2002年7月17日 646号   ふりだしに戻る 佐藤 高雄


 グランドホテルの近くで職場の顔合わせがあり、おいしいお酒をご馳走になった。
 ほどよく酔いがまわった頃お開きとなり、僕の方向音痴を知ってか知らずかTさんが「一人で帰れるかい?」と心配してくれる。知らない街を散策するのも一興と思い「大丈夫、だいじょうぶ」と軽く返事をして歩き出した。
 小一時間も歩いただろうか、少し不安になり始めた頃、ブックオフやユニクロなどが見えた。「たしかこの辺だ」とほっとする。
 ところが肝心の社宅がわからない。仕方なく通行人に声をかけると、「北町?歩いていくんですか?」という。よく聞くと北と南の方角を間違えて、遥か南まで来てしまったらしい。「タクシーで帰ったほうがいいですよ。」と忠告してくれたがこうなったら意地でも歩いてやると、礼を言って歩き出した。
 ところがグランドホテルの前まで来てあえなくギブアップ。なにかすごろくのふり出しへ戻ったようで、なんとなくいまいましかった。

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