小児用バッファリンに注意!
 バッファリンは有名な解熱鎮痛剤ですが、この商品名で使用されている薬剤に成分と名称が異なった種類あるのを知っていますか?すなわちバッファリンといっても全く別物なのである。
主成分
医院 小児用バッファリン アスピリン × 製造中止
バッファリン81r錠 アスピリン 抗血栓作用・不妊治療薬、歯科で使用不可能
薬局 大人用バッファリン アスピリン 分割して小児に解熱薬として投与してはいけない
小児用バッファリンCU アセトアミノフェン 市販中
 医院用に製造されていた「小児用バッファリン(アスピリンを主成分、ライオン製薬)」は、昨年11月ライ症候群との関係で製造中止された。しかしアセトアミノフェンを主成分とする「小児用バッファリンCU」は市販されている。ここにネーミング的なまぎらわしさが生ずる。しかしライオン製薬は同剤が抗血栓作用・不妊治療薬として優れているため、新たに抗血栓剤「バッファリン81r錠」として売り出した。それが紛らわしさに拍車をかけている。最近、抗血栓薬としてハイアスピリン(バイエル製薬)が出されている。アスピリンは、たくさん服用すればいいといったものではなく、高用量のアスピリンは血液凝固抑制作用が減弱する(これを「アスビリンジレンマ」と言う)。
1. 厚生省の通達によりアスピリンの使用上の注意が書き換えられ、15歳未満のインフルエンザや水痘に罹った児童への投与が「慎重投与」から「原則禁忌」になり、「15才未満 の小児には使用しないこと」と明記された。
2. 抗血栓剤「バッファリン81r錠」として売り出された薬剤は解熱鎮痛剤ではないので歯科では使用できない。
3. 市販されている大人用バッファリンの1錠を1/4に割ると、製造中止になった小児用バッファリンにほぼ匹敵。→安易に大人用の薬を割って小児に投与してはいけない
4. 現在最も小児に安全とされている薬剤
     アセ卜アミノフェン    カロナール・アロピニー
     イブプロフェン      ブルフェン
5. メフェナム酸(ポンタール)・ジクロフェナックNa(ボルタレン)も厳重注意薬剤である。
  ※アスピリン
 アメリカの映画を見ると頭痛持ちがアスピリンを常用しているシーンに出くわすことがある。世界中で永年にわたり使用されているアスピリン、空腹時に飲むと胃液が強酸性となり、胃粘膜に対する攻撃因子を強め、更に防御因子を弱める二重の働きで胃潰瘍を作りやすくする。他にインフルエンザや水痘にかかった乳幼児にアスピリンを投与すると、ライ症候群(急性脳症)を引き起こす可能性があます。
 「バッファリン」という薬は胃液が酸性になりすぎないように、アスピリンにアルミニウムやマグネシウムなどを入れ、緩衝作用(バッファー)を作っており、名前の由来はここにある。現在子供には使用禁忌。
 ※NSAIDs
非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(non-steroidal anti-inflammatory drugs)のこと