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素人の大規模修繕委員が苦節3年弱、マンションの大規模修繕に取り組み、その反省をもとにQ&Aの形にまとめた。
居住棟 鉄筋コンクリート(RC)造 7階建 1棟 78戸
付属棟 電気室 1棟 受水槽・ポンプ室 1棟
竣 工 1989年12月
管理費平均 20250円/月/戸
修繕積立金平均 10600円/月/戸
マンション大規模修繕 Q&A
2001・8・4(土)
大規模修繕委員会
Q 1 修繕委員メンバーの選定方法は
理事会が募集したが、なり手がなく過去の理事長経験者で修繕委員会を構成することになった。止むをえないとはいえ良い方法ではない。せめてA,B,C棟別に選出するとか、若手、女性を入れるべきだろう。全員参画のメンバー選出を工夫した方が良い。少なくとも全居住者が選んだ、頼んだ、ご苦労さんと言う雰囲気は醸成した方が良い。
居住者に建築の専門家がいたらメンバーになってもらうという意見もあるが、その人にかなり負荷がかかること、業者選定の妥当性・透明性に配慮しなければならないことがある。
修繕委員会が発足してから、海外2人、国内3人、転勤があり、新メンバーに入ってもらったが、最初から余裕をみてメンバー選定をしておいた方が良い。後からメンバーになり勉強するのは楽ではない、ついていくのが大変。余り多いと船頭多くしてという心配があるが、機能分担に工夫して組織的に運営するのが望ましい。
Q 2 管理組合の理事と修繕委員会の委員との関係は
管理組合の理事が1年総交代では、1年ごとに説明をしなければならないし、いろいろやりにくいことが起こる。本来理事会のメンバーは1年総入替えでなく半分は2年交代が望ましい。それがかなわなければせめて理事長,または副理事長は修繕委員会のメンバーを兼務し,留任することが望ましい。修繕委員会は管理組合の下部機構であるから、双方良好なコミュニケイションに努めねばならない。節目ごとに理事会報告をするようにした方が良い。屋上に雨漏れがあり修繕したという事実を、理事会は当然知っていたが、修繕委員会は知らなかったなどということは前代未聞の珍事、ゆめ忘れるべからず。
Q 3 修繕委員会のメンバーの役割分担・心構えは
委員会の委員長、副委員長をとりあえず決めてスタートしたが、委員の参画意識、責任感、やりがいのためにも、例えば、書記・広報・経理・技術・総務など役割分担を明確にして進めたほうが良い。大規模マンションであろうと小規模マンションであろうと、やらなければならないことは同じだから。
リタイアーした人、フリーの人、がいればその人に頑張ってもらえばよい、むしろ役割分担を細かくしたら煩わしい、面倒だと言う考えは一理あるが、あまり薦められない。若い人にも忙しい中、経験してもらうのは、次回、次々回のことを考えればのこと。俗説に家は3回作ると良い家になるということもある。経験は必要なこと、大勢の経験した人がいないよりはいた方が良い。
修繕委員の心構え・基本的な考え方として、総花的でなく重点指向をすることが大切である。兎角素人分りしやすい、照明とか設備機器、色などに議論がいきやすい。例えばこのマンションを100年もたせよう、終(ツイ)の棲家(スミカ)にしよう、そのためには躯体の維持をいかにしたらよいのかを基本にしようということである。
2番目に重要なのは、自ら勉強することである。業者に、コンサルタントに、全て負んぶに抱っこでは、足もとを見られて安くてよい工事はとても出来ない。
3番目は過剰品質に気をつけること。とかくあれもこれもついでだから、居住者から文句が出るのは嫌だからということで、高グレード、替えなくてもよいのを見栄えを気にして早めに替えるとかいうことがある。方針を明確にして、その遂行を自信をもってやることである。
4番目は居住者からのクレームには自ら体当たりをすること。兎角営業とか、現場監督、コンサルタントに任せがち。細かいクレーム、意見なども含めて委員会に情報が集約する仕組みを構築しておき、タイムリーにしかるべく処置をすること。時には、「NO」と言える実力・説得力が必要。
Q 4 大規模修繕の勉強は
一般的な初歩的な知識は、大規模修繕関係の図書を読めばある程度は分る。図書館を利用すれば安くすむ。インターネットでも事例が報告されているから参考になるのは、コピーして全員配布、勉強した方が良い。ただ疑問点は分らないし、いまひとつ隔靴掻痒の感があるのは否めない。
管理会社または他の方法で、進行中の事例を紹介してもらい、現地・現物で見学、質疑応答をしたほうが良い。規模・グレードの同じようなマンションの事例は少ないと思われるが、参考にはなる。1回行ったが、できたら2回位計画して全員勉強したほうが良い。と言うのは人数が多いと相手に迷惑がかかることから全員が行けない事、事例により考え方・やり方が変わるから。
NPOのHKの講習会に参加した。専門業者主催の講習会で宣伝臭があるが、雑学にはなる。安くて、長持ちするのは、道路のアスファルト舗装と同じやり方が良いとのことだが、残念ながら業者が少ない、環境問題も絡み施工事例が少なくなっている。屋上ウレタン塗膜防水は優れてはいるが、施工が難しく、値段も高いなど生の情報を教えてくれる。受講者との質疑応答も面白く参考になる。
Q 5 コンサルタントは
小規模マンションではコンサルタントは1戸あたりにすると割高につく。管理会社のプロポーザルどうりに工事発注すれば楽で簡単だが、それで良いのかどうか良心の呵責を覚え、正直判断できかねた。東京都世田谷区主催のマンションライフフェアーに参加して、『終の棲家』にするために、真面目で熱心な人がこの世の中にいることを知り恥ずかしながら目から鱗の思い。
安いコンサルタントを探した。東京都のSJKと横浜のHKが候補に上がり、調査の上HKにまずは聴いてみることにした。無料相談に2回、管理会社の診断書と見積書をもっていき色々教えてもらった。現物を診ないと分らないというものの、指摘事項は流石1級建築士、この道30年のプロだけはある。屋上防水はやらないのに長尺シート全面張替えとは聞いたことがない、タイル張替・下地修理など数量が大きいがそんなに傷んでいますか、などなどご尤もなことばかり。
委員会と理事会でHKに入会し、建物診断をしてもらうことにした。その結果、屋上防水はやるべきとか、数々の指摘事項があり,HK紹介の設計事務所と正式に契約を結びコンサルタントを依頼することにした。詳細な建物診断・設計仕様書の作成、見積・業者決定のアドバイスまでを依頼することにした。只管理会社の建物診断書ほか使えるものは利用して期間・費用を少なくしてもらった。管理会社のプロポーザルで進めるよりは効果が確実にあった。とても素人集団が少しくらい勉強しても埒があかないことは明白である。
設計は良いが、施工の監理をコンサルタントに引継き依頼することも議論になった。業者が決まれば責任施工で良いのではないか、コンサルタントに監理を依頼しても、その費用分だけの価値がないのではという意見もあった。色々調査の結果、実数清算とか追加工事のとき的確な判断が出来るかどうかは甚だ心許ないことが判明した。追加工事は5%〜8%くらい工事の進捗とともにでてくる、追加工事がでないようにするには建物診断にある程度金をかけないと駄目なこと,それでも足場をかけて診なければならないのは難しいと言うのが業界の常識みたい。施工の品質管理は残念ながら、『検査』で品質をチェックしていて、『工程』で作り込むところまではなかなか出来ていないのが現状。重要な・肝要な工程の節目は『検査』をしっかりやる必要がる。それには第3者の専門家の目が必要であるとの結論になった。只コンサルタントの費用は何とかもう少し安くならないかが課題になった。
Q 6 工事の時期は
季節では春か秋が良いことは常識だが、下請けの業者は春の方が仕事が少なく丁寧な施工が期待できる、居住者アンケートも春の方が良いとのことで3月から6月にした。しかし実際は工期も延び暑い夏に一部入ってしまった。出来ることなら、2月から5月の方が良いと思う。クーラーの利用は早い人は5月から使う。主婦の洗濯では足場はともかく、メッシュの養生シートが早く取れればと切実な要望がかなりでた。今回は南面を2回に分けて検査して、養生・足場解体をお願いした。最初から、洗濯物乾し、クーラーのことを考慮して工事時期設定をすることが望ましい。
Q 7 工事の予算は
当初9000万円の見積もりが出て、積立保険7000万円の満期が2002年1月であり、早く工事を進めたほうが良いのはわかるが、金の工面が難しく結果的には工事施工時期が大幅に遅れた。大規模修繕の長期計画は3年位毎に見直して予算措置をする、必要なら積立金の値上げをして、必要な時に必要な工事が出来るようにしておいた方が良い。大規模修繕をその内やるから、その時一緒にとか、金が出来てから施工ということのないようにすべきである。
Q 8 工事の範囲は
大規模修繕の目的は『終の棲家』として躯体機能を法定耐用年数の60年は当たり前、出来たら100年を目指して行うものであろう。あれもこれもと総花的に工事を計画するのは止めた方が良い。検討に時間もかかるし、工事期間も延びる、経費も割高につく。足場がないと難しい、または工事費がかかるもの、劣化部の補修、現状の機能・グレードの維持を重点にしたが、それで良かったと思う。折角大工事をやるのだから、あそこもここも綺麗にする考え方もあるが,替えなくても良いものまで替えるのは費用の無駄づかい。
ベランダの長尺塩ビシートは15年は通常の使い方であれば問題はないが、植木の水遣り、クーラーその他で傷んでいるのも一部あるのと,シール部分が剥がれているのもあり、足場がなければ出来ないので、全面張替えにした。
北面廊下の長尺シートは、建物診断時は、それほど傷んではいなかった。部分補修でおえ、足場がなくても出来るから、後日張り替えることにした。紫外線と水が長尺シートの大敵だが、南面のベランダより劣化が激しいのは、化学洗剤で泡だらけの洗浄とその後の水洗いがシール面を早期に劣化させたものとみなされる。日常のマンションの掃除他の維持管理にも気をつけたほうが良い。安くて綺麗になるのは結構だが素材を傷めては元も子もない。『水』にはメンテナンス上留意しなければならない。それにしても結果論だが全面張替えをしておけば良かったのかなーと悔いは残る。
Q 9 広報活動は
居住者の理解活動のために、できるだけ分りやすい広報ニュースが必要。A4で2枚くらい、毎月発行するのが望ましい。残念ながら今回は、『大規模修繕ニュース』カラー3頁を1回発行したにとどまったのは止むを得ないとはいえ悔いが残る。多分真面目に読み理解する人は2〜3割しかいないと思うが、読まなくても、理解できなくても、安心だけはすると思う。それが信頼につながるはず。広報にやりすぎはないと思うべき。
Q 10 見積もり・業者選定は
業界紙で業者を公募する方法もあるが、手間暇が係り労多くして益なしと判断、選定基準を決め、コンサルタントに推薦してもらい10社をまず決め、それから6社に見積もりを依頼した。提出された見積額は余り違っていなかった。最近各社の見積もりは標準化が進み電算機で行われるようになり、設計仕様が決まれば余り大きな差がでないようになった。業界の悪弊として『談合』ではないかとの声もあったが、内容を検討した結果、工程の項目の細部ではかなり違いがみられ問題はないと思われた。コンサルタントの見積もり解析を元にして、結果的には実質的にいちばん安いところに発注することになった。時間的な制約もあり、またヒアリングしても発注先は変わらないであろうと判断した。しかし各社のヒアリングが出来なかったのが残念と言えば残念か。
例えばヒアリングで居住者対応を聞けば、塗装専門業者某社は各社より200万高いのは、クーラー取り外し・再設置の見積調査に営業とクーラー業者2名が各戸を個別に廻り、居住者満足向上を目指しているからとの回答があるだろう。より良いサービスを求めればそれだけ高くなることは銘記すべき。
インターネットほかで他のマンション事例を調べても、値段もさることながら、信頼性に重きをおいている。工事の品質管理をしっかり下請け業者ぐるみでやる能力のある業者を選んだ方が良い。値段はひとつの目安である。居住者サービスの良い業者、工事の評判の良い業者にこしたことはないが、あくまで『品質』を最重点、つぎが価格だと思う。
最近ISO9001,ISO4001とか規格取得がはやりだが、ないよりはあった方が良い程度のもの。品質は工事が細分化された下請け業者が作っているもの。その昔ゼネコンでTQCがはやったが、取得したところと、取らないところでそれほどの差はない。下請け業者の差が大きいからである。それよりも本社の品質管理の体制を調べた方が良い。今回施工中に、「社長安全点検」があった。バス1台に社長、技術部長以下本社要員が乗り各現場を点検してまわっていた。社長が好きだから、本社の連中が暇だから、ほか色々意見はあると思うが、現場ではそのために、本来やらねばならないことを急ごしらえでやっていた。安全に名をかりてトップが現場の管理の実情を現地・現物でチェックしているとしたら、それはそれは立派なものだ。
Q 11 価格交渉は
たとえは悪いが、葬儀委員長の仕事は葬儀費用を値切ること。大規模修繕でも修繕費用の価格交渉は委員長の重要な仕事。価格交渉のノウハウというべきものは特にはないが,個別対応で工夫・努力することとしかいいようがない。交渉能力もさることながら、他社の実情を色々調べる情報収集力が必要であろう。情報なくして,智慧なくして闘うのは、大東亜戦争の旧日本軍と同じ。
@工事費 削減 仮設トイレをやめ集会室トイレ利用、現場事務室は集会室を利用、常駐費用削減 など
譲歩できるものはした。
Aコンサル費 削減 施工を監理してもらうのだが、節目の重点をチェックしてもらう。その代り監理ではなく監修と言う名目
名前はどうでもよい実質本位。
工事の時期が迫ってくると、価格交渉はなかなか難しくなる。工期にしわ寄せがこないように、契約の時期を見据えて慎重にやるべきであろう。ただ当事者同士が工事の開始時期が迫ってくるので、お互い譲歩するであろうと憶測し、ずるずる遅れるのがいちばん悪い。
Q 12 現場監督は
工事の施工監理は現場監督の采配に負う所が大きい。他マンションの調査では、見積のヒアリング時、現場監督予定者を同席させたケースがあった。現場監督の口頭試問でよい成績のところに発注するという話だが、ハロー効果で選ぶような気がする。本当に選べる自信があれば別だが、余り薦められない。
それよりも、現場監督1人はきつい、2人、せめて1.5人はほしい。現場監督は事務所に居るべからず、現場で下請け業者の施工状況を嫌がられても克明にチェックするのが望ましい。居住者対応も重要だが、そちらを優先すると、施工監理の時間が少なくなり、現地・現物のチェックが出来なくなる。居住者も特急な場合を除いて現場工事中に、色々依頼・相談は遠慮すべきであろう。今回は現場監督に何もかも頼りすぎた。結果として監督の毎晩遅くまでのハードワークにつながった。修繕委員会メンバーも工事の進捗状況をきめ細かくフォローして、現場監督が本来の仕事に精励し、雑事に悩まされないようにすべきであった。
Q 13 実費精算は
理事会、総会時に予算が確定しているのが望ましいが、タイルとかシール工事など一部工事は、足場を組んでからでないと正確な見積・工事は出来ない。品質を確保した工事をするには、概略予算をたて、工事終了時、実費精算するほうが良い。余ることもあれば足らないこともある。現場をコンサルタントと確認しながら的確な判断をするのが望ましい。時には工事の施工上、急ぐ場合もあるが、委員会も柔軟な対応をして、ゆめ工事が遅れないように協力するのが望ましい。懸案事項などはEメールを使い、事前配布のうえ合議するとか、書類だけで関係者決定するとか、休日に関係者が集まり鳩首協議するのは最低にしたほうが良い。
Q 14 追加工事は
追加工事は当初予算の5%〜8%くらいは出るものと思ったほうが良い。追加工事がないのは、よほど過剰品質の設計か、煩わしいから見て見ぬ振りの工事ではないかと疑うことが必要。良心的な施工では、追加工事にはならなくても、次回に延期とかいう工事,または留意点が必ず出てくるはず。
特別な事情がない限り、足場が必要で、躯体機能に影響があるものに追加工事はとどめた方が良い。価格交渉が難しい、工期延長につながるなど不利なことが多い。マンション修繕の業界も過当競争気味で、粗利は少ないから、追加工事で何とか利益を稼ごうというのが業界のまた本社の現場への至上命令だから。
Q 15 検査は
検査は竣工検査だけでなく中間の工程でこまめに実施したほうが良い。忙しいからと竣工検査だけにすることもあるらしいが、足場を解体してから、理事、修繕委員がゾロゾロと検査で歩くのはセレモニーである。セレモニーは最低限にして、虚心坦懐に関係者が反省をしっかりしてノウハウを蓄積し次回の大規模修繕に活かす事を企画・実施したほうが良い。竣工検査兼反省会を昼食をはさんで5時間行なった。よそではあまり行われないとの事だがやって良かった。場所があれば居住者全員参加でささやかな竣工パーティをやるのも親睦を兼ねてよいかもわからない。
Q 16 アルミ手摺 脚部防水は

アルミ手摺の脚部のコンクリート部分がかなりエフロレッセンスが発生していた。シーリングだけでは再発防止が出来ない、アルミ管の内部に雨水が入りこのままでは保証できないとのこと。建物診断時何故わからなかったか、よそでもアルミ手摺では発生しているのではないか、施工管理会社全体としてのノウハウの蓄積・水平展開に問題がある、とはいえそのままにするわけにはいかない。対策として手摺支柱に2個穴をあけ、下部の穴から下へポリマーセメントのスラリーを注入して、雨水が外へ出る工事を追加することになった。エフロ発生のところだけ施工するのか、アルミ手摺の支柱全部やるのか検討したが、手摺の構造上シール部分の劣化があればエフロ発生の可能性があり、躯体の維持100年を目指して、過剰品質かもわからないが全て施工することにした。10年後見極めてもらいたい。
Q 17 ベランダ面台、側溝 ウレタン防水は
新築時に何故かウレタン防水がやられていない。費用面と施工技術の稚拙さで見栄えが悪いのと、水の吸収が悪く所々に水が残ることがあると思われる。躯体の維持のためには施工した方が良いとのことで、2mmのウレタン防水をメッシュを入れて施工することにした。かなりの工数をかけて業者はやっていたが、見栄えはイマイチである。講習会に参加した時、施工が難しいとは聴いていたが見栄えはともかく防水がしっかり出来ていればよいと思う。ただし問題は、ウレタン防水の保証期間が5年であること、足場のないところでは塗り替えができない、5年後にチェックシートを作成、不具合個所は事前に修繕しておく必要がある。
側溝部壁のウレタン塗布をコンクリートの立ち上げ部分だけと当初計画していたが、側溝上部の塗膜部分に3cm被せて施工することにした。雨水が側溝に完全に流れ落ちるようにとの狙いである。過剰品質かどうかは10年後見極めてもらいたい。
Q 18 タイル補修は
タイル浮きについては原始的な金棒によるマーキング調査だが、かなりの部分に「浮きあり」の青シールが貼られた。タイル浮きの工事は幅1m以上、高さ1m以上のものは、新規タイルを張る工法にする。その他の部分にはエポキシ樹脂注入ピンニング工法にすることにした。
工事を開始したら問題が発生した。タイル浮きが0.5mm以上の浮きに有効なのが、エポキシ・ピン工法であり、当マンションのタイル浮きは、0.25mm以下と微小であったので注入がうまく出来ないことが分った。本来ならエポキシ樹脂低粘度、低圧注入工法が望ましいが、ただでさえ遅れている工期の延長にもつながるので、本社で技術的な対応方法を考えた。それは、およそタイル8枚に1穴ピンを打つことになっていたのを、タイル3枚に1穴ピンを打ち、注入が不完全なものを補完する方法で固定度を改善するという説明であった。ピン数量の増加でタイル落下の危険が増加することはないとのことであったのでその工法でやることにした。
タイル浮きは打診により確認できたものの、浮き寸法は確認せず、通常の工法にしたのが間違いで、次回は再発防止をしっかりして貰いたい。バブル末期の高級マンション?だから、タイル浮きが少ない?喜んでよいのか、悲しんでよいのか。10年後、結果を見極めてもらいたい。
タイル張替場所で、タイルとモルタルの剥がれでなく、モルタルとコンクリートの接着不良があった。全壁面がそうであればゆゆしきこと、10年後にはしっかり調査してほしい。
Q 19 タイル洗浄方法は
当初の仕様書では、中性洗剤使用高圧洗浄ということであったが、温水高圧洗浄という方法もあるとのことで、共用棟のタイル面でテストした。あきらかに温水高圧洗浄のほうが綺麗であり、環境にも優しいということで温水洗浄に決定した。70℃の熱湯というスペックであったが、現場では暑くてたまらないといって温度を下げていた。見た限りでは、綺麗であったが、次回の時はさらに慎重に調査・施工チェックして貰いたい。汚れが酷いときは、イマイチのような気がする。
Q 20 石調仕上は
高級マンション?ゆえに、内壁が石調仕上である。見栄えは良いが、傷がつくと元のように修復できない。出来るだけ傷をつけないように居住者、出入り関係者は注意すべきである。10年後に見栄えが悪いところが増えれば、塗り替えを検討し、出来るだけ高級感のある、メンテナンス費用の安い,内壁の塗装を検討してもらいたい。
Q 21 工事仕様書・要領書は
設計仕様書のほかに、いざ工事が始まる時には工事仕様書とか工事要領書が必要である。しかし工事が進捗すると色々スペックの変更があり、また忙しいということもあり、なかなか工事前に書類として揃わないし遅れる。しかし重要なものなので、計画は計画、変更は変更とはっきりさせて、事前に貰うようにした方が良い。現場監督、コンサルと短時間でスムースに書類の作成・チェックが行われるようにしたほうが良い。それには委員会が多大な関心を持つことが大切である。またEメールの有効利用も必要であろう。
Q 22 長期修繕計画は

管理会社から新築当時より過去3回長期修繕計画の提示はあった。初回の提案では5年目屋上シルバー塗装、7年目TVブースター交換などなど。残念ながら理事各位の、無知、節穴、後回しのために実施されなかった。これは日本人のお家芸、優秀な官僚・バンカーが不良債権処理を10年も放置したのと同じようなもの、いわばDNAかな。管理会社も強く言わなかったということもあり、傷みわけかな。そのため8年目には時々屋上から雨がポツポツ漏り、管理人、管理会社も見てみぬ振り?何もアクションされなかった。大規模修繕が始まってから急遽手直しの大工事。10年内ということで無償修理、本来ならシルバー塗装をしなかったから応分の負担を求められても仕方がないところ。TVは現在、BS,地上波とも良く見えるところと見えないところがある。
長期修繕計画があっても実施しなければ何の役にも立たない。より良い修繕計画が立てられ、見直されること、必要度を見極めて、的確に施工されなければならないのは当り前のことである。
しかし管理会社のいうとうり、工事をやれば良いというものではない。やめたり、遅らせばよいというものでもない。内容を見極める眼力が必要。そのためにには、理事の1年毎総入れ替えは、再考されねばなるまい。また長期人材育成計画も必要ではないか。昔話に言う、貧農は米を作る、中農は土を作る、富農は人を作ると。その伝でいけば建物・設備のいわば技術に明るい『人』を育てること。それには理事会の中で技術担当理事を設け勉強してもらう。10年で10人のアマチュアーの修繕に強い人が育つ。その暁には、終の棲家の100年マンションのための大規模修繕が安く確実に出来る。これを10回で100年マンション!! 何と愉しいことではないか、夢のあることではないか。これは夢幻(ユメマボロシ)か? 俺はどうせ生きてはいないとゆめ言うべからず。
人材の育成が出来れば長期修繕計画もかなり自分達でチェックできよう。コンサルタントにチェックを頼んでも安く済むであろう。また日常の建物・設備のメンテナンスにも細心の気配りが出来て長い目で見ると長期修繕計画がいきることにつながる。ゆめ長期修繕計画を長期修繕しない計画にしないこと。
以上独断と偏見も一部あるとは思いますが、お読みいただきありがとうございます。
ご参考になればこれにすぐる喜びはございません。