Angel Crown (とっぷがんさんのレビュー) | 評価: 7 |
▼ タイトル | Angel Crown |
▼ ブランド | Rateblack |
▼ ジャンル | AVG |
▼ 対応OS | Win98/2000/Me/XP |
▼ メディア | CD-ROM |
▼ 定価 | \8,800 |
▼ 発売日 | 2003/06/13 |
▼ 購入 | あり |
【CG観賞モード 】 | |
【 シーン観賞モード 】 | あり |
【 BGM観賞モード 】 | あり |
【 メッセージスキップ 】 | あり(既読・未読判別あり) |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(ホイールマウス対応) |
【 選択肢リターン機能 】 | なし |
【 オートモード 】 | あり |
【 ヒント機能 】 | なし |
【 セーブ数 】 | 60個 |
【 エンディング数 】 | 17個 |
<あらすじ>
『あなたは、このままだと木になりますね』
そんな医者の一言で、平凡な人生が鐘を鳴らし終わりを告げた。
その奇病は、『人』を『木』に変えてしまうものらしい。
今時、子供でも騙せそうにないマヌケ話に、そんなバカなと笑い飛ばす主人公。
しかし医者は至って真剣な表情で、発症例・感染ルート・大学休学・親族への説明etc
……と、聞いてもいない話を続けていく。
『……ということでこの奇病に対する特効薬は、今の医学には存在いたしません……』
医者の言葉にショックを受ける主人公。
といっても、彼が危惧しているのは、『この病院大丈夫か?』と…。
『女性とSEXをすることで、脳内にある大脳新皮質、および前頭葉に……』
という医者の難しい説明を聞いた後、主人公は特別病棟に入院させられてしまう。
病院のベッドの上で気が付いた頃には、すでにあたりは夜の闇に包まれていた…。
そして、問診に来た看護婦がいきなり服を脱ぎだし、慌てふためく主人公。
そんな主人公に看護婦は頬を染めて告げる。
『病気の進行を抑制できる方法があります。それは女性とSEXをすることなんです』
さらに突拍子もない事情に顎が外れる。
しかし、"据え膳食わぬは男の恥"と、主人公は流れに任せてその看護婦さんを抱いてしまう……。
そして始まるエロエロな日々!?
Hしないと『木』になっちゃう!
そんな大義名分を掲げ、可愛い看護婦さんとHしまくりな生活!!
いつか病気は治るのか? それとも一生このままでHな生活を送り続けるのか!?
兎にも角にも、主人公のエロエロでモエモエな入院生活が始まりを告げた。
このホームページはRateblackより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はRateblackに帰属します。
<購入動機>
久々の店頭衝動買い。
キャラの異常なくらいの可愛いさに、いそいそとカウンターに(笑)
典型的なパッケ買い。
<ゲーム概要>
ゲームスタイルは、会話選択方式のオーソドックスなADVゲーム。
ゲーム期間は約9日間です。
この間にお目当ての娘の尻を追いかけて、好感度を上げていきます。
攻略対象キャラは、メインで「香織」「ちさと」「瞳」「未紗」の4人。
サブで「恵」、他に隠しキャラが3人います。
(ちみっこの「恵先生」目当てで買ったのに、何でサブなんだ?(/o\)
EDは、メインの4人はそれぞれ「純愛ED」「ダークED」の2個ずつ。
「恵」および隠しキャラ3人は「ノーマルED」「バッドED」の2個ずつ。
その他に「ハーレムED」があります。
難易度はそれ程高くありません。
基本的にONLYプレイをやっていれば大丈夫だと思います。
ただ、選択に一貫性を持たせないと、EDの切り分けは難しいかも。
<システム補足>
インストールで使用するHDDは、約600MB。
ゲーム起動時にCDは必要ありません。
コンフィグで色々設定できます。
・キャラ別音声設定ON/OFF
・プレイヤー名前変更可
・文字フォント変更可
・文字エフェクト変更可
修正パッチは今のところありません。
<音楽>
BGMは『ソネコウタロウ』さん。
音楽鑑賞モードは全部で13曲。
可もなく不可もなくという感じです。
<音声>
声優さんは、「かわしまりの」さん、「一色ヒカル」さん、「西田こむぎ」さん以外は、私は初めての方々です。
全体的に日常会話は問題ないと思いますが、えちぃシーンの演技が少し単調ですかねぇ。
純愛系作品に出演されている方ばかりなので、今回にように沢山のえちぃシーンがある作品は苦手なのかもしれません。
個人的には、「西田こむぎ」さんの声は好きですが^^;
<原画・CG>
原画は『よしむらけんたろー』さん。
いやぁ、凄い可愛い女の子の画ですね。
顔もさることながら、胸や腰のラインも凄い綺麗です。
CGは全体的にセピア基調というか、少し黄色がかっています。
塗りも線も丁寧だと思います。
ただ、キャラによっては胸の大きさとか統一が取れていなかったりします。
(特に「ちさと」)
背景はボカシ基調です。
「CG観賞モード」は、香織:32(14)、さちと:27(14)、瞳:30(14)、未紗:31(14)、その他:59(25)、合計:179(81)です。
※括弧内は、表情パターン別を1つとしてカウントした枚数。
この内、えちぃCGは約8割に当たる144(66)です。
「シーン鑑賞モード」は、香織:15、さちと:15、瞳:11、未紗:13、その他:9、合計:63です。
<感想>
【設定・シナリオ】
このゲームの大まかな設定は、
・主人公がこのまま進行すれば「木」になってしまう奇病にかかる(冬花草虫)
・その奇病「Angel Crown」は病院の特別病棟にて研究されている
・現在のところ根治方法は不明で、唯一大脳ホルモン分泌が悪化を抑止することが分かっている
と、ここまではひょっとして真面目路線か?と思わせますが…
・大脳ホルモン分泌させるにはエッチするのが一番である
・特別病棟には「治療」と称してエッチさせてくれる看護婦さんが沢山いる
・主人公はいつでもどこでも「治療」を要求できる
というエロゲご都合主義満載の時点で、このゲームにシナリオをもとめるのは不可能というのが確定しました(/o\)
かろうじてシナリオの雰囲気があったのは、各キャラが看護婦になった経緯とか、「Angel
Crown」に対するこだわりとかですが、いずれも内容が薄く、とても感情移入できる代物ではありません。
ツッコミどころ満載の設定・シナリオですが、見て見ぬ振りをするのが「吉」と割り切った方がいいでしょう。
メインキャラのうち誰かのEDを見ると、隠しシナリオが登場して新たに3人のキャラが攻略可能になりますが、1人を除いてあとはすべて必然性を伴わない「一発キャラ」。
当然こちらもシナリオと呼べるほどのものはありません。
最後に「ハーレムシナリオ」もありますが、「とりあえずつけてみましたー♪」みたいな感じで、あっという間に終わります。
「みんな求めているのはこのシナリオなんだよ、分かれよ」と思わず突っ込んでみたり(^_^;)
【キャラ・えちぃシーン】
シナリオに期待できないとなれば、自ずとエロへの期待が高まります。
このゲームは、メインキャラ4人については11〜15回、サブ・隠しキャラについては1〜3回ずつのえちぃシーンがあります。
回数的には多いのですが、肝心のシチュエーション・バリエーション双方とも少し弱いです。
場所が病院内に限定されるので、シチュエーションが少ないのはしょうがないとしても、バリエーションはもう少し欲しかった…。
全般的にノーマルでおとなし目のえちぃシーンばかりです。
正常位・後背位・騎乗位・自慰・フェラくらいです。
バリエーションの個数を超えるえちぃシーンは、使い回しCGが当てられるのも印象が悪いです。
思わず、「隠しキャラなんか入れなくていいから、その分メインキャラに力入れてくれよ」と叫んでみたり(^_^;)
色々な部分で、同系ブランドの「ドキドキしすたぁパラダイス」と比較するとパワー不足を感じます。
(もっとも「ドキドキしすたぁパラダイス」がエロ過ぎるのかもしれませんが^^;)
といっても、普通の純愛系のように最後にえちぃシーンが1回だけ、というゲームから見るとかなり濃いですが…。
足りない部分は何とか女の子の可愛いCGで無理に納得させるしかないですねぇ…
ちなみに、キャラの処女率は100%です。
(テキストのみの表現でビジュアル的には不明ですが)
【ブランド戦略】
私は、純愛系は「Light」、ダーク系は「Rateblack」というブランドの認識でしたが、今回の作品で少し混乱しました。
「ドキドキしすたぁパラダイス」と「Angel Crown」に限定して考えると、むしろ「Angel
Crown」は「Light」、「ドキドキしすたぁパラダイス」は「Rateblack」こそが相応しいと感じます。
(主にエロの属性の観点ですが)
作品の方向性を固定することでブランド戦略が成り立つと思ってますが、今回のように作品の逆転現象が発生すると、ブランドの持つ意味について思わず考えさせられます。
今回はたまたまかもしれませんが、今後もこういう方向に行くのであれば、敢えてブランドを分ける必要はないでしょう。
「Light」のスタッフが、たまには重めの作品を制作したい、「Rateblack」のスタッフが、たまには軽めの作品を制作したい、という願望があるとすれば、それはメーカー内の人事異動で解決すべき問題であって、ブランドの方向性に影響させるべきではないと思います。
こんなことやっていてはユーザーが混乱するだけです!
このあたり、今一度検討していただきたいですね。
<お気に入りのキャラ> |
|||||
キャラ名 | 香 織 | ちさと | 瞳 | 未 沙 | 恵 |
シナリオ | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
性格 | 9 | 8 | 8 | 8 | 9 |
萌え | 7 | 8 | 6 | 5 | 8 |
音声 | 7 | 7 | 6 | 6 | 8 |
CUP | D | B | F | E | D |
えっちぃ | 7 | 7 | 7 | 47 | 5 |
合計 | 43 | 41 | 42 | 40 | 43 |
という事で、『香織』です。 「恵」がメインキャラであれば、きっとダントツだったんでしょうけど…。 |
<10点満点での総合評価> |
||
シナリオ | 5 | 求めちゃいけない |
原画 | 9 | 可愛い女の子 |
CG | 8 | 概ね良好 |
キャラ | 7 | シナリオ薄すぎ |
音声 | 7 | えちぃシーン弱い |
音楽 | 7 | 可もなく不可もなく |
システム | 8 | 結構良い |
演出 | 5 | 特筆なし |
エロ | 7 | メリハリ欲しい |
ボリューム | 7 | 総プレイ時間19時間 |
合計 | 70 | |
という事で、画のポイントの高さで総合『7点』です。 ですが、エロゲーとして考えると「6点」というところかも…。 |
最後に一言:「次回はダークに徹して下さいね(^-^)ノ
ランス4 (氷室さんのレビュー) | 評価: 9 |
▼ タイトル | ランス4 |
▼ ブランド | ALICESOFT |
▼ ジャンル | RPG |
▼ 対応OS | Win95/Win98 |
▼ メディア | CD-ROM |
▼ 定価 | \4,800 |
▼ 発売日 | 1997/04/04 |
▼ 購入 | あり |
【CG観賞モード 】 | |
【 シーン観賞モード 】 | なし |
【 BGM観賞モード 】 | あり |
【 メッセージスキップ 】 | なし |
【 メッセージ履歴機能 】 | なし |
【 選択肢リターン機能 】 | なし |
【 オートモード 】 | なし |
【 ヒント機能 】 | あり |
【 セーブ数 】 | 9個 |
【 エンディング数 】 | 1個 |
<シナリオ>
かつて、世界は魔力によって支配されていた。
魔法集団「聖魔教団」は、人間を魔人の支配から解放するため、
最強兵器「闘神都市」で魔人に戦いを挑む。「魔人戦争」である。
しかし、33年にも及んだ戦争は、裏切りという形で終焉を迎えた。
そして、数百年が経った…。
IIIのラストで見知らぬ場所へ飛ばされたランスとシィル。
やがて、そこは闘神都市と呼ばれる古代遺跡であることが判明。
ランス達を助けに向かったリーザスの救援隊。
闘神都市の力を悪用しようと企むヘルマン。
物語は、様々な視点から語られる。
このホームページはALICESOFTより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はALICESOFTに帰属します。
<音楽・音声>
BGMは全42曲。
名曲と呼ばれるものはありませんが、いい感じに気分を盛り上げてくれます。
ゲームと非常にマッチしています。
音声はありません。
<感想>
鬼畜な主人公、ランスが活躍するシリーズ第4作目。
物語はランスIIIのエンディングから始まります。
とはいえ、IIIとIVは完全に別の物語なので、IIIをプレイしてなくても楽しめます。
プレイしていた方が楽しいですけど^^;
パーティーメンバーの入れ替えが可能な、本格的なRPGです。
必要な機能は一通り揃っていますが、何せ古い作品なので、かゆいところに手が届きません。
アイテムのまとめ買いができなかったり、マウス操作ができなかったりとか…。
RPGですが、難易度はかなり低いです。特に戦闘は簡単すぎるくらいです。
さらにリック加入後は滅多なことでは全滅しなくなります。
回復・セーブがいつでも行えるので、攻略も非常に楽です。
お帰り盆栽を使用すれば、ダンジョンから好きな時に街に帰れますしね^^;
ただ、終盤は強敵との連続戦闘があったりして、ちょっとしんどくなります。
やはりレベルアップはきちんとしておかなくてはいけません。
戦闘中に攻撃CGが表示されたり、ちびキャラのアニメーションがあったり、演出面もなかなかです。
RPGですが、攻略自体はかなり楽なので、このゲームの真髄はシナリオにあると言えるでしょう。
ランスシリーズのなかでは最もドラマチックなシナリオで、各キャラの魅力がよく描かれています。
ラストに、ランスがシィルに言う台詞が泣かせてくれます。
文句なしの名作と言える作品です。
PC98ではHDD専用ということで、ランス4をきっかけにエロゲーユーザーのHDD所有率が飛躍的に高くなった、なんて話もあるくらいですから…。
おすすめキャラ:見当かなみ、魔想志津香
かなみの洋服イベントがお気に入りです。あれは非常にいいですね。
「だって、可愛かったんだもん…」
最後に一言:「鬼畜王ランスをプレイする前に、やっておいた方が良いでしょう。」
シェル・クレイル (wolvhmanahuさんのレビュー) | 評価: 8 |
▼ タイトル | シェル・クレイル〜愛しあう逃避の中で〜 |
▼ ブランド | ALICESOFT |
▼ ジャンル | 愛する二人の逃避行ADV |
▼ 対応OS | Win98/2000/Me/XP |
▼ メディア | DVD-ROM |
▼ 定価 | \8,800 |
▼ 発売日 | 2003/06/27 |
▼ 購入 | あり |
【CG観賞モード 】 | |
【 シーン観賞モード 】 | あり(通常イベントも含む) |
【 BGM観賞モード 】 | あり |
【 メッセージスキップ 】 | あり(既読・未読判別あり) |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり |
【 選択肢リターン機能 】 | なし |
【 オートモード 】 | なし |
【 ヒント機能 】 | なし |
【 セーブ数 】 | 10個 |
【 エンディング数 】 | 6個 |
<ストーリー>
主人公セトル=ジャン・ストニは、レノンセル伯爵の専属医師として
病弱な一人娘リジエンヌ・エイパ(リズ)の治療に当たっていた。
幸い、三年に及んだ困難な治療は功を奏し、リズは健康な躰を得る。
少女から年頃の娘へと成長した彼女には縁談もまとまり、その幸せな
旅立ちを見届けて、セトル=ジャンの専属医としての生活は終わりを迎えるはずだった。
だが、三年の間に募ったセトル=ジャンとリズの想いは、簡単に
消し去れるほど小さなものではなかった。
別れの夜、セトル=ジャンは苦悩し、リズは涙に暮れる。
そんな二人に、手を取り合って逃げるよう奨めたのは、意外にも
政略的な結婚を喜んでいたはずのリズの父、レノンセル伯爵だった。
詳しい事情を何も知らされぬまま、セトル=ジャンはリズの手を引き、
避暑地ミゼイユにある別荘へと向かうことになる。
そこで出会う優しい人々、リズとの間に重ねていく幸せな夜。
二人は、この時が永遠に続くことを信じていた。
シェル・クレイル
──残酷な欲望の中に身を沈める時が来るとは、思いもせずに…。
<登場人物>
リジエンヌ・エイパ (愛称リズ)
本編のヒロインです。
主人公を「先生」と呼んで慕っています。
彼女と幸せな結末を迎えることが、ゲームの主な目的になります。
伯爵令嬢ながら、市民階級の母の元で少女時代までを過ごしたため、あまり貴族的な考え方を持っていません。
むしろ、ごくありきたりの平穏な日常にある幸せを望んでいるようです。
セトル=ジャン・ストニ
主人公。
医学院で薬学を専攻していた研究員でしたが、レノンセル伯爵にその腕を買われ、
専属医師として、病弱な一人娘ジエンヌ・エイパ(リズ)の治療に当たっていました。
ベルナデット・ヴォヌハース
ヴァカンスの時期以外はほとんど空き家ばかりになる別荘地で、
世捨て人同然の暮らしをしていた元上流階級の女性です。
彼女がほとんど外出しないのはいくつか理由があるのですが、主な原因は、
愛人として深く関わり合った男性に先立たれたこと。
最愛の男性との想い出だけを抱きしめて老いていくことを望んでいます。
主人公とリズに自分の過去を重ねていて、今後の二人を気にかけてくれています。
オルガ・エアレ
ベルナデットの邸宅に住み、彼女の身の回りの世話をしているメイドです。
避暑地ミゼイユにやってきた二人が最初に出会うことになる隣人で、
主人公とリズにとって最も親しい友人になります。
過去に何かがあったらしく、よほどでなければ自分から好んで他者(特に男性)と関わろうとしません。
ですが、たまたまリズと親しくなった事で、主人公に対しても少しずつ心を開いていきます。
このホームページはALICESOFTより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はALICESOFTに帰属します。
<音楽・音声>
音声は在りません。
まあ、個人的にはあっても無くても気にしませんが…。
音楽は音声がない分、相対的に比重は高くなりますが…可もなく不可もなく。
ゲームにマッチしているのか耳障りなこともなく、まぁ邪魔にはなりませんし問題はないかと。
<感想>
全体として大きく分けて3つに分かれており、OPは主人公とリズの関係についての説明と、逃避行に至るまでの経緯が描かれます。
第1章はOP後に二人が都市部から離れたミゼイユに住み、そこでの生活を幸せに過ごす所から始まります。
その後ある日主人公が昔研究していた愛し合う二人の心を繋げ融合させる、という言い伝えを持つ「蕩果」という薬品を好奇心から使ってみたことから二人の生活が壊れ始め、隣人のオルガとの三角関係や、未亡人のベルナデッドに思いを寄せ、その実現のためにあらゆる手段を用いようとする友人ジュレミーとの対立や、激しくなっていく欲望などが描かれます。
そして主人公の元へリズの父親であるレノンセル伯爵が訪れ、近日中にリズを連れ戻す、という話を聞き、別れを拒む二人は更に蕩果を使い、融合することを望みますが…。
第2章は第1章でラストで精神に傷を負った主人公とリズがミゼイユに帰ってくる所から始まります。
精神に負った傷が奇跡的に完治したことにより、主人公とリズはミゼイユに訪れていた時から望んでいた生活を実現できると喜び、幸せな生活を取り戻し、昔のリズと同じ病を患った少女カティアや、医者を目指し努力を続ける少年テオなどが登場します。
しかし、主人公が戻ってきたことで再び主人公を求めるオルガと、一時はベルナデッドのことを諦めたジュレミーが共謀し、更に効果の強い蕩果を使用したことで主人公とリズ、隣人達の関係は崩れていきます。
選択肢によって多少の変化はあるものの、物語の大筋としてはこのようなものです。
第1章、第2章ともに幸せな生活を送っていた主人公達は、蕩果が原因で欲望に溺れていく、という流れで進みます。
この物語の好き嫌いが分かれるとすればこの部分でしょう。
幸福な状況から一転して絶望的な状況へ、というのはよくある話ですが、この作品の場合それが2回もあるので人によってはそれが飽きてくる、という人もいるかもしれません。
しかし個人的には1章で権力からの逃避先としての欲望が2章では逆に主人公達を追い詰めていく、とも受け取れるので、単純に同じ事が2度繰り返されている、とは余り感じません。
さらには幸せな生活と主人公達が壊れていく状況が細かく描かれていますし、表現自体は十分なものであると思います。
またこの作品ではTrueEnd以外では死人が出たり、欲望に身を任せたり、とあまり肯定的なエンディングがありません。
オルガを選んだ際にリズが死ぬのは仕方が無いとしても、その後欲望に溺れていく、というだけでは幾らなんでも扱いが酷いのでは?と感じました。
物語が主人公とリズの関係が中心のものとはいえ、リズを選ばなかった際も多少なりとも肯定的な結末を迎えられるルートがあっても良かったのではないか、と思います。
<10点満点での総合評価>
8点。
絵が綺麗ですし物語も十分楽しめるのでやってみる価値は十分あると思います。
またシステムも基本的にはこの会社の以前のものと変化がありませんが、個人的には通常イベントを含むほぼ全てのイベントが閲覧可能なのも良い点の一つかと思います。
おすすめキャラ:リズ(第2章)とカティア…カティアはイベントが少ないのが残念。
最後に一言:「悪役は最後まで悪役のままですね…。」