受動喫煙で動脈硬化の危険度アップ、免疫細胞増を確認
 たばこの先端から立ち上る煙(副流煙)や喫煙者のはき出す煙を吸い込む受動喫煙で、血液中の免疫細胞の数が増えることを筑波大社会医学系の谷川武・助教授らが突き止め、14日発行の米国医師会誌に発表した。
 リンパ球など免疫細胞は、ウイルスや細菌を殺したり、抗体を作ったりするが、増え過ぎると血管内の炎症を起こし、動脈硬化の危険が高まるとされている。
 谷川助教授らは、電力事業所の男性従業員670人の血液中のリンパ球や白血球など免疫細胞の数を調べ、喫煙者(363人)、喫煙経験者(154人)、喫煙歴がなく家族や同僚にヘビースモーカーがいる受動喫煙者(118人)と、非受動喫煙者(35人)に分けて比較した。
 その結果、リンパ球数は、非受動喫煙者と比べ、喫煙者が1・7倍、受動喫煙者が1・3倍だった。リンパ球の中で、血管内の炎症と深くかかわるとされる細胞(CD4)は、喫煙者が1・8倍、受動喫煙者が1・3倍で、白血球数は、喫煙者1・2倍、受動喫煙者1・1倍だった。
(読売新聞4月15日)