近年の不人気を挽回すべく、元米米クラブの石井達也がプロデュースするという異色の8耐がスタートした。
レースでの今年の目玉はもちろん、三連覇をねらうホンダ・伊藤真一/宇川徹組である。雨のため6時間で終了となった1982年を除けば、日本人純血ペアで優勝した初の組み合わせである。しかも同じペアで連続優勝した例は過去になく、今年三連覇を達成すれば、その地位は盤石のものになるのである。
石井達也プロデュースが功を奏したのか、コースは過去最低7万人の昨年と比べ若干混んでいる気がした。以前は15万人ほどの観客数で、ろくにコースが見られない場所でも押しくらまんじゅう状態であった。今年も10万人を下回っているのは確実で、場所取りに気を遣わないで良いのが助かる。小生は、例年ダンロップコーナーでの観戦が多かったが、今年は逆バンクに拠点を置いた。この場所は夕方になると背後の看板により陰ができるので、レース後半の体力温存に有効であった。(8耐はレース当事者はもちろん、見る側も耐久なのである)
少し風もあり、雲もある程度でていたため過ごしやすい気温の中、いつも通り11:30にレースがスタートした。静かだったサーキットに、爆音を轟かせトップ集団が姿を表す光景は、何度見ても興奮する。レースは近年お約束の、ヤマハ・芳賀紀行,ホンダ・加藤大治郎などのトップ集団の激しいデッドヒートで幕を開けた。しかし、わずか13周でホンダ・伊藤真一が転倒してしまい、三連覇の夢は大きく遠のくことになった。
HONDA 伊藤(RVF/RC45)
モリワキ 和泉(VTR1000)
約2時間経過後、強い雨が降った。雨は8耐を彩る演出の一つであるが、ラップタイムが落ち、レースそのものの緊迫感が薄れてしまうので、勘弁してほしいものである。この雨により、ほとんどの有力チームがタイヤ交換をしたが、ホンダ・A.バロスはピットのサインを無視して走り続けた。雨はすぐに止んだため、岡田/バロス組はこれを機に独走態勢を築いていく。
このままレースが終わるかと誰もが予測していたが、鈴鹿に新しいヒーローが現れた。レースが7時間を過ぎ、ヘッドライト点灯のサインがでる中、3位につけていたカワサキ・井筒仁康が2位のホンダ・A.スライトの差を徐々に縮めいった。スライトに対し1秒以上速いタイムで周回を続け、ゴール寸前には追いつくと予測されたその驚異の追い上げにより、観客はトップの岡田ではなく、3位の井筒の走りに集中した。
Kawasaki 井筒(ZX−7RR)
結局井筒は1.8秒差までの追い上げたが、遂にスライトを抜くことはできなかった。レースはWGP組である岡田/A.バロス組が優勝し、ホンダとしては4連勝となった。総合力ではやはりホンダであるが、2000年に向け8耐の主役が代わりつつあることを感じさせられた。
HONDA 岡田(RVF/RC45)
レース結果
1位 ホンダ RVF/RC45 岡田/A.バロス組 周回数:213
2位 ホンダ RVF/RC45 A.スライト/C.エドワーズ組 周回数:212
3位 カワサキ ZX−7RR 柳川/井筒組 周回数:212