でかい!重い!鳴る!


T's guitar
8弦テナーパイナップル


◆ボディ
  コア
◆ネック
  コア
◆フィンガーボード
  エボニー
◆ナット
  牛骨
◆ブリッジ
  エボニー
◆ブリッジサドル
  牛骨
◆チャームポイント
  派手な頭とサウンドホール
20世紀最後の冬の終わり頃、長野県の岩岳スキー場に滑りに行った帰りに T's Guitar に立ち寄った。ウチの奥さんの壊れている古いLUNAを T's Guitar に持っていって直してもらうのが目的だった。訪れた工房には T's Guitar のホームページで見たことのあるステキなウクレレがたくさん飾ってあった。
そんな T'sウクレレ達の中でも一際気になったのがコレ。帰りの車の中、大阪に到着するまで工房で聴いた音色が頭の中で響いていた。数日後、社長の高橋さん宛てに予約のメールを出した。

数週間後の休日の朝、宅急便で届いたこのウクレレは、他のと明らかに違う。テナースケールだし、複弦だし、ヘッドは重いし。ペグはグローバーのミニタイプ。普通のウクレレのペグより重量があるのが8個もついてたら、そりゃ重くて当たり前。弾いているうちに左手が疲れてくるので高橋さんに相談すると「ギターのストラップをつけてみたら」とアドバイスが。早速エンドピンを付けてぶら下げてみると非常に調子が良くなった。
このヘッドは、トゲトゲ頭部分の角が丁寧に落とされているし、飾りのメイプル板をコアで挟んでたりして凝った作りになっている。ハンドメイドの丁寧さがよく伝わってくる。サイドのカーブとペグのノブの形とのコンビネーションが絶妙で美しい〜。「Takahashi」のロゴステッカーが光ってる。

ボディを見てみると、目に入るメイプルのサウンドホールインレイ。パイナップルをイメージしているのかな?でも僕にはライオンのタテガミのように見える。中から顔を出して記念写真をとるパネルみたいな、感じの。

ボディ周辺には、メイプルのバインディングが巻いてあります。ウッドバインディングって高級感ありますな〜。セルもいいけど、、、どっちも好きだなぁ。
エボニー指板には18本のフレットが打たれてあり、端にはアバロンのインレイ。ポジションマークもアバロン。
エボニー製のブリッジは、クラシックギターのように弦を巻きつけるタイプ。Baby-uに較べて全体的に薄い。弦高の関係だろうか?牛骨のサドルは段々がついていてピッチも正確。

弦は、上2本がユニゾン、下2本がオクターブ違いで張っている。ユニゾンの微妙なデチューンもマンドリンみたいで美しく、オクターブ違いのサウンドは民族楽器的なサウンドで面白い。これでクレイジーGを弾くと大勢で弾いているような感じになってとても楽しい。ハマること間違いなし!
塗装は、つや消しで薄く僕好み。ネックの裏の感触もGood!


他のウクレレ達と並べてみると、ボディサイズはデカたら(アストリアスのコンサート)と同じくらいでスケールはコンサートよりローポジション2フレット分ほど長い。左横の亀造(フェイマスのパイナップル)と較べると、もうウクレレという感じはしない。実際、ストラップを肩にかけて弾いているとギター弾きのクセで親指が常にネックの上に出てしまう。
ウクレレともギターとも違う響きは、全く新しい弦楽器のようだ。さぁ、どんな曲に合うのか?どんな曲が弾けるのか?
ちなみに、Baby-uの下にあるのは「テルミン」。コイツもまた弾くのが大変な楽器なのだぁ!しかし、ウチの奥さんは、これをたやすく弾いてしまうのだぁ!