年間を通して最も多く訪れる山が皿ヶ嶺である。距離が近く手軽に登れることもその
理由の一つであるが、何よりの楽しみは多くの花に逢えることであろう。また、野鳥も
沢山いて心地良くさせてくれる。
皿ヶ嶺は標高1271m。松山から南方を見るとお皿を伏せたような平たい山が見え
る。ここが皿ヶ嶺。小学生から大人まで皆が親しんでるのが皿ヶ嶺である。
皿ヶ嶺へは色々なコースがあるが、私達がいつも使うのは重信町上林からのコース
である。県道23号(伊予〜川内線)、東温市(旧:重信町)拝志の信号(高畠華宵 大正
ロマン館の看板)を山手に曲がる。正面に見える山頂が平らな山が皿ヶ嶺である。
終点の上林まではバスもあるが便数は多くは無いであろう。途中、白糸の滝への
分かれ道もあるが案内に従い進む。山道でクネクネと曲がってはいるが舗装はされている。
登山口少し手前に水場(水の元と呼ばれている)があり、ここでは夏に”そうめん流し”が
行われる。トイレもありキャビンもある。ここから歩く人も多い。さらに車で3〜4分ほど
登った所から右折する。(真直ぐ行くと上林トンネル[1999.10完成、幅6m、長さ860m]へ
出てしまう。久万町畑の川へ続いている。冬期は閉鎖)直ぐに広い駐車場に着く。
ここにもトイレと非難小屋がある。水さえ確保できればキャンプも可能だ。
この直ぐ上が「風穴」と呼ばれる場所。”皿ヶ嶺県立自然公園 ”の看板がある。現在、
風穴へは駐車場付近から数本の遊歩道が付いて整備?が進んでいる。風穴では岩
の間から冷気が噴出してきているので、特に夏には涼みに訪れる人も多い。また、こ
こには名物の花がある。ヒマラヤ原産のブルーポピー?が見られる。咲き始めるとテレ
ビでも紹介される。
ここから途中の湿原の竜神平まで緩やかな登山道を歩く。ほどよく整備されておりブナ
やケヤキ、ミズナラなど自然林の中を歩く心地良さはこの上ない。風穴から約30〜40
分の所に標識があり、「竜神平」へは2ルートに分かれる。直進(上林峠方面)して
探鳥コースを一回りして竜神平へ入るコースと右折して直に着くコースがある。竜神平
には無人の「愛大小屋」があり、トイレもある。「竜神平キャンプ場」はここの事だろう。
秋にはお月見もいいかも?
山頂へはブナの林を抜け歩く。竜神平までよりは少し勾配がきつくなるが山頂までは
約20分程で着く。山頂近くの木立の間から東方向に石鎚山、堂ヶ森から鞍瀬の頭に
かけての笹原が見える。山頂からは、はるか南に五段高原の風車、美川スキー場、
中津明神山なども見える。
山頂まで登っても片道1時間少々。途中の竜神平まででも良いし、風穴から少しの
所で花だけ楽しんでも良いし鳥の声を聞くだけでも良い。とにかく、皿ヶ嶺は、春の
芽吹き、草花の開花、鳥のさえずり、夏のキャンプ、秋の紅葉、雪の訪れなど四季折々
の楽しみができる比較的、楽に登れる最高の山だ。
【皿ヶ嶺で見られる主な花】
▼詳細花暦へ
春(3〜5月)
フキノトウ、ミツマタ、ショウジョウバカマ、ハシリドコロ群生、色々なスミレ、イチリ
ンソウ、ヤマブキソウ、ヤマブキ、ハルトラノオ、コミヤマカタバミ、ヒトリシズカ、
ツツジ類、コンロンソウ群生、シロバナエンレイソウ、ルイヨウボタン、シャクナゲ、
ヤマネコノメソウなど
夏(6〜8月)
ヤマボウシ、ギンバイソウ群生、ハンカイソウ、コバギボウシ群生、ヌマトラノオ、
キツリフネ、ハガクレツリフネ、ヤマアジサイ、イワタバコ、カワラナデシコ、
ツリガネニンジン、フタリシズカ、タニギキョウ、ミズチドリ、ドウダンツツジなど
秋(9月以降)
シコクブシ、レイジンソウ、アキチョウジ、オタカラコウ、リンドウ、ヤマラッキョウ
アケボノソウ、サラシナショウマ、ジンジソウ
[その他] 極々少ない植物については、掲載を控えております.
【交通の詳細】
高速道で松山自動車道川内ICを降り直の陸橋を左折し、県道23号(伊予〜川内線)を
伊予方面へ走ること約5分。高畠華宵 大正ロマン館の看板のある信号を左折する。
正面に見える平らな山が皿ヶ嶺。
R56利用の場合、伊予市大谷川橋の信号を東進し砥部町へ入りR33を横切り上記交差
点右折。
R33利用の場合、砥部町拾町の陶芸店
「梅野」から東進。後は上と同じ。