BYOUINNZAKA NO KUBIKUKURI NO IE
■■■■■□□□□□
 邦題
 病院坂の首縊りの家
 コメント
 若かりし頃の桜田淳子って、日本人形みたいだと思った。今は知らん。
 ただなー、髪がなー。まるで鬘ぢゃん・・・って鬘か。
 佐久間良子も品のいい美人だなー、とは思ったが、さすがに10代から20代前半の役は、オバサン系の顔なだけに苦しい。
 「老け顔だったのよっ」と言ってしまえばそれまでなんだろうが。
 だとしても・・・。20年経っても同じ顔ってある意味不気味。
 「天河伝説殺人事件」で岸恵子がやはし同じようなことやってたが、中に20年くらいの隔たりがあるシーンが含まれる場合、割り切って別の女優さん使った方が、いいと思いますぅ。
  おはなし
 昭和26年。アメリカへ行く前に「先生(横溝)」の所を訪ねた後、金田一耕介は、病院坂と呼ばれる坂の近くにある本條写真館にパスポート用の写真を撮りに行く。
 そこで金田一は、主の徳兵衛に、「殺されかけたので調べて欲しい」という相談を持ちかけられる。
 金田一が帰った後、その本條写真館に、結婚の記念写真を撮って欲しいという娘がやってきて、その夜、正装をした男が写真館の若旦那・本條直吉を迎えに来る。
 直吉がつれていかれたのは、法眼病院の空き屋敷で、終戦の翌年に一人の女がそこで首を縊ったことから「病院坂の首縊りの家」と呼ばれていた。
 直吉はそこで、記念写真を頼みに来た娘と、彼を迎えに来た男との婚礼写真を撮影するが、翌日その空き屋敷に確認しに行くと、そこにあったものは全て跡形もなくなっていた。
 写真館を再び訪れた金田一を伴って徳兵衛、直吉、写真館の弟子の黙太郎が、女の声で「今夜もまた、空き屋敷で風鈴を撮って欲しい」という電話の依頼に応えるために、再度その空き屋敷に行くと、婚礼写真を撮った部屋の中央には、風鈴の代わりに、花婿だった男の生首が吊り下げられていた。
 警察が呼ばれ、その空屋敷の持ち主である法眼家の一族も現場を訪れる。
 その生首の男と婚礼写真を撮ったのが法眼弥生の娘・由香利だと主張する徳兵衛に、弥生はその写真を見ながらその娘は由香利ではないと否定する。そして、その場に遅れて到着した由香利は、写真に写った娘に瓜二つだった。
 写真に撮られた男女は山内敏男と小雪という異母兄妹で、二人がそこで結婚式を挙げようとしていたのだということが、二人が所属する「アングリー・パイレーツ」というバンドの仲間である吉沢という男の口から明かされれ、この事件を担当することになった等々力警部は、部下の阪東刑事と吉沢を連れて、二人が根城にしていた郊外のガレージに向かう。
 ガレージに置かれたトラックは血に汚れ、血溜まりには兵隊靴の跡があった。
 「生首風鈴殺人事件」の捜査本部では、小雪に好意を持っていたバンド仲間の佐川が等々力警部の追求を受けたが、佐川は敏男殺しも小雪をかくまっていることも否定する。
 一方、事件を調べ始めた金田一は、首縊りの家で首を吊った婦人のことを調査していた。
 首を縊った婦人は、山内冬子といい、法眼弥生の亡夫・法眼琢也の愛人であり、敏男と小雪の母親だった。敏男は冬子の死んだ前夫の連れ子であり、小雪は琢磨と冬子の娘だったのだ。
 金田一は山内兄妹のことを不憫に思っていたという法眼弥生から、行方不明の小雪を探すように依頼される。
 そんな折、捜査本部には、過失により敏男を刺し、今際の際の敏男の遺言に従って敏男の首をつるしたことを告白した小雪からの手紙が届いていた。継母を死においやった法眼家に対し、敏男は激しい憎悪を抱いていたのだ。また、小雪も、その手紙の中で、自殺を仄めかしていた。
 事件は解決したかのようだったが、本條写真館では、直吉と黙太郎が、大きな披露宴の出張撮影を依頼されて出かけていった間に、主の徳兵衛が殺されるという事件がおきる。そしてまた、犯人は、法眼家に関する写真の乾板を割って行っていた。
 様々な人物の思惑が錯綜していたが、現実の話として、弥生が承知の上で、由香利と小雪は入れ替わっていた。
 そしてまた殺人。
 敏男と小雪のガレージで、吉沢が殺されたのだ。
 立て続けに3人が殺され、金田一は法眼家の本籍である南部へ向かうことにする。
 金田一が東京を留守にしている間にも、事件は起こり、件の空き屋敷をこっそり訪れていた直吉は、落下してきたシャンデリアによって重傷を負っていた。
 東京に戻った金田一は、法眼弥生が引き取り手のいない、山内敏男の墓に詣でる由香利に対して、「敏男の墓参りをするのは、貴方が山内小雪だからだ」と告げ、小雪もそのことを認める。
 また、法眼家を訪れた金田一は、法眼家にまつわる複雑な事情を弥生に向かって解き明かす。
 金田一は、弥生が亡くなった義父・猛蔵の影を払拭できず、それにより、弥生が犯行を犯したのだと告げる。15歳の時、猛蔵によって犯された弥生は、その姿を猛蔵の命令によって当時の本條写真館の主(徳兵衛の親父)によって写された上妊娠し、翌年女児を出産したが、それが、5年前首を縊った山内冬子だった。金田一は水沢で冬子を取り上げた産婆の家でそれを確認してきたのだ。
 その事実をネタに猛蔵の言うままに、イトコである法眼琢也に嫁いだ弥生だったが、その弥生を本條写真館の徳兵衛が、写真の乾板を以って金銭的に脅迫し、そして、徳兵衛なきあとは直吉が後を継いだのだった。徳兵衛を殺害し、空き屋敷に直吉をおびき出した上で殺そうとしたのは、弥生だった。
 また、由香利を小雪と疑っていた吉沢の強請りに応じると見せかけて、吉沢から得た情報で弥生を強請り始めた滋をはめるために吉沢を殺したのも弥生だった。
 小雪を庇う弥生は、彼女の上に自分自身を重ねていた。あまりによく似た境遇の彼女を助けてやろうとしたのはそのためだった。
 小雪は敏男に求婚されたが、それを拒んだ。その敏男は、法眼由香利を拉致して、薬を使い、由香利と強引に結婚式を挙げ、その写真を本條写真館に依頼した。
 薬からさめかけた由香利は、自分が妙な姿をしていることに気付いて小雪を詰問し、逃げ出そうとしたが、敏男ともみ合ううちに、頭を強打して死んでしまう。その罪の意識から、敏男はガレージの窓ガラスを割り、破片で頚動脈を自ら切り裂くと、瀕死の体で、自分の首を切って、冬子が首を縊った空き屋敷に、琢也の短冊を付けて風鈴のように吊り下げて写真を撮り、法眼家に送りつけることを頼んだ。
 小雪は、その敏男の遺言を実行するために、由香利の母弥生に助けを求め、弥生はガレージで、敏男の首を切り落とした。
 それらの話が終わったとき、車夫の三之助が、屋根裏の千鶴が亡くなったことを皆に告げに駆け込んでくる。
 等々力警部や小雪たちが屋根裏に向かい、千鶴の死を確認している間に、弥生は三之助と一緒に姿を消した。
 金田一は全ての原因を作った写真の乾板を割る。
 空屋敷に向かう人力車が病院坂を下る。
 件の空き屋敷に到着して、車夫の三之助が覆いをめくると、弥生は人力車の中で毒を飲み事切れていた。
COPYRIGHT(C)2005. [PROJECT TAKO] ALL RIGHTS RESERVED.