7時間寝る人が一番長生き、4時間の睡眠時間は2倍の死亡リスク?
 日本人約11万人を対象にした10年間の大規模追跡調査で、約7時間(6.4時間〜7.4時間)の睡眠時間の人が一番死亡率が低いことが解った。
 調査は名古屋大大学院の玉腰暁子助教授(予防医学)らの共同研究グループが文部科学省から研究費を受け、北海道から九州まで全国45地区で1988年から実施。今回は99年までのデータを分析した。
 40歳から79歳の男女約11万人を対象に、睡眠時間や飲酒、喫煙、運動の生活習慣、ストレス度などを問診票に記載してもらい、10年間追跡した。死亡率が最も低かったのは、男女とも睡眠時間が7時間と答えたグループで、睡眠が長くなっても短くても、死亡率は高かった。
 4時間以下の睡眠時間の人は約2倍の死亡リスクがあり、循環器や免疫機能に影響が出てくることが解った。また10時間以上の人も、それぞれ73%、92%高く、男女とも睡眠時間が減少するほど、あるいは増えるほど死亡率が高くなるとの結果。従来言われてきた「8時間睡眠」は、7時間睡眠に比べて、男性で11%、女性23%、それぞれ死亡率が高いという結果が出た。睡眠の短い男性の場合、仕事上のストレスが、睡眠と死亡率の両方に悪影響を与えている様子もうかがえた。
 睡眠に詳しい国立精神・神経センターの内山真・精神生理部長は「『8時間睡眠が良い』という神話があるが、睡眠は必ずしも長いほど良いというわけではない。睡眠の質が大切」とアドバイスしている。
(読売新聞)