さて、またしてもメルセデスのタクシーに乗ってレンタカーの営業所に到着。予約確認書を見せて手続きをします。
保険はよくわからなかったのですが、念のために全部をカバーできる "full insurance" を契約しました。
30分ほどもかかってようやく車のキーをもらいます。用意された車は狙っていたとおりのプジョー 306cabriolet。
紫がかった青の 1,600cc、当然左ハンドルの MT、エアコンなしです。このエアコンなしというのは当地では普通なのですが、
思わぬ暑さのためちょっとこたえてしまいました。荷物をトランクに押し込み(入ることは日本で確認済み)、手動の幌を閉じます。
カンヌの街も快晴で日差しが強く、直射日光を浴びると参りそうだったのです。とにかく想像以上に暑い。
さあ、いよいよ海外で初めてのドライブに出発。と思ったらいきなりエンストさせてしまった...
(カンヌ駅横のインフォメーションでもらったカンヌの地図。
この地図の最下部右、 RUE D'ANTIBES
の右端近くにレンタカーの営業所があり、
そこから最上部左よりに見えるオートルートの入り口 ECHANGEUR DE CANNES をめざす。
ちなみに、地図下部の青い線で囲った部分がカンヌの中心街。
つまり、どうしてもここを通らざるを得ない。
ところで、帰国後この地図を何度見返してもどの道を通って行ったのか思い出せません。)
まずはカンヌの街を抜けなければなりません。営業所の前は一方通行なのでそれに従って出ます。
目的のストリートの名前を口の中で復唱しながらゆっくりと走っていきます。混雑していて周囲もノロノロ運転なのがかえってありがたいところ。いくつめかの信号で止まった時、目指すストリートの標識が見えました。ここだ!と思ったのもつかの間、
なんと一方通行で進入禁止ではありませんか!!
さあ、どうしよう。
とりあえず1本先で曲がってみよう、と考えてそうしてみました。しかしやはりあの通りに入ることはできません。
結局1ブロック1周してまた同じところへもどりました。そこでその先に目をやるとオートルートの標識が見えます。
もうこれを頼りに行くしかありません。
一方通行を抜けて左折...と、前方からクラクションを鳴らしながら迫ってくる車!!!
右側通行だっ!!
とっさに右側へよけて事無きを得ました。ちなみにこのときの対向車はシトロエンだった。
実際にはかなりゆっくり走っていたのですが、これは危なかった。
右側通行は意識して注意していたつもりでしたが、一方通行の道を走っているうちについ忘れてしまっていたようです。
信号で止まったので気を落ち着かせ、再度発進。と今度はエンスト! もう焦りまくりです。
ただ、こんな時でも後ろの車からクラクションを鳴らされたりすることはありません。
こういう点は日本にはない度量の広さと言えるでしょう。落ち着いて再発進すればいいのです。
さてオートルートの標識を頼りに走っていきます。ところがとある交差点に差し掛かった時、このオートルートの標識が
出てこなくなってしまいました。どこかで道を間違えたのだろうか、もう不安でいっぱいです。あても失いながら走り続け、
何かしら目印になるものはないだろうかと考えていました。そのうち道は街の中心方向に向かい、渋滞が始まりました。
すると地図を見ていた彼女が、向こうにその地図とよく似た形の道路があるというのです。しかもそれはオートルートへの
入り口になっている道路でした。いちかばちか、渋滞の中で少しずつ車線を変更してその道へ入ると、まさにその通り!
オートルートの入り口だったのです。
慎重にロータリーを抜けてようやくオートルートに入ったとき、私がどんなにほっとしたかおわかりいただけるでしょうか。
何しろ今夜のホテルはこの約350km先、どんなところにあるかわからないので明るいうちに着かなければ大変なことになると
思っていたのです。気がついてみると、私は全身汗びっしょりになっていました。
オートルートに入ってとりあえず最初の難関をクリアしたと認識すると、まずは休憩したくなります。
緊張のせいかお腹はさほど空いてないのですが、ノドはからからでした。しかし予定よりすでに1時間ほど遅れています。
サービスエリアでミネラルウォーターをがぶ飲みして早々に出発しました。
オートルートに乗り、周囲の走りにも馴染みはじめるとようやく目の前に広がる景色も見えてくるようになりました。
険しい山、遠くに連なる山脈、小さな村、そしてひまわり畑...次々と広がる景色を、彼女はカメラに収めていました。
オートルートに入った時点では予定より遅れていたのですが、周囲の速度に合わせて走っていたおかげでだいぶ挽回できました。
午後7時過ぎ(でも全然暗くない)、目的地のロリオール(Loriol)の出口に到着です。ここでオートルートを降りて一般道路に入ります。
ローヌ河を渡り、いくつかの村を抜けて進みます。道はいっきに田舎道の様子になりました。
この旅行の計画を練った最初に、頭に思い浮かべたような景色です。ただ他の車の速いこと!
それに、まだ緊張していた私にはそれを楽しんでいる余裕はまだありません。
それでもついにホテルのあるベクス村(Baix)に到着です。