2001年9月19日 605号  「日本の黒い夏」を観て   佐藤 高雄


 この映画は、1994年長野県で起きた「松本サリン事件」で第一通報者で被害者でもあった河野さんガ、逆に犯人にされるという冤罪をテーマにしています。
 間違った思いこみで捜査を進める警察、視聴率一辺倒で過激な報道をするマスコミ、群集心理に流される世論、それぞれの間違いにブレーキがかかることなく、無実の一市民が殺人犯にされていく。
 この構図は、今も何も変わっていません。そう思って観ると、不気味な恐ろしさがこみ上げてきます。
 映画の後、河野さん本人による講演がありました。 植物状態にある奥さんがいつか回復すると信じて日々を過ごしていることなどを穏やかに淡々と語っていてとてもやさしい印象でした。
 「千と千尋の神隠し」が日本映画の興行収入記録を塗り替えたとか。「千と千尋」も確かに良いのですが「日本の黒い夏」のような映画こそ、マスコミによって操作されやすい自分を見つめなおす為にも、日本人必見の映画ではないかと思います。

たんぽぽ目次へ戻る

通信労組目次へ戻る