口 臭
 口臭はそのものは病気ではないが、人間の社会的な営みの中で、紀元前より一貫として存在する口腔関連問題である。1998年に歯科人間ドックのオプショナルプログラムに取り込まれ、全国の歯科大学には相次いで口臭外来(Fresh Breth Clinic)が開設されてる。
 また時代の流れとして、若者の中では香りに対して敏感、即ち潔癖性症候群と相まって、口臭への関心が高くなっている様に思われる。これは若い女性の中で流行(?)となっているホワイトニングと相呼応して、口腔周辺問題として押さえる必要がある。家電量販店で1999年6月に販売された口臭チェッカー「フレェッシュキス(タニタ)」は発売半年で85万個を売り上げたということから、口臭に対する関心の深さが伺える。
 
口臭は、剥離粘膜上皮・食物残査・遊離白血球・死滅した細菌等を口腔内嫌気性菌が酵素活性によりタンパク質を分解・腐敗させ、その時発生する揮発性硫黄化合物(硫化水素やメチルメルカプタン)を発生させることにより生じる。

フレェッシュキス(タニタ)
¥1,999円(税別)
(百満ボルト帯広店)
検知方式は半導体ガスセンサー。
 彼が顔を背けた、手を口に当てた、ひょっとすると、私、口臭する?口臭を教えてくれるのは、歯医者さんか連れ合い位です。悩んでいてはいけません。悩んでないで歯科医院にご来院下さい。
口臭が気になるか?  自分 87%
他人 93%
  分  類
真性口臭症 生理的口臭(TN1)
朝起きたとき、ストレス、緊張時、寝不足時、月経時、老人性「口臭が気になる方はストレスや緊張を無くし、唾液を促進する 事を気を付ける」
外因性
タバコ・アルコール・ニンニク
病的(TN2)
むし歯・歯周病・不良補綴物
全身的疾患(TN3)
A. 胃などの消化器疾患
B. シェーグレン症候群
C. 鼻疾患
D. 糖尿病
E. 腎臓病
F. 尿毒症
仮性口臭症
 (TN4)
 すれ違う人達が皆顔をそむける、これは自分が口臭があるせいではないか」と、本当は口臭がしないのに、自分で自分を心配する。
 大阪大学では、1ヶ月に口臭外来に訪れる200人の人の内、約3割がこの中に入るとしている。新潟大学の口臭クリニックでは210名の’98からの1年間に来院患者総数の35%が仮性のものであった。
口臭恐怖症
(TN5)
 口臭は、口腔内細菌と唾液のバランスの不具合によって発生する。歯ブラシ舌苔を取り除くことは重要だが、唾液の不足を忘れてはいけない。 生理的口臭は唾液不足が典型的に現れた口臭であり、その場合は歯ブラシや舌苔をとる他に、唾液の分泌を促進させる必要がある。
 口臭防止対策
1. 口臭防止運動:
まず口をとじたまま、歯をカチカチと噛み合わせてから、口腔内で下先 を左右5回づつ回し、最後に下をなめる。ポイントは舌が上下に行かない。 
2. 消臭ガム
3. お茶
4. 食間に2杯の水  サラサラの唾液をつくるには水分が必要
●逆にマイナスに作用するのが
  イ 過度のビタミン剤の服用 − 不要分が唾液中に分泌してPHを下げ酸性にする。
  ロ 余りにも毎食後すぐの歯磨き − 食事によって発生した唾液がなくなる
 洗口剤
洗口剤は化粧品扱いで詳しいデータは無いが、界面活性剤や抗菌剤が含まれ、副作用として味覚異常や歯色の変化をきたす。また洗口後、どんなに吐き出しても約10%位は飲み込んでいる様です。患者の中には感覚的に好む方がいて、「オゾン」の殺菌効果による洗口が有効。
 舌苔のクリーニング
人によって個人差があるが、舌苔は舌後半の2/3から後方にかけてたまりやすく、分界溝の直前までのクリーニングをお薦めします。回数に決まりはありませんが、外出前にすると効果的です。また舌が傷つかないよう優しくすることも大切。タングメイト・歯ブラシ・ウーリット・ガーゼを使用。
※舌苔の豆知識
深酒や体調不良、風邪などの発熱後によくみられます。平成12年10月号の日本歯科評論の特集に、中国医学の立場からみた、舌苔による健康診断法が取り上げられている。舌苔を局所的観点から捉えるのではなく、全身状態の指標のあらわれとして捉えられており、こういう全身的観点から舌苔を診る事も必要。
 口臭予防Goods
A.タングメイト
  先端二又にアーチ状に歯間ブラシを張り渡したような形していてブラシのパイオニア的商品
B.フレッシュメイト
  タングメイトの改良版で、特にソフトタイプは要介護者向けの舌清掃具。
C.ウーリット  
  薄くて波状のエッジを持つプラスチィック器具。舌苔がよくとれるが舌乳頭が傷つき易い
D.フレッシュメイト K

フレッシュ
メイト K
 口臭測定
1. アテイン(株式会社タイヨウ
口腔内に存在するウレアーゼ(アンモニア産成酵素)に対して基質を加え、発生するアンモニアガスを測定する間接的口腔内ガス測定器。直接的に口臭を測定するわけではない。口腔内アンモニアガスと揮発性硫黄化合物間の相関関係を利用。
2. ハリメーター(モリタ)
口腔内の揮発性硫黄ガス濃度を測定するガス測定器。一時的な臭いをも測定してしまう欠点をもち、全く呼気臭気は反映されていないし、口腔内ガスにしても揮発性硫黄ガス以外のガスは検知されないと言う欠点がある。
3. ブレストロン((株)ヨシダ)
口臭の原因となるVSCガス(揮発性硫黄化合物)を45秒で検知し、4段階で表示。
▲最終的には術者の臭覚で行う官能検査による確認も必要。