癌 雑 誌 に 載 る


ある日突然にメールが飛込んだ。癌患者に元気を与えて欲しい、インタービューして記事にしたいと。ノンフィクション・ライターの関朝之さんからである。雑誌は月刊「がんを治す完全ガイド」 イースト・プレス社発行。その中の「治った人に会いたい」と言うコラム、もう2年以上も連載して1人づつ紹介しているらしい。

小生の前立腺癌のホーム頁を読んで、ぜひともお会いしたいと言う。私は完治手術ではない、5年過ぎて幸いPSAの値は低いが、「治った人」と言えるのかどうか。癌患者に元気印をということなら、予後が比較的良くない癌患者で治った人の例の方が良いのではないかとも思った。しかし完治手術でも23年後に再発した人は多い、それなのに完治でなくても未だ再発していない人と言うことでは候補になるのかもしれない。古希も過ぎた、恥ずかしいが、人のためになるなら?ということでインタービューを引き受けた。

メールで場所を何回か打ち合わせ、最終的には駅近くのファミリーレストランになった。禁煙席で黒いセーター着て雑誌を持っている、すぐに分った。2時から3時時半まで録音機を前にして、質問が続く。前立腺癌の手術とその後がテーマと思ったら、幼少の生い立ちの話から出発する、うろ覚えのことも多い。インタービューは遠慮なく、途切れることなく続く。問われるままに答える、小生は難聴で補聴器をつけているものの、何回か問い返した。

質問が終わってから、写真があれば見せてくださいということで何枚か出した。テーブルの上に写真をおき高級一眼レフデジカメで複写していた。戸外で私の写真も撮った。

3日後に原稿がメールで届いた、早いのに感心する。一部事実と違うところを訂正したが癌とは関係ない人生?が大半であったのには面食らった。喋った言葉がそのまま書かれている、三河弁であることは知っていたが、やたら「ん」が多いのには我ながら吃驚した。

320日発売の前日に出版社から2冊、4月号が届いた。写真入で巧くまとまっている、さすがプロ、読ませる工夫が凝らされている。読んだ本人は一寸照れくさい、ええ格好しているようにも読める。女房の読後感は「私はあなたの生き方に感心したよ、巧く書いてあるわね」だった。

雑誌は廃刊になった。しかし30人のインタービュー記事をもとに本が出版された。ただし写真はない。
帯津良一監修 関 朝之著 「長期生存患者に学ぶ がんを治す法則」  マキノ出版  2007年9月
その目次  第23話  「天与された寿命」と思うと楽になった   杉浦幹雄さん 71歳(前立腺癌、発病64歳) 214頁

 関さんからメールがあった。新しく癌の雑誌を出すことになった。ついては以前の記事をそのまま載せたいとのこと。2番煎じではないかと思うが読む人に勇気を与える記事であると言うからOKした。上手く編集されていたが、大きな顔写真が載ったのには参った。2009年4月号である。


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