20cmF5 トラス鏡筒製作(2)

 


9 トラス棒の製作

トラス棒は 1)トラスパイプ 2)埋め込みナット 3)球頭六角穴付ボルト(勝手に命名しました)の3つで構成されます。

9−1 球頭六角穴付ボルトの製作

ボルトの頭がボールになっているものは私の知る限りありません(つまみは除く)。
パチンコ玉に穴をあけてというのも考えましたが穴があくかどうか?(入手も困難??)。

M6の六角穴付ボルトの頭がφ10mm(弱)なので、これを丸めることにします。
六角穴は軽量化や、取り付けの面でも具合が良さそうです。

@ボルトの芯に貫通穴をあける。

写真はボール盤のチャックにねじ部をくわえ、バイスにφ3.5mmのドリルを固定して穴を貫通させています。
目的はトラス棒の中にゴム紐を通して、8本のトラス棒がばらけない様にするためです。軽量化にもなりますし。

ステンレスボルトの穴あけ

 

A ボルトの首を逃がします。

トラス棒取り付け金具と干渉する部分なので、少しでも自由度を大きくするためにねじ山を削って逃がします。
ボルトにφ3.5mmの穴をあけたので、この中に釘を通して釘を軸にグラインダーに押し付けて削ります。
右の高ナットは削る幅を決めるためです。

グラインダーでボルトの首を細くしています

 

B グラインダーで丸く削ります。

ダイヤの半丸ヤスリを100均で購入し、これでグラインダの砥石をR5程度の溝に成形し、ボルトの頭を押し付けて
削りましたがすぐに溝が広がってしまいました。
まあ、まん丸に出来なくても使用できると思うので適当に丸めました。

球頭加工  砥石が軟らかく溝か広がっています

 

C 球頭を磨きます。

ボール盤にくわえてヤスリで修正した後、ペーパーで磨きます。

磨き前

磨いているところ

 

9−2 埋め込みナットの製作

これはトラスパイプに球頭六角穴付ボルトを取り付けるものです。

@ φ10mmのアルミ丸棒を切断します。

写真は25ヶですが、これを半分にして50ヶ(使うのは48ヶ)にします。
M6の下穴があいています。

35mmにカットしたアルミ丸棒

A ねじ切り

半分(約16mm)に切断してからタップを立てます。
回ってしまうので写真の専用クランプを作りました。

M6タップを立てています

ボールジョイント部の様子

 

9−3 トラスパイプの切断 

φ12mm 肉厚1mmのアルミパイプを使用しました。
材質は不明ですが、6063でしょうか?

小径用のパイプカッターは数百円で購入できるのでそれを使って切断しました。
失敗したときを考え、長いものから先に切って行きます。

アルミパイプの切断

 

9−4 トラス棒の組み立て

@ トラスパイプの両端に埋め込みナットを固定します。

パイプ内径はφ10mmかと思ったら、実際は0.2〜0.3mm位プラスしていました(厚みが1mm無い)。
事前にホームセンターで確かめてあったのですが、そのときはφ10mmが入りませんでした。
別のホームセンターで購入したので仕入先で違いがあるのかも知れません。

ロックタイトで固定する予定だったのですが計画変更し、エポキシ系接着剤で固定することにします・

パイプと埋め込みナットの接着面をヤスリで荒らしてから、研磨剤のカーボランダム#120を混ぜたもので
接着しました。

エポキシ接着剤とカーボランダム#120

接着面に接着剤を塗って押し込みます

 

A 球頭六角穴付ボルトを取り付けます。

トラス棒の両端に球頭ボルトを固定します。
球心の間隔はバラツキのないように正確に決める必要があります。
そのために写真の治具を作って固定しました。

ボルトなので長さ調整は簡単です。バラツキは±0.2mm以内と思います。

ボルトはネジロック剤を使いました(固定には不十分です)

 

10 主鏡セルの製作

解体した20cmドブソニアンのものを追加工して使います。

軽量化の穴をあけているところ

中央穴を切っているところ

 

光軸調整用のネジ穴をあけるところ

中心部を抜いた材料で赤道儀と鏡筒バンドの間に挟むスペーサーを作りました。

赤道儀取り付けスペーサー t5mm

 

11 スパイダーの製作  

斜鏡セルは以前15cmに使っていた足立光学製のものを使うので、スパイダを作ります。

@ 中央の円板を作ります。

φ40mm×20mmの真鍮丸棒を購入したので、それを半分(9mm位)にして使います。
軽量化のため、裏側に穴をあけて肉抜きします。

穴位置を円板に写したところ

穴位置にもみつけたところ

 

スパイダー用の溝切り

 

A スパイダー取り付け金具

φ10mmの真鍮丸棒で作ります。

M3タップ加工

スパイダー用の溝切り

 

B スパーダーを半田付けします。

松脂(昔から半田付けに使っているもの)を塗って、ガスバーナーで半田付けしています。

 

スパイダーの半田付け

 

12 接眼部取り付け台の製作

35mmX50mm t=4mmのアングルから、接眼部取り付け台とファインダー脚取り付け台を作ります。

アルミ不等辺アングルより切り出すところ

 

←戻る   次へ→