公益法人・社団法人とは? −公益法人白書(公益法人に関する年次報告)から− 言葉の説明
(公益法人の定義)
公益法人とは、一般に民法第34条に基づいて設立される社団法人又は財団法人をさし、その設立には、
1.
公益に関する事業を行うこと 積極的に不特定多数の者の利益を実現することを目的として事業を行うことという意味です。平成8年9月20日に閣議決定では、同窓会・同好会・互助会・後援会等は、公益法人として適当でないとされています。
2.
営利を目的としないこと 役職員、会員、寄付者等公益法人関係者に利益を分配したり、財産を還元することを主たる目的とする事業を行わない、ということです。
3.
主務官庁の許可を得ることが必要 設立に当たって、その法人の目的に関連する事務を所掌している官庁の許可を得る必要がある、ということです。
(社団法人)
 社団法人は、一定の目的のもとに結合した人の集合体であり、団体として組織、意思等を持ち、社員は別個の社会的存在として団体の名において行動する団体です。社団法人には社員が存在し、その会費をもって、総会の決定に基づいて運営されます。
(財団法人)
財団法人は一定の目的のもとに拠出され、結合されている財産の集まりであって、公益を目的として管理運営される団体です。 財団法人には社員は存在せず、基本財産の運用益をもって、設立者が定めた寄附行為によって運営がなされます。
 しかし、社団法人において会費のみ、財団法人において基本財産の運用益のみで事業を行うことは困難となってきているので、基金を有している社団法人や、会員制度を有している財団法人が数多く存在しています。
 
(広義の公益法人) 
一般的には、公益法人とは民法第34条に基づいて設立される社団法人及び財団法人のことを指しますが、民法以外の特別法に基づいて設立される公益を目的とする法人のことを、便宜上「広義の公益法人」ということがあります。それらの法人には、以下のものがあります。             
学校法人 私立学校法
社会福祉法人 社会福祉事業法
宗教法人 宗教法人法
医療法人 医療法
更生保護法人 更生保護事業法
特定非営利活動法人 特定非営利活動促進法
 民法に基づく公益法人の設立に当たって許可主義が採られているのに対し、これらの法人の設立には認可主義あるいは認証主義が採られています。

(特殊法人)
 特殊法人とは、法律により直接に設立される法人又は特別の法律により特別の設立行為(政府が命じる設立委員が行う設立に関する行為)をもって設立すべきものとされる法人で、国際交流基金、宇宙開発事業団など

(認可法人)
特別の法律に基づき民間の発意により限定数設立される法人で、日本商工会議所、日本赤十字社など
 
(公益法人の会計)
1. 定款又は寄附行為に定められている目的の範囲内において立案された事業計画に沿った予算を作成し、すべての収入及び支出をこの収支予算書に基づいて執行すること
2. 会計帳簿を複式簿記の原則に従って正しく記帳すること
3. 計算書類(収支計算書、正味財産増減計算書、貸借対照表及び財産目録)は会計帳簿に基づいて収入及び財産の状況に関する真実な内容を明瞭に表示するものであること
4. 会計処理の原則及び手続並びに計算書類の表示方法は毎事業年度これを継続して適用し、みだりに変更しないこと
(公益法人に関する税制)
1. 公益法人自身に対する税
公益法人自身に対する税には、国税として法人税、所得税、消費税等、地方税として住民税、事業税、地方消費税、不動産取得税等があります。
2. 税法上の収益事業
公益法人が、税法上の収益事業を開始した場合には、開始後2か月以内に、収益事業開始届出書を所轄税務署長に提出する必要があります。「年次報告」によると、収益事業の届け出をしていると回答した公益法人数は全体の3割(約7,800)となっています。
(情報公開の状況)  「指導監督基準」では、
1. 定款(社団法人)又は寄附行為(財団法人)
2. 役員名簿
3. 社員名簿(社団法人のみ)
4. 事業報告書
5. 収支計算書
6. 正味財産増減計算書
7. 貸借対照表
8. 財産目録
9. 事業計画書及び収支予算書
      を主たる事務所に備え付け、原則として一般の閲覧に供することとされています。