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 詩片

 イメージソース、フレーバーテキストみたいなもの。今のところ全部、三訂版対応『Infinite BabeL』からの引用だ。



どこまで続いてると思う?

そう聞いた少年は
階段を上っていった

置いていかれた少年は
瓦礫の街で待っていた

少年は戻ってこなかった

少年はどこにいったのか
辿り着けたのか
迷ったのか やめたのか
あの階段の先に果てはあるのか
この世界に終わりはあるのか
その物語に結末はあるのか

……どこまで続いてると思う?
少年はそう聞いて
階段を上っていった



曲がりくねった小路を曲がれば
いつもの看板が見えてくる
茜色の壁の向こうから
夕暮れの鐘が鳴っていた
今日の仕事はもう終わり
さようならまた明日

たくさん働いた体は煤だらけ
爪の先まで真っ黒だ
何より腹ペコでたまらない
胃袋にたらふく食い物を詰め込まなければ



次々灯る赤橙の灯火が
薄紙の向こうで揺らぐ
くすぐるような香が
焦れるようなむず痒さが
背筋を這う
艶やかな声 蠱惑の眼差し
夢の色香は深く濃く 誘惑を振り撒く

こっちの水は甘いよ。

赤い着物の少年が囁いた



森の奥へと踏み込むように
本棚の間の狭い通路をすり抜ける

歩むごとに深みへ
それはページをめくる事に似ていた
一枚めくるごとに深みへ
いやこの足は歩んでいるだろうか
歩んでいるのは手ではないか
指は乾いたページをめくっている

ここは森だ
抜け出せない 引き返せない
埋もれるような森の中



みしり。
乗り越えた窓枠は小さく軋んだ。

ぱきり。
割れたガラスは弱く砕けた。

きしり。
ありもしない翼は大きく羽ばたいた。

そして物語は死んだ。


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