【少女展爛会オフィシャルサイト】 お試しコンテンツ(塔)>主なエリア




 主なエリア

塔はあちこちに部屋や開けた場所があって、それらが複雑に入り組んで組み合わさってる。その中にはかなり広い範囲に存在が知られている場所、名の知れたエリアがいくつかある。ことによると、住処が近くにあるわけでもないのにわざわざ訪ねてくるヤツもいるような場所だ。
で、そういう場所は大概大きな群れがきっちりルールを敷いてシメてるか、さもなきゃルールのルの字もないような無法地帯だ。
そんな場所に迷い込んだとき、あるいは物語の舞台として使おうってとき、どんなところなのか知っておいたほうがいいだろう。ここではそんな場所のいくつかを案内していく。
自分だけが知っている独自のエリアを物語に持ち込もうってときの、参考にもなるはずだ。



 煙突街
奇妙な連中が多い塔の中でも、比較的『普通』の生活(朝起きてメシ食って、ひと仕事こなしてメシ食って寝る)が営まれている場所のひとつだ。
家の屋根、台所の通気口、明らかに別の場所につながってそうな壁や床、そのほかなんでこんなところから? っていうような。ありとあらゆる場所から。天井に差し向けられる無数の腕のように伸びて、もくもくと煙を吐き出す大小形状様々な煙突。この煙突こそが、煙突街が煙突街たる所以だ。

煙突街を歩くときの注意点はひとつ。
小さな家の間を縫って通る道やらライフラインやらがでたらめに、それでも絶妙なバランスで組み合わさっているから、裏路地や袋小路は当たり前。慣れてないとまず迷うし、慣れてるヤツでもギョっとするような抜け道があったりなかったり。つまり、迷子にならないように気をつけろってことだ。
ここの住人は比較的みんな良心的で他人に好意的なのが多いのが救いっちゃ救いだ。その辺のヤツを捕まえて煙突街に住みたいって頼めば、街案内付きで適当な空き家くらい紹介してもらえるかもしれないぜ。

さて、話を煙突に戻そうか。
煙突のいくつかは、明らかに煙突街とは違う場所につながっている。うっかり煙突が詰まるとその煙突がつながってる場所が大変なことになる……と『言われている』から、みんな熱心に掃除をしている。普通の暖炉や台所用煙突ももちろん大量にあるが、そこはまあついでだ。住んでるヤツから感謝もされるし、なにより自分らの生活に直結してるからな。
んで、どっかの煙突が荒ぶってたりなんかすると、「あぁ、人形街の工房でも爆発したのかな」って誰かがつぶやくのが煙突街ではお決まりだ。

煙突のなかには、お宝が落ちてることがある。
例えばピカピカ光る小石、大層げななんかの部品、生活用品、まあ、いろいろだ。これがまた不思議な話で、このお宝、昨日までなかったものが突然ふっと現れる。もちろん誰かの落とし物ってこともあるけど。
煙突の掃除ついでにお宝を見つけて、それを元手に物々交換で生活している連中をここでは煙突掃除夫、掃除夫って呼ぶ。煙突街に住んでるまあだいたい半分ちょいくらいはこの掃除夫だ。
そのほかにも住人連中にメシを作ってやる代わりにお宝を貰う飯屋や、デカイお宝とちょっとした交換に使いやすいお宝を取り替えてくれる両替屋、広めの根城をキープして間貸ししてるヤツも居るな。
掃除夫が手に入れたお宝と交換で欲しい物を手に入れて、店の連中は掃除夫が置いてったお宝を元手に新しい商品を手に入れて。煙突街での生活は、そんなふうにみんながそこそこ働くことで回ってる。

仕事ってか、宝探しの得意な連中に取り入って養ってもらいつつ根城を点々としてるヤツも居るけど。ヘタこいて恨みを買って背後から「サクッ」とかもごくたまに聞くから、身に覚えがあるなら気をつけろ。
ま、でもそんなあからさまなことしなくたって、気に入らないやつを目の前から消すくらい煙突街じゃわけもないことだ。幸い、ここにはそんなことするようなヤツはほとんどいないけどさ。さっきも言ったろ。気のいいヤツらばっかなんだ。
……ところで、そこの煙突。そう、その、足元のやつ。落ちたら……どうなるんだろうな?



 修道院
だだっ広いフロア一帯に植物が生い茂ってて、ド真ん中にでーっかい水溜りがある。そのほとりにはこれまたデカくて侘びた感じの建物があって『修道院』だとか『寺院』だとかって呼ばれてる。
で、このフロアがまた全体的に妙に薄暗いわ、暮らしてるやつらもなんとなく辛気臭い顔してるわで、不気味なんだこれが。どいつもこいつも、そろいもそろって真っ黒い服着てるしさ。

『修道院』の連中は、群れ固有のルールをがっつり作って暮らしてる。そしてそのルールは、外に向かっても中に向かっても、ひどく閉鎖的だ。「己を律し、清浄な精神を養う」ってのがこの群れのモットーで、入るのも抜けるのもひどく難しい。

は? 入りたい? 物好きだな。

『修道院』に入るには、よくわからん謎かけをされたり、ひとりでなにも無い部屋に数時間ほうっておかれたり、ちょっと頭がおかしくなりそうなテストを何度も受けることになる。で、合格したヤツは例の黒い服を渡されて、これから生活する部屋へ案内される。不合格だと何も言われず入り口まで案内されるそうだ。
で、このテストはリトライ不可。一度しか受けられない。一度落ちたら変装しようが何をしようが、なぜか見破られて追い返されるんだと。

一度群れに入っちまえば起きる時間からメシの時間、昼間やんなきゃならないことだの、寝るまで規則でガチガチだ。しかも3人組を組まされて、常時3人での行動を強いられる。互いがそのルールからハミ出てないか、監視しあうんだ。相手がそりの合うやつだったらまだいいけど、嫌いなヤツだったら最悪だよな。

で、この群れの主なルールは5つ。
1つ目の「殺してはいけない」は、フツーのルールだろうって? 違うんだ。ここの「殺してはいけない」は、犬も猫も、ネズミも虫も、動いてる生き物は全部禁止だ。そういう感じなんだ、全部が全部。

なんでわざわざそんなルール守ってるんだって聞いても、やつらは悟り澄ました笑いを浮かべるだけで答えない。もしかしたら何かあるのかもしれないが……もしかしたらなにも無いのかもしれない。そういう意味では、この塔らしい場所なのかもな。



 ジャンクヤード
ゴミ捨て場、宝の山。人によって呼び方はいろいろ。
鉄クズやら何かよくわからんパーツやら、いろんなものがいたるところに山みたいに積み上げられてる場所だ。積み上がってるのは基本的に誰かが捨ててったものだから、バッティングしない限りは拾ってく分には文句は言われない。……ゴミに混じって頭のおかしいやつや、物みたいに棄てられたやつがウロついてたり埋まってたりするけど、見つけちまったらそん時はそん時で適当に。

ジャンクヤードには、止まったり動いたりしてるベルトコンベアや、トロッコのレールみたいなものがところどころにある。乗っかったものはコンベアに受け渡されながら流れていって……行き止まりに当たって放り出されて積み上がる。でなければ『穴』に放り込まれる。『穴』はあちこちにあって、総数はわからない。けど、どれも暗くて深くて、どこに繋がってるのかわかってる『穴』は1つとしてない。落ちたやつ、落とされたやつもちらほらいるらしいが、帰ってきたって話は聞かないな。

わかっているのはどのコンベアも、1つの巨大な機械の一部分であるらしいことくらい。コンベアの途中や穴に、やばそーな歯や得体の知れない機構がむき出しでくっついてることがあって、コンベアの動きと連動している。巻き込まれたらミンチ必至だろう。でもキャットウォークとかもあちこちに備えているから、横を歩いたり渡ったりとかもできなくはない。さらに時々超レアアイテムとかが流れ着いてくることもあるから、一攫千金目的ならコンベアを中心に探索する価値はある。



 イロマチ
別称『傾城街』やら『遊里』やら。
街は昼でも夜でも薄暗くて、格子状に建物が並んでる。その建物の半数以上は、色を売る……つまり何かの代償と引き換えに、商品となる『男娼』に体を売らせてる店だ。道を歩いてると、客引きに声をかけられることもあるだろう。
システムは簡単。店に入ったら、買いたいヤツを指名してそれに見合う代償を支払う。そうすると店が管理してる部屋を一室貸し与えられて、そこでならそいつを好きにしていい。
ご法度は『殺す』『後に残るキズをつける』『店から連れ出す』こと。特に一回分の代償しか支払ってないのに『男娼』を連れ出して自分のものにしようなんて真似は、死ぬより酷い目に遭いたくなかったらしないことだ。
どうしても『男娼』を連れ出したいってんなら、そいつを身請けするしかない。ただし代償はもの凄いことになるだろうから、覚悟しろ。色を売ってるのは、何かヘマをしたか、他のものの代償として差し出されたヤツが大半だからな。『男娼』を身請けするってことは、その代償の肩代わりをするってことだ。まあ、好きで『男娼』として店に入ってる奴も極稀にいるから、そこは店とそいつと要相談、ってことで。

たまに、店に入ってるわけでもないのに体を売ってるやつもいる。そういうのは大抵、安かろう悪かろうってのが相場だ。稀にどう見たって高級品だろってのが道端に転がってることもあるが、そういうのは止めたほうがいい。店や客とトラブって普通に売れないか、何かしら別の目的がある可能性が大きいんだ。余計な面倒は、背負い込みたくないだろ?



 スラム
俗に言う、無法地帯だ。
盗み、強請りはもちろん、本来なら忌避されるはずの殺しだって当たり前。「油断したほうが悪い」っていうのがここの暗黙のルールだ。
自分の手のなかにあるものは、盗ったんだろうがなんだろうが自分のもの。でもそれはあくまで自分の手のなかにあるうちだけだってのを忘れるな。盗られたって喚いても、ここの連中はニヤニヤ笑って見てるだけで助けてなんかくれない。

マトモなヤツなら、そんな場所に誰が好き好んでいくかって思うだろうな。だけどスラムはただ無法地帯だってだけじゃないのが、厄介なんだ。
何が厄介かって、スラムにはとにかく倉庫が多い。食材やら衣服やら、嗜好品やら……ちょっとした上物から普通じゃ手に入らないような珍品まで、運さえ良ければなんでも手に入る。だから危険を冒して乗り込むヤツもいる。で、そういうヤツらを別のヤツが徒党を組んで襲って身包み剥いで、売ったりマワしたりバラしたり……だいたい、そんな感じの場所だ。

『マワす』だの『バラす』だのはどういう意味かって? ……そういうヤツは、スラムにだけは近づくな。でも一回そういう目に遭っとくのも、勉強ってやつかもな……生きて帰れれば、の話だが。



 ライブラリー
名前の通り、本棚がビッシリ敷き詰められたエリアだ。敷き詰められたってよりかは、本棚が通路を、壁を形成してる、って言ったほうが合ってるか。
本棚の並び方は整然としているようでデタラメ、入り組んだ迷路になってる。段差や行き止まりはもちろん、ヘタすると落とし穴みたいになってる場所もあるから、せいぜい迷ったり落ちたりしないように気をつけろよ
たまに本棚じゃなくて扉や窓がひっついてる壁もあるけど、開けてみたらこれまたビッシリ本が詰まってた、なんてことはよくある。逆に普通のドアで、開けたら誰かの部屋だったってこともあるかもしれない。気になるならとりあえず開ける前にノックしとけ。

ここの本は基本、誰のモノってわけでもない。適当に持ち出して、適当に読んで。返却は、してもいいししなくてもいい。返さなかった場合『司書』に嫌われることがあるかもしれないが、まぁその程度だ。
探している本がある場合は『司書』に聞いてみろ。『司書』ってのはライブラリーエリアで本の整理や修繕をしてる連中のことだ。腕になんかそれっぽい腕章巻いてるヤツらがそうだな。一応群れではあるんだが、それぞれが好きなように好きな本の面倒を見てる。あとは本探してるヤツを案内するとか手伝うとか、本を傷つける行為を取り締まるだとか、大声で喚いている奴を注意する(読書の邪魔になるからな)とかが大体の『司書』が共通してやってることかな。そしてそれ以外の行為には干渉せずってのが、奴らのルールだ。
だだっ広く入り組んだライブラリーのなかで『司書』が見つかるかは運次第。運良く捕まえた『司書』が運悪くお前の欲しい本のジャンルをカバーしてないこともあるかもしれない。ま、ガンバレ。

『司書』以外でライブラリーに常駐してるヤツはあんまり見かけないな。なんたって本しか無いからさ。ライブラリーにいるのは司書か、そのほかの大勢がそうであるように本を探しに来たヤツか……あとは本にとりつかれたヤツか迷子だ。



 ローズガーデン

塔のなかでも特に特殊な場所のひとつだ。
ここに続く螺旋階段を登り切ると、天井がはるか上の方にあって、床はまっ平らな開けたフロアになってる。まず目に入るのが、どでかい空中庭園だ。塔の中にあるのに『空中庭園』ってのはおかしな話だが……他に形容しようもない。無秩序に立てられた、真っ白な無数の柱。壁はない。どこからともなく伸びて絡みつく茨と、咲き誇る薔薇の花。この世のものとは思えないような絶景……とはよく言ったモンで。この空中庭園は、実際のところ、墓地だ。
近づくにつれて、石や木の枝なんかでできた墓標がズラッと並んでんのが見えるだろう。そしてどの墓標にも、薔薇の蔓やなんかが絡みついている。柱の間を縫うようにして作られた石造りの階段を登っていくと、聖堂と安置所もある。ときどき、そこで葬式の真似事をやってるヤツも見かけるな。

でもこの墓地には、墓守が居ない。というか、居るのか居ないのかわからない。誰も会ったことがないからな。だから居ないってことになってる。この空中庭園やら聖堂やらをいつ、なんの目的で、誰が作ったのか。敷地内に枯れることなく咲きつづける薔薇の面倒を誰が見ているのか。そういったことは、全部謎だ。



【少女展爛会オフィシャルサイト】 お試しコンテンツ(塔)>主なエリア