《中学校 理科室改修工事について・・・》

2001年の出来事

7月16日 夏休み 目前のある日・・・担任の先生より「理科室を改修する」という話を聞きました。
−着工 4日前−

7月17日

 

 

学校に行き、教頭先生に確認。
事前打ち合わせにて「化学物質過敏症の生徒がいる事はキチンと伝えてあります」という。しかし不安があるので「資材・工法のリストが欲しい」と御願いする。先生は「資材はもう発注済みだから確認しても変更は難しいと思います」と・・・

「資材・工法リスト」請求
7月18日 教育委員会・健康教育課へ「理科室改修工事」について問い合わせをする。資材・工法のリストの請求確認。
7月20日

着工(解体が始まる)

7月25日 学校へ リスト再び請求

7月31日

 

 

学校より、リストがファックスで到着。
ファックスで友人へ
友人より、
「紛争処理支援センタ−シックハウス担当」へ
資材の確認をして貰う為リストをファックス送信。

8月 1日
−AM 7:00−

 

資材リストの件、先方と電話にて確認。
「まったく室内環境に配慮していない」との事。
どの様に変更するかを確認し、まとめる。   

−AM 9:30−

−AM10:00−

校へ連絡して、校長先生へ内容の説明。       

校長先生も同行して、市役所・建築課へ
建築課・担当設計士及び、教育委員会・庶務課担当者と4人での話し合い。




 

 

 

 

 

 

私   「このリストで作業を進めると化学物質過敏症の子供達はまったく学校に行けなくなります。過敏症の子供がいる事はご存じですよね。それに、健康な子供達までもが使用されている各物質に反応するかも知れません。」

担当者 「・・・・」

私   「知り合いの建築士に確認して頂いたところ、全ての資材が危険と言う事です。資材の変更を書いてきましたのでご確認下さい。」

担当  「このリストを見る限り、此から変更すると言う事は不可能です。」

私   「しかし、着工4日前に改修の事を聞き、直ぐにリストを請求したのに、手元にリストが来たのが昨日です。私も一生懸命に手を尽くして今、こうして検討して頂きたく、此処に出向いているのです。特に、防腐剤に予定している『クレオソ−ト』は絶対に止めて欲しいです。健康な生徒達まで、危険にさらされる事になります。」

担当  「『クレオソ−ト』に関しては塗らなければ床板が腐ってしまうと言う事です。それに『塗る事』が決められています。国土交通省からの通達です。」

と、言いながら一枚の書類を見せてくださいました。アンダ−ラインが引いてありましたが、字が細かすぎて私には読む事が出来ませんでした。

 

教・庶務「資材も発注済みで、今からこんなに沢山の変更をすると、予算も工事終了後、学校への引き渡しの期日も大変難しい事になってきますね。」 
  
私   「しかし、先週、文部科学省で『シックスク−ルに関する取り組み』についての会議に出席してきました。予算の面では国が補助金を出してくださると伺いました。」

教・庶務「今から補助金の申請をしても間に合わないでしょう。直ぐに出る物ではないでしょう」

私   「そんな事を言われても、始めから化学物質過敏症の生徒がいる事がわかっていた訳ですよね。リストも昨日やっと頂けた訳ですし・・・こうしてキチンと調べて持参して、これ以上どの様にしたら良いのでしょうか?
今までの工法では、シックスク−ルの児童を減らす事など出来ないと言う事がおわかりにならないのでしょうか?
工事をこの資材で進めるとおっしゃるならば、「臨時環境衛生検査」をキチンとして頂けますか?
工事終了後、教室内の化学物質濃度をキチンと測定をして引き渡しをしてください。

此は、文部科学省より通達が出ていますよね。

資料の提示・・・

担当  「これは、新築・改築には義務づけられていますが、今回の工事は改修なので、濃度測定はしません

私   「しかし、床板は全部はがして、机・椅子と言った備品も教室にはいる予定です。キチンと測って頂きたいです。」

 

こんな感じで・・・1時間30分ぐらい・・・
結局、最後には「即答は難しいので、検討させて頂きます。」

話し合いの結果
1.資材変更を要請

2.防腐剤であるクレオソ−トの使用中止を要請
3.「臨時環境衛生検査」の要請
 (教室内の化学物質濃度の測定)
  即答は難しいとして・・・資材の変更は無理があること
              クレオソ−トの使用は義務
              今回は改修なので濃度測定はしない

                   と言う結果となりました。

帰宅後、『クレオソ−ト』に関する通達分が確認したかったので、担当に電話をし、ファックスにて送信していただくこと約束しました。
友人が、県教育委員会・健康教育課に連絡を取って下さり、明日、出向く事になりました。

8月2日 
 −AM11:00−

 

 

 

 

 

 

 

建築課へ『クレオソ−ト』の通達書類の請求をすると・・・

担当   「この書類は工事が終了した後にお渡ししたいと思います。」

私    「どうしてですか?」

担当   「・・・・」

私    「では、発行元が、どこだか教えて頂けますか?」

担当   「此は『建築工事共通仕様書』という物です。社団法人・公共建築協会が発行していて、書店で購入出来ます。そのもとは国土交通省の指導です。」

私    「わかりました。」

−PM 1:30−

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

県 庁  教育委員会  健康教育課へ

『クレオソ−ト・臨時環境室内検査』についての資料を揃えて下さいました。

−クレオソ−ト−
この薬剤に関しては、まったく強制的に塗る必要がない事
「***仕様書」というモノに何の強制力はないとう事です。

−臨時環境室内検査−
Η14.5.21
『学校環境衛生の基準』の留意事項について(通知)
「新たな学校用備品の搬入等に係わる留意事項」
 机、いす、コンピュ−タ−等新たな学校用備品の導入に当たっては、当該化学物質の放散の少ない物を選定するよう配慮するとともに、学校用備品の搬入により、教室内の当該化学物質の濃度が基準値を超えるおそれがあると判断される場合には、当該学校用備品が搬入された教室において、当該化学物質の室内濃度について検査を行うものとする。
「新築・改築・改修等に係わる留意事項」
学校施設の新築・改築・改修等に当たっては、学校施設整備指針や対策上の主なポイントを示したパンフレット『健康な学習環境を確保するために』(Η14.2)等を参考にして、施設の計画・設計や施工等に十分配慮するとともに、事前に、検査実施機関・検査費用等について調査し、かつ、引き渡しの際の検査において、基準値を超えた場合の措置についても取り決めておき、濃度測定は乾燥期間を十分確保した上で行うなど、適切な対応に配慮願いたい。

以上の「通知」を頂いてきました。
これにより、「クレオソ−トを塗らずに施工しても良い」と言う事を知りました。そして「改修」でも、教室内の化学物質濃度は測定しなくってはいけない事が確認出来ました。

−PM 4:00−

 

 

 

 

 

帰宅後

取り急ぎ、教育委員会・健康教育課へ電話をしました。
県庁の教育委員会で確認できた事をキチンと話しました。
そして、「室内環境に配慮して理科室の改修工事を行いました。」という事をキチンとして書面で提出していただきたいことを伝えました。これは始めからお願いしていた事ですが、
《健康教育課へ申し出ると、建築課へ言って下さいといわれました。建築課へ話をすると、教育委員会へ》
という感じで、たらい回しの状態でした。この旨もお話ししましたが、「お聞きしました。」という返事でした。

PM 7:00−

 

PTA副会長に報告の電話をしました。
今までの経過報告

8月 5日
−PM 9:00−

 

PTA会長より電話
公民館館長・同窓会会長…(校区内の様々な団体に関して役職を持っており、息子さんが市議会義員)などを兼任しているM氏に相談してみようという事で、明日AM9:15に公民館へ行く事になる。

8月 6日
−AM 9:15−

 

 

公民館にて・・・M氏・PTA会長・PTA副会長 同席
今までの経緯を説明する。
M氏、直ぐに《市・建築部 建築指導課・課長》と、連絡を取り、
午後、再び公民館での話し合いとなる。

8月 7日
−PM 2:00−

 

自宅に学校長から、教育委員会より「理科室工事の件で話がしたいというので3時30分頃学校に来て下さい」という電話。
−PM 3:30− 校長室でだいだいの説明を受ける。

−PM 4:00−

 

 

 

 

 

 

 

市・教育委員会・庶務課へ・・・庶務課・健康教育課・学校長 同席
以前、提出していた「資材」リストについて説明を受ける。

かなりの予算オ−バ−を覚悟で、今回の改修工事をしていただけることとなり、一安心。
しかも教育長、直々に今回の場合は極力配慮をし、気を付けて作業をするようにと申し受けました。

と・・・何ででしょう。M氏が動いて下さったと言う事がこんなにも力を発揮したのでしょうか?と、言う事はただの父兄の申し出だけだった場合は………どうなっていたのか………?
しかし、担当の教育委員会庶務課の方は前とは打って変わり、資材の処理状況も詳しく調べて下さり、こちらの心配に丁寧に答えて下さいました。
室内化学物質濃度測定に関しては、「実施をするが、今回が初めてなので検討中」という事でした。

 

−こちらからの再度確認−

「自然系の塗料」を使用する事に関しては、きちんとしたデ−タ−を基に選んで欲しいと言う事を御願いしました。今、悪質な業者が「スク−ルシック対応」という触れ込みで学校関係を訪問しているという事があるのでしっかりと選んで頂きたい事を伝えました。

  工事再開

8月20日
−AM11:00−

 

市・建築課へ電話。担当者は不在。
「資材の変更したリストを請求。
室内化学物質濃度測定時に立ち会いを希望」を伝える。
8月25日 「変更後の資材リスト」届く
9月 2日  9月10日 AM10:00 室内化学物質濃度測定と日程が決まる 
9月10日 
−AM10:00−
理科室が校庭から覗ける位置だったので窓越しに見学した。
30分間、室内・戸外の空気を採取。
9月30日 『測定結果書』が届く。 

 

*** 測定結果 ***

測定物質及び濃度(μg/)
第2理科室
外気
指針値(μg/)
ホルムアルデヒド
55
10未満
100
トルエン
20未満
20未満
260
キシレン
50未満
50未満
870
パラジクロロベンゼン
20未満
20未満
240


    *** 資材リスト ***        

 
変 更 前 材 料
変 更 後 材 料
番号
項 目
使用材料など
メ−カ−、産地など
使用材料など
メ−カ−、産地など
大引
ソ連唐松
長野県産
唐松
群馬県産
根太
ソ連唐松
長野県産
唐松
群馬県産
防腐剤
クレオソ−ト
吉田製油
塗らずに対応
床下地
ラワン合板12p
セイホク
ラワン合板12p
キ−テック
床板
複合1種フロ−リング15o
住建産業
ナラフロ−リング15o
北恵
掲示板クロス
スポンジエ−ス
リリカラ
変更なし
リリカラ

同上接着剤

でんぶん系接着剤ウォ−ルボンド

ヤヨイ化学工業

でんぶん系接着剤(ル−ワマイルド)
ヤヨイ化学工業
塗料
アクリル樹脂エマルジョン塗料
関西ペイント
自然健康塗料(ディプロン・ウラ)
リボス
塗料
合成樹脂 合塗料
関西ペイント
自然系塗料
(ウッドワックスパ−ク)
日本オスモ
10
テレビ台
パ−ティクルボ−ド
内田洋行
変更なし
11
戸棚
パ−ティクルボ−ド
内田洋行
変更なし
12
ビニ−ル床シ−ト
パ−マリュ−ム
タジマ
使用中止
13
同上接着剤
セメントAK
タジマ
使用中止
・FcO規格  (財)日本合板検査会の認定規格
・SV規格   壁紙製品安全規格
・EO規格   規格(建築用ボ−ド類の試験)における区分でEO,E1,E2の規格区分がある
・日塗工標値  日本塗料工業会が定めた基準
 

 

結果として、化学物質濃度に関しては、基準値を下回り学校への引き渡しとなりました。
その後、通常通りの授業が始まりました。

が、理科の授業中にある生徒が体調を崩しました。顔が赤く、のぼせた状態・頭痛・皮膚に赤い斑点が出てきたと聞きました。

教師が理科室より避難させ、保健室へ場所を移すと暫くして症状が治まったと言う事です。
この生徒の父兄と親しかった事があり、化学物質過敏症を診断している医師のもとへ受診。
すでに症状が治まり、のぼせ・頭痛・斑点など無かったので患者の話による診断となりました。

状況から判断して「ホルムアルデヒドによるアレルギ−状態」という診断でした。
その後、この生徒は理科室に入るたび体調が悪いようです。
もちろん我が家の子どもは入室出来ません。

しかし、此処までやってもホルムアルデヒドに影響される事が理解して頂けるでしょうか? 
はじめに提示された材料で施工をしていたら、どんな結果が出たのでしょう。

最近学校の新築などで化学物質の影響が取り上げられ、深刻な問題になっています。
室内濃度を測る事によって、事前に危険を回避できるようになり本当によかったです。

たくさんの方達のご理解、ご協力により「理科室改修工事」が無事終了致しました。
お力添え頂いた方々に、心から感謝致します。 
ほんとうに、ありがとうございました。