骨粗鬆症とビスフォネート製剤 | |
高齢者特有の疾患、特に閉経後の女性に好発する骨粗鬆症はQOLを著しく損なうため早期発見・早期治療が緊急の課題となっている。 骨粗鬆症の診断・治療・薬効評価法が大きく変わりつつある。診断に関しては骨折の有無よりは骨量低下や骨萎縮が重要視されるようになった。最近では骨代謝マーカーの測定が普及し薬効の評価も可能となった。薬物による治療法は主に活性型ビタミンD3製剤やHRT(女性ホルモン補充療法)、更には優れた骨折予防効果を有するビスフォスフォネート製剤が使用できるようになった。 |
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@ | 閉経前の女性では月経周期が正順であれば有意な骨量減少は起こらないのに対し、閉経が近付き月経周期は不順な状態では,たとえ閉経前であっても骨吸収が促進され骨量減少が認められるようになる。 |
A | 骨量変化は周閉経期女性の月経停止から3年以内が顕著で年間で約3〜4%の骨量減少が起こる。以後は一時的に下火となり、閉経後13年以降で再び骨量減少がみられ2相性を呈する。 |
B | 閉経後の骨量減少はまずエストロゲン欠乏による高回転型(骨形成と骨吸収がともに亢進)の骨量減少が起こり,やがてそこにカルシウム代謝の異常による骨量減少が併発してくるものと考えられる。 |
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骨粗鬆症は骨吸収と骨形成の平衡関係の破綻による疾患。骨形成は骨吸収に比べ約5倍の期間を必要であり、骨吸収が亢進すると骨形成が追いつかず、結果、骨粗鬆症となり、骨吸収の亢進する高回転型と,骨形成の低下する低回転型がある。 |
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骨粗鬆症の診断に利用される骨代謝マーカーは骨形成マーカーと骨吸収マーカーの2種類に分類され,国内では骨形成マーカーとして血中骨型アルカリホスファターゼ(BAP),骨吸収マーカーとして尿中デオキシピリジノン(DPD),尿中および血中I型コラーゲンN末端架橋テロペプチド(NTX)が保険適用。 |
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日本骨代謝学会が作成した原発性骨粗鬆症の診断基準によれば,脆弱性骨折が認められるか,または骨密度が若年成人女性基準値の70%以下の場合は骨粗鬆症と診断、薬物療法の対象となる。 HRTは閉経後女性において骨密度を増加させる効果があり閉経後女性の骨密度を1〜3年間で5〜10%増加させる。しかし副次効果や発癌性という短所もある。一方ビスフォスフォネート製剤は優れた骨吸収抑制作用を有し骨粗鬆症の治療薬として益々重要な位置を占めつつある |
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まとめ:骨粗鬆症の治療を受けている方は歯科医師に知らせる事と、抜歯等の歯科治療を受ける予定の患者さんは抜歯等の処置を済ませてからBP製剤の投与を受けましょう。最後にBP製剤は高カルシウム血症の治療にも使用するので注意が必要。 |