人形の館   (フランシス・ロロノア さんのレビュー)  評価: 9 
▼ タイトル 人形の館 〜淫夢に抱かれたメイドたち〜
▼ ブランド アトリエかぐや
▼ ジャンル ADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2002/10/25
▼ 購入 
/ オリジナル特典 Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判定もあり、メッセージ欄の脇に表示される)
【 メッセージ履歴機能 】  あり
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし(厳密には「ヘルプ」に存在するが、ヒントとは言い難い)
【 セーブ数 】  40個
【 エンディング数 】  基本的には、各キャラに2つ存在(GOOD、BAD)。
 そのほかに、特殊な攻略を必要とするEDも複数ある。


<ストーリー>
 フリーターである相良崇は、アルバイトとして葛城家の屋敷へ住み込みで働くことになる。
 ある日、彼は屋根裏部屋で不思議なものを発見する。
 それは屋敷の精巧なミニチュアと、人形のセット。「ドールハウス」であった。
 そしてそれは、持ち主のみだらな欲望を具現化する、いわくつきの骨董品だという。
 これを操り、彼は秘められた己の劣情を解放することになるのだが…。


<登場人物紹介>
 このゲームが発売されたのは’02年の10月ごろ。
 そのころは、某ロリコンゲームを発端とするロリゲーラッシュの真っ最中であり、
 この登場人物の容姿と立ち振る舞いはむしろ新鮮といえるでしょう。
 どのキャラも、18歳以上という設定で十分通ると思われ、(悠人は除く…)それでいて、かわいらしい魅力的な絵柄です。

湯浅 七海(ゆあさ ななみ)
 誰にでも優しく明るい、仕事熱心なメイド。
 完全な典型的ヒロインキャラ。
 両親の代から葛城家に仕えている。
 紗英香とは幼馴染であり、実の姉妹のように仲が良い。
 館に入り浸っている美術商、豪田の目に留まり、近々、彼の屋敷へ移ることとなっている。

和泉 紫苑(いずみ しおん)
 職務に忠実で感情を表に出さない、どこか影のあるメイド。
 美術商、豪田の手により、七海の代わりとして送られてきた。
 他人には最小限にしか関わろうとしないが、動物と心を通わせる一面ももつ。

葛城 紗英香(かつらぎ さやか)
 潔癖症で気が強い、葛城家当主の娘。
 使用人に対しては厳しく当たり、主人公とて例外ではない。
 自分と弟の悠人をかばって事故死した兄がいる。
 七海が屋敷を去ることに絶対的に反対している。

槇之 マリア(まきの まりあ)
 明朗快活、開放的なメイドであり、彼女のテーマBGMだけ妙にテンションが高い^^;
 マイペースだが、意外と姉御肌で面倒見が良い。
 スタイルは抜群だが、本人は意識していないらしい。

葛城 十羽子(かつらぎ とわこ)
 葛城家当主の後妻として、名門北条家から嫁いできた。
 おっとりとしていて、優しい性格の女性であり、屋敷の生活には少々暇をもてあましているようである。

高村 樹里(たかむら じゅり)
 紗英香の弟、悠人の家庭教師。
 通学できない悠人の教育を担っているため、住み込み。
 知的で有能。


このホームページはアトリエかぐやより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はアトリエかぐやに帰属します。



<全体的な感想>
 私の中では、かなりの上位にランクインされている佳作。
 ごく個人的な話をさせていただくと、過去にこのメーカーが埋設した地雷を踏んだ経験があり、正直な話、あまり期待していませんでした。
 いうなれば、パッケージ買いです。
 ところが、やってみてびっくり。
 地雷にやられた傷は瞬く間に完治し、それどころか脚がもう2本くらい生えてきた感じです(謎
 「君が望む永遠」をやって以来、パっとしたゲームに出会えなかった私ですが、ここへきてやっと、レビューを書いて皆さんへ良さを伝えたいと思えるゲームを見つけました。
 つたないながらも、私のレビューが購入のきっかけとなれば幸いです。


<システム>
 進行状況によって若干変化しますが、1日2回(昼、夜)、屋敷の中を移動。
 会いたいキャラを選択し、ミニチュアを操れるようになってからはキャラを模った人形を屋敷の模型内に配置。
 人形を配置した部屋の中でさまざまなシュチュエーションでキャラとHする…という感じです。
 選択肢はそう多くなく、セーブも40箇所可能なので選択肢ごとにセーブすれば、CG回収とED到達は難しくないと思われます。

 また、大きな特徴として、既読・未読メッセージの判別に関するシステムがあります。
 既読・未読という表示がメッセージウインドウ脇に表示され、既読の場合はメッセージスキップ可、未読のメッセージに到達すると自動的にスキップが終わります。

 AUTO機能や、テキストを読み返す機能もついており、回想、CG鑑賞、BGM鑑賞といった一通りのシステムもそろっています。
 このあたりでは、特に不都合はありませんでした。


<音楽・音声>
 総合的に良好。声優さんの演技も申し分ない。
 女性フルボイス、男性キャラには一切音声は入っていません。
 ただ、音声にはキャラごとに若干の音響レベルの違いがみられるのが残念なところ。
 特にマリアは風呂の中で喋っているかのように聞こえ、低音域の音響が甘いように思われる。

 音楽も専用の鑑賞モードが用意されているのに恥じない、高レベルな曲が多いです。


<グラフィック>
 ここは比較的、万人受けするところだと思われます。
 パッケージ買いしたくらいですので、もちろん私もかなり気に入った絵柄です。
 ほかのレビューでも指摘されているところですが、唯一難癖をつける点があるとすれば、キャラごとの「描き分け」が弱いということでしょうか。
 髪型、髪の色、服装などはもちろん違うんですが、なんとなく外見的な個性が弱い気がします。
 ただ、CGの枚数は多く、とりわけ立ち絵の種類が豊富で表情の変化が多彩です。


<Hシーン>
 サブタイトルがそのまま表現しているとおりです。
 ヒロインたちは、ミニチュアの魔力とやらで主人公をご主人様と呼ぶようになります。
 しかし、あくまで雇い主と認識しているだけで、はじめは(一部を除く)消極的です。
 が、魔力の影響からか、異常に敏感になっており、しかも行為が終わってミニチュアで指定した部屋から出ると、記憶が消去されるという、なんとも18禁ゲームらしい、やりたい放題のムチャクチャな設定となっております^^;
 ただ、そこで行われている行為はあくまで現実なので、進行状況によっては記憶が寸断された後のヒロインたちに影響を及ぼす可能性もあります。

 ちなみに肝心の行為の内容ですが、もう至れり尽くせり^^;
 はじめはメイドものらしく(?)、手や口を使った奉仕から始まり、進行するにつれて(キャラによって処女を奪うイベントの後に)本番もするようになってきます。
 総体的にみると着衣のままのシーンが多いです。
 シーンは長く、それでいてCGの数も多く、音声もかなり高レベルです。
 特にフェラ音についてはすさまじいものがあり、これを上回るゲームはそうないと思われます。
 これに定評のある「先生だ〜いすき」と比べても、見劣りしないどころか、シーン中の行為そのものがかなり濃いので、こちらのほうがより際立って聞こえます。

 ただ、ここが万人受けするかしないかの別れ際でもあります。
 物語の大きな分岐点として、主人公にある重大な決断が迫られますが、この分岐の前後で、シーンの赴きがだいぶ違ってきます。
 おおむね分岐後は純愛ルートか鬼畜系ルートに別れ、前者の場合なかなかどうして読み応えのあるいい話です。
 当然Hシーンもあります。
 後者の場合、それまでは、どちらかというと単に性欲を満たすための陵辱だったのが、ヒロインたちを本格的な奴隷に仕上げるための調教へ移行することになります。

 ミニチュアの魔力の影響により、クサレ外道的性格になった主人公は、誰をターゲットに選ぶかで性癖の変化が見られるのですが、とあるキャラを選んだ場合、その陵辱の有様は分岐前であっても筆舌に尽くしがたく、陵辱、強姦というよりもはや拷問の域に入るようなハードコアプレイをしやがります。

 ちなみに、肛虐系にこだわりのあるバージョン(笑)の主人公のやり方には、はっきりいって引くものがありました。

 というわけで、18禁ゲームとしては肝心のこの部分は総合的にはたいへん優秀です。
 しかしそれゆえに人を選ぶゲームであるといえるでしょう。
 ただし、被虐系が苦手でいらっしゃる方でも、努めてキャラとの関係を良くするような選択肢(そんなに難しいものではありません)を選ぶようにして、純愛系ルートへ持ち込めば、十分に楽しむことができる余地はあります。少なくとも、損をしたとは思わないはずです。


<感想>
 普通に優秀な作品。
 前述したように若干人を選ぶ感があるものの、よほど被虐系に嫌悪感を覚える人でない限り、誰が買っても、少なくとも損はしない高水準の作品であると評価できる。


<10点満点での総合評価>
 きわめて客観的に評価すると、9点
 1点を引いたのは、いくら魔力が絡んだ物語であっても若干の矛盾を感じる展開と、音響系の問題点、一部の万人受けしないであろうと思われるプレイの分を差し引いたからです。

 特に被虐系の物語が苦手な方の場合、−3点。
 (「和姦にみえるが、実は魔力のおかげ」というシチュが許せなければ、更に−1点)
 (奴隷として調教されつくされてからのプレイが苦手なら、更に−1点)

 人妻や熟女系のキャラもいますので、この属性が特に苦手なら、−2点。

 少年愛好といった関係の展開があるキャラも存在するため、これに嫌悪感を抱くなら(私もそうですが)、−0.5点。

 ロリ系キャラは存在しないので(ショタはいますが)、この属性が目的なら−4点。
 ロリというのをどのへんの年齢層で認識するかにもよりますが、少なくとも(*)ペドと呼べるようなキャラはいません。
 ペド目的なら−6点くらいです。
 というか、ペド目的なら買わないと思いますが…一応^^;

 ロリだとマイナスになってしまいますが…(汗)。
 まあ、上記の評価で5点くらいになっていれば買って損はしないはずです。


 (*)ペド=「幼児愛好」という性的趣向を意味する心理学用語の、「ペドフィリア」の略です。
 少女というより、幼児に対する愛好、もっと言うなら、園児レベルの子供に性的欲求を抱くという趣向。
 一般的にはあまり良い意味では使わない言葉です。


おすすめキャラ:湯浅 七海GOODの後にBADをみてしまったことが悔やまれます。
最後に一言:「自分の属性にクリティカルヒットしたキャラがいるなら、
        まずBADのEDを回収してからGOODを見に行ったほうがよろしいと思われます。」











  ぎゃくたま    (たろんなーどさんのレビュー) 評価: 6.5 
▼ タイトル ぎゃくたま
サーチ:

オリジナル特典なら Getchu.com
▼ ブランド DISCOVERY
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,500
▼ 発売日 2002/08/30
【CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり
【 選択肢リターン機能 】  なし(ただし、オートセーブあり)
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個+オートセーブ
【 エンディング数 】  18個(バッドエンド含む)


<あ・ら・す・じ>
 ド貧乏だが、勉強、運動どちらも成績優秀な主人公・椎堂真樹は、学費全額免除の特待生として、日本でも有数の超名門学園に主席で入学していた。
 しかし、ある日唐突にかかってきた電話が彼の運命を暗転させる。
 いわく、「一ヶ月以内に借金が返せない場合は、この家の権利書で払っていただきます」と。
 全くもって危機感もなく借金を増やす父親には頼れない。
 幼い頃に亡くなった母との思い出の残るこの家を守るためには一ヶ月以内に借金を耳をそろえて返さなくてはならない。
 無論、いかに成績優秀とはいえ、彼は一介の学生。
 まともな手段ではどうあがいても返せる額ではない。

 超名門学園―すなわちそこは、石を投げればお金持ちに当るという特異な場所。
 しかも大半が世間知らずな箱入りお嬢様―つまりだまされやすいヤツばかり!!

 そうタカをくくった主人公は、早速ターゲットを絞りに学園中を奔走し始めた。
 自分の条件に合う相手――『逆玉の輿』に見合う相手を。

 目標は!金持ちの!世間知らずの!箱入りの!ちょっと抜け…純粋培養のお嬢様のみッ!!


<キャラクター紹介>
長岑 流風(ながみね るか)cv:鳩野 比奈
 日本でも有数の企業グループ『長岑グループ』を束ねる長岑家の娘。
 物心つく前から英才教育によって叩き込まれた責任感と生真面目だが周りに対して攻撃的な性格で、自分のポジションを基本的にはポジティブに捉え、長岑家に連なるものとしての責務を自らの意思で選択している。
 基本的には天上天下唯我独尊で自分の興味のあるものに対しては一生懸命だが、それ以外には基本的な常識も抜け落ちている面も多い。

柚原 美桜(ゆずはら みお)cv:神結 ありか
 なぜか見ず知らずの遠い親戚に突然莫大な遺産を継がされた少女。
 彼女の家でなく「彼女自身」が相続対象であったため、以降下心の見え透いた親切が服を着て彼女を取り巻くようになったため、人間不信に陥っている。
 自分に近づく人間はみな財産目当てだと思っており、また基本的につつましい生活をしていた彼女にはお嬢様学校たる学園のカラーにいまいちなじめず孤立している。

八重垣 かなで(やえがき かなで)cv:彩世 ゆう
 日本でも有数の旧家の出身だが、気さくで明るい眼鏡ッ子。
 主人公と成績では常にトップを争う秀才だが、気さくで飾らない性格はクラスメイトからの信頼も篤く、社交的な性格とあいまって男女を問わず人気がある。
 また、趣味として賭け事があり、様々な事を賭けの対象にして楽しんでいる。
 主人公とは成績面でのライバルとして少なからぬ興味があるよう。

水瀬 奈月(みなせ なつき)cv:永瀬 江美弥
 由緒正しい家柄で、正しくお嬢様としての教育を受けた、典型的『お嬢様』である。
 高飛車で自己中心的、独占欲も強く、どこまでもわがままな彼女だが、実は主人公・真樹の幼馴染でもある。
 ただ、幼稚園以降完全にお嬢様として生活していた彼女と、一般人(しかもヒエラルキー的には底辺の)としての生活に明け暮れていた主人公では生活区域が重ならず、この学園で久々の再会を果たす。
 主人公のことは幼い頃から「下僕」扱いで、今でもその扱いは変わっていない。

篠生 藍(しのぶ あい)cv:初音 みる
 古くから続く旧家の出で、常に地味で目立たずおとなしい女の子。
 幼い頃から体が弱く、家族以外とのコミュニケーションをとることが無かったので、他人と話をしたりするのは苦手。
 また、見目麗しい兄弟の末っ子ということで地味な容姿にもコンプレックスを持っている。
 最初主人公の作成したぎゃくたまお嬢様リストには入っていなかったが、屋上での出会いを通して主人公のターゲットになる。

辻本 沙耶(つじもと さや)cv:児玉 さとみ
 借金取りのお姉さん。毎週電話をかけて主人公の様子を聞いてくる。
 とはいえ、その心配は主人公というよりは「お金」にあるようだが。

倉重 伊織(くらしげ いおり)cv:ひよひよひよこ
 流風に仕えるメイド。流風に近づく主人公にあまり良い感情を持っておらず、なにかと主人公の邪魔をする。

椎堂 宗司(しどう そうじ)cv:龍鳳院 剣
 金銭感覚が破綻している主人公の父親。どんな倹約をしても隠れて借金をこさえてしまう困った男。
 ちなみに莫大な借金の殆どは女に貢いだ、らしい。

椎堂 真樹(しどう まさき)主人公(リネーム不可)
 成績・運動能力とも優秀な特待生。
 貧乏生活を強いられ、愛読書はスーパーのチラシ、最初に覚えた漢字は『赤字』。
 様々なバイトで鍛えた社会経験と達者な口で、今までの彼を支えてくれた母親の記憶、とその家を守るため『ぎゃくたま』目指して奮戦する。


このホームページはDISCOVERYより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はDISCOVERYに帰属します。



<音声>
 主人公以外男性もフルボイス。上記以外でキャストが出るのは、
 藍の父 :三川 春人
 ソムリエ:ケータカ
 ベテランとディスカバリー系でおなじみの声優さんたちで演技・音量共に安定。


<音楽>
 全18曲。うちボーカル曲1曲「乙女のヤ・ボ・ウ」(Vo.彩世ゆう・小坂あきら・初音みる・永瀬江美弥)
 ゲームの性格上明るくポップな曲調が多いです。
 耳に残る程の曲は無いですが、場面にはあっていてきちんとBGMしているのには好感触。
 
 ボーカル曲は、微妙にストーリーと歌詞がマッチしていないような気もしますが、面白かったので良しとしておきましょう^^;


<システム周り>(ver.1.00)
 ゲームとしてはオーソドックスな選択肢型アドベンチャー。
 一日3回の移動でそこにいるキャラの好感度を上げてゆくというきわめてオーソドックスなタイプです。

 オートプレイに1日毎のオートセーブを10個。
 早送りのスピードも速く、音声周りもキャラごとにON/OFF可能、回想モードもそろってるし大きいバグも無いと、ほぼシステム周りは完璧で安定しているんですが、唯一の欠点としてはディスカバリー系の伝統として「ウインドウモードが無い」ということです。フルスクリーンでしか起動できないのは少し不便ですね。

 それ以外では既読早送りが「ボタン押しっぱなし」で作動するのも慣れるまではちょっと使いにくいですね。
 慣れても少し面倒ですし…。
 とはいえ、それ以外に文句はなし!
 ゲームプレイ時にシステムではストレスはあまり感じません。


<CG>
 原画はサクライユウイチ氏。
 絵柄的に表情や胸の揺れの表現などに独特なものがあり、かなり好き嫌いはあるかと思います。
 私個人的には、あまり嫌いではありませんけど^^;
 ただ、安定していないというか、表情やアングルによって顔の感じが全く違って見える場合があり、その点だけは少し気になりました。
 別人に見えるというほどではないんですが、タッチが違うというのか、そう言う風に見えて少し違和感があります。
 立ち絵とイベント絵も少し違うかな、という感じもあります。
 微妙に顔のバランスとパーツの配置がずれてる感のある絵もありますし…。
 個人的にはイベント絵より立ち絵の方が好きなんですが。


<感想>
 「ツインズラプソディ」シリーズで個人的に評価しているライター「古月拓海」氏の作品。いや、やっぱりイイですね〜。
 この人の作品は「ツインズ〜」の宮前直もそうですが、主人公がきちんと立っているのがイイ!と思います。

 借金を返すために倫理観にはちょっとの間目をつぶり、愛だけはどんな額を付けても非難されることは無い!と言い切ってしまう主人公。
 決して善人ではないけど悪人でもなく、自分の信念の為にお嬢様相手に自らの「愛」をベットして「ゲーム」を仕掛ける主人公と、それを書き出すテンポの良いテキストがあいまって、設定的にはそれほど珍しくも無いともいえる「逆玉の輿」モノを綺麗にまとめていると思います。
 主人公とヒロインの関係もなかなか絶妙で、いわゆる「萌え」では無いかもしれないですが、会話間のト書き(主人公の声無き突っ込み)が入るタイミングもよく読んでいて楽しいと思います。
 そういう会話のキャッチボールやラブコメでないコメディを求める人にはクリティカルでヒットするのではないかと思います。

 と、ココまではほめていますがココからは苦言を…。
 まず、折角テキストがいいのにそのバリエーションが少ないこと少ないこと。
 上記の通り1日3回の移動があるわけですが、そのうち固有のイベントは大体各ヒロイン1回です。
 それ以外のシーン(1日に2回)はほぼ共通の会話となっています。
 そのため、同じヒロインに繰り返し会いに行くと、同じ会話を何度も何度も読まされる羽目になります。
 そして毎回同じ選択肢がでます………。
 しかも攻略の為にはこれが必須作業だったりするので、折角のテンポの良いテキストもぶつ切りになってしまって魅力半減です。
 また、その関係もあり、選択肢が分かりにくく、攻略難易度は高いです。
 メインヒロイン毎に3〜4個のエンディングがありますが、狙ったとおりのエンディングに辿り着くのにかなりの試行錯誤を必要とします。
 この二つのコンボで折角のいいテキストも既読スキップあるいは作業感ですすめがちになってしまうのが残念。

 また、逆にいうと主人公がかなり個性的なキャラクターの持ち主なので、この主人公に馴染めない人にはきついです。
 いわゆるヒーロー系やいい人系ではないし、鬼畜・悪人系でもない微妙なさじ加減ながら個性的過ぎる性格なので。
 個人的には好きなんですけど^^;

 Hシーンはそれぞれのヒロインごとに複数回は用意されており、やや尺は短いものの比較的エロエロな感じで仕上がっていると思います。
 まぁ、上記の通り、やや絵柄には癖がありますのでそれがなじめるかどうかですが、シチュエーション的にハードなものは展開上ないので、基本的に「おつまみ以上オカズ未満」くらいな感じですか。


<10点満点での総合評価>
 6.5点!
 いくつか欠点はあるものの、個人的には良作認定。
 やはりストーリーものは、主人公のキャラがキモだと思いました。


おすすめキャラ:長岑 流風  
          一言で言うなら「芝村・ラフィール系」?
          鳩野比奈さんの演技がいい感じです。キャラが妹系じゃないのは珍しいですね。

最後に一言:「まぁ、一生だまし続ければ嘘も真実ということで」by主人公