トップへ

■認可外保育所ってなぁに
――
誰もが安心して働き続けられ、すべての子どもが健やかに育つために
 
 認可外保育所の設置者は個人立、NPO、株式会社、有限会社、共同保育所など多様です。また、運営のありかた、開設している時間も様々ですが、私たちはその立場をこえて、誰もが安心して働き続けられ、すべての子どもが健やかに育つために努力しています。船橋市内には28の認可外保育所が800人余りの定員でやっています。認可保育所に通う子どもが定員で8000余り人ですので、その大きな役割が実態としておわかりのことと思います。

 ■制度の谷間をうめ、社会に求められるものにするために頑張っています
 認可外保育所は、保育行政のなかで、社会的条件、つまり予算とのかねあいや、その時点で行政として行うのには社会的合意が得られないなど、保育所が整備されていないなかで生まれた事態にたいし、現実に父母の切実な要求に応え続けています。
 たとえば今日大きな社会問題にもなっている「待機児童」の問題です。
 「待機児童」というのは、保育所に入所を希望していて、本来なら「保育に欠ける児童」として行政の責任で認可保育所に措置しなくてはなりません(
児童福祉法第24条)が、認可保育所が満員などで、入所できず「待機」している子どもたちのことです。
 かつて、ゼロ歳児保育は必要であるのにもかかわらず、認可保育所では行っていませんでした。しかし、認可外保育所ではその必要性を40年近く前からとらえ、今日のゼロ歳児保育の理論的、実践的基礎を作ってきました。こうした認可外保育所の努力のなかで、今ではほとんどの認可園で行うようになりました。一時保育や障害児保育も同様な歴史を持っています。
 また、夜間保育などもほとんどの認可保育所では行っていませんが、認可外の一定の保育所で行っています。確かに夜間保育などは、子どもたちの健やかな発達にとって必ずしも好ましいものではないかもしれませんが、父母が夜間働かざるを得ない条件がある場合、労働する権利を保障し、子どもの次善の適切な監護と言う意味では必要という側面もあるのです。

 ■どんな保育所にいても「保育に欠ける」実態は同じだから
 保育という福祉制度は、親が安心して働き続けられるように、またすべての子どもが健やかに育つための社会的な保障という二つの大きな役割をもっています。「少子化」を社会を克服するためにも、何人でも安心して子どもを育てられ、働き続けられるための社会的責任として、充実することが求められます。  私たちは40年近くも以前から、「認可保育所ではやれないけども、本来公的保育が働く父母の立場にたつのなら目指さなくてはならないこと」を考え、父母が働く上で必要なこと、子どもにとって大事なことなら、できるかぎり実践してきました。公的保育の補完を認可外保育所は行ってきたのです。
 そんなときのために
同法の但し書きで「付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない」と次善の策を講じるよう行政に求めているのです。ですから「行政が頼みもしないことを民間や個人が勝手にやっている」としても、結果として行政の責務である保育を補っている認可外保育所などにたいし適切な行政的な手だてをとるのは当然のことなのです。

 ■保育制度を向上させ、「より良い保育」の中味を作るのは親と社会の責任
 認可外の保育施設とは、園庭の広さや規模などさまざまな設置基準の関係で、国の認可を受けていない保育施設のことです。
 国の「認可基準」とは、子どもたちが健やかな成長と発達を果たす上で、「最低限これだけは」というハードとして最低の基準を示したものです。これをより良いものにして公的保育(認可保育所などの制度)の向上をめざすことは、私たち認可外保育所にとっても重要なことだと考えます。私たち認可外保育所においては「認可外保育所への指導基準(国や自治体が認可基準に準じた基準を定めています)」の内容を高めることが、重要な側面です。
 同時に保育というのは、ハコが十分であれば良いというものではなく、子どもの発達を保障するという人間的な行為(ソフト)が決定的に重要です。
 たとえば、保育所の中で職員が学びあい向上できる環境を作ることが必要です。どのような保育所でも保育に携わる職員が安心してして働けるような地位と権利が保障されること、保育実践や理論が蓄積されること、職員の間に保育の質についての共通理解と実践ができるような民主的な運営が保障されることが「保育の質」を向上させる保障といえます。

 ■認可外保育所のメリットを生かす
 認可外保育施設が、必ずしも認可保育所を目指している訳ではありません。
 例えば、認可保育所という制度になじまない特定の子どもを預かるための施設もあれば、特徴的な保育のプログラムを実践したいという施設もあります。また、認可保育所は区市町村が計画的に設置しているので、認可外保育施設が基準を満たせば、自動的に認可保育所になるということではありません。
 認可外保育所は、認可基準を満たさない保育所というデメリットはもちつつ、 公的な保育制度、認可保育所のできることというのは、政治的、あるいは社会的な条件で制約があります。その一方で認可外保育所は父母と子どもたちにとって本当に必要とされる保育の中身を行政の時々の政策に縛られず、実践できるという大きなメリットもあります。
 一口に認可外保育施設といっても、その目的や特徴、目指す保育内容はさまざまです。
 認可外保育施設は、補助金等の収入源がなく、その基準は認可保育所よりも緩やかに定められていますが、イコール認可保育所より劣っているとはいえません。保育理念、保育内容も各保育所にそれぞれの特色があります。しかし共通して言えることは、そこで働く保育士や職員が、なんとか良い保育をしたいと望んでいます。
 認可保育所だから良い、認可外保育施設だから悪いということではないので、保護者自身の目で直接確認し、十分な説明を受け、納得した上で選ぶことが大切です。

 ■認可外保育施設指導監督基準のこと
 船橋市では、中核市への移行に伴い、平成15年4月から児童福祉法第59条に基づく認可外保育施設の状況把握・指導監督をしています。これは国で示した認可外保育施設指導監督基準に照らし実施しているものです。私たち認可外保育所は基準を達成するためにも、保育内容を改善するためもにも、必要な船橋市の適切な補助を求めています。船橋市の認可外保育施設は、補助対象施設とされていません。原則として保護者からの保育料のみで運営しています。多くの認可外保育所の職員は腰痛などの職業病などの労災もおこりがちで、継続的に働き続けることに困難も生じています。
 そこで私たちは船橋市にたいし、@子ども達を安心して保育できるような施設整備と維持にかかる経費負担を行政が適切に行うこと、A適切な人員配置ができるような人件費を、公的な保育所(認可保育所)に準ずる負担を求めています。
 これは特に船橋市だけ他の市町村より手厚い施策をとることを求めているわけではありません。例えばお隣の浦安市では、認可外保育所とその保護者にたいする公費負担を概算4倍から5倍もしているのです(それでも認可保育所にたいする施策より低いのですが…)。

 ■保育料のこと
 認可保育所は、区市町村が保護者の収入に応じて定めているため、その地域内のどの保育所に入所しても同じ金額になりますが、認可外保育施設は、設置者が自由に設定できるため、施設によってさまざまです。
 船橋市では認可外保育所に通園させる場合、月額22,000円が通園補助金が申請によって保護者に出されます。
 料金の定めや上限額はありません。保育の内容に応じて、料金の仕組みも金額もさまざまなので、施設に直接問い合わせてください。
 一般的には、児童の年齢や利用時間に応じた、月極・時間単位の基本料金や延長料金などが設定されてる施設が多く、なかには、契約時に入園金や卒園時に施設維持金を求める保育所もあります。また、食事代やおむつ代、その他のサービスなどが別料金の施設もあります。施設を利用する際は、事前に契約内容について十分に確認しましょう。
 私たちは、子どもを認可に通わせても、認可外に通わせても、行政の保護を等しく受けられるよう船橋市に求めています。
 
 詳しくは各保育所にお問い合わせ下さい。

トップへ