2003年7月23日 692号  魔神ガロン


 小学生のころ、お盆に田舎へ行ったとき、いとこから「冒険王」を見せてもらった。そこに手塚治虫の「魔人ガロン」という作品があった。ある日、空からガロンというロボットが落ちてくる。ガロンは、巨大パワーを持ち、村人が長い間待ち望んでいた林道を、一夜のうちに作ってしまう。それを見た悪人が、ガロンを金儲けに使おうとしたり、国は戦争に使おうとする。
 実は、ガロンは、宇宙人が地球人を試すために落としたもので、ガロンを地球人同士が、友好のために使えば、自分たちも友好を結び、殺し合いに使うようなら、地球人を滅ぼしてしまおうというものであった。田舎で読んだのはそこまで、その先がどうなったか、わからないままだった。
 最近、漫画喫茶で、「魔人ガロン」を見つけた。地球は滅びていなかった。だが、ガロンを平和のために使ったから滅びなかったのではなく、ケン一というガロンの友達が、ガロンをタイムマシンで遠い未来へ送ったからだった。
 「人間は、まだまだ未開だ。結局ガロンを戦争に使ってしまう」と。ここに手塚治虫の、現代観が現れていると思う。現代に、ガロンはいないか?いやいる。現代の科学技術全体が、ガロンではないかと疑うのは考えすぎだろうか。

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