沙奈理」は、その年一般女子の部の優勝候補の一角に数えられていました。
…【モデルの空手道場が目に浮かぶようだ…(^_^;)】
一回戦の相手は、名前は少年みたいで、姿は自分より幼く見えてしまう、無名の少女。
それなりに自信があった「沙奈理」ですが、あっさり「謎の技」で倒されてしまいます。
…【いや、あれは「かめはめ…ピー」に違いない…(-_-;)】
余りの実力差に「沙奈理」は落ち込むかと思いきや、その「飛鳥優」という名前のライバルの出現に大はしゃぎ。
やがて『打倒「優」』の想いを胸に秘め「優」と同じ学校に越境入学します。
…【ライバルと称しているが、実は惚れたとしか思えんな、ウンウン】
ですが「優」は両親の死を契機に既に格闘から足を洗っており「沙奈理」の想いは届きません。
旭神館では相変わらず無敵を誇りますが、その場所以外に自分より強い相手がいる…。
「沙奈理」のフラストレーションは溜まっていきます。
何とか格闘の世界に引き戻そうとする再三の挑発にも「優」は乗ってきません。
…【「雅貴」をダシにすると例外だが(^^)】
そんな折、突然消息を絶つ「優」。
「沙奈理」は必死になって探しまくります。
…【もはや、愛しているとしか…健気…(-_-;)】
紆余曲折を経て『Venus Games』の存在と、それに「優」が出場する事を知った「沙奈理」は、何とか自分も出場権を得て「優」と同じ舞台に立ちます。
久しぶりに親友と真剣勝負ができる事を純粋に喜ぶ「沙奈理」。
だが「沙奈理」は知らない…ペナルティの存在を…。
……
……少女は、消えてしまった親友と、もう一度本気で戦いたかった……
……
「沙奈理」シナリオでは、何と言っても「沙奈理」の単純でいて、それ故に純粋な心が全編通して強いインパクトを放ち続けてたのが印象的でしたね。
ライバルや親友と称しながら、実は「優」が大好きな「沙奈理」は、もし男に生まれていたら「優」を「雅貴」から卒業させる唯一の存在になったに違いありません^^;
ちなみに、ラストでの「優」への人工呼吸はマウストゥマウスだったのだろうか(^^)
続編では、是非二人の対戦を再度見たいものです。
CVは「吉川 華生」さん。
本作で一番のキャスティングだと思います。
元気一杯な「沙奈理」のイメージが良く伝わってきます。
特に、全てが終わった後に「優」に抱きついて大袈裟に泣くシーンは印象的でした。
◆岡本 歩美◆
所属:駅馬車
流派:我流
性格:内気、いじめられっこ、努力家。
必殺技:青魔…ピー(by F○シリーズ)もとい、ラーニング&疾風の足。
レストラン『駅馬車』に勤める、お約束のドジっ娘。
運んでいる料理をよく引っくり返しては、他のウエイトレスの顰蹙を買っています。
…【見てるのは楽しいが、近づいてきて欲しくないウエイトレスだな…(^_^;)】
そんな「歩美」をフォローする、ウエイトレスのチーフ「虎柴輝紗良」。
「輝紗良」は『駅馬車』の社長の娘で、店長代理を務めています。
…【出たっ、お嬢様の象徴「縦ロール」(^^)】
「歩美」は、いつかは「輝紗良」にようになりたいと憧れています。
そんな折、新たに赴任してきた新店長。
…【あのサングラス…怪しい、怪しすぎる…(^_^;)】
新店長の「北方淳」は、『Venus Games』の代表候補に誰もが当確と思っていた「輝紗良」の他に「歩美」も指名します。
そして3週間後、両者の試合により最終的な代表を決定する…、と。
『誰よりもお前を強くしてやる』
そう言う「北方」の言葉に一抹の不安を覚えつつも、特訓を開始する「歩美」。
…【でもやっぱり怪しい店長「北方淳」…(-_-;)】
そして迎えた決戦の日。
先輩の意地と誇りにかけて攻撃する「輝紗良」。
しかし「歩美」に当たらない、まったく攻撃が当たらない。
そして「歩美」に技がどんどん盗まれる、更にはやり返される。
……
……少女は、誰よりも強い自分になるために、一生懸命頑張った……
……
「歩美」シナリオで興味深かったのは「特訓」でした。
・客の仕種、表情、動き、全体の流れを読み、求めているサービスを先読みする。
・単純に作業そのもののスピードと順序を組替えて効率化する。
・運ぶ料理の持ち方をを工夫して大量に運ぶ。
・記憶力を駆使して複数の注文を一気に覚えて、キッチンの効率を考慮してオーダーを組替える。
・常連客のよく注文するメニューをいくつも覚えていておいて、来店の際にキッチンに先にオーダーを出しておく。
これらは、戦いにおける「敵の攻撃を読む」「的確な技を繰出す」という訓練です。
ファミレス+格闘技という、エロゲにおいてはミスマッチにも思える設定の中で、一番両者の距離が近づいたエピソードだと感じました。
CVは「みる」さん。
出演されている作品をプレイする機会が最近は多くなりました。
オドオドした様子、その陰から見え隠れする負けず嫌いな様子が、とても良く伝わってきて好演です。
本作の「萌え」担当(^^)
◆ダイアン・ライアン◆
所属:Rock'n Cafe
流派:マーシャルアーツ
性格:姉御肌、アツい、明快
必殺技:なし(寂しすぎる…(-_-;))
レストラン『Rock'n Cafe』に迷い込んできた「ダイアン」。
次から次へと料理を注文しては、店長の「伊助」とその娘のウエイトレス「円奈」を驚嘆させます。
…【アイアンストマックってやつだな、ウンウン】
ふと店内を見渡すと、夜8時のかきいれどきなのに「ダイアン」の他に客は一組のみ。
料理も美味しい、店の雰囲気も悪くない、何故…?
…【店長がアメリカかぶれだから(^^)】
その理由は、先の客の正体が分かり明らかになります。
二ヶ月前からこの地域に現れた『鮫島不動産』。
とは名ばかりの暴力団、そのチンピラたち。
…【おぉ「シャーク団」とは何とポピュラーな…(-_-;)】
『鮫島不動産』は『Rock'n Cafe』の土地と建物を狙い、店に嫌がらせをして潰してしまおうと考えていました。
それを知った「ダイアン」は、この親子を助けるべく、また一宿一飯の恩を返すべく『Rock'n
Cafe』で用心棒としてウエイトレスをする事になります。
…【↑最初から料金を払う気がなかったと見た(^^)】
やがて『鮫島不動産』のボスがやってきて全面対決へ。
結構威勢がよかったボスの「鮫島」ですが、「ダイアン」はものともせず一蹴します。
…【弱い奴ほどよく吠える…ってか(^_^;)】
そして「ダイアン」は『Rock'n Cafe』代表として『Venus Games』へ。
その真の目的は果たして…。
……
……少女は、あてもない旅の最後に、そこに辿り着いた……
……
「ダイアン」シナリオは序盤は謎だらけです。
何故『Rock'n Cafe』に現れたのか?
何故「ウエイトレス」をするのか?
何故『Venus Games』を知っているのか?
やがて物語が進むにつれて、その正体と真の目的が明らかになっていきます。
「な〜〜〜るほど〜〜〜」という感じですね。(納得)
いや、薄々そうじゃないかと思っていたんですが(^^)
…【↑CVとか、CGギャラリーとか、沢山あったヒントに気付かなかった奴】
でも、走ったくらいで取れる「ヅラ」が、試合で取れないのは納得いかないなぁ。
…【↑悔しくてケチをつけているとしか…】
それにしても、制服の星型アクセサリーの「だいあん」は情けないぞー。(^^)
CVは「朝霞 紫」さん。
こちらは初めて聴く声です。
アネゴボイスがなかなか合っていると思います。
◆相楽 桂◆
所属:プチ・バニーニ
流派:合気道(のようなもの)
性格:ほとんど無感情
必殺技:ライディ…ピー(by ドラ○エシリーズ)もとい、雷撃。
『プロパガンダ』。
アメリカの複合企業『フェアゴールド』傘下の超大手レストランチェーン。
その強大な力に対抗すべく設立された『JFRC日本ファミリーレストラン協会』。
…【本当にありそうな団体だなぁ(^_^;)】
ある日、その理事会でひとつの重要な決定がされようとしていました。
最強のウエイトレス決定戦。
優勝者には10億の賞金、優勝店には伝説の一等地への出店の栄光。
そして敗者は全てを失う…
『V.G. ヴァリアブル・ジオ』
忌まわしき暗黒大会の復活が…。
…【昔はこういう名称だったらしい…(-_-;)】
「桂」は『JFRC』に加盟している『プチ・パニーニ』を買収し、その理事会に急遽出席してきます。
『V.G.』復活の反対票を投じるため…それは何故?
またある日、トレーニングに励む「優」に出場断念を説得しにやってくる…それは何故?
ツインテールの髪型が、どう見ても物理の法則を無視している…それは何故?
いつも『プチ・パニーニ』の制服しか着ない…それは何故?
…【ポケットの刺繍が気に入ってるから(^^)】
謎の少女「相楽桂」、その真の目的は…?
……
……少女は、全ての罪を購うために、全てを壊そうとした……
……
実は「桂」はあまり期待してなかったキャラだったのですが、一通りプレイした結果、その評価が大きく変わった(良い方に)キャラでした。
前半は、何を考えているのか良く分からない言動・行動ですが、物語が進むにつれ、一見冷たいように見える態度の中に垣間見られる一瞬の優しさが除々に表面に出てきます。
途中、しばらく姿が見えなくなり、他のキャラに比べて活躍の場が少ない感がありますが、その分ラストではこのキャラの設定を最大に生かした見せ場がやってきます。
飛び切りの笑顔とともに。
……ぶっきらぼうで、照れ屋で、実は心優しい少女「相楽桂」。萌え(^^)
CVは「秋月 まい」さん。
このキャスティングも良かったです。
機械的な静か目の口調の前半から、同じく静か目ではあるけれど除々に感情が込められていく後半へと、「桂」の心の変化がうまく表現されていて好演です。
◆玉 真珠◆
所属:メイ・ドリーム
流派:少林拳の一流派「破裏拳」
性格:夢見がち、ボケ役。ちょっとずれてる。
必殺技:ハリケーン・ボル…ピー(by リングにか○ろ)もとい、五獣拳。
『メイ・ドリーム飯津橋店』午後のひととき。
「玉真珠」通称「たまちゃん」は、四千年の歴史を誇るとある国からやってきた留学生です。
国に残してきた12人の幼い兄弟たちのために、ここでバイトしたお金を送っています。
…【おぉ、「メイド服」!(^^)←(ヤル気150%増(当社比))】
でも、同僚で親友(?)の「坂本月夜」を相手に今日は溜息をついてばかり。
「あんにゅいな季節なのです」
どうやら「たまちゃん」は、時折店にやってくる「藤堂」という男性にホの字のご様子。
その彼が最近姿を見せない…。
落ち込んでいた「たまちゃん」でしたが、そうこうしているうちに「藤堂」が久しぶりに店にやってきます。
嬉しさの余り「月夜」を壁に吹き飛ばす「たまちゃん」。
…【おおっ、あの速さ、ローリング・サン…ピー(by リングに○けろ)】
3日後、九死に一生を得て職場に復帰した「月夜」が「たまちゃん」に「藤堂」との馴れ初めなんかを聞き出します。
恥ずかしながらも嬉しそうに語る「たまちゃん」。
丁度そこへまた「藤堂」が店にやってきます。
嬉しさの余り「月夜」を天井に吹き飛ばす「たまちゃん」。
…【おおっ、あの高さ、ジェット・アッ…ピー(by リングにかけ○)】
ある日「藤堂」は会社を興すために三百万円貸してくれ、と言ってきます。
でも「たまちゃん」は貧乏留学生、そんなお金はありません。
いや、作れる。
『Venus Games』優勝賞金10億。
「たまちゃん」は「藤堂」に時間をくれるように頼みますが、もう金を搾り取れないと判断した「藤堂」は化けの皮を剥がし、「たまちゃん」をその筋の人間に売ろうと…
……
……少女は、恋に破れ、金だけを信じることにした……
……
「真珠」シナリオは全般的にギャグの宝庫です。
シリアスなエピソードが多い他のキャラと比べてその分異彩を放っていますが、全体のシナリオに対しては良いアクセントになっていて楽しませてくれます。
テキストも他のキャラより遥かにツッコミ度合が高く、まるでその場にナレーターが居合わせて、キャラの言動・行動に対して間髪入れずツッコミを入れる感じで、読んでいて笑いが絶えません。
また、救急車や18人の兄弟子たちなど、バックグラウンドのサブテキストも絶妙のタイミングで展開され、笑いのツボを押さえているという感じですね。
本来悲しい場面で使用される「失われた翼」というBGMさえ、ギャグのネタにしてしまう徹底さは、清清しくさえあります。
このキャラがいてくれるおかげで、他のキャラがシリアスに徹しきれる…
作品にとっては、色々な意味で愛すべき存在です。
CVは「中瀬 ひな」さん。
四千年の歴史を誇る国のイメージを表現した、ちょっと間の抜けたような(すみませぬ)イントネーションが良い感じです。
本作の「ボケ」担当(^^)
◆アンナ フェアゴールド◆
所属:プロバガンダ
流派:軍隊格闘術+???
性格:冷静にして苛烈
必殺技:ギャラクティカ・マグナ…ピー(by リングにか○ろ)もとい、気孔弾紫電タイプ。
『Virgin Goddess』。
どこの国の造船会社の記録にも残っていない、世界最高峰の豪華客船。
その最船底部に広がる暗黒の空間。
リング、花道、観客席、照明、放送席…
そこは『Venus Games』の試合会場……今はまだ「その時」を静かに待っている。
そのリングの中心にあるひとつの人影。
レストラン『プロバガンダ』の制服に身を纏ったその少女は、膝を抱えて顔を埋めるようにそのリングに眠っていた。
彼女の胸に去来するものは何だろう…?
初陣を勝利で飾ったあとの、あの高揚感か?
初陣を勝利で飾るために無くした、あの喪失感か?
背中にある十字架の傷跡の、あの疼きか?
相手の力をすべて自分のものにする、あの教えか?
まだ見ぬ「真の敵」に対する、敵愾心か?
それとも……。
「アンナ・フェアゴールド」
そう呼ばれる少女の真の力が解放されるまで、まだあと1ヶ月を必要としていた…。
……
……そして少女は、全てを手に入れるために、全てを壊そうとした
……
「アンナ」は「優」と対極に位置します。
「アンナ」が周囲の憎悪を一身に受けることにより、「優」は輝いていきます。
逆に言い替えれば、「優」が「優」であるためには、「アンナ」の存在が必要不可欠であると言えます。
そしてそれは「アンナ」にも当てはまる事です。
でも「アンナ」は意識して悪役になっているわけではありません。
彼女はただ純粋なだけです。
教えに、本能に…。
人間が人間らしく在るためには何が重要であるか……「アンナ」は、ただそれだけを訴えようとしているのかも知れません。
続編では大活躍してくれそうですね。
CVは「Yuki-Lin」さん。
「サイク」でお馴染みの方ですね。
憎しみがこめられたような、それでいて何かと葛藤しているような、そんな演技が印象的でした。
◆ミスティー◆
所属:ハンナミラーズ
流派:旭神流空手+???
性格:お姉さんぶるおっちょこちょい
必殺技:波動…ピー(by 宇宙戦艦ヤ○ト)もとい、気孔弾重爆撃タイプ。
謎の戦士「ミスティー」。
ゴーグルを着けて遅れて登場します。
でも、所属、制服、髪、そして一人称の「ボク」。
全然謎ではありません(^^)
『V.G. シリーズ』の継承、その象徴です。
と、タカをくくっていたら、実はそんな簡単なものではありませんでした。
その「真の正体」が判明したとき、物語は最高潮を迎えます。
CVは「Ruru」さん。
このお方も最近ご活躍ですね。
お姉さんになりきれないお姉さん、という感じが良かったですね。
<総評>
一言でいうと「SF風痛快活劇」と言う感じでしょうか。
土台のしっかりしたシナリオ、その魅力を引き出す音声・音楽・SEなどの演出、少し足を引っ張るCG(笑)、シナリオ的には重要だが存在が微妙なエロ、という感じですね。
シナリオ重視の方には是非お薦めしたい作品ですが、エロ重視の方にはお薦めしにくいです。
個人的には、久しぶりにのめり込めた良作でした。
シナリオのクオリティが高いであろう事はある程度予想していましたが、演出面の表現が予想以上に良かったのは嬉しい誤算でした。
シナリオの良さを演出面が更に引き出すという、近代PCにおける理想的な作品ですね。
今回は試合の組合せが決まっていましたが、次回は色々な組合せの対戦が見てみたいものです。
更には2対2のタッグマッチというのも良いかもしれません。
本編で無理であれば、ファンディスクででも(^^;)
<お気に入りのキャラ> |
||||||||
キャラ名 | 優 | 沙奈里 | 歩美 | ダイア | 桂 | 真珠 | アンナ | ミステ |
シナリオ | 10 | 10 | 9 | 9 | 10 | 9 | 10 | 10 |
性格 | 9 | 10 | 9 | 9 | 10 | 8 | 6 | 9 |
音声 | 8 | 10 | 9 | 8 | 10 | 8 | 8 | 8 |
萌ぇ | 8 | 8 | 9 | 6 | 12 | 7 | 5 | 6 |
CUP | D | C | B | E | A | C | D | D |
えっちぃ | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
合計 | 49 | 51 | 48 | 47 | 52 | 45 | 43 | 47 |
と言う事で、シナリオでは「優」、性格では「沙奈理」、総合では『桂』です。 |
<10点満点での総合評価> |
||
シナリオ | 10 | メリハリきいてて良し |
原画 | 7 | 微妙にタッチが… |
CG | 8 | 綺麗ではあるが… |
キャラ | 9 | 役割明確 |
音声 | 9 | 男性陣も良い |
音楽 | 9 | シーンが分かり易い |
システム | 9 | 過去最高の安定度 |
演出 | 10 | シナリオをレベルUP |
エロ | 5 | 微妙 |
ボリューム | 10 | 総プレイ時間26時間 |
合計 | 86 | |
と、言う事で8.5点と言いたいところですが…。 演出の良さについて特別加算0.5点を行い、『9点』とします。 |
最後に一言:「それで、「NEO−2」の発売はいつですか?(^^)」