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 「塔」の概観

ただひたすらガラクタが積み上がっただけの塔。『塔』はそれ以外のなにものでもない。厳密に言うとこういう構造物は物理的に存在しえないんだが、それはこの際どうでもいい。実際にこの『塔』は『塔』としてここにあるんだから。……そうだろ?
積み上がってるガラクタは、建材に使われるようなものが大半だ。鉄骨、鉄筋、コンクリ、アスファルト、石材、レンガといったあたりがほとんどを占める。
で、このガラクタなんだが、なんとなく建物じみた積み上がり方をしているわけだ。部屋あり廊下ありベランダあり。水道管や電線みたいなライフラインもごたごたまとわりついてる。だから廃墟が積み重なってできた塔、って言うほうが的を射てるかもしれないな。
とはいえ、いろんな連中が棲み着いてるから、完全に廃墟ってわけじゃないんだが。

塔の外周をぐるっと歩くと棲んでるヤツらの足で大体半日、時間にして約5時間。徒歩が時速5kmとして計算すりゃ、円周は25km、直径約8kmだ。高さは不明。てっぺんまでたどり着いたって話は、誰も聞いたことがないからな。一番下がどうなってるのか、一番てっぺんがどこにあるのか誰も知らないし聞いたこともないんだから、高さなんて測りようがないわけだ。
目の高さや下の方を雲が通っていくのはままあることだ。塔を取り巻くのは空。ひたすら空だ。昼と夜はある。太陽も月も星も別に珍しいものじゃない。
で、これもどういうわけかわからないが、大概の場所で1日3回チャイムが鳴る。明るくなる頃、暗くなる頃、そのど真ん中の頃。もちろん一日真っ暗だったり、一日明るいままだったり、チャイムが鳴らない例外的な場所もある。


 階段

塔にはたまに上の階や下の階に行くための『階段』がある。今居る場所が気に入ってるヤツには関係のないことだが、それでもいろんなものを探しに行くときに知っておくと便利だろう。
だが、『階段』がどこにも見当たらない場所もあるし、その先が天国かっつーとそうでもない。塔の内部にはいろんな場所がある。今居るトコとなんら変わらないかもしれないし、それこそ頭のオカシイ連中の巣窟かもしれない。他にも窓も明かりもない真っ暗な場所やら、蔓草で鬱蒼と埋め尽くされてる場所やら、人っ子一人居ない場所……いろいろだ。つまり上と下がどうなってるかは行ったことがあるヤツしかわからない。昇り降りには充分に注意したほうがいい。
どれがその『階段』かわからない? あー、そりゃ『階段』を見たことがないだけだ。見ればわかる。それは普通の階段とは違う。なんとなくだが、これは上へ、下へと繋がるものだって。そう感じるから、安心しろ。ここはそういう場所だ。


 隣人たち

『塔』に棲んでるのは、見た目少年〜青年くらいのヤツらばかりだ。具体的には9〜19歳ってとこか。
ただ、お前自身を含め、いつからこの『塔』に棲んでるのか覚えてるヤツはいない。気づいたらここにいて、当たり前のようにここで生活してる。だから自分の実際の年齢なんて、わかるヤツもいない。
あと、おかしなパーツをくっつけてる奴も時々いるが、中身はどうせお前と似たようなもんだから変に身構えなくていい。おかしなパーツってのはたとえば、ネコミミ、狐の尻尾、こめかみから生えてる角。あるいは腕やら脚やらが金属製だったり。そんな辺りだ。
ただ、翼のついてる連中はちょっと目立つな。見てるほうが痛くなりそうなくらいぐちゃぐちゃに骨から歪んでたり、途中からもげてたりするんだ。連中の翼がまともなら、空の向こうを見てきてもらうこともできるかもしれないんだが……例外はないらしい。諦めたほうがいいだろう。

そんな連中が『塔』の中のテキトーなところに部屋を見つけて棲んでるわけだ。部屋はあちこちに空き部屋があって取り合いになるほどじゃぁ全然ないし、相部屋する必要も無い。
もっとも、チビどもは無闇に固まるのが好きだし、年上の連中のなかにも、やけに頭数そろえてつるみたがるヤツらがいる。そこら辺のことは次の次の次、『群れとルール』の項を見てくれ。


 ライフラインと植物

ライフラインてのは、水道、下水、電気のことだと思ってくれ。そういう管的なものは塔のなかを血管みたいに縦横無尽に走ってる。電気も水も通ってるし問題なく使えはするんだが、供給が不安定な場所もあるしどっから引いてるのかは謎だ。気になるなら調べてみるといいだろう。死ぬまで暇がつぶせるはずだ。
ガスが欲しいってか。料理でもすんのか。まぁ、ボンベなら探せば大小いろいろ見つかるだろ。倉庫みたいになってるとこ、引っ掻き回してみろよ。

ライフラインは、植物の蔓が巻きついて葉を茂らせたり花を咲かせたりしてることが多い。こいつらも何がどうなって生えてるのかは謎だ。別に害があるわけじゃないみたいだから、眺めて和むとか、ちょっと切って部屋にでも飾っとくとかしたらいいんじゃね。
……茨に飲み込まれて根城が消えた? ああ、そういうこともたまにはある。ご愁傷様だが、新しい場所を探すなり、友達のとこにでも転がり込め。棲んでたヤツごと消えたなら……まあ、そういうことも、たまにはあるな。大概はそんなことになる前に、棲めるようなカンジじゃなくなるから逃げ出すもんだけど。


 生活用品

探して来い。
『塔』には倉庫だの物置じみた場所がいくらでもある。何か欲しくなったら、そこを漁るのが基本だ。食い物、服、家具、多少の娯楽。特に贅沢しなけりゃ、それで事が足りる。何しろ、いくら持ち出してもいつのまにか補充されてるからな。
いつ誰がどうやって補充してるかとかは聞くなよ。誰も知らないんだから。さっきも言ったが、どうしても知りたきゃ勝手に調べるんだな。そういうヤツは今までにいくらでもいたけど、飽きるか、諦めるか、壊れて空に身投げするか、いつの間にか姿を消してるかの4つにひとつだ。例外はない。
特別に贅沢がしたいってんなら、結局、根性入れて探すのが基本だな。本当にいいものはなかなか無い。だがそういうものを探していると、競争相手が出てくるのだけはまず間違いない。取り合いになった時にどうするか、よく考えとけよ?
探す他にも、物々交換、強奪……やり方はある。ここには法律なんてないから、好きにするといい。もちろん、相手のほうも好きにしてくるだろうけどな。


 群れとルール

法律はないが、ルールはある。ルールを決めるのは誰か? 大抵の場合『群れ』だ。
群れってのはようするに、つるんでる連中ひとかたまりのことだ。そういうヤツらはまず間違いなく何か目的を共有していて、それを実現するために自分たちで決めたルールを守ってる。
だから、そういう連中と付き合わなきゃならなくなると、そいつらのルールとも付き合うことになる。受け入れるなり拒むなり、自分なりに決めてけばいいだろう。なかには相当無茶なルールをゴリ押してくるウザい群れもある。そういうのに限って勢力が強かったりすることもままある。気をつけろ。


 群れを超えたルール

群れごとのルールのほかに、誰もが守ってたほうが互いに多少はマシにやってけるっていうルールも、いくつか無くはない。そういう、誰もが共有しているというか、そうせざるを得ないルールは、表向きわりと堅実に守られてはいる。表向きは、だけどな。
……そうだな、簡単には3つ。
とはいえ、このルールを侵したとしても相手によって反応もまちまち。要は、やらかすなら相手と周りを見てやれってことだ。
いなくなる
どこそこの誰々がいつの間にやらいなかった、ってのはよくある話だ。非常に、よくある話だ。瞬きして目を開ける前は同じベッドで隣に寝てたヤツですら、綺麗さっぱり消えてなくなる。
もちろん、お前に愛想を尽かして出てっただけの場合もありうるんだが、生活の匂いを残したまま、その日以降、誰の前にも現れなくなることがあるんだ。
いなくなる当人は、いなくなる何日か前に予感じみたものを感じるようだ。いなくなる前にきっちり身辺整理を済ませてたり、思わせぶりな言葉を残したりするヤツも多い。いなくなるのに耐えられなくて、壊れちまうヤツもいる。
どいういう仕掛けなのかは、皆目わからない。そういうことがあるんだと受け入れるしか、ない。
大概の場合、こういった失踪は『幸福な死』として扱われ、惜別は日常のなかで少しずつ消えていく。たまに悲嘆を抱えたまま、もしくは別れを受け入れられずに取り残されたまま暮らしてるヤツも居るけど。


 「塔」の真相

この塔はなんなんだ? なんのためにあるんだ?
そうした真相は、本家『少女展爛会』と同様にこのTRPGを遊ぶみなさんにお任せしたい。

外の世界はもはや崩壊し、誰も、何も、生きるものはひとつもなくてもいいし、もしかしたら『塔』だと思っていたこの場所は巨大な宇宙船かもしれない。逆に出てみたらなんてことはないありふれた日常があった、なんてオチでもいい。
どういった結末にせよ、そうだとするなら少年たちをこの塔に送ったのは誰なのか。何の目的があってそうしたのか。もしかしたらこれらは、全てたったひとりの少年が見た夢の一束でしかないのかもしれない。
そして、少年のみが存在を許された『塔』で生きる、他でもない少年たちは何を求め、何を望むのか。塔の最上、最下を目指し、塔の真相を暴くべく冒険譚を紡ぐのか、ひとつところに根城を定め、大切な仲間とともに平穏な日々を過ごすのか。それとも荒廃しきった塔のなかで生き残りをかけた抗争を繰り広げるのか。
全ては、少年たちの望むまま……だ。

それらを織り重ね、みなさんで彼らのための物語を紡いでいただければと、願う。


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