FOLKLORE JAM    (たろんなーどさんのレビュー)  評価: 6 
▼ タイトル FOLKLORE JAM
▼ ブランド HERMIT
▼ ジャンル 不条理系オカルティックADV
▼ 対応OS Win98/98SE/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2003/10/24
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  なし
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(履歴での音声再生可能)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  40個
【 エンディング数 】  6個(BADEND除く)


<あ・ら・す・じ>
 ある日、学園掲示板に登場した、『あからさまに怪しい』募集広告。
 それは、学園一有名な学園一の変わり者が、唐突に始めた酔狂。
 九分九厘の学生たちは、足を止め、しばらく見入った後、
 顔色だけを青くして、何事もなかったかのように早足で歩き去って行く。

 「面白そう〜…うん、わたしの初めての部活動はこれにしようっと」
 「オカルトに興味ないけど…好き放題やれそうだし」
 「あ、あいつ…この期に及んで一体何考えてやがる?」
 これが、残り一厘の、変わり者たちの反応。

 変わり者と変わり者たちが出会ってしまえば、そこには激しい化学反応。
 暑い夏を涼しくするはずが、実は全てをひっくり返す最悪の組み合わせ。
 俺たちとって、一生忘れられないくらいに”熱い”夏が、始まった。


<キャラクター紹介>
八乙女 維月(やおとめ いつき) CV:本条真琴
 オカルト研究会の部長にして主人公の幼馴染。
 よく言えば自分に自信を持っている、悪く言えば傲岸不遜な天才。
 最上級生になった今年、突然オカルト研究会を設立する。
 主人公にとっては逆らえない存在で、主人公をオカルト研究会に無理矢理引き込んだ張本人。

神応寺 古都(かみおうじ こと) CV:茶谷やすら
 オカルト研究会の部員にして主人公とはクラスメートに当る。
 市内では随一の富豪である神応寺家のご令嬢。
 その為かおっとりとしていてのんびりとした性格。
 いわゆる「普通の学生生活」に憧れをもっており、なんとなく楽しそう、との理由でオカルト研究会に入る。

木ノ内 ひなた(きのうち ひなた) CV:乃田あす実
 オカルト研究会の部員にして主人公の後輩に当る。
 周囲に対して無意味に攻撃的で、なおかつその格闘能力は学内随一である。
 あちらこちらの格闘系運動部を壊滅させた彼女の行き着いた先はなぜかオカルト研究会だった。
 
水篠 碧衣(みずしの あおい) CV:青山ゆかり
 主人公達が通う松涛学園の執行委員会委員長。
 非常に生真面目で融通のききにくい性格の為、オカルト研究会を目の敵にする。
 ただし、それだけではなく、同学年のライバル八乙女維月に対する敵対意識も相当含まれているよう。

若色 遥香(わかいろ はるか) CV:一色ヒカル
 松涛学園の校医にして、オカルト研究会の顧問。
 おっとりとしているように見えて意外に駆け引き上手な大人の女性。
 その為に常に浮かべる微笑の裏の思考は読み取れない事が多い。

サヤ&マヤ(さや&まや) CV:まきいずみ
 オカルト研究会のメンバーの前に現れる謎の双子。
 物語の鍵を握る存在であるらしい。
 謎めいた言動と登場の仕方は何らかの意味がある模様。

百瀬 裕一(ももせ ゆういち) 主人公・リネーム不可
 松涛学園の執行委員会委員にして、オカルト研究会部員。
 一つ上の幼馴染維月と、執行委員委員長の碧衣には頭が上がらない。
 それなりに気ままで平凡な学生生活を送っていたが、オカルト研究会に無理矢理入部させられる。


このホームページはHERMITより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はHERMITに帰属します。



<システム周り>(ver.1.00)
 基本は選択肢型のAVG。
 全6話に分かれていて、各話毎にOP・EDが入る形式となっています。
 また研究会の調査対象に関する情報収集を行う際には、情報収集パートがあります。
 調査のパートナー選択をした後、マップ移動をして聞き込みしていく形式です。

 細かいシステム周りは上記参照。
 音楽が良いだけにBGMモードが無いのがちょっと痛手ですが、それ以外は基本線を抑えていて不足は無いと思います。
 CDレス起動も可能ですし、動作も軽快でサクサク動いてくれます。
 また、当然ともいえますがバグが特に見当たらないのも評価したいところ^^;

 ただ、マップ移動時の移動先や各種アイコンなどがデザイン重視で作られているせいか、小さくて押しにくいような気がするのですが…。
 フルスクリーンだとそれほど気になりませんが、ウィンドウモードだと少し小さくて使いにくいです。

 ゲームデザイン的には…情報収集モードって必要ですか?という疑問が残りました。
 いや、こういったゲームの定番といえば定番ですが、このゲームの場合、適当に回っていても解決しちゃいます。
 同じ場所に行き続けたりしない限り、ほぼ全ての箇所に行って聞き込みが出来ますし、結局「コマンド総当り」みたいになってしまうのであまりこちらが考える楽しみというのは無いです。
 かといって一緒に行動する女の子とのイベントがあるかといえばそういうわけでもなく、結局のところ作業的になってしまうだけなのではないかと…。
 もう少しフラグを厳しくして行き先を考えさせるようにするか、あるいは行った先でのイベントにメリハリをつけるなどしていただかないと、この形式にした意義を余り感じられないのですが…。
 逆に作業的で少し中だるみしてしまう気もしますので、いっそテキストだけで捜査を進めていっても良かったのかな、とも思います。


<音声>
 主人公以外男性含めてフルボイス。
 キャストは上記以外にスタッフロールで確認できるのは、
 メイド隊:野神奈々
 百瀬裕一(少年時代):児玉さとみ
 美恵子先輩:如月 葵
 女性その他:遊佐 晶
 といった辺りです。

 基本的には標準以上の演技力だと思います。
 最初のうち古都だけは少し演技くさいというか、わざとらしいように聞こえましたが、後半に入ってからは慣れてきたのかそんなに気にならなくなりました。
 それ以外はキャラクターにもあっていると思いますし、演技力も問題ないかと。
 特に、一人3役で掛け合い漫才をこなす「メイド隊」役の野神奈々さんと男性声優陣はかなりいい感じで「プロ」の仕事って感じでした。

 ただ、唯一難点を挙げるならば、漢字の読み間違いが多かったような気がします。
 例えば「傀儡政権」を「くぐつせいけん」(普通は「かいらいせいけん」)など、気づいただけでも数箇所、漢字の読みがあれっ?て思う箇所がありました。
 その辺のチェックが余りされていないのは少し残念でした。


<音楽>
 全22曲。うちボーカル曲は2曲。
 OP「チェリーレッドのピストル」、ED「HACHIMITSU」(両曲ともVo.佐藤裕美)は少しパンク・ポップス系列のノリのいい曲。
 もう少し有り体に言えば「ジュディマリ」とかそういう感じですね^^;
 それ以外の曲も基本的に曲調がそういう感じですので、あまりBGMっぽくは無いです。
 ただ、音楽自体の出来は非常に良いのではないでしょうか。
 BGMとして抑えるところは抑えつつ、きっちりと自己主張も入れる、それが出来ていると思います。
 BGM鑑賞モードが無いのが残念ですが、初回版にはサントラCDが付属しているので問題無しですね。


<CG>
 原画は厘京太郎氏。
 非常に肉感的な、魅力的な女性を描くことに定評のある原画家さんで、好みの問題はあるかと思いますが、グラマーな女性の描き方は非常に魅力です。
 が、しかし、あの私服はちょっと…。
 (是非お見せしたかったのですが…OHPにも確認CGがなかったのが残念)
 いや、デザイン的には非常に気に入っているのですが、あんな格好のお嬢様はいないでしょう。
 全体的に、非常にアーバンというか、アブノーマルというか、余りにも「凝った」デザインの服装です。
 日常着としてああいう服を着ている人は余りいないと思うのですが…。
 あと、タバコの煙がやたらと鋭角で、刺さると痛そうに見えたりするのが少し気になりました。
 とはいえ、キャラクターのデザインはそれぞれの描き分けがきちんとなされており、全体的なバランスなどもレベルの高いものだと思います。

 塗りや背景も高レベルだと思いますし、原画さんさえ好みに合えばなかなかいい感じだと思います。
 Hシーン以外のイベント絵が少し少ないような気がするのが残念ですが…。


<Hシーン>
 攻略キャラは各2シーン程。
 基本的には和姦メインで、変わったシチュエーションは余り無いです。
 アナルがあるキャラがいるくらいですかね。
 ただ、こういった純愛ゲームとしては1回の尺は長めですし、厘京太郎氏の原画も合わせてなかなか「濃い」感じに仕上がってます。
 
 基本的に特記するようなことは無いですが、1シーン辺り差分をのぞいてイベント絵も3、4枚使われていますし、実用度はなかなか高いのではないかと。
 純愛ゲームとしては充分標準以上だと思います。


<感想>
 こういう設定、ゲームシステムのゲームってかなり多いですよね。
 主人公とヒロインが「オカルト」に関する学園の同好会のようなものに所属していて、調査をしたりしていくような形式のゲーム。
 しかも調査は大体ヒロインを選択してマップ移動をするような形式…。
 他社のものなので具体的な名前は挙げませんが、私、たろんなーどがプレイしただけでも軽く5本以上は思いつきます。
 つまり、比較対象というか、どうしても以前に発売された同系列のゲームと比較されがちになってしまうわけですが、そういう意味でこのゲームはどうかといえば…、
う〜ん、微妙なところです。
 いや、まず厘京太郎氏の原画はそれだけで強力な武器ですし、音楽、音声も標準を軽くクリアしたクオリティだと思います。

 ただやはり、問題は物語の核となるシナリオですね。
 いや、基本的なシナリオは悪くないと思います。
 街の、学校の民間伝承を調べていくうちに、その背後に流れる大きな伝承とか、事件が徐々に見えてゆくような形式なのは、やはりお約束とはいえ、伝奇モノの基本ですし、その設定も大きく踏み外したりせずに良くまとまっていると思います。
 まぁ、逆に言えばそれほど驚くような展開は無く、独創性を感じなかったということなんですが…。

 ただ、シナリオ構成には正直疑問を感じますね。
 上にも述べた様に、様々な伝承が、最後には一つにまとまるのですが、コレが起きるのが全キャラクリア後に現れるトゥルールートにおいてです。
 その為、各キャラごとのエンドでは解決しない謎がかなり残って、消化不良な感じを受けます。
 そして、最後にトゥルーエンドで全ての事件がまとまり、収束していく訳ですが、このトゥルールートの位置付けが今ひとつ曖昧というか、シナリオ的に各キャラエンドとどういうつながりをしているのか不明瞭なため、すっと綺麗に落ち込んでこないというか、謎は解決しても少し喉に小骨が刺さったような違和感が残りました。
 一応、自分なりに考えて解釈は出してみましたが、もう少し最後の展開に工夫とまとまりが欲しかったところだと思います。
 ラストの展開自体も比較的伝奇モノではよく見る感じで、取り立てて驚きや新しい発見は無かったですし。

 反面、会話やテキスト面は良い感じだと思います。
 誤字脱字も無い訳ではないですが少なかったと思いますし(上にあげた「読み間違い」は少し目立ちましたが)、テキストのテンポも工夫されており、言葉遊び的な掛け合いも多く会話自体はテンポよく、そしてサクサクいい感じで進めると思います。
 ですが、残念なのはこのゲームは4話までは完全に共通ルートなので、共通ルートが多く、個別ルートは短めなので2周目以降はスキップしてしまいがちなことです。
 また、その為もあり、各キャラごとの展開がかなり駆け足で詰め込みすぎ、やや消化不良な感じも受けます。
 よく言えば「息もつかせぬ展開」という奴ですが、もう少し緩急をつけてメリハリをつけても良いのではないかな、と思いました。

 とはいえ、上にも挙げたようにシナリオ以外は問題なく楽しめるレベルだと思います。
 また、シナリオ自体も基本線は良いと思いますので、この手の作品を余りプレイされていない方や、原画家さん目当てで買う方には充分満足出来るレベルでしょう。

 ただ、この手のゲームは本当に良く見るタイプなので、出来ればあと「ひと工夫」が欲しかったところですね。 


<10点満点での総合評価>
 6点
 やや厳し目に書いていますが、シナリオ以外は良いですので絵買いしても良いかと思います。


お気に入りのキャラ:木ノ内 ひなた…シナリオは一番工夫を感じました。整合性は疑問が残りましたけど^^;
最後に一言:「そうそう、OPデモはかなり良いと思います。
        というか、私は店頭でデモ見て思わず買ってしまいました^^;」











  PRINCESS BRIDE    (たろんなーどさん&ぶらっくさんのレビュー)  評価: 6.5〜8 
▼ タイトル PRINCESS BRIDE
▼ ブランド 130cm
▼ ジャンル 押しかけ少女妻新婚生活AVG
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア DVD-ROM / CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2003/09/26
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  32個
【 エンディング数 】  6個(BADEND含む)


<あ・ら・す・じ>
 放課後の家庭科室、主人公は5人と少女からキスと告白を受ける。
 それはゲームの始まりだった。
 少女たちはカードを持ち、主人公に抱いて欲しいときにそのカードを差し出す。
 カードを受け取るかどうかは主人公次第。
 そしてもっとも早くカードを使いきった人間が主人公の「プリンセス」の座を射止めるのだ。
 そして始まる主人公と5人の花嫁候補たちの奇妙な同棲生活。
 お姫様たちと王子の奇妙な恋愛ゲームがはじまる――


<キャラクター紹介>
嘉島 聖(かしま きよみ)CV:田中 美智
 主人公のクラスの学級委員にして、家庭科部の副部長もつとめる幼馴染。
 基本的には真面目な優等生でしっかりしているが、自分で何かを決断することは苦手。
 そのために、選択などは何でも主人公に任せてしまう事が多い。

姫史 愛美(きし あいみ)CV:佐々木 あかり
 聖のいとこで関西育ちの少女。主人公の二つ後輩で同じ家庭科部。
 いわゆる「お子様」で我が侭なところもあり、甘え上手な性格。
 主人公と聖には特になついており、いつも一緒にいる事が多い。

葛城 佳央(かつらぎ かお)CV:涼森ちさと
 主人公の後輩で同じく家庭科部、最近転校してきたばかりの転校生。
 活発な性格で一つ処にじっとしているのが苦手。
 やや思い込みが激しく、それを行動に移すのも早いためときに騒動の原因にもなる。

逢坂 遥奈(おおさか はるな)CV:天天
 主人公の後輩で佳央のクラスメート。おなじく家庭科部に所属。
 普段はのんきでおっとりとした性格だが、時に厳しい毒舌を吐くことも多い。
 性格の違う佳央とは仲が良いようで、いつも一緒にいる。

櫻見 枝絵留(さくらみ しえる)CV:中瀬 ひな
 主人公のクラスメートでドイツ人とフランス人の血が入ったクォーターの少女。
 無口でおとなしく、あまり周囲と接触を持たず、独特の雰囲気を持っている。
 冷静そうに見えて実は照れ屋な一面もある。クロスワードが好き。

本城 理人(ほんじょう あやひと)CV:杏露 花梨
 主人公(リネーム不可)、家庭科部の部長。
 おとなしい性格だが、時に思考がネガティブな方向に行きがちなのが珠に瑕。
 手先が器用で料理が得意。そのほか家事全般もそつなくこなす。

嘉島 早智子(かしま さちこ)CV:南 菜実
 聖の母親。近くのスーパーでパートをしている。
 お茶目な性格で主人公にとっても親のような存在。

姫史 翔子(きし しょうこ)CV:南 菜実
 愛美の母親。普段は神戸で生活をしている。
 おっとりしていて、かわいい性格。


このホームページは130cmより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権は130cmに帰属します。



ぶらっくさんのレビュー
<購入動機>
 雑誌やOHPを見て、キャラクターの可愛さに惹かれました。


<音楽・音声>
 OP,EDともにI’veです。これだけでも購入する人がいるかもしれません。
 特にOPはインパクト強烈です。様々なお姫様の話をうまく歌詞に盛り込んでいます。
 BGMも全体的に聞きやすい曲が多かったです。

 声優陣は上記参照。
 涼森ちさとさん、天天さんは相変わらず上手いですなー(特にチュパ音とか^^;)。
 しかしこのゲームの凄いところは主人公も女性(杏露花梨さん)が声をあてているところです。
 もうHシーンの時なんか、男×女なのかレズ(女×女)なのか^^;


<感想>
 久しぶりに描写の丁寧な文章のゲームだと素直に感じました。
 結構過程を省略するゲームが多い中、なかなか好感の持てる作りです。
 ただそれを鬱陶しいと感じる方もいるかもしれませんが…。
 キャラクターも目が大きく可愛らしく、塗りも丁寧で綺麗です。
 …とここまでは良い点。

 次に悪い点…というかもどかしい点。
 それは主人公が奥手な為、ヘタレとも受け止められかねない点です。
 確かにこれがこのゲームのひとつの売りであり、重要なファクターではあるのですが…。
 「そこで犯ってしまえよ主人公!」と叫ぶこともしばしば…。
 まぁ女性が声を当てている為、逆にそそられるといこともあり、あまり気にしなければどうという事もない訳ですが^^;

 次にこれは悪い点、それはCGが少ない点です。
 せっかく文章が丁寧なのですから、それ相応のCGが求められます。
 例えば、外での行為で射精する場所に困った主人公に対し、女の子が口で受け止めるという描写はあっても、それに対応したCGが無いなど、残念な部分数多く見られます。

 あと贅沢を言えば他のクラスメートに手を出せないとか、聖や愛生の母親の設定まであるのにエッチ出来ないとかありますが^^;(せっかく主人公が童貞なんだからエッチの手ほどきを‥という展開を期待していたのに(つД`)

 それでも女の子が少女から女に変わる瞬間というか駆け引きを覚えて妖しく主人公を誘惑する様や、女の子同士の嫉妬などの葛藤を、丁寧な文章と声優陣の抜群の演技力によって描き、その結果素晴らしい作品になっていますので非常にお勧めできるゲームとなっております。


<10点満点での総合評価>
 コストパフォーマンスを考慮に入れて8点
 主人公が受け対質な為、女性にもお勧め(本当か^^;?)おすすめかと♪


お気に入りのキャラ:嘉島 聖、櫻見 枝絵留
最後に一言:「ゲームもストーリーが大事。ライターさんの文章力が必要です。」





たろんなーどさんのレビュー
<システム周り>(ver.1.00)
 基本的にはビジュアルアーツ系いつものシステム。詳しくは上記参照。
 キャラクターごとの音声ON/OFFやバックログ時の音声再生など、必要事項は抑えていると思います。
 スキップスピードなんかも速く、CDレス起動も出来ますし文句のつけるところは無い、かな?
 人によってはVA系のお約束である「タイトル画面でシステムメニューを開けない」という欠点が気になる人もいるかもしれませんが、それくらいだと思います。

 ゲームシステムは選択肢型のAVG。それ以外ないってくらいAVG。
 バグも無いですし、動作も軽快。選択肢も判りやすいため、難易度はかなり低いと思います。
 流石にテキストを読むという機能については洗練されていますね。


<音声>
 主人公+女性フルボイス。キャストは上記の通り。
 何というのか…主人公の声女性の方があててらっしゃるのですが、可愛すぎなのではないでしょうか(笑
 Hシーンなんかでは、どっちのあえぎ声だかわからないくらい、というか、声だけ聞くとレズシーン?とか思えるほど…。
 まぁ、主人公に合っていないかと言うとそうではなく、合ってはいるんですがね(笑
 音声はキャラごとにON/OFFの選択は出来るので問題ないですけど…。

 それ以外のヒロインたちの方も問題なし。
 キャラクターにも合っていると思いますし、演技の方もいい感じだと思います。
 ただ、枝絵留は収録音声がやや小さめなので、他のキャラに合わせているとチト聞き取り難いですかね?
 このキャラにあわせると少し佳央あたりは音量が大きすぎるような気もしますし。


<音楽>
 全28曲。うちボーカル曲2曲。
 OP「Princess Bride!」(Vo.KOTOKO)、ED「Sledgehammer Romance」(Vo.KOTOKO)
 ボーカル曲はどちらもいい感じだと思います。
 フシギに耳に残るテンポのOP曲は歌詞も韻の踏み方なんかが綺麗ですし、EDはまた個人的には少し古い感じがするサワヤカ系なのが好みです。
 それ以外の曲も標準的というか、普通にBGMしてます。
 ただ、少し「(エロゲーの)ゲーム音楽」っぽい雰囲気が強いのでそれが合わない方は少し合わないかもしれません。
 ブリッジ(アイキャッチ)の音楽なんかはいい感じですけど。


<CG>
 原画はみやま零氏。いわゆる目の大きい、ロリ系の絵柄なんではないかと。
 基本的には書き分けも出来ていますし、バランスとかもいい感じなのではないかと思います。
 ただ、ごく一部ですが、表情(顔のパーツの配置)のバランスが崩れているように感じる絵も有りました。
 個人的には何というのか…こういう野球のホームベースっぽい(笑)顔の輪郭はちと苦手なんですが、それに違和感が無ければ塗りもきれいですし、背景なんかもよく出来ていると思いますので絵に関してはほとんど問題はないかと思います。


<Hシーン>
 各キャラ4〜6回程度。
 ただ、1シーン辺りのCGが1.2枚+差分という感じなので回数程には多く感じないかと…。
 ペッティング、フェラまでで本番まで及ばないシーンもありますし…。
 また、シーンによってかなり長かったり、やたら短かったりするのも微妙ですね。
 長いシーンも会話が多く、本番からはチト短いような気もしますし。

 なので、それほどHシーンは濃くないのかな、と。
 しかし、シチュエーションは割りと濃い目ですね。
 主人公の性格上「受け」的なシチュエーションが多く、女装H縛られと言ったシチュも有りますので、そういう系統が好きな人には中々いいかもしれません。
 ただし、基本的に「合意の上」ですので無理矢理とかではないです。

 そう言ったシチュが好みで、絵も好みに合えば平均以上だとは思います。
 フェラシーンなんかも含めて声優さんも頑張ってると思いますし(笑
 特に主人公…(マテ)
 Hシーンで主人公の声の方が可愛いと言うのは大いに問題があるような気がします。
 いやまぁ、野太い声であえがれてはもっと嫌ですけど(笑


<感想>
 う〜ん、一言で言うと目的が今ひとつよくわからないゲームですね。
 ラブラブなHシーンメインかと思えばあきらかにHシーンが話に従属している(話のテンポを優先して最後まで描写しないとか)ところもあったりしますし、シナリオ重視というにはややエロゲーのお約束に溢れた基本設定が気になるところだと思います。
 一応、分類分けとしては「萌えゲー」になるのでしょうか?
 日常イベントもそういう感じのが多いですし。

 ただ、このお約束というかご都合主義に溢れた基本設定が気にならなければ、シナリオは小粒ながらいい感じだとは思います。
 ヒロインを選んでからの話も結構長いキャラもいますし、主人公争奪戦に負けたキャラクターとのやり取りも入っていて、ただの萌えエロで終わらせない余韻を作ってくれます。
 エピローグ周りの余韻の残し方が個人的には好みだったのでそう思うのかもしれませんが…。
 しかし、全体に占める共通ルートの比率が高く、各キャラごとのルートは短めなので、かなり端折ったような展開になってしまうのは大きなマイナスだと思います。
 そういう意味でH重視にもシナリオ重視にもなりきれない中途半端さは感じました。
 
 テキストはいい感じですね。
 誤字脱字も無いですし、地の文と会話もテンポ良く進んでいくためサクサクス進みますし、話のすすめ方もシーンごとにきちんと起承転結がつけてあるのは好感触です。
 しかし、エンディング近くになって個別ルートに入ると主人公の心情描写的なものが増えてゆくため、やや冗長かもしれません。
 また、その主人公もヒロインとの関係性というよりはこの「プリンセスゲーム」をどう受け止め消化するか、それによって派生する問題にどう対処するか、という方向に向いていて恋人同士の悩みとかではあまり無い感じもします。

 そういう点については良く出来たシナリオ展開だと思いますし、個人的にはこういう視点は好きなのですが、純粋に主人公とのラブラブを楽しみたいという人には今ひとつかもしれません。


<10点満点での総合評価>
 6.5点
 要素で見ればプラスマイナスあるものの、ゲームとしては小粒ながら良くまとまっていると思います。
 普通に見れば6点ですが、定価が安い分のコストパフォーマンスを考慮して0.5点加点しました。


お気に入りのキャラ:櫻見 枝絵留
最後に一言:「Hシーンではむしろ主人公の声に興奮するのはどうなんでしょう?」