パソコン税税とIT投資促進税
 平成11年度から2年間実施されたパソコン税制(特定情報通信機器の即時償却制度) は青色申告をしている法人や個人事業者が、100万円未満のパソコンなどの情報通信機器を購入した場合に、減価償却の必要がなく購入価格を一括経費に計上することができる。
 利益が出ている法人企業・個人事業者にとっては、一括経費に計上でき節税効果が期待できます。(本来は10万円以上の資産を購入した場合、その費用を減価償却資産に計上し減価償却法により経費として計上しなければなりません)
 しかし平成15年1月1日〜平成18年3月31日の間(時限立法)、パソコンやデジタルコピー機等の9品目について、取得価額50%の特別償却または10%の税額控除を認めたIT投資促進税制が創設された。
 青色申告を提出している資本金3億円以下の法人又は個人の場合は140万円以上に適応される。
現行の中小企業投資促進税制では、パソコン等の特定の器具備品は、取得価格の合計が120万円以上となる場合に、30%の特別償却または7%の税額控除を適応することができるが、これからは取得価格が140万円以上であれば、IT投資促進税制で50%特別償却(10%の税額控除)を選択する事ができる。
例えば中小企業が15万円のパソコンを10台購入した場合の減価償却の計算方法は、下記の4つので計算出来る。
【一括3年償却】と言うのは、平成10年の税制改正で、少額資産の取得価額基準を20万円から10万円未満に下げた。10万円〜20万円未満は一括3年償却制度を設けていて、これを適応している。
法定償却(4年定率) 一括3年償却 中小企業投資促進税制 IT投資促進税制
初年度 65.7万円 50万円 110.7万円 140.7万円
(法定償却65.7万+50%の75万)
2年目 36.9万円 50万円 17.2万円 1.8万円
3年目 20.8万円 50万円 4.9万円
4年目 11.6万円
5年目 6.5万円
6年目 1万円
(耐用年数4年、定率法によりいずれも期首に取得したものとして単純計算)
法定償却は年によって率が異なるため、4年償却だが6年になる。更に償却後も5%を残す決まりになっていて、6年の合算が150万円にはならない。その5%は器具備品を廃棄した時に残りの全てを算入できる。一括3年償却以外は5%の償却を残す。
 少額減価償却資産の損金算入特例
 少額減価償却資産の損金算入特例(新設)は、中小企業において、30万円未満の少額減価償却資産の取得価額を取得した事業年度に全額損金算入(即時償却)する特例制度が創設された。
 但し、固定資産税の課税対象からは除外されない。同制度を適用するためには、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付する必要がある。

[改正前]

 

[改正後]

   

中小企業者等の特例制度の創設

取得価額

償却方法

10万円未満

取得した事業年度で全額損金算入(即時償却)が可能

10万円以上
20万円未満

事業年度ごとに一括して3年間で償却(残存価額なし)が可能

20万円以上
30万円未満

耐用年数の区分に応じ、減価償却費を期間配分して計上

取得価額

償却方法

30万円未満

取得した事業年度で全額損金算入(即時償却)が可能

例えば28万円の備品を購入した場合、資産に計上してもいいし(損だが)、特例制度を活用し、全額損金に算入してもよい。ただし国・道を除き、市町村においては固定資産税の対象になる。