眠りを誘うナイトミルクの秘密
 睡眠ホルモン メラトニンとは?
秘密のカギは牛乳に含まれる「メラトニン」にある。脳の「松果体」という器官から分泌されるホルモンだ。別名「睡眠ホルモン」と言われるメラトニンには脈拍や体温、血圧を低下させるなど、睡眠を促す作用があるからだ。さらにメラトニンは産生が光によって抑制されるため「夜間に多く分泌される」という性質も持っている。昼間の光が弱まると、徐々に産生量が増えてゆき、真夜中頃にピークに達する。その後、減少し始め、翌朝になると極端に減って、覚醒が起こる、というわけだ。
 ちなみにメラトニン分泌量は年齢ともに減少する。お年寄りがなかなか寝つけなかったり、明け方に目がさめてしまうのはこのためだ。こうした性質を生かし、アメリカなどではメラトニンのサプリメントも販売されている。時差ぼけ予防に愛用するビジネスマンや国際線客室乗務員も多いとか。メラトニンを含む牛乳が格好の催眠薬となるのもうなずける話だ。
 おすすめはナイトミルク
 ところが今、森と湖の国フィンランドで、ある催眠効果の高い牛乳が人気を呼んでいるという。その名も「ナイトミルク」。夜間に搾乳された牛乳だ。人間と同じく昼行性動物の牛が、夜間により多くのメラトニンを産生するのは、あたりまえといえばあたりまえだが、なんとナイトミルクのメラトニン含有量は通常の3〜4倍なのだそうである。
 健康に敏感なフィンランドの人々だけに、健やかな眠りを取り戻したい、という思いは真剣なものに違いない。