おぼえていますか、それ以前に知らないか「ゲームチャージ」という雑誌

「だって硬派だも〜ん。」*0
こう表紙にコピーを打たれたその雑誌は、森気楼*1描く「龍虎の拳2」の一応ヒロイン、坂崎百合の顔のどアップで始まりました。
その雑誌とは「ゲームランド」0号*2(4号から「ゲームチャージ」*3と改名)の事です。
(元は「ゲーム必勝ガイド」から幾つかのムックを経てそこへ至るようですが、詳しい事は生憎知りません)
このナメきった見出しに興味を持ってしまったが為に、自分とこの雑誌との短い関わりが始まったのでした。

この雑誌は当初こそ、ゲーム攻略誌としての体裁をとっていましたが、何時の間にか読者投稿葉書を主体とする奇天烈雑誌へと変貌していきました。
しかし幸いにも多くの熱心な常連投稿者が付き、超の付く常連投稿者には自らコーナーを設けて貰える程その傾向は発展しました。
私も当時は"刺身蒟蒻"と相変わらず何も考えてない偽名を名乗り、ささやかながらその雑誌に投稿を繰り返し、幾度かヘタレ絵を掲載をさせて頂いたものです。
この雑誌は、掲載への敷居が他の雑誌に比べれば比較的低く、同号に複数掲載される事が当然の如くなされ、且つ、その掲載サイズもかなり大き目にとっている事が、投稿者としては当時とても好感が持てたのを覚えています。(裏読み禁)
しかも、投稿の形態についてはかなりの自由度があり、葉書大のものを複数枚単位で封筒に入れてまとめ送りする事は当たり前として、不定形サイズや果てはFAX投稿まで奨励していました。
特集や常設コーナーも細かいものまで見ると何とも適度に馬鹿馬鹿しいものがたくさんあったのですが、自分の当時のお気に入りは「ゲームの略し方」というミニコラムみたいなコーナーで、ここで命名された「キング・オブ・ファイターズ」の略、"キンターズ"*4はもうこれ以外無いだろってくらい常用していたものです。
ただ紙面のつくりについては、組版にかける費用が足りないのか人員がいないのか、号数によってDTPやスキャニング画像の質*5がまちまちだったのがちょいと気になる事しばしばで困りました。
しかし葉書に付随するコメントは適当なようできちんと目を通している事が伺える等、編集者達の思い入れは伝わってくる為、そうした事もあまり気にしなくなっていました。

しかし、悲しい事にこの雑誌は長くは続きません。
雑誌コードの更新時期に月刊誌としてのコードを取るに必要な要件を満たせなかった同誌は、それでも不定期ながらムック形式で発刊を続けていたのですが、ついに17号をもって休刊と相成りました。
その後出版社を変え、同スタッフが「ゲームクリップ」*6の名称で続けていましたが、これも自分が確認したのは6号までで、その後どうなったのかはわかりません。
自分自身もその頃は学生時代を終えていたので、投稿そのものをしなくなりました。

この雑誌は、確かに情報誌としては誉められた雑誌では無いでしょうが、読者もそうした事への期待より自分の投稿内容に対し、編集者がどうコメントを入れるか、厳しいツッコミや茶化されてる事を楽しんでいたように思えます。そういう意味では双方の距離がきわめて近い、非常に希有なノリの雑誌だったと思います。
・・・うーん、表現がちょっとオーバーかな。*7

最後についでですが、挨拶程度に当時の投稿葉書(没分もついでに)を幾つか掲載しておきます。
ちょっと見てみる?

*** 注釈 ***
[*0]だって硬派だも〜ん
因みにこの号の編集後記には、
「余裕っチ!!余裕っチ!!・・・・・・以下14人分繰り返し!!パタッ。」
の一文のみが。
・・・なめてるよな。
[*1]森気楼
「神の国」「イット革命」「沖縄万博」など数々の流行語を生み出しながらも、惜しくも2000年度流行語大賞を取り逃した事に強い不快感を表している?第85代日本国首相。
・・・ではなくて、SNKオフィシャルイラストレーター。
悲しいかな、今はプレイモアとなったSNKからは離れ、専らカプコンでの仕事が多くなっているようで。まあ、それはそれでこの方の描くカプコンキャラというのを見られるのは楽しくもあるのですが・・・。
[*2]ゲームランド0号
全くの蛇足なのだが、久しぶりに見たこの号に浜崎あゆみ(当時15才)の写真が載っているのを発見して驚いた。でもはっきりいって安達祐美みたいで最初は同一人物か確証が持てなかった。
因みにゲーム誌で取り上げられたのは「龍虎の拳2」のTVCFにユリ役で出ていた為だったりする。
[*3]ゲームチャージ
この雑誌の中で、ヤバメ情報をふせる役割のマークとして"グルリンチャン"というのがあって、最近これがドリームキャストの渦巻きとダブってしまう。巻いてる方向も一緒だし、色は赤なんだけど印刷によっては朱色に見えなくもない・・・。
あー、忌むべき象徴として既にこのマークは存在してたんだろうか?
そしてその通りになってしまったような気もする。
[*4]キンターズ
この時SNK広報からは、"キンファイ"ってのはやめてくれってお達しがあったらしいが、それが故に"キンターズ"とされてしまった訳で、まあこういう人たちはあまり刺激するとろくな事にならないね。
でもご承知の通りマイナー誌のやる事なので、幸い現在では一般化されてないが、それでも自分が就職しはじめてから数年、職場でこの言葉通じた奴が二人もいたのは問題あるな。
[*5]DTPやスキャニング画像の質etc...
いや、ホントにこれは酷かった。
誤植はまあいいいとして(いいのか?)、粗画像のままだったり、モアレがあったり、イラストとコメントの不一致があったり。
更にすごいのはイラストがパズルのようにバラバラになって掲載されていた・・・。
(↑実は被害者)
まあ、それら含めて魅力だったのかもしれないけど・・・。
[*6]ゲームクリップ
雑誌でもムックでも無く、一応書籍の形態で発行。ジャパンミックス刊。
残念ながら1、2号は未確認なのだが(ゲームチャージスタッフは関わってないのかな?)、カバーが掛けてあったり、3号はビデオCDが付いていたりと高級感たっぷり。
(↑てゆうか値段だけ高すぎ)
6号までは確認してるんだけど以降の発行はあったのだろうか?
 →どうやら6号まででよろしいようで。ラミア氏のご申告に感謝。
[*7]お詫び
いやあ美化し過ぎ。
これでは編集者を甘やかして(調子付かせて?)しまいますな。
それから、この雑誌についてもっと何か情報が必要であれば、取りあえず現物は保管してあるので、必要に応じて出せればとも思うんですが、これも人様の著作物。やたらな転用は・・・あれ、この雑誌、写真以外は無断転載歓迎だったっけ?しかも「自身あり」とか書いてるよ!逆に何かやんなきゃだめかなあ?まったく困った雑誌だ!

[report-02] 2005.08.15再編
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