沙耶の唄    (Aquariusさん&たろんなーどさんのレビュー)  評価: 7〜9 
▼ タイトル 沙耶の唄
▼ ブランド ニトロプラス
▼ ジャンル アドベンチャー
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \4,800
▼ 発売日 2003/12/26
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  なし
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(バックログでの音声再生なし)
【 選択肢リターン機能 】  あり
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  60個
【 エンディング数 】  3個


<あ・ら・す・じ>
 爛れてゆく。何もかもが歪み、爛れてゆく…。

 交通事故で生死の境をさまよった匂坂郁紀は、いつしか独り孤独に、悪夢に囚われたまま生きるようになっていた。
 彼に親しい者たちが異変に気付き、救いの手を差し伸べようにも、そんな 友人たちの声は決して郁紀に届かない。
 そんな郁紀の前に、一人の謎の少女が現れたとき、彼の狂気は次第に世界を侵蝕しはじめる。


<キャラクター紹介>
沙耶(さや) CV:川村 みどり
 主人公向坂郁紀の前に現れた謎の少女。。
 明るく闊達だが、どこか謎めいた部分の残る性格。
 失踪した父親を探しているという。

匂坂 郁紀(さきさか ふみのり) CV:氷河 流
 主人公(リネーム不可)。交通事故で家族を失い、自らも重傷を負う。
 事故の後遺症から現実に対する認識が変わってきた自分に懊悩する。

戸尾 耕司(とのお こうじ) CV:片岡 大二郎
 郁紀の友人。責任感とリーダシップのある場のまとめ役。
 事故以来人が変わったかのような郁紀の言動を気にかけている。

高畠 青海(たかはた おうみ) CV:海原 エレナ
 耕司の彼女。瑶の親友でもある。
 郁紀のことで悩む瑶を心配している。
 やさしい性格であるが、芯が強く行動的でも有る。

津久葉 瑶(つくば よう) CV:矢沢 泉
 青海の親友。郁紀に思いを寄せている。
 事故を境に変わった郁紀を心配している。
 おとなしく、場の雰囲気に流されやすい性格。

丹保 凉子(たんぼ りょうこ) CV:佐藤 まこと
 T大付属に所属する郁紀の主治医。
 若くして脳神経の世界で高い能力を知られている有能な女性。

鈴見 洋佑(すずみ ようすけ) CV:鬼沢 雅維
 郁紀の隣人。
 画家であるがむしろデザイナーとして生活している。


このホームページはニトロプラスより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はニトロプラスに帰属します。



Aquariusさんのレビュー
<システム>
 基本的なものはほぼ装備されており、システム面でイラつくことはないでしょう。
 セーブ数は60個と豊富であり、分岐もそれほど多くないため十分な数と言えるのですが、シーン回想がないので、その点は注意が必要です。

 面白い点として、グラフィックに過激な描写をソフトにする機能がありますが、それほど効果的があるとは言えません。


<音楽>
 全体的に落ち着いたサウンドです。
 シナリオがホラーなのでそれに合わせて暗い曲が目立ちますが、全般的に良い曲と言えます。

 ボーカル曲が2曲あり、エンディングに挿入されますが、どちらも作品の雰囲気を壊すことなく上手です。


<ストーリー展開>
 サスペンスホラーADV。
 交通事故により両親を失った匂坂郁紀は、最高難度の手術を乗り越え一命を取り留める。
 手術による影響で一時的に視力を失ってしまう郁紀であったが、やがて体力の回復とともに視力を取り戻す。
 そこで彼が見たものは狂気に彩られた世界であった。
 絶望の底に沈む彼は自らその世界と決別しようとするが、そこに現れた少女が彼に希望の光を差し出す…のかな?


<感想>
 久しぶりの虚淵氏の作品なのですが、さすがにレベルが高いです。
 プレイしていて爽快感は皆無な訳(笑)ですが、マウスをクリックする手が止まりません。
 さて、この作品ですが、おそらく制作者はアダルトゲームとしてではなくて、純粋に大人が楽しめるエンターテイメントとして作っているのではないでしょうか。
 実際、ゲームとしてではなくて映画のようと感じました。
 また、フルコンプは約4〜5時間程ですが、これはアダルトゲームとして考えると短いと思います。
 前作鬼哭街より短いですが、むしろより作品を楽しむためのシェイプアップだと思います。

 エロシーンはそれなりにエロいですが、ストーリーに自然に組み込まれてあり、また重要な意味を担っている為、そこまでキツくはないです。
 さらに沙耶というキャラの作中での特殊性から興奮の度合は人それぞれ異なると思います。
 行為自体はノーマルで、シーン数もそれほど多くないのも残念です。

 ひとつの作品として非常にまとまっているので、あとはこの世界観と結末を受け入れるか否かで評価が違ってくると思います。
 そういう意味では受動的な作品と言えるのかもしれません。
 例えば純愛ゲームだと、誰に萌えるか、どこに萌えるか、などプレイヤーにいくつも選択の余地を与えられますが、本作ではそういったものはなく、始まりがあって終わりがある…それが全てとなっています。

 おそらく同じシナリオでも書き手が異なったら、フルコンプ30時間級のものにするのはそう難しいことではないでしょう。
 それだけの要素は詰まっていると思います。
 それを約4〜5時間に凝縮して磨き上げた虚淵氏は、さすがと言わざるを得ません。
 ファントムや鬼哭街を楽しめた人には特にお勧めです。
 ただし、エグイ描写がOKな人に限定されますが(笑


<10点満点での総合評価>
 9点
 コストパフォーマンスも考慮してこの点数に。

 サスペンスホラーと銘打つ本作ですが、サスペンスよりホラーの部分により重点が置かれています。
 テキストもそうなのですが、特にグラフィックがエグイく、グロ系と言えます。
 そのためそっち方面に耐性のない方は、避けた方が無難でしょう。
 キーワードは「血」「内臓」「ミミズ」「冷蔵庫(笑)」


お気に入りのキャラ:沙耶…当然の結果かと(笑
最後に一言:「この作品に萌えとか燃えとか銃とか格闘を求めてはいけません。」





たろんなーどさんのレビュー
<音声>
 男性、主人公含めて登場人物フルボイス。キャストは上記のとおりです。
 個人的にはあまり聞いたことのない方もいらっしゃいますが、キャストにも合っていますし、皆様上手です。
 Hシーンでもフェラシーンなど頑張っておられますし、特に問題ないかと思います。


<音楽>
 全15曲、うちボーカル曲2曲。ED曲「沙耶の唄」「ガラスのくつ」(Vo.いとうかなこ)です。
 あと、それ以外に2曲ほどボーカルサンプリングの曲もあります。
 さすがに、いつもどおりのクオリティの高いニトロサウンドですね。

 生音メインの音楽は、ゲーム音楽という感じではないので、多少好みが分かれるかもしれませんが、それがOKならば相変わらず目立ちすぎず場面を作るBGMの鑑のような音楽です。
 使いどころも良いですし、音楽に関しては文句なしです。
 ボーカルはEDに流れる曲ということもあり、どちらもしっとりとした系列のナンバーとなっています。
 必ず1曲はアコースティックギターのボーカル曲があるのもお約束なんですかね^^;?
 こちらも生音でロックという系列が大丈夫ならよい曲だと思います。


<システム周り>(ver.1.00)
 基本的には選択肢型のAVG。
 もっとも、選択肢は2つしかなく、ストーリー分岐に関係のない「ダミー」の選択肢は一切ない潔いつくり。
 逆に言えばゲーム性は皆無ってことですが…。

 細かいシステム周りは上記参照。
 バックログがホイールで発動するようになっていたり、効果音のボリューム調整がついたりと、細かいところで前作までの不満点がきちんと軽減されているのはうれしいところ。
 とりたてて重いこともなく、使いやすいシステム回りだと思います。
 スキップも高速ですし、非常に安定しています。
 そして何より、今回から「音楽鑑賞モード」が付いたのはうれしいですね。
 変わりに今まであった「シーン鑑賞モード」がなくなったのは正直どうかと思う部分もありますが…。
 不満点と言えばそれくらいですし、正直Nitro+の場合は「シーン鑑賞モード」より「音楽鑑賞モード」のほうが良いという方のほうが多いような気もします^^;

 また、このゲーム特有のシステムとしては、クリア後のスタッフコメント(要インターネット環境)と、作品の性質上多く見られる内臓をはじめとするグロ描写をソフトに(フォーカスをぼかしたり、明度を落としたり)する機能があります。


<CG>
 原画は中央東口氏。塗りのせいもありますが、割とあっさりとした画風の原画家さんという印象です。
 体のバランスや顔の配置なども基本的には統一されていますし、崩れなどもなく、丁寧に描かれていました。
 ただ、キャラの書き分けという点では、全体的に顔の感じが似てしまい、少しどのキャラか分かりにくいキャラもいました。
 それともう1点、一部のキャラの立ち絵で、妙に猫背に見えるのが気になりました。
 この方が原画の前作以前でもそうでしたが、横から見た際の首の体への付き方が少しずれている絵があるような気がします。

 背景ですが、内臓のような不気味な背景が多かったりとかなりグロい感じの絵が多いですが、小物には3D取り込みを使ったり、とこだわっていますし、塗りも丁寧で出来で全般的に良いと思います。
 ただ、全体として言えば背景と立ち絵の塗りの感じがやや違うため、少しキャラが浮いて見えるのが気になりました。
 とはいえ、その点以外は塗りも丁寧ですし、光沢がほとんどないのも個人的には好みです。
 ただ、全体的にはちょっと暗すぎますかね。
 まぁ、これはサイコホラーな作品の性質上仕方ないのかもしれませんが…。


<Hシーン>
 まず、Hシーンのあるキャラは沙耶と瑤の二入だけです。
 友人の彼女(しかもCVは海原エレナさん)がいるのに寝取るシチュどころかHシーン自体が無いなんて…。
 いや、まぁ、そういうお話ではないのですが(笑)

 ただ、シチュエーションは和姦あり、陵辱系あり、3P、触手系などなかなかバリエーションがあります。
 それぞれのシチュエーションもなかなか濃いと思いますし、声優さんもチュパ音など頑張っていますし、沙耶と瑤のキャラが気に入ればなかなか良い出来ではないでしょうか。

 テキストも長いですし、退廃的な雰囲気とあわせて、いい感じだと思います。
 ただし、道具の使用や、卑語などの要素は無く、アナルなどの特殊な属性もありません。
 とはいえ、ニトロプラスのゲームとしては開始30分程度でHシーンがあったりしますし、十分に濃いと思います。


<感想>
 物語はサイコホラー的基盤で語られていますが、余りホラーという感じはしません。
 具体的にはネタバレにならずに語るのは難しいのですが、異形の者との恋愛モノということで、むしろ主題は恋愛と言ってよいかと思います。
 ただし、上でも述べたように、かなり背景やCGには人間の内臓などのグロい表現もありますし、作中にも人肉食嗜好などのやや刺激の強いシーンが多いため、そこら辺が苦手な方はやはり避けた方がいいでしょう。
 しかし、コレはすでに主人公の「世界」自体がそうであり、いわゆるホラー的な這い寄る恐怖といったような表現ではないので、グロはOKだが、ホラーは苦手という方には十分お勧めできると思います。
 やはり、最初から世界がすでに極限状態にあり、物語のスタート時点から既に選択(逃げ道)が無い状態に叩き込まれていると、恐怖というものは感じにくいのではないかと…。
 もしコレがホラーとして意図されていたのであれば、もう少し日常から異世界へと移り変わる恐怖、その異世界から逃げようとして逃れられない様子を描写する必要があったのではないかと思います。

 しかし、逆に本作においては既に世界が一般的な価値観とは違い「狂って」いるため、そういった日常との乖離ではなく、むしろそういった非日常としての日常である「恋愛」に主軸がおかれていると思います。
 そういった意味で捉えるならば、この作品は非常に良く出来ています。

 本来、「恋愛」というようなたぐいの感情が起きないような相手との「恋愛」を物語として説得力を持たせるための意味付けや、世界の構築には成功していますし、世界自体をきっちりと完結させて、多少の余韻は残しつつ、作品内での完結を見せている点はシナリオライティングの妙だと思います。
 正直に言えば、本作品はいわば「グロ」的な世界観に姿を借りた一種の「悲恋モノ」であり、そういった意味で、シナリオプロット自体は驚くほどオーソドックスなものであると言えます。
 しかし、それをきちんとエンターティメントとして見せるための伏線や導入、内容の構築はきちんと考えられ、練られたものであり、その意味ではシナリオの「エンターテイメント性」は高いと言わざるを得ません。
 つまり、「シナリオ」の核そのものが普遍的であり、それを装飾する部分にきちんと「読ませる」為の技巧があり、そういう意味では「狂気」や「グロ」という見かけとは裏腹に、割と多くの方が楽しめるように作られた物語であると思います。

 テキストに関しても同じく、難しくなりすぎず、読みやすさと表現、描写のの広さを感じられ、読むコトに苦痛を感じないつくりになっています。
 誤字脱字も無いですし、シナリオ同様、読む側に立って丁寧に書かれており、良い感じを受けました。

 総体的には、音楽や声優とのマッチングも良好ですし、シナリオも楽しめ、Hシーンもなかなかと、欠点の少ない良作と思います。
 プレイ時間はコンプまで5〜6時間前後と短めですが、定価も安いですし、コストパフォーマンスにも優れています。
 分岐やエンディングがそれほどある訳では無いですし、何度も読み返すような「感動」も無いですが、プレイしている時間はきちんと楽しめる、エンターテイメント性の高い「良作」、そういっていいかと思います。
 そういう意味では、「何かを得る」ことはあまり無いかもしれませんが、「大ハズレ」ということも無く、割と多くの方にお勧め出来る作品と言えます。


<10点満点での総合評価>
 7点
 お勧めは出来ますが、それ以上は保証出来ないという微妙なところ。
 とりあえず音楽はとても良い出来でした^^;


お気に入りのキャラ:丹保 凉子…Hシーンは無かったですけど。
最後に一言:「やはり“楽しめる”ことは“ゲーム”がンターテイメントの一種である以上大事な事ではないかと。」









  犬っ娘ぷにぷに    (しょにーふらほーさんのレビュー)  評価: 5 
▼ タイトル 犬っ娘ぷにぷに〜発情警報発令中〜
▼ ブランド Cronus
▼ ジャンル 犬っ娘発情ADV
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2003/09/26
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピート可能)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  30個
【 エンディング数 】  1個(エンディングに現われるキャラの違いは4パターン)


<ストーリー>
 犬っ娘が住んでいる島で火山が大噴火!
 島からの避難をよぎなくされた従姉(犬っ娘)は、噴火が収まるまで、本土にある主人公の家に居候させてもらうことになった。
 犬っ娘は、環境の変化で体質が大きく変わるという。
 従姉の場合は島から離れたことで、周期的に発情状態になってしまうことが判明!
 主人公は、辛そうな従姉を見かねて、彼女の性欲処理に力を貸すことになるが……。


<キャラクター紹介>
瀬戸山 汐音(せとやま・しおね)
 従姉の少女。 身長も148cmと低い。
 主人公より年上だが、ドジでおっちょこちょいなため、年上には見えない。
 お姉さん的立場にありながら、主人公を何かと困らせる。

綾部 紗和(あやべ・さわ)
 主人公の恋人で先輩で、ヒロイン中唯一の非犬っ娘。ヤキモチ妬き。
 一見落ち着いているが、実は甘えん坊。
 主人公が従姉の汐音と暮らしていることが許せない。

村上 夏帆(むらかみ・かほ)
 汐音の親友で、後輩。おとなしく礼儀正しいが、やや天然ボケ。
 汐音のことを尊敬している。

寒河江 園(さがえ・その)
 紗和のクラスメイト。
 ひょうひょうとした人柄で、物事にあまりとらわれない。
 人見知りしない性格で、誰とでも平等に付き合える女の子。

真家 朱寧(まいえ・あかね)
 汐音とは違う学園の出身の犬っ娘でお嬢様。
 孤独だが、いつもニコニコしている。
 何を考えているのか判らない不思議な少女。
 主人公となぜか気が合う。

里見 純(さとみ・じゅん)
 マイペースで、他人に流されない性格。
 頼りがいのある、先輩らしい先輩。ヒロイン中もっとも普通。
 普通だからこそ目立つ、そんな少女。

相良 志津(さがら・しづ)
 主人公のクラスメイトで、自分を「オレ」と呼ぶ男勝りな少女。
 硬派で、曲がったことが嫌い。
 その割に女の子っぽい趣味を持つ。
 可愛いものが大好きで、汐音に先輩以上の感情を持っている。
 ちなみに、汐音は志津のことを苦手にしている。

及川 小都(おいかわ・さと)
 主人公のクラスメイト。
 24時間いつも困った顔をしている。
 内向的で人と話すのが苦手。
 気が弱いく、志津のことを苦手にしている。


このホームページはCronusより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はCronusに帰属します。



<購入動機>
 1、当ブランドについては少し前から絵に好感を持ち作品内容を調査。
   これまではヒロインの少なさにより見合わせていましたが、今作で人数大幅アップを果たした為。
 2、手軽で明るいHと、笑える内容との触れ込みで。
 3、難易度がやさしいとの情報で。
   発売日当日購入です(いつも行くカメラ屋になく、「はにはに」を持って梯子)。
   購入時にシナリオライターについての考慮は一切行っていません。


<システム追記>
 上記参照の他、
 画面サイズは800×600。
 メニュー呼び出しは右クリックOK。
 メッセージは枠内透明化(枠は表示)かつ文字縁どり可能、フォント変更可。
 ディスクレスプレイ可能(最近起動時のプロテクトが多い中では貴重)。
 スキップスピードはやや速め。本編も短めの為周回プレイはやや楽な方。
 ED曲はスキップ不可。


<音楽・音声>
 OP曲・ED曲に歌はありません。
 基本的に暗い曲がなく、曲そのものは問題ないですが、HシーンのBGMの指定が、私にはミスマッチと考えられる箇所が見られました。

 音声についてはキャラによって台詞の量が大幅に異なるので、誰がうまくて誰が下手とすぐにわからない感じです。
 台詞の多かった汐音の声は内容を考えなければ、上手いと思います。
 ただ朱寧の語尾の「でし」については人によりけりですが、私は某アニメの川澄…が染み着いており、個人的には受け入れ難いものがありました。


<ゲーム性・難易度>
 エンディングが1つなので専らCG・回想を開ける作業に励むことになります。
 しかし私の場合は、簡単との指摘がある割には、2人のHシーンが必ずしも見れない、紗和と主人公のシャワーシーンも見れないなどがありました。
 選択肢の組み合わせなどを考える前に、とりあえずこのゲームを続ける気分が失せ、暫く中断中でした。
 しかし先日攻略サイトを見つけ、急遽再開。
 回想モード全開、CGモードも1枠に差分込みの形式ですが枠は全部埋まりました。
 しかし答えを見ながらプレイしても私は簡単とは思えませんでした。
 確かにキャラに直接絡む選択肢もありますが、選んだ後の展開をきちんと頭に入れないと何度やっても取りこぼしになりそうで、小都と純の同時攻略も時系列のずれがサイトで確認できて初めてわかりました。
 行き先の選択でそこにキャラが現われるタイプでないからでしょうか?
 攻略サイトの方のテクニックを学びたいくらいです。


<感想>
 ヒロイン毎の性格づけやそれを示すエピソードが少なすぎるので、どのキャラとのHでも、どのようなシチュでも、ただHシーンが出てくるだけで、その場面でそのヒロインである必要性を感じることが出来ませんでした。
 勿論発情警報が出れば一応面識はあって、もとにかく「処理」という形でHとなり、個々のヒロインの気持も結局ないがしろにされたのまま、主人公の刹那的な見かけの快感だけが描かれている…という印象を受けました。

 これでは個々のヒロインの性行為についての態度や立場が生かされないと思います。
 例えば小都の中出し要求をあっさり断るなど、本作で扱う性行為が和姦である以上、お互いを思いやった相互作用でなければ、結局肉体的な部分しか得られない訳です。
 主人公も「お前も好きだ」の一点張りでは内容として苦しすぎます。
 このような、和姦なのに気持はすれ違いという印象は「ANGEL CROWN」や和姦とは言ないかもしれないですが「しすパラ」(4姉妹の)でも似たようなものがありました。
 なぜか少し前の作品の「ぺろCan2」の時は感じませんでしたが…(これではHが商売だから?)。

 Hのバリエーションも少ないです。
 和姦ならこんな感じと言えなくもないのですが、CGが基本的にヒロインがあるポーズをとった状態に、主人公のアレがくっつくというパターンが多いからと思われます。
 実はこの描き方は前述の「ANGEL CROWN」や「しすパラ」も似ています。
 ただ人数が多いだけでなく、もっと様々な組み合わせの3Pが見たかったです。
 とにかく数で押し切るという感じですが、結局押し切ったのは汐音だけでした。

 印象に残ったのは「ひざまずいたけど、咥えるのではなく手コキで顔射」です。
 いいかげんな口の近づけ方で「咥えた」と書かれるよりよっぽど好印象です。
 また、回数の多い作品で「その後も続けた」という表現はやめて欲しいです。
 回数が多いからこそ、Hの始めと終わりをきちんと区切ってメリハリを付けて欲しいものです。


お気に入りのキャラ:志津以外全員…こういう人達ばかりが街を歩いていれば、それだけで幸せです。
最後に一言:「あの原画(特にメインの方)で落ち着いた感じの作品をぜひ作って欲しいです。」