“咀嚼”は「切れる子ども」の有効手段
54回関東甲信越静学校保健大会歯科職域部会が平成15年8月28日、千葉市のホテルザ・マンハッタンで開かれ「切れる子どもには咀嚼トレーニングが有効」どとする研究発表がされた。 
 基調講演「咀嚼はセロトニン神経を鍛える」で有田秀穂東邦大学医学部教授は、近年増加傾向にあるといわれる「切れる子ども」の原因とされるセロトニン神経について解説。少しのストレスで攻撃的で残忍な行動を取る子どもは、テレビゲームのやり過ぎ、とじこもりの生活、昼夜逆転の生活などでセロトニン神経が弱くなり、うつ、睡眠・覚醒リズムの障害、傷みに対する過剰反応、姿勢が悪いなどの前兆を示す研究結果を報告。ウォーキングやジョギング、気孔などの呼吸法、咀嚼訓練といったリズム運動を行うことが有効とした。 
 さらに有田氏は、咀嚼訓練がセロトニン神経を鍛える点に着目。「噛めない子どもはセロトニン神経が弱っているのではないか」との仮説を立て参加者に問題提示した。
(2003年9月16日日本歯科新聞)