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2005年12月27日、大阪市立大学全学教育棟811教室にて第3回大会が開催されました。

12:30−14:00 講演1:「移民」としてのチャップリン―19世紀・イギリス・ミュージックホールから20世紀・アメリカ・映画へ
 講演者:大野裕之(脚本家・演出家、英国チャップリン学会会員、劇団とっても便利代表)
14:10−14:50 研究発表1:階級意識とお茶―ウルフの『夜と昼』より
 発表者:村上ゆり(大阪市立大学大学院後期博士課程)
 司会者:御輿哲也(神戸市外国語大学教授)
14:50−15:20 研究発表2:第一回ロンドン万国博覧会をめぐって
 発表者:三宅敦子(西南学院大学助教授)
 司会者:加藤雅之(神戸大学教授)
15:40−17:10 講演2:『ロード・オヴ・ザ・リングズ』と『ハリー・ポッター』―その文学技法とイデオロギー―
 講演者:富山太佳夫(青山学院大学教授)
17:30− 懇親会
(アンケート) 会場で頂いたご意見、ご感想を掲載しております。
講演1
 「『移民』としてのチャップリン―19世紀・イギリス・ミュージックホールから20世紀・アメリカ・映画へ」
講演者:大野裕之


研究発表1
「階級意識とお茶―ウルフの『夜と昼』より」
発表:村上ゆり  司会:御輿哲也


ウルフの作品の中で「お茶を飲む行為」、あるいは「お茶会の場面」はイギリスのヴィクトリア朝家庭の女性の社交生活、そして上層中流階級の習慣を真似る中流階級のスノビズムの代名詞と捉えることができる。
『夜と昼』の中では、主人公のキャサリンにジェンダーと階級の枠を超えるような使命が託され、「階級」と「女性」が大きなテーマとなっている。ウルフ自身の人生を投影したともとることのできるキャサリン、そしてウルフの叔母をモデルにしたとされる母親のヒルベリー夫人の日常的な心理描写を「お茶」を軸として分析し、ウルフの階級意識を考察する。



研究発表2
「第一回ロンドン万国博覧会をめぐって」
発表:三宅敦子  司会:加藤雅之


19世紀の一大国家的イヴェントである1851年開催の「万国産業製作品大博覧会( The Great Exhibition of the Works of Industry of All Nations)」についてのこれまでの研究の多くは、その多くが展示物そのものをはじめとするそのショー的要素や目玉となった展示会場である水晶宮そのものについてであるように見受けられる。そこで本発表では、あまり語られることのない労働者階級の教化という万博の教育的意図を、当時の有力なメディアであったThe Times, Illustrated London News, Punchがどのように報道していたのかを報告したい。あわせてこの万博をテーマにしたヘンリー・メイヒューの小説1851: or the Adventures of Mr. and Mrs. Sandboys and Family, Who Came up to London to “Enjoy Themselves”, and to See the Great Exhibitionにも言及したい。


講演2
 「『ロード・オヴ・ザ・リングズ』と『ハリー・ポッター』―その文学技法とイデオロギー―」
講演者:富山太佳夫




懇親会
場所:大阪市立大学学術情報センター内ウィステリア



アンケート
会場でいただいたご感想・ご意見を、転載の許可をいただいたものに限り掲載いたします。参加者の皆様、貴重なご意見をありがとうございました。今後の運営の参考にさせていただきます。

テーマが社会的、文化的で広かったので、専門外の内容でも非常に楽しむことができました。新しい視点をいっぱい見せられて刺激になりました。

どの発表も面白く刺激を受けました。特に富山先生の講演は期待通りで、ファンタジーという視点からもう一度作品を読み直してみようと思います。

大野さんの自信に満ち溢れた公演が印象的であった。実に立派で見習うべきであると思った。

興味深い研究発表、講演でした。特に博覧会の発表では、一次資料の豊かさに刺激を受けました。

とても有意義でした。特に今回は、文学に偏らず、映画や万博の話など、「文化」という会の趣旨により合うようになってきていると思います。