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 「屋敷」の概観

 「屋敷」は緩やかな山腹の、茫漠と広がり鬱蒼と茂った森の中にあり、敷地はかなりの広さに及んでいます。少なくとも小さな湖がひとつ、まるまる敷地に含まれています。
 また、建物の屋上などから眺められる見た目の広さと実際に歩き回ったときの広さがあからさまに食い違っており、見た目よりも遥かに広大で、「おかしな」敷地であるのは間違いないようです。
 敷地のほとんどは手入れの行き届いていない庭園で、様式は場所によってまちまち。園芸植物や雑草が伸び放題になっています。ときに園芸を趣味とする少女が、根気強く愛情を注いで、見違えらせることもあります。
 また、随所に煉瓦敷きや石畳の道が付けられており、敷地内の建物を結んでいます。これらもほとんどの場合手入れは行き届いておらず、足元には注意が必要です。


 「屋敷」の施設

 「屋敷」にはたくさんの建物があり、そのどれもが個性的です。趣味がよいかは、評価者によってまちまちなため、コメントを控えましょう。

 多くは時代がかった大柄な西洋建築で、2〜3階建てです。屋根裏や地下室なども、倉庫などの用途のために大抵設けられます。まれに、とんでもない数の地階を持つものもあるようです。
 東洋趣味などの異国情緒を濃厚に取り入れたものも時折見受けられますが、西洋建築の範囲を大きく逸脱するものは皆無です。
 屋内の部屋もまた多種多様です。充分な広さのある居室は一人向けのものから数人向けの共同生活に向いたものまで様々ですし、キッチン、ダイニング、バス、書庫、小規模な音楽ホールなどの共用設備も充実しています。専門性の高い共用施設を占拠して自分の棲み処とし、料理やら読書やら、趣味に没頭三昧の生活を送る少女もいます。
 これらの部屋がどのように備わっているかは、建物によってまちまちです。

 こうした棲むための建物のほか、聖堂、厩、温室、あずまやなどの付属施設、小さな離れなども散在しますが、その数は多くありません。半分崩れた古代ギリシャ風建築の残骸など、用途の不明なものも含まれています。ある種のエクステリアなのかもしれません。


 生活用品

 この屋敷の最も代表的な謎の一つが、生活用品の供給です。
 衣類と食品。この二つは基本的に、屋敷の中を丹念に探せば必ずどこかしらにあります。食後には必ず美味しいお茶を、といった程度までのささやかな贅沢を満たすものになら、まず困ることはありません。
 それなり以上に贅沢なもの……美味しいワインや極上のドレスなどが欲しいなら、諦めずに探し続けるか、持っている少女から譲ってもらうか、さもなくば自分で作ってしまうかです。特に衣類については、自ら針を手に取り天与のセンスを冴え渡る神業で、見事形にしてみせる少女も少なくありません。生地や糸は結局、「謎」に頼らなくてはならないのですが。
 同様に、料理の達人も一定数が存在しているようです。野菜や果樹の栽培に心を砕く少女も稀におり、食材は比較的、出所の確かなものが多いようです。
 なお、水は井戸、もしくは水道ですが、水道はどういう仕掛けで引かれているのかわかりません。ガスと電気はなく、暖炉、薪ストーブ、薪釜、燭台、オイルランプなどを用いることになります。薪や油はほぼ完全に、「謎」頼みです。


 蔦と茨

 敷地の中の植物もまた多種多様ですが、中でも蔦と茨は特別な意味を持ち、働きをします。
 どんなとき、どのような理由で起こるのかはわかりませんが、蔦や茨が部屋や建物に絡みつき、立ち入れないほどに生い茂ってしまうことがあるのです。
 そんなときの蔦や茨の伸び方は尋常ではなく、注意深い少女なら「侵入」が始まったことをすぐに察知できます。
 抵抗に力を尽くした少女は数多くいましたが、それらの侵入を拒みきった例はいままでありません。棲み慣れた部屋を後にして、新しい棲み処に引っ越したり、友達の棲み処に身を寄せたりするしかありません……しかし、棲み処への思い入れが余りに深く、自身も茨の中に閉じ込められることを選んだ少女もわずかながらいました。

 絡め取られきった建物は、まもなく崩壊し、瓦礫と化します。そして瓦礫の跡は、誰もが忘れ去った頃には、どこへともなく、跡形もなく、本当になくなってしまうのです。
 誰かが残した日記を元に、瓦礫の痕跡を探した少女が、かつてそれを突き止めました。


 動物

 「屋敷」を占領しかねないほどに生い茂る植物に対し、敷地内の動物は、驚くほどの少なさです。
 周囲が森なので、終始いろいろな野生動物がまぎれこんできておかしくないはずなのですが、そんなことが起こるのはごくまれです。そのため、栗鼠やら兎やら、その手の受けのいい動物が見つかろうものなら、ひと騒ぎ起こらずには終わりません。
 また、犬や猫などもわずかに飼育されていたり、半野良状態で敷地を徘徊していたりします。
 幸運にもペットを持つにいたった少女は、みなからしきりと羨望を受けることになります。

 ほとんどの少女たちは気にとめていませんが、これらの動物も全て雌だけです。この状況がいったいどのようにして保たれているのかは、全くの謎です。


 ソサエティ

 少女たちの集まりです。多くの場合、馬が合う同士や同好の士が集まったの仲良しグループです。
 「屋敷」にはこうした集まりがいくつもあり、それぞれに活動しています。大抵の場合は三度の食事やお茶の時間を一緒にすごしたり、歓談したり、時にパーティのようなイベントでともに楽しんだり、といった穏やかな活動に終始します。病気、怪我、あるいは悩みごとなどトラブルの際には、心強い支えとなるでしょう。

 もっとも、ソサエティはトラブルの種でもあります。
 粘着質で嫉妬深く、誇大妄想的な拡大欲求を持ち、無思慮無差別無分別に軋轢を振りまくソサエティは皆無と言っていいと思います。
 しかし少女同士の結束が、時に酷く排他的で陰湿なことはご存知でしょう。「屋敷」においてもこの手のトラブルは皆無ではなく、ソサエティの中、あるいはソサエティ同士の行き違いや対立が様々な軋轢を生み、時に悲劇的結末にいたることすらあるのです。

 ソサエティは、サークルやグループ、会とも言われます。
 同好の士の集まりは、趣味を冠して「お菓子サークル」「読書会」などと名乗ることが少なくありません。
 また、思い入れたっぷりの固有の名前をつけるソサエティも少なからずあるようです。


 翼と羽

 少数ですが、翼や羽を持つ少女がいます。
 しかし、そうした翼や羽は、少女の体重を支えることすらできない小さなものであるか、無残にも折り取られるか、破り取られるかしたものばかりです。
 これら全ては必ず生まれつき──この「屋敷」で目を覚ましてからずっとそう──であり、例外はありません。


 いなくなる

 ふいに、少女が姿を消すことが時折あります。
 さして頻繁なことではありませんが、「屋敷」の常識であり、少女たちは誰もがそういうものだと知っています。
 いなくなるのはほとんどの場合、より長く屋敷に棲んでいる「お姉さん」たちで、例外は非常にまれです。消えた少女がどうなってしまうのかは全くわかっておらず、ゆえにこそ、無条件に事実のみを受け止めることが慣例として定着したのでしょう。

 こうした失踪は最も幸福な死として扱われます。残された少女たちにしてみれば、天寿を全うしたようなものなのでしょう。
 半分は二度と会えない悲しみと不幸が、もう半分は幸福とともに天に召されたことへの祝福が、残された少女たちの間に広がります。
 普通は、悲嘆よりは惜別の空気に包まれた葬儀が営まれ、いなくなった少女はみなの思い出、この「屋敷」の歴史となり、しめくくられます。

 「いなくなる」ことの受け止め方は、少女によって様々です。淡々と受け止めるもの、恐怖に苛まされるもの、その仕組みをなんとか探り出そうとするもの……与えられた時間のほとんどを、それに費やす少女も時にはいます。


 お化け、魔物、怪物、異形

 動物に比べればむしろ、お化けの目撃談の方が数が多いかもしれません。
 この屋敷では誰も使わない部屋でも不思議と荒れないものですが、時々ひどく荒れ果ててしまう部屋や建物がないわけではありません。
 そんな場所や、庭の手入れの届かない一角の深い藪の中で独りになるのは、避けた方がいいのかもしれません。

 かつて不運の死を遂げた少女の亡霊を見た、という話は、真偽を問わなければいくらでも聞けます。
 しかし、そうでない得体の知れないモノがいる、という話も、ひっそりと語り継がれています。
 それらは少女に似た姿で近寄ってくるか、そうでなければ不定形の全くの異形で現れます。時に、動物を真似た姿をとることもあるようです。
 そうした得体の知れないモノは、およそありとあらゆる理解しがたいことや、「屋敷」の秩序を壊すようなこと、果ては少女たちを惑わし、傷つけるようなことをします。ささやかなイタズラから死者を出すところまで、規模は多岐にわたるのだそうです。

 多くの少女たちは囁かれる噂でしたそうしたモノのことを知りません。心霊サークルにでも参加してしつこく追い回さない限り、そうそう出くわすことはないでしょう。
 ……多分。


 「屋敷」の真相

 いったいこの屋敷はどういうものなのか? なんのためのものなのか?
 そうした真実は、このTRPGを遊ぶみなさんにお任せしたいと思います。
 少女たちのみが生きることを許され、少女であることのみが許されているこの屋敷の正体は、この屋敷最大の謎です。
 例えば、屋敷を取り巻く森の外にはありふれた世界が広がっていて、いなくなった少女達は密かに連れ出されているのかもしれません。あるいは、外の世界は当の昔に滅びてしまい、ここにいる少女たちだけが辛うじて生き延びているのかもしれません。
 それは、誰の仕業でしょう? 天使、悪魔、それとも世界的な権力を持つ資産家や大企業? あるいは屋敷そのものの意志?
 そしてなにより、少女たちは何を望むのでしょう。屋敷の永遠の平穏と幸福なのか、いつか屋敷の外に歩き出すことなのか、それとも屋敷の謎を解き、世界を解体してしまうことなのか……
 これらの要素の組み合わせで、みなさんが紡ぐ物語──セッションの行方は、実に様々なものとなるでしょう。


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