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 詩片

 ここでは、これまで発行してきた本の中に登場した、リード文や詩のようなものをご紹介します。
 『少女展爛会』は、おぼろげな気配や、ただよう雰囲気を、大切にします。なんとなく、そんな気配を感じ取っていただければ幸いです。


 明日のパンに事欠かなくて

明日のパンに事欠かなくて
素敵な服もいっぱいあって
好きなお部屋を独り占め
遊び相手もよりどりみどり
 
広い広いお屋敷は
少女たちの楽園
少女たちだけの楽園
 
誰もお掃除しなくても
いつも綺麗な素敵な屋敷
 
誰も血豆を作らなくても
薪の絶えない素敵な屋敷
 
誰もあかぎれ作らなくても
お風呂に入れる素敵な屋敷
 
誰かが来れば誰かが消えて
お部屋の減らない素敵な屋敷
 
さあ 遊びましょう なにして遊ぶ?
お茶会 お喋り ご本にダンス
屋根裏部屋で 内緒の逢瀬
 
さあ 遊びましょう やめたら駄目よ
消えて無くなる その日 まで
 
なぜって ほかには なんにも ない から


 よっつのうた

あったかいっていうことは
なににもまして貴重なことよ
 
煮えくり返るお茶が飲めて?
凍えたシーツに裸で眠れて?
 
あったかいっていうことは
とっても素敵な贅沢よ
 
惨めな服しかなくっても
粗末なパンしかなくっても
誰にも負けないもてなしを
大切な方に差し上げられる
 
鼻で笑ってぬるま湯だ
なんて言うのなら
刻んで花壇に埋めちゃうわ

知っていて?
ぬるま湯の別の呼び方
人肌 って言うのよ
 
いらないのなら地下室にでも
転がってればいいわ



愛は与えるものだと思う?
それとも奪うものだと思う?
 
与えるものだというのなら
お人よしね お気をつけ遊ばせ?
 
奪うものだというのなら
論外ね 刻んで花壇に埋めちゃうわ
 
愛っていうのは歌うもの
愛っていうのは踊るもの
安い愛など育たない
強いた愛など実らない
 
さぁお嬢さん お手をどうぞ
あなたの素敵な眼差しを
ずっと眺めていたいから
あなたの素敵なその指に
ずっとくちづけしたいから



あなたの大好き なーんだ?
紅薔薇 白百合 チューリップ
駄目 駄目 駄目よ もうないわ
虫にやられて 枯れちゃった

あなたの大好き なーんだ?
クッキー キャンディ チョコレート
駄目 駄目 駄目よ もうないわ
みんなわたしが 食べちゃった

あなたの大好き なーんだ?
リボンに フリルに キルティング
駄目 駄目 駄目よ もうないわ
向うの火事で 燃えちゃった

あなたの大好き なーんだ?
アンジェラ イザベラ エリザベス
駄目 駄目 駄目よ もうないわ
刻んで花壇に 埋めちゃった

みーんなはずれ ぜーんぶはずれ
どうして答えが 出ないのかしら

あなたの大好き なーんだ?



刻んで花壇 刻んで花壇
刻んで花壇に埋めちゃった
 
埋めたお手々は もぐらのおめざ
埋めたあんよは おけらのお昼
埋めたおなかは みみずのおやつ
埋めたおつむは ありのごちそう
 
それじゃぁね?
埋めた心は どこかしら
 
どこかしら どこかしら
地面の下って どこかしら
お空の向こうは あるかしら
森の向こうは どんなかな?
 
気になるかしら 気になるかしら
気になるあなたは 刻んで花壇に
埋めましょう
 
ざくざく
 
これでおしまい!


 花占いをするの

花占いをするの
好き 嫌い 好き 嫌い
好き 嫌い 好き 嫌い
そうして最後の一枚を
好きって言いながら じゃなければ
嫌いって言いながら むしるでしょ

でもね それって答えじゃないと思う
だってほら まだあるじゃない 花の芯が

花びらみんな むしられて
蜜を含んで ふるえているの
好きは花びら 嫌いも花びら
残ったこれは なにかしら

それはきっと 約束よ
あなたを 永遠に支え続け
あなたを 永遠につなぎ止めて
あなたを 永遠に縛り付けて
あなたを 永遠に閉じ込める 檻


 とばりを おろす

とばりを おろす
ぼたんを かける
ひもを むすぶ
レエスに透ける 向こう側
大事に包んだ たからもの
見てはだめ 開けてはいけない
耳をそばだて 香りを聞くの
たからものが 欲しいなら
そうしていれば 灯りが落ちて
あなたのその手が 触れるでしょう
噛み切られても 知らないけれど


 セピア色した窓辺に寄せて

セピア色した窓辺に寄せて
今日は思いを書き綴る
あなたに寄せる胸のうち
少しの勇気に変えたくて
 
セピア色した窓辺に寄せて
今日の思い出書き綴る
あなたのくれた宝物
笑顔と言葉とぬくもりと
 
セピア色した窓辺を立って
綴った頁を 暖炉にくべる
あなたに寄せた胸のうち
少しの勇気に変えたくて


 女の子の材料って言ったら

女の子の材料 って言ったら
お砂糖とスパイス それから
美味しいものみんな だなんて
馬鹿にしてると 思わない?
 
砂糖を盛りすぎて胸焼け
意味もなく激辛
涙が過ぎて塩加減も失敗
それがわたしたち
でしょ?
 
でも大丈夫
ちゃんと美味しくしてあげる
料理上手の魔法の指で
 
ようく叩いて柔らかく
一口サイズに刻みます
血抜きもしないであっさり焼いて
したたる旨みを楽しむの
 
さあおいでなさい 可愛い貴女
わたしが美味しくしてあげる
骨まで砕いてしゃぶってあげる
貧乏舌の あの子になんて
頼まれたって あげないわ


 ごちそうさまって言っちゃだめ

ごちそうさまって言っちゃだめ
まだまだこんなにあるんだもん
とっても素敵なマフィンはいかが?
おいしいおいしいマフィンなの
 
おいしいおいしいマフィンはいかが?
おいしいおいしいマフィンはいかが?
おいしいおいしいマフィンはいかが?
おいしいおいしいマフィンはいかが?
 
おいしいおいしいマフィンはいかが?
ごちそうさまって言っちゃだめ
ねえジャムないの? あるでしょ? ジャム
おいしいよって言わないの?
 
おいしいおいしいマフィンはいかが?
おいしいおいしいマフィンはいかが?
ごちそうさまって言っちゃだめ
おいしいおいしいマフィンはいかが?


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