保母さんといっしょ!    (zaku2さんのレビュー)  評価: 5 
▼ タイトル 保母さんといっしょ!〜双子とできるもん!〜
▼ ブランド TinkerBell
▼ ジャンル 双子保母さんアドベンチャー
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2003/11/14
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり・マウスホイール対応)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  49個
【 エンディング数 】  8個


<あ・ら・す・じ>
 主人公の勤める『まつのみ園』に双子の新人保母がやってきました。
 新しく赴任してきた保母さんたちは園長の結城千鶴(ゆうき ちづる)の娘。
 双子の姉妹未弥(みや)と真弥(まや)にとって、主人公は幼馴染の『お兄ちゃん』。

 幼馴染の微妙な関係で、主人公は新人の保母さんの2人と『まつのみ園』で
 4月から夏休み前の7月末までの4ヶ月の間、
 一緒に働いていくことになったそんなある日、
 未弥は昔のように自分を『妹』扱いする主人公に意を決して告白をします。

 「わたしもう子供じゃないよ!」
 「お兄ちゃんのことを受け入れれる位、大人だよ!」

 その未弥の言葉をきっかけに、まつのみ園の中で展開されるH。
 そして、主人公と未弥の関係を知ってしまった真弥も未弥に内緒で主人公と関係を持ちます。

 果たして、この三角関係の先に待つものは……?


<キャラクター紹介>
結城 未弥 【CV】比未子
 基本的におっとりノンビリ、マイペースと三拍子そろった双子の保母さんのお姉ちゃん。
 少し恥かしがり屋で引っ込み思案なところがあるが、思考は前向き。
 昔からのクセで先輩保父さんである主人公のことを、うっかり「お兄ちゃん」とよんで赤面してしまうことも、しばしばある。
 主人公とは仲がいい、というよりもどこか「なついている」という雰囲気がある。
 秘めた想いを心の内にもって、主人公と同じまつのみ園に保母として赴任してきた。
 趣味(?)は整理整頓と料理でピアノも得意。
 裁縫が好きだけど、下手でよく指を針で刺してしまう。
 
 少しはなれたところから見ていると子供が子供をあやしている風に見えることも…ある。

結城 真弥 【CV】涼森 ちさと
 活発で元気な雰囲気のある双子の保母さんの妹さん。
 どことなく頼りない双子の姉、未弥が心配で同じ保母の道を進むことになった「姉想い」な性格。
 だが本心では、未弥同様、主人公を想う気持ちは変わらない。
 走ることや木登りが得意(ただし高所恐怖症で自分の身長以上には登れない)。
 低血圧で朝が弱く、午前中は何処かふらついている印象がある。
 未弥とは違い、料理は苦手(本人曰く、「練習中っ」とのこと)。
 極度のくすがったりで背筋をツ〜〜〜、とされるだけで思わず、声が上がってしまう。

結城 千鶴 【CV】天 天
 主人公達が勤める「まつのみ園」の園長さんで未弥&真弥の母親。
 大の子供好きで多分、主人公達も「子供」の中に入っていると思われる。
 どこか浮世離れと達観した、見方によっては天然ボケとも思える性格だが、微笑んでやさしく抱きしめてくれるような、母性を感じさせる女性。

あかり 【CV】天 天
 双子の保母さん、妹の真弥の担当するさくら組の女のコ 素直で可愛いツィンティル。
 主人公のクラスの、りなちゃんとは仲がいい。

りな 【CV】比未子
 主人公の担当するひまわり組の大人しめの女のコ。
 基本的のポ〜っとしたかんじのポニーティル。
 主人公によく懐いている。


このホームページはTinkerBellより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はTinkerBellに帰属します。



<システム補足>
 上記のように可も無く不可も無く…。
 音量調整等も出来るしスキップも高速で、無難だと思います。
 ただボイス再生中には、一切の行為が出来なくなるという謎の仕様が痛かったです。
 それと起動するたびに18禁がどうの、このゲームはフィクションでどうのっていちいち出るのは勘弁。

 あとおまけに出演声優さんのコメントなるものがあります。
 上記の声優さんのファンの方には朗報では^^;?

 ちなみにプロテクトはOHPにもある通り、ALPHA-ROMです。
 うちのドライブはALPHAスルーなので別にいいのですが、どうしても誤爆してしまう人は、ユーザー葉書を送ってユーザー登録しないと受け付けてもらえません。
 まぁサポートする気があるだけ、ブ〇ス系列よりかはまだマシなのですが、なんかなぁ…。
 当然メディアチェックするために、ディスクレス起動不可です。

 それにしても、葉書の欄を見ると誤爆は想定済み…だったようですね…。


<音楽・音声>
 ボーカル曲がOPに1つあります。
 ボーカルはなんと比未子さんと涼森ちさとさんです。
 …う〜ん…何か中途半端ですね。
 名曲って訳でもないですし、電波ソングな訳でもない…。
 エロゲーの主題歌って言えばそれまでですが、ただ“ボーカル曲あります”って付けただけの気も…。

 BGMも全然印象に残ってません。
 ゲームの邪魔しなかっただけ、良いかもしれません。
 まぁ音楽面では何も期待出来ないのであしからず。
 所詮抜きゲーですからね^^;

 いっぽう音声ですが、うって変わって好印象!
 声優さんがそもそも実力のある人ですので、無問題!
 数少ないプラス要素!
 特にロリ組の声は、その手の人にはかなり“クル”ものがあるでしょう^^;
 ただシナリオが短くテキストも微妙なので、本領を発揮できてない感はありますが…。


<グラフィック>
 メイン原画さんは、唯々月たすくさんです。
 可愛らしい絵で、この作品のコンセプトとも良く合ってると思います。
 淡めな塗りも良い感じです。

 一枚絵は差分抜きで77枚でほとんどエロ系です。
 数そのものは少なめですが、シナリオサイズを考えると、多めにある方だと思います。

 立ち絵の種類もそこそこあります。
 また立ち絵で表情変化がない代わりに、フェイスウインドの横に表情ウインドが表示されます。
 この表情ウインドのキャラは何故かみななのですが…これは突っ込み待ちなのでしょうか^^;?

 背景も、幼〇園のほのぼのとした雰囲気が伝わってきて良い感じです。

 総じてグラフィック面では、まぁ標準レベルだと思います。


<シナリオ・内容>
 ひたすらロリーな双子とヤる!
 以上。
 ………。
 冗談はさて置き、と言いたいところなんですが、本当にその通りな困った作品です。

 導入部分で、主人公が幼〇園に赴任して、幼馴染の双子と再会して…という紹介があり、双子から告白されて両方と初エッチしてあとはもう…(以下略)と、こんな感じです。
 これ以上は言うことないんですよ…マジで…(つД`)
 シナリオも短い上、何故か一週間単位で進行。
 内容もセックスだけの中身の無いもので、しかもキャラには個性というものがありません。
 特にメインヒロインの未弥と真弥は見た目のそっくりさもあって、わたしにはまったく見分けがつきませんでした。
 え、感動?泣き?萌え?
 そんなもん最初から無いわ!勘違い野郎は帰れ!!!
 っていうか、抜きゲーにシナリオなんておまけですよを具現化したゲームです。
 今後「シナリオのない抜きゲー=保母さんといっしょ!」という図式が成り立っていくでしょう。

 ところで「原画:唯々月たすくさん=ダメ主人公」というイメージが個人的にはあるのですが、(特にsweetデビルは強烈でしたね)今作の主人公はと言うと、まぁ何というか…凄い奴です。
 うぶでオクテな青年と思わせておいて、発情したらすぐに結城姉妹に襲いかかって即セックス(ヒロインは主人公好き好きですので全部和姦ですが^^;)、という彼の頭の中には「節操」の二文字は存在しません。
 しかもやたら園児のすぐそばでプレイしたがるの困った人です。
 園児が遊んでるところでセックス!
 園児の前でオルガン弾かせながら背後からセックス!
 園児をトイレに連れてって、しーしーしているところでセックス!
 …園児に見つかったらどうするんでしょうかね?
 まぁその園児ともやっちゃうわけですが^^;
 ってお前保父失格だろ!…と。
 つーか人間失格だろ!…っと。
 ってか、そもそも「園児=犯る対象」って、それでいいのかソフ倫!
 いや、それでいいんならいいんですけど^^;

 まぁ人としてはダメだけどエロゲ主人公としては神、っていったところでしょうか^^;


<エロ>
 ま、シナリオはどうでもいいんですよ。むしろこっからが本作の真骨頂な訳で…。
 ということで、シナリオのとこで少し述べた通り、全体的に青姦・羞恥プレイが多いです。
 メインヒロインの未弥・真弥もおまけの千鶴さんも初期状態からで主人公LOVEなので、全てラブラブ和姦です。
 Hシーンは未弥・真弥でそれぞれ14回づつ。
 千鶴さんとのHシーンは所詮おまけなので5回と少なめですが、かなりの巨乳で迫力のあるパイズリをしてくれます。
 あとは姉妹どんぶり2回母娘どんぶり1回です。

 エロ中心というかエロだけのシナリオなのでエッチの数自体は多いですが、根本的にエロのレベルは実は低めです。
 その理由は尺とテキストが中途半端な事に由来します。
 エロをシチュエーションだけに頼ってる感じがします。
 エロSEも短いですし、そもそもしょぼいです。
 実力派の声優陣も、尺そのものが短くテキストが薄い為、残念ながらいまいちの出来。
 もちろん声優さんは悪くないのですが…。

 あえて特筆するなら、汁でしょうか。
 歩く性欲と化した主人公の性格を象徴するかのごとく、精液だけは大量に放出されます。
 しかも相手のサイズがあれなので、それはもう汁だくって感じです。

 ちなみに、このゲームでは性交時に中出しか外出しを選択できるのですが、中出しばかり選択すると、妊娠しちゃいます。
 姉妹にはそれぞれ孕ませエンディングがあります。
 そして究極は結城一族三人同時孕ませエンド!
 エンディングの妊娠トリオのCGを見たときは、凡人のわたしなんかは目眩起こしました…。

 ここで少し告白させてもらうと実は私、ロリ好きではありません。
 いやむしろ苦手。
 「『先生だーいすき』もレビューしてた奴が何をぬかすか!」という至極当然な突っ込みがきそうですが、そんなわたしが何故わざわざこれを買ったのかというと目的は一つ。
 そうフェラです。
 昔のエロい人は言いました、「SEXとはフェラで始まり(勃たせて)フェラで終わる!(後始末)」と…。
 なんてったって出演声優さんが比未子さん・涼森ちさとさん・天天さんという最強布陣!
 特に涼森さんと天天さんの黄金コンビはこれだけで即購入決定。
 このお二人のもつ超絶破壊力を知りたい人は「うちの妹のばあい」あたりをプレイしてみてください。

 で、今回もこの黄金クレジットによる夢のフェラ天国な世界を期待していたのですが…、
 未弥フェラ2回
 真弥フェラ2回
 千鶴フェラ1回
 りなフェラなし。
 あかりフェラ1回。
 未弥・真弥ダブルフェラ1回
 りな・あかりダブルフェラ1回
 
 …あれれ?全部足しても一桁???
 もはや詐欺(つД`)

 特に酷いのは真弥です。
 期待してプレイしてみると、いきなりフェラ2発。
 「これはフェラ姫・優香の再来か!?」と胸踊らしてわたしはプレイを続けましたよ、えぇ…。
 しかしそれ以降フェラ一切なしという罠。
 なんだよこれ!?
 以前の「sweetデビル」もそうですが、どうやろここのメーカーは、場の空気を読むということが出来ないみたいです。

 そういえば気になる噂がちらほらありましたね。
 そうです、噂の園児ルートです。
 このルートはある意味外伝的な位置付けなのですが、ただでさえ暴走気味な主人公がさらに壊れちゃいます。
 「お嫁さんはお婿さんのおち〇ちんを上手にご奉仕できなきゃいけないんだよ」
 「未発達な割れ目から出る黄金の水を口で受け止める、それは至上最高の快感」
 「ああ!君達(園児)の全てが僕をさらに興奮させてくれる!」
 「ククク…調教はまだまだこれからだ…」
 …こんな感じです。(正直、私の限界を超えていたので、上記のセリフはうろ覚えですが…)

 で、このセリフを見ると、かなりハードでディープな展開が繰り広げられるのかと思いきや、肝心の総シーン数は、りなの放尿プレイ、あかりのフェラ、そして二人のダブルフェラの3シーンのみ…。
 しかも本番は一切なし!
 また一部雑誌等で紹介されていたスモックのCGは全て差し替えられております。
 大人の事情というやつ…ですかね。
 まあ個人的にはどうでもいいのですが、そっち方面の方からは不満が噴出しそうですね。

 エロに関しては…ロリといい孕ませといい園児といい…いやまあなんというか「とうとうやっちゃったね!TinkerBell☆」って感じですね。


<10点満点での総合評価>
 5点
 インパクトたっぷりな内容ながら、ボリュームも小さく、完成度自体は低め。
 特にエロ!抜きゲーにあるまじき駄目っぷりです。
 ただ絵柄・属性(ロリ・孕ませ・汁あたり)があう人は、それぞれで加点できると思います。

 しかし個人的にはただロリーなだけな薄いゲームでした。
 まあさんざん叩いていますが、なんだかんだ言ってロリー大好きな人には美味しくいただけるのではないかと…。

 それにしても大人の事情とやらで、これでも内容を抑えた方らしいですね。
 色々と大変ですね、この業界も……。
 っていうかソフト倫理協会って一体なんなんでしょうかね?
 エロゲに倫理も何もないと思うが…。


お気に入りのキャラ:千鶴…この人には結構萌えました。もっと出番を増やして欲しかった(つД`)
                 ちゅーかこれじゃこのゲームやる意味ねえな!^^;










  金の瞳*銀の瞳    (たろんなーどさんのレビュー)  評価: 6 
▼ タイトル 金の瞳*銀の瞳
▼ ブランド UNCANNY!
▼ ジャンル アドベンチャー
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \7,800
▼ 発売日 2002/04/26
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(バックログでの音声再生なし)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  なし
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  60個
【 エンディング数 】  4個(BADEND含まず)


<あ・ら・す・じ>
 人と魔物が争う世界。
 かつてこの世界には魔王と勇者がいた。
 勇者は魔王の居城に単身乗り込み、そして消息をたった。
 魔王と勇者の戦いの結果を知るものはいない。
 ただ人々が知ることは、世界から魔王の影は消え、魔族は辺境に追いやられ、勇者が還らなかったという事実だけだ。
 世界は、人々は、急速に活気を取り戻していった。

 それから数年。
 平和に生きる人々は、戦いを、殺し合いを求めて奴隷達の戦う闘技場に集まるようになっていた。
 そしてこの世界で最大の版図をもつ国の首都に有る闘技場に売られてきた一人の闘奴。
 記憶喪失で自らの名前も知らない少年は、闘技場で生き残るために、そして自らの記憶を取り戻すために剣を手に取るのだった。


<キャラクター紹介>
シンシア CV:鈴木雅
 闘技場で料理や掃除を行う巨乳な聖職者見習。
 おっとりしていて優しい性格だが、相当なドジ。
 レミィにはいつもからかわれている。

レミィ CV:大庭奈々
 闘技場でNo.2の実力を誇る戦士にして主人公の師匠になる女性。
 大雑把な性格だが、その実、面倒見の良い部分もある。
 酒好き、セクハラ好きとややオッサンくさい性癖と貧乳なのが玉に瑕。

クロノ CV:桜川みどり
 闘技場に現れる謎の少女。
 無口で無表情、気が付くと闘技場の中庭に現れている。

ウル CV:乃田あす実
 闘技場に売られてきた犬耳と尻尾をもった魔族の少女。語尾は「〜だワン!」
 250歳以上の年齢だが子供っぽい無邪気な性格。ただし、頭の回転は標準以上に速い。
 自分の母親を探している。主人公のことは「だーりん」と呼んで慕っている。

エミュール CV:浅海譲
 謎の言動が多い闘技場の主である妖艶な女性。
 自らの気にいった奴隷を愛人としてはべらせている。
 主人公のことも気になっているよう。
 

サイク(主人公:リネーム不可)
 闘技場に奴隷として売られてきた記憶喪失の青年。
 サイクという名前はレミィの命名。
 なぜか鋭い剣の腕を持ち、自らの記憶を探している。


このホームページはUNCANNY!より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はUNCANNY!に帰属します。



<音声>
 主要なシーンでは女性のみフルボイス。キャストは上記の通り。
 というわけで、ボイスのある場面は限られているのがかなり残念なところ。
 各キャラの登場シーン、Hシーンとエンディング周り以外は一部イベントにボイスありという感じです。
 なぜか、タイトル画面のメニュー選択では一杯しゃべってくれますが…。
 いや、そこに入れるより本編に入れてください。
 
 声優さんに関してもキャラにジャストフィットしていると思いますし、演技も問題なくレベルは高いです。
 特にレミィは大庭奈々さんの声がもっともあっているキャラの一つではないでしょうか。
 それほど特徴的ではないのですが、普通の声域の中で滲み出る強さと優しさを微妙に演じられている好演ではないかと思います。
 スイマセン…この人の声、かなり好きなものでして^^;


<音楽>
 全14曲、うち、ボーカル曲は2曲。
 OP「金の瞳*銀の瞳」(Vo.東迦喜也)、ED「LostTime, RealWind」(Vo.毬花)ともさわやかなポップスという感じの曲調です。
 特にOPはタイトルバックの画面効果(鳥の飛ぶ青空に浮かぶ月から日の出の地平線へとパンしてタイトルロゴを表示する)とあわせて、非常に印象深い曲だと思います。
 また、EDも歌詞は全英語ながら、エピローグの余韻を引き取っていい感じでしっとりとしつつ先にある明るさを暗示する感じで好印象。
 ボーカルの方も高音を丁寧に歌っており、非常にいい感じだと思います。

 他の曲も、やや大げさというか、少しBGMとしては目立ちすぎと感じる部分もありますが、単品としての出来はなかなか良いと思います。
 特に「風と刻」(「LostTime, RealWind」のピアノアレンジ)などは曲の緩急のつけ方が絶妙ですね。
 ただ、曲数が少ないため、やや場面にあってない曲が掛かることが多いかな、という感じを受けたのは残念ですが。


<システム周り>(ver.1.00)
 基本的にはマップ移動型のAVG。
 移動先にいるキャラがアイコンで表示されているのでゲーム自体の難易度は低いです。
 また、戦闘シーンがあり、戦闘シーンはコマンド入力で進行していくオーソドックスなタイプ。
 戦闘時のステータスを鍛える自己育成SLG要素もあります。
 マップ移動で訓練場に移動することでステータスをあげる訓練をすることが出来ます。
 ただ、ステータス自体は「攻撃力」「防御力」「敏捷力」の3つだけで、それぞれのトレーニングメニューも「ウォーミング」(成功率高、能力上昇低)、「トレーニング」(成功率中、能力上昇中)、「サバイバル」(成功率低、能力上昇高)の3種類と至ってシンプル。
 戦闘シーン自体も難易度は至って低く、(特に攻撃力を)適当に鍛えていればまず負けることはありません。
 と、いうか、敵が弱すぎです。
 ラスボスすら攻撃力を鍛えていれば瞬殺ですから。
 魔王とゴブリンキングが同じくらいの強さだったり(^^;)という謎の強さの設定も含めて、あくまで飾りというか、オマケ程度ですね。

 ただし、主人公サイクのステータスとして、3つの能力値の鍛え次第で主人公を象徴するタロットカード(全22種類)があり、コレが換わることで必殺技を覚えていくのですが、このタロットカードをコンプしようと思うとソコソコ手間が掛かります。
 まぁ、必殺技を使わないと勝てない相手なんていませんが^^;

 全体的に難易度はかなり低めです。
 選択肢も至って素直なものが多いですし、特に詰まるようなところも無いと思います。

 プレイ環境については上記参照、必要最低限の機能は付いていると思います。
 ただ、音量調整がウィンドウズの「ボリュームコントロール」からしか出来なかったり、メッセージ速度が遅めの「通常」か一括表示しか選べなかったりする辺りはチトさびしいですね。
 とはいえ、ゲームを遊ぶ上で、特に苦痛に感じるようなところも無く、普通にプレイできると思います。
 あえて言うなら、「トレーニング」時のチップアニメは何度もみるコトになるので、ON/OFF出来ると良かったと思います。


<CG>
 原画はあおいゆーじ氏と高野皇子氏。メインはあおいゆーじ氏です。
 高野氏は<感想>で書く、前作のキャラの担当だと思います。
 やや目の大きいロリ系とも取れる絵柄で、特に睫毛の書き込みの濃さが特徴でしょうか。
 レミィなんかは、睫毛と目の周りの微妙なアイシャドーのせいでなんか目の周りが歌舞伎の隈取みたいに見えてしまう絵もあるような気が…^^;
 あと、顔の大きさと比してやや体が細いキャラが多いのも特徴ですね。

 まぁ、割合特徴のある絵柄ですが、この人の絵の特徴が気にならなければなかなか良いと思います。
 とはいえ良く考えたらこの人が原画で関わったゲームの会社(Uncanny!とGA-BANG)は残っていないです(苦笑)
 勿論HPも…(つД`)
 というわけで、サンプルCGは見れませんので、気になられた方はあおいゆーじ氏のサイト、Cockatail Harmonyで画風をご覧下さい。

 唯一残念なのは、各キャラ差分・表情違いを含めても11〜18枚とイベント絵が少なめなことです。
 ここは絵を入れて欲しい!いや、入れるべきだ!というところでも入っていなかったりすることが多いのが残念です。
 (キスシーンとか抱き合うシーンもほとんど立ち絵とテキストだけで処理しています)

 背景も闘技場内で話がほとんどの進む関係もありやや地味ではあるものの、絵自体の書き込みはなかなかだと思います。
 ただ、やや塗りが単調な気がしますが…。

 しかし、このゲームで真に特筆するに値するのは立ち絵です。
 確かに絵自体は塗りも含めて平均より少し上くらいのレベルですが、目パチと口パクは相当気合入っていると思います。
 普通、立ち絵の口パクというのは大体2つの口の動き組み合わせですが、それぞれの立ち絵ごとに3、4種類の口の動きをきちんと作ってあり、それをしっかり音声にあわせようとしているのは、非常に手間が掛かっていて良いと思います。
 まぁ、音声が入っている場面が少ないので余り見られないのが残念ですが…。
 あ、ちなみに音声の入っていない場所では口パクは無く目パチだけです。
 それと、笑い顔など一部の立ち絵では目パチ口パクが無いのもあります。
 (目が渦巻きの立ち絵では流石に目パチは出来ないですし)
 目パチもきちんと立ち絵ごとに用意されていて、かなり自然な感じで、私のプレイした限り(アニメ系のゲーム以外)では「ぎりギリLOVE」と並ぶクオリティの高さだと思います。
 立ち絵自体もかなりバリエーションがあり、なんだか立ち絵のほうがイベント絵より(いろんな意味で)気合入っているように見えるのはご愛嬌ということで^^;
 なぜか、普段の服装で一番露出度が高い服装をしているのが主人公というのも気にしない方向で^^;

 なので、そういう意味では普段の演出に凝っており、イベント絵の少なさもそんなには気になりませんでした。


<Hシーン>
 基本的には「純愛ゲー」なのでいつもの一言。
 「Hシーンには期待しないで下さい」
 以上!

 具体的に説明すると各キャラ1回、和姦オンリーです。
 シチュエーション自体も前戯にフェラが付いたりする以外は至ってノーマル。
 あおいゆーじ氏の絵以外にこれといった売りは無い感じですね。

 ただ、音声はかなり頑張っていると思います。
 フェラシーンでのチュパ音も充実していますし(全キャラあるわけではないのが残念ですが)、なかなかの演技派ぞろいだと思います。
 惜しむらくは、Hシーンのテキストがやや単調であえぎ声のバリエーションが少なめなことですかね。
 声優サンの熱演にテキストが追いついていないのが残念です。


<感想>
 ここまで読んで頂いた方には大体わかると思いますが、私、たろんなーどはこのゲームが好きです。
 しかもかなり^^;
 なので微妙にレビューが冷静でない部分も多いかと思いますが、その辺は2割引くらいでご覧頂けると幸いです。
 絵も、音楽も、声優さんも好みなんです。
 しかし正直申し上げまして、あまりお勧めできる作品とは言いがたいのも確かです。
 上で述べているように各要素にも欠点はありますし(フルボイスでなかったり、イベント絵の枚数が少なかったり)、シナリオは正直言って弱いです。

 個人的にはなんのてらいも無く王道ファンタジーを持ってくるのは好きですね。
 というわけで、シナリオの基本線はいまどき勇者や魔王といった単語の飛び交う超王道のヒロイック・ファンタジーです。
 シナリオ展開も王道というか、古風というか、全く持ってヒロイック・サーガそのものです。
 ですので、割と先は読みやすいシナリオなのではないかと思います。
 逆にいえば安心してみていられるということですが。

 ただし、一部シナリオでは魔王は結局そのままだったりするので、王道とは言いがたいかもしれませんが^^;
 それ以外では(ネタバレ)攻略対象に選んだヒロイン以外のヒロインは(他のヒロインのシナリオでは)あっさり死んでしまうことが多いのはちょっと気になります。
 まぁ、逆にいえば魔物の跳梁する世界の厳しさということで納得は出来ますが、その辺はやや好みの別れるところだと思います。
 個人的には関係のあった全員を守れるとは限らないというのも当たり前ですし、あってよいと思うのですが…。
(ネタバレ終わり)
 そういう意味も含めて、台詞の端々に魔族と同居している世界の厳しさみたいなのは感じられるのは、つまり「古風」と表現した部分ですが、昔からのファンタジー好きとしてはなかなか好ましい限りです。

 しかし、主人公達は奴隷のはずなのに待遇良すぎませんかね?
 個室あり、風呂あり、朝夕食事つきの奴隷なんてまずいないと思いますが?
 上にあげたようなところに比べると少しリアリティを感じない部分でもあり、残念です。
 とはいえ、それのおかげで序盤〜中盤はなかなかコミカルにテンポ良く進みますし、立ち絵のバリエーションの豊かさとあわせて日常会話もいい感じです。
 それ以外では同ブランドの前作「Lv-F」のキャラがチョイ役で出たりするのも割と好きですね。
 知らない人が見たら、突然ファンタジー世界にいまいちあってないキャラが出てきてびっくりするような気もしますけど。

 ただし、シリアス部分はややあっさり目です。
 後半の展開がやや詰め込んだかのように急ぎ足になってしまい、上に書いたように会話の端々に雰囲気を持っていながら、シナリオ自体はその雰囲気を生かせていない気がします。
 特に全シナリオでのバックボーンになっていてメインとなるべき主人公の過去については一部キャラのシナリオでしか核心には触れられておらず、やや消化不良な感もあります。

 テキストも悪くないと思いましたが「うなづいた」とかが連発される感じがするところがあったり、少しバランスが悪い感じがしました。
 文法や用法としては間違っていないのですが、同じ物をさすのに違う指示代名詞が使われたり同じ単語が一つの場面で頻出したりと、なんとなく地の文が読みにくい気がします。

 そういう意味でシナリオ派の人にはお勧めできませんし、Hシーンもかなり薄めなのでエロ重視の方にもお勧めは出来ません。
 微妙に狙いが良くわからないソフトのような気がしますが、個人的には雰囲気というか、まとまりのいい作品だと思いますし、それがこの作品の魅力なのではないでしょうか。
 各要素間でのバランスが良く、それぞれに見れば欠点はあるものの、総体としてみるとパッケージとして一つの「世界」を感じさせるつくりは個人的には好みです。
 ま、逆にいうと、上で述べたように突出した「売り」や「特徴」が無いゲームなのですが^^;

 しかも、パンする演出やフルボイスでしゃべってくれたりとタイトル画面にえらい気合入ってる割にはOPムービーは無かったり、イベント絵より立ち絵のほうが気合入っていたり、ゲームとしてびみょ〜に力を入れる場所を間違っているような気もします。


<10点満点での総合評価>
 6点!
 個人的には8点くらいですが、「雰囲気」という曖昧なものでは他の方にお勧めは出来ません。


お気に入りのキャラ:レミィ…大庭奈々さんボイス一点買い!いや、キャラ造形もなかなかですけど^^;
最後に一言:「ホビボックス株式会社クラブホビにてソフト電池使用のDL版が(365日有効)
        777円にて発売されております。」