空気清浄機はタバコの煙に無効
 タバコの煙のほとんどは空気清浄機で除去できないガス相成分で、有害性をもつ物質の96.7%が空気清浄機を素通りしています。タバコの煙のダイオキシン濃度はごみ焼却場の3倍〜18倍と非常に高濃度。
 厚生労働省は、職場の喫煙対策について、従来推奨してきた空気清浄器は効果が薄いとして、煙を完全に屋外に排出する排気装置や喫煙室を設置するよう求める方針を決め、労働安全衛生法に基づく指針を7年ぶりに改定した。
新指針
 これまでOKだった空気清浄器の使用や喫煙コーナーの設置を原則として排除。会議室や応接室も喫煙者と非喫煙者が混在するため、「原則禁煙」を打ち出し、煙とにおいを完全にシャットアウトした対策を求めている。旧指針は、喫煙室か喫煙コーナーを作り分煙を促していたが、新指針では、たばこを吸わない人の受動喫煙対策をより確実にするため、非喫煙場所と明確に区切られている喫煙室の設置を最優先に挙げた。
 室内の空気を吸い込んで再び室内に戻す空気清浄器は、ニコチンやベンゼンなど有害物質の除去が不十分であるとして、屋外に煙を排出する換気扇などの設置を求めた。喫煙室や喫煙コーナーから煙がほかの部屋に漏れず屋外に流れるよう、喫煙場所に向け、毎秒0.2メートル前後の空気の流れをつくる数値目標も導入した。
共同通信社:2003年5月9日
禁煙と分煙
全面禁煙 施設内を全面禁煙とする。建物内だけ禁煙の場合と、敷地内禁煙の場合がある。建物内禁煙で外部に喫煙場所を設ける場合は、外の通行人に対する受動喫煙への配慮が必要。
完全分煙 喫煙場所を設置し、排気装置により環境たばこ煙が完全に流れ出ないようにする(次の条件を満たすことが必要)。
非喫煙場所から喫煙場所方向に一定の空気の流れ(0.2 m/ s以上)があること
デジタル粉じん計を用いて、喫煙場所の時間平均浮遊粉じんの濃度が0.15 mg/ m3以下でかつ  、非喫煙場所の粉じん濃度が喫煙によって増加しないこと
検知管を用いて測定した喫煙場所の一酸化炭素濃度が10 ppm以下であること

 生命保険はタバコを吸う・吸わないで保険料が異なります。当然、喫煙しない方の方が保険料はお得になります。非喫煙者の場合、3〜4割お得です。30年間で最大で220万円もお得になります。喫煙の有無が問われない生命保険では、非喫煙者は早死にする喫煙者の保険料まで余分に支払っていることになります。非喫煙者には割高。喫煙者にはお得です。
     
出典:Doll et al. Mortality in relation to smoking: 40 years' observations on male British doctors. Brit Med J 1994;309:901-911