銀の蛇 黒の月    (たろんなーどさんのレビュー)  評価: 6.5 
▼ タイトル 銀の蛇 黒の月
▼ ブランド Project-μ(ミュー)
▼ ジャンル ノヴェル・シアターPLUS
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2003/12/19
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり(フローチャート上の任意の点よりスタート可)
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり
【 選択肢リターン機能 】  あり(フローチャート上の任意の点からスタート可)
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  あり(シナリオフローチャート)
【 セーブ数 】  15個
【 エンディング数 】  7個(BADEND含む)


<ストーリー紹介>
 大陸の平和は「帝国」の支配力の低下とともに崩れていった。
 腐敗、内乱、疫病、飢饉…。
 荒廃と混迷の度を深める大陸を旅する一人の青年。
 彼は殺し屋を生業としていた…。


<キャラクター紹介>
カイ(主人公・リネーム不可)
 殺し屋を生業としている青年。特殊な形状の長剣を用いた剣術を用いる。
 無口で無愛想、常に暗く近付き難い雰囲気を漂わせている。
 自らと、自らの剣術を嫌悪しつつ、それによってしか糧を得られない不器用な剣士。

マリィ
 カイが森で出会う刺客に追われている少女。
 言葉を話すことができないためその背景はわからないが、自分の父親に刺客を差し向けられている。
 美しい肌や髪とあいまって、やや浮世離れした雰囲気があり、思考のテンポもやや独特。

カティ
 帝都より派遣された密偵の少女。
 基本的には直情的で素直な性格であるが、密偵としての計算高さも持っている。
 イスタニアの辺境、吸血公爵の領地へと派遣される。

ブロンコ
 交易の盛んな町、セナイで仕立て屋を営む男。女装癖がある。
 また、裏の商売として殺しなどの斡旋も行っており、カイに仕事を紹介している。
 やや騒々しく、落ち着きのない性格であるが、情報収集能力は極めて高い。

多頭蛇(ハイドラ)
 殺しを専門とする生粋の殺し屋。
 技を見て生き残ったものがほとんどいないため、どのような兵法を用いるのかわからないという凄腕。
 気分屋で気まぐれな性格のため、行動が読めないことが多い。

金仮面
 大きな双刀を鋏のようにして用いる剣術の使い手である殺し屋。
 辺境の部族の出身であり、部族の金の仮面をかぶっているところから「金仮面」と呼ばれる。
 誇り高く、厳格で古風。

リゼ
 吸血公爵に仕える殺し屋。女王蜂の異名を持つ。
 匂いと音で虫を自在に操る。自らの術に絶対の自信を持っており、やや自己陶酔気味。
 術で獲物の動きを止め、相手にまたがって絶頂とともに止めを刺す。


このホームページはProject-μ(ミュー)より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はProject-μ(ミュー)に帰属します。



<音楽・音声>
 全15曲。ボーカル曲はありません。
 しかし、音楽は非常に良い出来です。
 オーケストラにアレンジすれば映えるであろう重厚さと深さがあり、ジャンルにとらわれず雰囲気を出しています。
 バリエーションや曲調もさまざまに取り揃えており、掛け声や女性ボーカルの歌声など人の声までをサンプリングしている音楽は、単品として鑑賞に堪えうる出来でしょう。
 あまりに良い出来なので、1曲あたりが少し短めなのが残念と感じてしまいました。

 反面「音楽」としての印象が強く、場面の雰囲気を音楽が決定しているような部分はあり、そういう意味ではゲームBGMとしては少し目立ちすぎという感じはします。
 ノヴェルシアターシステム(後述)でない、通常のノベルやAVGだと間違いなく場面の印象が音楽に負けてしまっていたことでしょう。
 とはいえ、きちんと1曲1曲を丁寧に作りこんであり、そしてきちんとメリハリとバリエーションをつけた曲を作ってあるのは非常に好印象です。
 曲数と1曲あたりの長さがもう少し欲しいと思ったりしましたが、それがなくとも十二分の出来だと思います

 また、全体的なバランスでは、やや効果音のボリュームが大きいのが気になりました。
 音量調整がゲーム内では出来ないので、ウィンドウズの「ボリュームコントロール」で操作する必要があるのも残念なところです。
 たとえば剣戟シーンでは「剣を打ち合う音」を大きめに出すならば「音楽」は控えめにしたほうが緊張感はででると思いますし、逆に「音楽」をメインにするならば戦闘の疾走感を出すために「効果音」は控えめにするべきだと思います。
 両方ともに目立ちすぎて効果を相殺してしまっているのは残念です。
 とはいえ、効果音の種類も豊富ですし、こちらも単品ではなかなか良く出来ていると思います。

 なお、音声はありません。


<システム周り>(ver.1.00)
 ゲームシステムはプロジェクトミュー作品ではいつもの「ノヴェルシアタープラス」です。
 ゲームデザイン的には基本はノベルタイプのAVGですが、背景に一枚絵はあまり使わず、カットインCGの組み合わせとそのカットインCGを動かすことによって示すタイプの表現が用いられています。
 また文字も同じく非常に多様な表現方法で示されます。
 場面にあわせて文字やCGがフラッシュしたりワイプしたり、上から降ってきたり、突然カットインされたり色を変えたりといった表現方法を多用することで、この手のノベル・文章を読ませるゲームで一番苦手とする「戦闘シーン」を非常に疾走感あるものとしていることには好感を覚えます。

 細かいシステム周りは上記参照。
 ただ、「フルスクリーン切り替え」や「既読スキップ」、「オートモード」、「テキスト消去」などといった動作が、キーボードからのみ可能で、マウスからは出来ないなど、システム周り全体が「キーボード」メインで作られているため、マウスオペレーティング能力が極端に低い点は少し気になります。
 また、「オートモード」も自動で読むのには速過ぎるのが気になるところです。
 むしろ、遅めのスキップといったほうがふさわしい速度なのは如何なものかと…。
 「既読スキップ」が次の未読シーンや選択肢まで一気に飛ぶタイプなので、むしろスキップとして活用していました。
 
 また、各種回想モードの代わりに「フローチャート」が装備されており、一度通ったシーンはどこからでもはじめられる上、見ていないシーンの回収のヒントにも役立つのはいい感じです。


<CG>
 原画はひねもすのたり氏。全体的にやや「濃い」感じです。
 ただ、女性の顔はややシンプルというかあっさりした感じです。
 とくに、メインヒロインのマリィだけは少し「可愛い」感じが強調されたタッチと塗りになっており、微妙に作品世界から浮いた感じになっていたような気がします。
 上のキャラ紹介のように、もともとが世界から「浮いた」キャラなので、わざとなのかもしれないですが…。
 だとしても少し浮きすぎのような…。

 カットインCGが多いため、顔や体の一部(たとえば剣を握った手や笑う口元など)を強調するCGが多く、これをうまく重ねたり、動かしたりすることでストーリーを進めているため、画面全体の1枚絵は少なめです。
 とはいえ、絵自体は塗りも含めて、作品世界にマッチした暗さがあって良いのではないかと思います。


<Hシーン>
 え〜と、まぁ、いつもどおり一言で。
 Hシーンには期待しないでください、と^^;
 あれ?おかしいですね?
 OHPのゲーム紹介には「エロ!グロ!ヴァイオレンス!」って大きく書いてあるんですけど…。
 グロとヴァイオレンスはともかく、エロは正直物足りないです。
 物語り全体で最後まで行為に及ぶのが3シーンだけで、それ以外には途中で終るシーンが幾つかあるくらいです。
 主人公がからむHシーンも3つのうち1つしかないですし、触手陵辱以外はそれほどハードなシーンもないです。
 脇役同士のHシーンがメインですし、シチュエーションも物足りず、やはりHシーンには期待しないほうが良いでしょう。
 物語の脈絡なくHシーンを入れるのはどうかと思いますが、逆にこの物語ならもとHシーンを増やしてもいいような気もするのですが…。
 その辺は少し勿体無いというか、エロゲーとしてはどうなんだろう…という感じです。


<感想>
 基本的にはグロと暴力が物語のメインとなる、ピカレスクファンタジーです。
 ただ、物語の基本線は、旅の剣士が追われている少女を守ることになって、やがて恋に落ちるという超王道のファンタジーです。
 また、シナリオ背景的にも幼少時代のトラウマから孤高を保つ主人公が、ヒロインと出会うことで「生きる意味」や「感情」を取り戻していくという、これもまたエロゲーではお約束といえる内容です。
 ただ、それらをきちんと組み合わせており、お約束ながらきちんと先へ進ませようという訴求力があるのは良い感じでした。
 シナリオ自体がフルコンプまで6時間強程度とやや小ぶりですが、まとまりがありますし、下手に話を広げず、消化不良を起こさずに綺麗に話をまとめているのは好印象です。
 シナリオ上の矛盾やご都合主義も感じられないですし、きちんとした「シナリオ」になっています。

 ただ、「ヴァイオレンス」は問題なく濃いと思いますが、「エロ」と「グロ」を売りにしている割にはちょっと其の2点が薄かったような…。
 一応触手Hや男根食いちぎり、流血シーンなどもありますが、売りにするには少し回数、内容ともに物足りなかったような気がします。

 テキストに関してもエロゲーとしてはやや独特です。
 「賢明な読者ならもうお気づきだろう」とか「如何なる技の使い手なのであろうか?」など一昔前の娯楽小説のような読者に対しての問い掛け文がメインなのはかなり人を選ぶと思います。
 個人的にはこの手の小説は好きなので好みではあるのですが…。
 それを除いてもやや硬質で硬い文です。
 しかし、上記のノヴェルシアターの見せ方とも相まって、テンポ良く読めるよう工夫されており、そういう意味では丁寧に記述されています。
 これはおそらく、文の切り方や単語の選択が適当なことによることだと思いますが、物語の進め方や雰囲気作りだけでなく、そういった読み易さにまで気遣ったテキストは良い感じを受けました

 プロジェクトミューの「ノヴェルシアタープラス」も今回で4作目ですが、今回は剣豪同士の戦闘シーンが多いこと相まって、今までの作品でもっとも「ノヴェルシアタープラス」というシステムを生かしている作品だと思います。
 そういう意味で、良く出来た作品ではありますが、全体的なボリューム不足や癖のあるシナリオ、エロの薄さなどもあいまって、あまりお勧めできるとは言い難い部分もあります。
 ただ、ゲーム全体できちんと「語る」作品ですので、少し目先の変わった小品をプレイしたい、という方にはお勧め出来ますが…。

 不満店を敢えてあげるならば、物語としてはともかく、キャラクターも関しては、キャラの立った脇役が多い割りにストーリー上で求められている最低限しか登場しないので、キャラが生きていないところです。
 もっとも、シナリオ自体では完成しているので、蛇足にならない様付け足すのは難しいと思いますが…。
 エロゲーにHシーンより戦闘シーンやグロシーンを求める奇特な方にはお勧めですね。


<10点満点での総合評価>
 6.5点
 エロとグロがもう少しあれば…という感じです。


お気に入りのキャラ:マリィ…う〜ん、ほかのキャラは露骨に脇役ですし。
最後に一言:「プロジェクトミュー作品はどれも癖があり、好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。」









  幻燐の姫将軍2    (Mr.Tさんのレビュー)  評価: 9 
▼ タイトル 幻燐の姫将軍2
▼ ブランド エウシュリー
▼ ジャンル ファンタジーシミュレーションRPG
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 \8,600
▼ 発売日 2003/12/19
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり
【 メッセージ履歴機能 】  あり(自動で音声再生)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個
【 エンディング数 】  15個(ロウルート、カオスルート、キャラ別13個)


<ストーリー>
 魔族の血を引く“半魔人”として生を受けたリウイ・マーシルンは、人間族の暴力と勇者の侵略によって両親を失った。
 その復讐を終えてから四年…。
 “魔族”と蔑まれるリウイが王となったメンフィル王国は、カルッシャ王国を始め諸国によって封鎖となる。
 やがて側近の尽力によって大封鎖は解除に至るものの、和平会談に赴いた先でテネイラ師殺害の罪を着せられるのだった。
 心の中の光と闇に翻弄されながらも、王として決断を迫られるリウイ。
 それによって導き出される未来。
 寄り添いながら見守る王妃イリーナや、時には敵味方になって戦っていく戦士や姫達。
 幻燐戦争…。
 後にそう呼ばれる戦いは、カルッシャ王国の姫将軍エクリア・テシュオスに隠された、誰にも明かすことのできなかった真実へと至る。


このホームページはエウシュリーより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はエウシュリーに帰属します。



<購入動機>
 前評判もよかったし、エウシュリーさんのSRPG大好きなので^^;


<CG>
 好みによるとは思いますが、そんなに人を選ぶ絵柄ではない思います。
 まぁ、百聞は一見にしかずでOHPにてご確認ください。
 作風の為か、少しダークな色調のCGもありますが問題はありません。
 私的な意見では、Hシーンでは色っぽく、通常シーンでは可愛いCGとなっています。

 戦記モノということで女性もほとんどが鎧を着て登場しますが、王宮に入れたりするとたまに見せてくれたりするドレス姿が、かなり新鮮でトキメキを覚えてしまいます( ̄ー ̄)b

 CG枚数も差分を除いて176枚、いれると509枚という豪華っぷりです。
 ロウルートでは純愛、カオスルートでは陵辱モノと、この一本でお腹いっぱいとなります。
 属性にはあまり重点を置いてませんが、とりあえずロリ、お姉さま、お姫様等々、ファンタジーの基本は押さえているかと。


<シナリオ>
 主人公リウイは魔人病という半魔人特有の病気からくる性欲(お約束^^;)や破壊の衝動等と闘うか(我慢する)、流されるか(やりたい放題)、もしくは流されたり闘ったりするか(つまりは中途半端)によって分岐します。
 要所要所で出てくる選択肢でどの国を侵攻するか、もしくは同盟を組むか戦うかが選べます。
 それぞれが今後の展開やどの女性を仲間に出来(そうそうエッチは出来ませんが一緒に闘ってくれます)、どの女性を王宮に入れるか(一緒に闘ってくれませんがエッチは自由です)を左右するので、どの選択肢も気が抜けません。
 説明書でどの女性がどの国にいるのかきちんとチェックしないと、狙った女性が仲間にならなかったりします。

 ただ、イベント性に少し欠けるところも…主人公には既に奥さんいますし^^;
 まぁ王様特権でいろんな女性とエッチはする訳ですがね^^;

 キャラクターがこれまた多いので、それぞれの個性などはやはり…というかあまり表現出来ていなかったように思えます。
 その為、萌え要素(ポイント)が少ない感じが…。
 (かくいう私はティファーナというお嬢様(領主だけど)にゾッコンですが^^;)
 ただ、力により征服された国のお姫様は、王宮に入れられてしまう訳ですが、嫌がるけどお国の為にしかたなく…ってキャラと、最初っからリウイに懐いているキャラのギャップが…。

 付け加えておきますと、このシリーズは同メーカーが出している戦女神シリーズの外伝という扱いになっています。
 姫将軍エクリアがどういう経緯を経てセリカ(戦女神の主人公)と出会うのか、という部分にも触れられているのでエウシュリーファンなら必見ではないでしょうか。


<音楽・音声>
 音声はフルボイス。豪華です^^;
 どのキャラも勇ましく、そして可愛いく、ととても良かったです。

 エッチシーンはチュパ音(おしゃぶり効果音)が弱いかな…という点と、あえぎ声に頼りすぎているのでは?という点が気になりましたが、まぁそういう路線のソフトではないですし、全般的には十分合格点ではないかと。

 音楽は前作に比べ、かなり良くなっていると思います。
 戦闘シーン、エッチシーン、イベントシーン等、気分をさらに盛り上げてくれることでしょう。

 主題歌「導かれし魂の系譜」は、ソフトの雰囲気を出しており、島宮えい子さんの歌も上手かったです。


<Hシーン>
 これもまた多く、なんとシーン総数90も!
 大別すると純愛系と陵辱系とに分かれます。
 純愛のHシーンは可愛く色っぽく、そして陵辱系では淫らに…と同じキャラでも2度楽しめます。
 そしてファンタジーですので、魔法生物を使ったり、魔法の実験だったり…というのも多少あります。

 残念なのは音声でも触れてますが、チュパ音が弱いのと喘ぎ声に頼りすぎてる感があることです。
 もっとキャラクターの感情を押し出して欲しかったです。
 (あと18禁ですからもっとエロさを^^;)
 後は真面目なファンタジーですので凝った属性(スク水やブルマとか)は当然ありません。

 90シーンすべて集めるには多大な労力が必要ですが、CGと音声がとても良いので、割と使えます。(何に^^;?)
 まとめめすと“エウシュリーさんぐっじょぶ(o゜▽゜)o”ですね。


<ゲームシステム>
 SRPGなのでこの部分は触れない訳にはいきません。
 とりあえず戦闘シーンはオーソドックスな作りで、簡単に言えばスーパーロボット大戦やアークザラッドなどと同じ感じといえば大体の人はわかって頂けると思います。

 それにしてもこの幻燐2はゲームバランスは絶妙ですね。
 属性や攻撃範囲などをしっかりと見ておかないと、キャラがばったばったと死んでいます。
 しかも一度死んだキャラクターは蘇ってくれません。
 つまり戦闘不能ではなく、死亡という扱いになるので、今後のシナリオにも一切出てきません。
 (一部例外はありますが…)
 敵の強さも自軍の強さに合わせて強くなるのでヤリ応えは抜群です。

 ただこのシステムのせいで多少の問題が発生してしまいます。
 2週目以降はキャラクターのレベル、お金、装備が持ち越されるのですが、1週目で仲間にならなかったり、もしくは途中で死んでしまったキャラクターがいると、1週目を最後まで戦い抜いたキャラとのレベル差が当然開いてしまいます。
 そうすると敵キャラとのレベルも開いてしまう訳です。
 2週目にて自軍に今回仲間になったキャラクターがいた場合、敵とのレベル差が40以上で使えないという場面も…。
 一週目カオスルートだったりすると戦闘に参加する仲間が少ないので、2週目は苦難の行軍となる可能性が…。
 ただ、2週目から仲間に出来るエウシュリーちゃんブラックエウシュリーちゃんの初期レベルは、27か18くらいですが、きちんとした装備をすれば、レベル50の敵とも渡り合えたりしますので、必ず仲間にしましょう。
 これだけでかなり違います。

 さて気になるプレイ時間ですが…。
 マニュアルにも書いありますが、
 >ゲームクリア時間25〜80時間
 というのは…本当でした。一週目38時間かかりました。
 2週目以降キャラデータ引き継がれまが、多少楽になっても敵もそれ相応に強くなってしまうので、大して時間は変わりません。
 それ相応の覚悟が必要です^^;


<10点満点での評価>
 9点
 面白いのです!
 そして長く、ながーく遊べるソフトです。
 しかし、時間に余裕がない人だとフルコンプする気力がもたないかと…。

 少し難しいSRPGが好きな人、ファンタジーや戦記モノが好きな人にお勧めです。


お気に入りのキャラ:ティファーナ
            …清純なロウルートとそうでないカオスルートでのギャップや純に恋をするその表情に激惚れました。
最後に一言:「私は大○長よりこっちの方が面白いと思う・・・(ぅぉぃ)」










  そこに海があって・・・    (トゥエルブさんのレビュー)  評価: 3 
▼ タイトル そこに海があって・・・
▼ ブランド ミラージュ
▼ ジャンル マルチアングル恋愛AVG
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2003/12/19
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり、ホイールマウス対応)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  30個
【 エンディング数 】  9個


<ストーリー>
 海星島(みほしじま)に住む海取幸一(うみとり こういち)は、祖父の家業である漁業を手伝いながら学校に通う、平凡な日々を過ごしていた。
 ある夜海岸を散歩していた幸一は、ふと視界に見慣れないものを認めた。
 近づいてみると、それは裸の少女だった。
 意識はなく、まるでうち捨てられたかのように砂浜に倒れている少女――
 幸一は彼女を抱え、慌てて家に駆け込んだ。
 近くに住む、海原診療所の医師 海原夏海子(かいばら なみこ)の介抱により少女はやがて目を覚ましたが、彼女は殆ど口を聞かず、自分の名前すら憶えていないようであった。

 ほどなくして、少女の家の者だという二人組が訪ねてくる。
 怯えた様子を見せ、幸一にしがみついて離れない少女だったが、どうすることもできなかった幸一は、そのまま送り出してしまう。
 別れの間際、少女が幸一に見せた寂しげな表情……。
 その夜、幸一の脳裏からそれが消えることはなかった……。

 次の日、重い気持ちを抱えながら登校した幸一。
 そこに転校生が現れた。
 緒方夕凪 (おがたゆうなぎ)と名乗った転校生は、間違いなく昨夜砂浜に倒れていた、そして、どこか気持ちにひっかかりを感じながらも為す術無く送り出したその少女だった。

 幸一の隣の席に座った夕凪は、どこか安堵の表情を向けた。
 意外な再会を素直に喜ぶ幸一。
 夕凪も同じ気持ちだったのかもしれない……。

 世間の常識も何も全くと言っていいほど知らない夕凪。
 そんな彼女には、幸一をはじめみんなが振り回されていた。
 だが、それは代わり映えのしない平凡な日常を楽しく変えてくれる歓迎すべきものだった。
 夕凪は幸一達にとって良き仲間であり、やがて徐々に、幸一の心の中でその存在は大きくなりつつあった。

 だが、まだ誰も知らない。
 彼らにもたらされる変化は、決して些細なものではないということを。
 信じていたものが形を変えてゆく世界。抗うことの出来ない未来。
 彼らの想いはどこにつながるのだろうか――


このホームページはミラージュより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はミラージュに帰属します。



<購入動機>
 新ブランド(といっても姉妹ブランドですが)Mirageの新作ということで、期待していたのですが…。
 フタをあけてみたらかなり残念な出来でした。


<システム>…9点
 上記参照の他、
 フルスクリーン/ウィンドウモード切替あり、クイックセーブ/クイックロードあり。
 ボイスリピートは当然装備で、Hアニメシーンでのシーンリピートも装備しています。
 メッセージスキップやメッセージ速度も調節可能です。

 総じてシステム面での不満はありませんでした。


<音楽・音声>…音楽7点、音声8点
 まず驚いたのが、各キャラにエンディングソングが用意されていることです。
 その為、OPを含めて全7曲のボーカル曲が用意されています。

 音楽は29曲。どれも標準以上の出来です。
 ゲームを盛り上げているかと聞かれると疑問ですが、邪魔はしてませんでした。

 音声は、女性フルボイスにて豪華声優陣起用!
 北都南さん、海原エレナさん、日向裕羅さんと人気・実力を兼ね備えた方を起用されています。
 ただ…上手い人とそうでない人との差が…。
 でも上手い人は上手く、演じているキャラを引っ張ってます。
 声優さんに助けられている面もあると思います。


<CG・アニメ>…8点
 立ちキャラ・イベント画のグラフィックは秀逸で、とても綺麗です。
 表情も豊富にあり、キャラ立てに役立っています。
 ただ綺麗さ・丁寧さはキャラ重要度によって差があり、男性の脇キャラともなると、かなりいい加減な出来となってきます^^;

 また売りのひとつであるアニメーションですが、かなりの数が用意されています。
 ただ…数が多い分、ひとつあたりのアニメは短く、そんなに動いていません^^;
 しかし初作品にしては良く出来ていると思います。


<Hシーン>…6点
 まぁ恋愛AVGと冠している時点でエロは期待できないわけですが…。
 やっぱり、エロに期待しないでください^^;

 シュチュもいたってノーマルです。
 しかしここで売りのひとつであるアニメーションと声優陣の質の高い演技が光ってきます。
 が!「へぇ〜」と感心することはあっても、それが実用性に結びつくかは…やはり疑問です^^;


<シナリオ>…2点
 恋愛AVGということで、シナリオ・キャラ萌えが重要な要素を占めるはずなのですが…。
 その一番手であるシナリオが、“読ませる”“売り物になる”レベルに達していません。
 前半の日常シナリオはともかく、終盤は伏線を片端から放置の上に突然エンディングへ、というわけのわからない展開になっています。
 終わった後に残るのは取り残されたユーザーの“?”という感情だけではないでしょうか。
 後味が非常に悪くなっています。

 またシナリオが上記の用に救いが無いので、キャラによっては選択肢がまったくなかったり、たった15分で終わってしまうというシナリオ構成が非常に目立ってきます。
 シナリオが良ければゲーム性の無さもそんなには目立たないのですがね…。
 メインキャラでも選択肢は1つしかなく、ゲームとしてはかなり不満が残ります。


<ザッピングシステム>…2点
 このゲームの売りのひとつでもあるのですが…。
 正直ある意味が見出せませんし、必要ありません。
 視点が変われば、あるルートにてわかりえなかった真実が見えてくる…っていうこともありません。
 視点変えなくてもすべてを語ってくれます。
 (またそのシナリオがつまらないのが最悪ですが…。)


<10点満点での評価>
 3点
 シナリオの悪さが全てを台無しにしています。
 また売りであるザッピングシステムが用を成していません。あっても無くても同じです。
 キャラ・音楽などに光る部分があるだけに、非常に残念です。


お気に入りのキャラ:夕凪
            …個性付け等キャラ的には高レベルですが、シナリオが足を引っ張っているのが惜しい。
最後に一言:「一言で言うなら“実験作”。お金を取る以上“完成品”を提供するのが当然ではないでしょうか?」