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■共同保育所子どもの家のいままで、これから■





●制度の谷間を埋めて
 共同保育所子どもの家の前身は1971年6月の設立です。
   設立当時は保育所の数自体が少なすぎたり、育休制度が不十分だったりで「保育所に入りたいのに入れない」時代でした。船橋市内に公立保育所は12園、私立保育所は5園だけというありさまでした。働き続けたい、働かなくてはならない親たちは、「ポストの数ほど保育所を」とのスローガンでが「保育所を作って」と市町村などに要望を届けました。1948年に児童福祉法で市町村などは保育所で保育を行なう責務があることがうたわれていましたがなかなか実現しませんでした。
 特に「産休明け保育」は深刻でした。困り果てた親たちは「市がやらないなら、自分たちの手で保育所を作りましょう」と、南本町の県営住宅の一室で親たちが「預かりあい保育」をはじめました。これがそもそもの発端となり、1971年6月、保母(保育士)さんを頼んで「共同保育所子どもの家」を作ったのです。「相久庵」という蕎麦屋さんだった古民家を借りて「園舎」にしたのです。
 このころ全国的で親たちの手で無認可の「共同保育所」が作られました。  公立保育園が初めて産休明け保育を行ったのは、子どもの家が設立されて16年後のことでした。



 保育の歴史は、はじめは「預かってもらう」だけでしたが、保育の実績をベースに自ら科学的な子どもの発達理論を学び合い、高めあって行くのでした。産休明け保育は当時の小児科医でも否定的でした。しかし全国でも沢山の認可園が実施するようになり、今はほぼすべての保育所が産休明けから保育をしています。私たちの実践と保育理論の正しさを証明したといえます。
 しかしながら、なかなか認可保育所に入れない、入りにくい、利用しにくいという「保育制度の谷間」はいまも「待機児童」「特別支援児の保育」などで深いものがあります。ちなみに、子どもの家はいち早く「障害児保育(特別支援児保育)」に取り組んできました。


●よりよい保育の実践として
 子どもの家は認可保育所となりました。しかし自分たちの保育所にかかわる親や子どもたちだけが良ければそれでいい、とは考えていません。子どもたちが、「どこの保育所にいても等しくよりよい保育」を受けられるような制度を求め続けています。その意味で、子どもの家の最大の役割は、「公的保育」の拡大と充実と言っても差し支えありません。

 市内の多くの認可外保育所や認証保育所、小規模保育所などは市が行うべき保育を「補完」しています。ですから、船橋市は、これらの保育所に船橋市の保育行政上で「高い評価」をしているのです。  これらが公的な補助を認可保育所に準じて受け、どのような保育所に通っていても「子どもたちが健やかに、よい良い保育を受けられるよう」願って、ともに活動しています。

 また、私達は認可保育所になりましたが、今後も「よりよい保育」を実現する課題は多いと思っています。
 子どもの家は、実際に施設が小さい、庭がないなどのデメリットはあります。船橋駅直近という位置関係からやむをえないという側面はありますが、子どもたちには出来得る限り最大限の「よりよい保育」を保障したいと思っています。園庭がなくとも晴れてさえいれば毎日お散歩です。ビックリするほど遠くまで遊びに行き身近な自然にもふれあいます。屋上やベランダでは水遊びやプールもして、子どもたちは大満足です。


 特に考えているのは、「保育士さんたちの待遇を良くすること」です。これは安定した保育をする上で欠かせません。保育士さんや職員が働きやすい職場は、豊かな保育の源泉です。子どもの家の職員の経験年数は平均10年を軽く上回ります。「働きやすい」「子どもたちのことを第一に考えられる」保育所を目指しています。
 子どもの家は、予算の中で人件費を最大限確保したいと考えています。ですから、今のように国や地方自治体が保育予算をまともに組んでいない状況には、子どもの処遇改善と保育従事者労働条件の改善を求めていきたいと思っています。これも非営利の一般社団法人の経営だからできることです。

 施設や設備が立派で、運営費がたくさんあれば、優れた保育ができるのかといえば、それだけではありません。もちろんそれらは保育の質を高める一つの側面ですが、同時に、保育実践の主体はあくまで保育従事者です。それを父母と共に協力しながら高めることをしなければ、古い言葉ながら、「仏造って魂入れず」なのです。



 私たちは、常に全国の優れた保育に学び「子どもたちが楽しく、豊かに過ごせる保育所」を作りたいのです。私達の求める保育には、今も昔も「モデル」はありません。「これからの明日に生きる子ども達に何をしてやれるか」を常に念頭に置いて、自ら保育集団のなかで練り上げ、よりよい保育を目指したいと考えています。
 そんな立場から、教育研究予算も一般の認可保育所に比べても多くとるよう心がけています。「すべてを子どもの発達と、保育の質を高めるために」全力を注いでいきたいと思います。

 子どもの家の過去50年を超える歴史は、「保護者自らが作った保育所」だからこそ、「子どもの家、楽しい !!」、そう子どもたちが感じるような保育所でありたい、また「保護者が安心して働き続けられるよう」願い続けていきたいと思います。




●非営利の一般社団法人船橋子どもの家が経営母体の認可保育所です。


 子どもの家は、認可保育所ですが、現役父母や保育者の代表が参加する理事会で、非営利でガラス張りの経営をしています。
 保育の実際も、個々の子どもたちの「今」をしっかり見つめ、子どもたちのそのときの状態に合わせた自由でゆったりした時間が流れます。何より子どもが「保育所が楽しい」と思える保育を心がけています。
 なによりも、父母と保育者と子どもたちが「ともに育つ」保育園でありたいとおもいます


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